概説
アーサー王最期の戦いに使用された名槍。
別名を「ロンの槍」といい、アーサー王伝承ではこの名で登場している。
幅広で長い穂先を持ち、一撃で五百人の兵士を吹き飛ばすとされるが、それ以上のことは分かっていない。
エクスカリバーと並ぶアーサー王の宝物だが、エクスカリバーが目立つこと、またこの槍の登場が、アーサー王伝説の佳境の「カムランの戦い」のみであることも手伝って、あまり取り沙汰されない。
最期の戦いとなったカムランの戦いでは、モードレッド卿の反逆にあった際、エクスカリバーを帯剣せずこの槍で戦いに挑み、カムランの戦いにて休息するモードレッドを見つけるや、一騎打ちを仕掛けて胴体を貫いている。モードレッドも死を覚悟し、剣でアーサー王の頭部を渾身の力で斬り付け、致命傷を負わせて絶命している。
エクスカリバーを帯剣しなかった理由は伝承ごとで差異があるが、このときアーサー王はモーガン・ル・フェイの計略でエクスカリバーの鞘を喪失し、鞘の“不老不死の加護”を得られずにいたのは確かである。
後世、ウェールズ地方の騎士物語に「ロンゴミニアド」の名で登場している。
さらにのちに、俗説でロンギヌスの槍と同一視する動きもあるが、時系列で擦り合わせるとガラハッドが昇天した際、ロンギヌスを聖杯と共に抱えて持って逝ってしまった後なので、どうしても信憑性は薄い。
聖杯探索自体も、キリスト教的な騎士道のプロパガンダの要素が強いため、綯い交ぜにされた可能性もある。
関連タグ
ロンギヌスの槍:同一視される槍。