「余は、愛して、いる、ぞ、我が愛しき妹の子。」
「───ネロォオオオオ!!」
プロフィール
概要
『Fate/Grand Order』に登場するバーサーカークラスのサーヴァント。レアリティは☆2。
ファンからの愛称は「伯父上」。
第1部2章『永続狂気帝国 セプテム』に敵側のサーヴァントとして登場。狂化されているということもあり、終始敵として暴れた後主人公陣営に敗北、退場した。同シナリオのネロは生前の姿として登場しているため、数年前に死んだはずの伯父が復活したことに驚いていた。
イベント『ネロ祭』ではローマ組として参戦。ただ、その時の通り名が「まあ偉大なローマ」「ピコ偉大なローマ」等。もう少し扱い何とかなりませんかね……?
第2部5章後編『星間都市山脈 オリュンポス』では自陣側として登場。とある理由によって狂化の悪影響が消失しており、バトルボイスも限定のものに変化。狂気と縁深いその特性によって精神を狂わす存在への切り札を担い、終始一行の頼もしい味方として奮闘した。
真名
月に愛されし古代ローマ帝国三代皇帝、『カリギュラ』。
第五代皇帝・ネロの伯父であり、その母である小アグリッピナの兄。
ネロと並び、後世に悪名高いローマ皇帝として知られる人物。
当初は精力的に政務に励み、名君として人々に愛されたが、即位してから2年後、病に倒れ、それが完治した時には別人のように変貌していたという。
そして彼は狂気へと落ち果て、かつての面影などない暴君へと化し、暴虐と淫蕩、悪行と倒錯の限りを尽くし、恐怖で帝国を支配した。そして最終的に元老院をはじめとする勢力を中心とした多くの人々の叛意の刃によって暗殺される。わずか四年の在位であったが、その名は数々の暴虐とともに人々の記憶に深く残ってしまった。
当時のローマの価値観に在って、狂気とはすなわち「月に愛された」とみなされるという。そう、彼は自ら暴力を、鮮血を、悪逆を求めたのではなく、月の女神ディアーナの籠愛を受けたのである。帝国の暗部に蠢く悪しき格率をはね除けられぬまま権謀術数の渦に呑み込まれんとしたその身を、女神は反転させていた。
悪逆の皇帝として知られる彼はどちらかと言えば反英雄に近い存在だが、英霊として人類史に刻まれた。彼はそれを狂気に囚われながらも胸に愛が僅かでも残っていたがためだと信じている。
人物
一人称は「余」。
その狂気の伝説もあって、英霊となった今なお重篤な狂化に人格を支配されており、自制が効かない状態に陥っている。嗜虐を好むサディストとして目に付いた敵すべてが暴虐と悪行の対象となるが、サーヴァントの性質として基本的に自陣営には牙をむくことはない。
言語能力もほぼ消失しており、常に苦しげな唸り声を上げぎこちないカタコトを口にしたり、特定の単語をシャウトするのみといった有様で、まさしく獣じみた雰囲気を放っている。
だが、それでも祖国ローマと姪であるネロへの途方もなく愛は失われておらず、それらを引き合いに出して接触を図られると暴走が止まる事もある。
聖杯にかける願いも「狂気を消し去り、名君と呼ばれた頃の自分に戻りたい」である。
作中何度か狂化されていない理性的な状態を拝む事が出来るが、古風な言い回しで喋る理知的にして勇敢な性格で、深い愛を備えた、かつて名君として謳われたのも頷ける人物像となっていた。
この様に自分の意志で狂気を無理やり抑え込むこと自体は可能らしいが、無理をしていることに変わりなく、後でその反動で普段以上に暴走してしまう。バレンタインイベントではマスターへのプレゼントを作るために限界を超えて狂気を押さえつけていたせいでその後深刻なレベルで暴走、ナイチンゲールとロムルスが駆けつけて何とか事なきを得たほどである。
能力
己の肉体一つで戦う肉弾戦バーサーカー。その肉体は強靭無比な武器と化している。
モーション中では、赤黒いエネルギーを纏ったボクシングのような徒手空拳を主体とし、ドロップキックや頭突き、爪での引き裂きなどのアグレッシブなファイトスタイルを見せる。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
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紀伊イザヤ | A+ | B+ | B+ | D+ | D+ | C |
藤丸立香 | A+ | B+ | B+ | D+ | D+ | C |
宝具以外に全てプラス補正がかかっており、特に筋力はA+と神話級の英霊と同格まで跳ね上がっている。加えて耐久性と敏捷性もBクラス以上と、正面から迎え撃つのは簡単ではない。
ただしスキルによるデメリットを複数抱えているため、カタログスペック通りの性能を発揮できるかは別問題。なによりいろんな意味で暴走しやすい人格のため、カリギュラを思い通りに制御すること自体難しい。
保有スキル
狂化(A+) | バーサーカーのクラススキル。理性と引き換えに驚異的な暴力を所持者に宿すスキル。全ステータスをランクアップさせるが、理性の大半を奪われてしまう。ローマ帝国をより拡大し繁栄させねばならないという使命感だけは失われていない為、ローマを引き合いに出して味方から接触を図られた場合は幸運の判定を行い、成功すれば暴走が自制される。ローマにゆかりの人物から接触であれば、判定にプラス補正が加わる。即ちネロやロムルスのアプローチであればまず確実に自制に成功する。ただし、自制したところで「暴走せずに待機状態になる」だけ。完全な意思疎通が可能となる訳ではない。 |
