概要
戦国末期、奥州の伊東紀伊守祐忠により案出されたと伝えられ、江戸時代に流行したと言われる。
通常、槍は両腕を同時に前に繰り出すか、片方の掌を滑らせるように繰り出すかして相手を突くが、管槍は片方の手で管を握りもう一方の手で柄を握ってピストン運動のように勢いよく突きを繰り出す。
特出すべきはそのスピードで、通常の槍で起こる手との摩擦や引っ掛かりを管によって極限まで無くすことで手でしごくよりも遥かにスピーディな刺突が可能となっている。
その速さから早槍(くだやり)の字が使われる事もあったと言われる。
なお、現代ではこの管槍の構想を取り入れた消火器具が用いられている。
尾張貫流槍術
尾張貫流槍術とは江戸時代前期、津田権之丞信之によって創始された管槍を使う槍術の流派。現在でも愛知県に古武道として伝わっている。
ねじるように槍を突き出すことで穂先が螺旋を描くように繰り出されるのが特徴。現在の試合や稽古で使う穂先の付いていない槍でも防具の面をへし曲げるほどの破壊力を誇るため、穂先が付いた状態で突かれたならひとたまりもないだろう。
尾張貫流槍術の起こりは新陰流とされ、槍術のみならず剣術も重視され修練されているのも特徴。
「槍法を知らずして刀術を語ることなかれ、刀法を知らずして槍術を語ることなかれ」という言葉が尾張貫流槍術には伝わっている。
関連タグ
五和(いつわ)・・・とある魔術の禁書目録に登場する槍使い。有事に即席管槍を用いた術式を用いる。