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皇帝特権(A) | 本来持ち得ないスキルを、本人が主張することで短期間だけ獲得出来る。該当するのは『騎乗』『剣術』『芸術』『カリスマ』『軍略』と多岐に渡る。Aランク以上では、肉体面での負荷(『神性』など)すら獲得が可能。 |
加虐体質(A) | 戦闘時、自己の攻撃性にプラス補正がかかるスキル。これを持つ者は戦闘が長引けば長引くほど加虐性を増していく。元々持っている『狂化』スキルに性質が近い為、カリギュラはこのスキルを最大限には発揮出来ない。 |
在りし日の栄光(B) | 名君として生きた四年間の記憶はカリギュラの狂気を和らげず、むしろ加速させていく。精神干渉系の抵抗判定にプラス補正がかかり、素手攻撃時の筋力パラメーターが一時的に上昇するが、この効果を使用する度にカリギュラは自身にダメージを負う。暴走する狂気が霊核を軋ませるのである。 |
宝具
我が心を喰らえ、月の光(フルクティクルス・ディアーナ)
- ランク:C→C+
- 種別:対軍宝具
- レンジ:1~50
- 最大補足:300人
「そうかァ……!」
「女神よ……おお……女神が見えるゥ……!『我が心を喰らえ、月の光(フルクティクルス・ディアーナ)』ァァァッ!!」
空から投射される月の光を通じて自身の狂気を拡散する、広範囲型精神汚染攻撃。
一軍を相手に使用すれば、おぞましくも惨憺たる状況が生まれるだろう。
本来の使用条件は「夜であること」。
彼の狂気の発露は月の女神ディアーナ(オリンポス十二神のアルテミスに相当)の寵愛と加護――という伝説が昇華された宝具。その為、この宝具は女神アルテミスの縁者には通用しないが、あくまで設定上のものであるためか、ゲーム内の戦闘では普通に効いてしまう。
第2部5章後半でのゲストでは専用の宝具ボイスが設定されている。
「征くぞ、カルデアのマスター。」
「女神よ!貴女(あなた)の加護(かご)は此処に……『我が心を喰らえ、月の光(フルクティクルス・ディアーナ)』!!」
ゲーム上での性能
ランクは☆2(UC)で、エイリークと同格。
エイリークよりも攻撃面で勝るが、ただでさえ紙防御なバーサーカーとしては低めのHPが痛い。
カードも《Quick:1/Arts:1/Buster:3》と、バーサーカーらしくBuster偏重の配分。
スキルは、3ターンの間自身の攻撃力を上げる代わりに防御を下げる「加虐体質(A)」と自身のHP回復と攻撃UP・防御UP効果がランダムで加わる「皇帝特権(A)」の自己強化型。
「皇帝特権」のバフがランダムなのがネックだが、ただ全部乗っかったときの攻撃力は中々のもので、Busterチェインが乗っかれば敵をその鉄拳で跡形もなく粉砕せしめる。
もっとも、バーサーカーの特性と相俟って短命なので、盾役で守ってやるのは必須となる。
宝具効果は【敵全体に高確率でスキル封印状態付与&高確率で宝具封印状態付与(共に3ターン)】と、バーサーカーに珍しい妨害系の使い手。また属性もArts。スキル封印は宝具レベルで、宝具封印はオーバーチャージで確率が上昇する。
スキル封印のほうは低レア故に宝具マックスにしやすく最大限発揮しやすい一方、宝具封印のほうは効果が安定しないため、相手の耐性が高いと無駄撃ちに終わる危険性も否めない。
しかし宝具封印効果には敵のゲージのチャージも食い止めるというかなり嫌らしい効果が付随しており、しかもこちらはオーバーチャージで成功確率が上がるため、使い方次第では敵に必殺の一撃を打たせずタコ殴りも可能。2021年2月の『聖杯戦線』と同時に強化クエストが実装され、【敵全体に防御ダウン(3T)】が追加。効果の倍率も高く、より鋭い一撃を見舞う事が可能になった。
アーチャーとアサシンは特にチャージが早いので、対抗策としてパーティーに組み込み、魔術礼装を「カルデア戦闘服」に換え、いざというときに「オーダーチェンジ」を使って妨害に打って出てもらうという戦術が組める。
さらに『サーヴァント強化クエスト第4弾~1周年特別編~』で第3スキル「在りし日の栄光(B)」を習得。効果は【自身のBuster性能を1ターンUP+自身のHPを500減少】で、Busterチェインの破壊力がさらに増した。さらにCTが全スキル最短で初期でも5ターン、最大強化で3ターンになる。HP減少のデメリットがあるものの、「皇帝特権(A)」で相殺可能なので大した問題ではない。
運用に当たっては、鉄砲玉覚悟の攻撃要員か、妨害策で相手を狂わせる変則アタッカーかで使い方が変わってくるので、目的に応じたマスター側の采配が求められる。
意外にも高難易度クエストへの適性が高く、特に特種スキルで即行チャージMAXをおこなう相手へのストッパーとして概念礼装「カレイドスコープ」を持たせて宝具をブッパさせる戦法で、敵陣の猛攻を押し止めることが出来る。あとはそのままボコるもよし、退場してもらって主力に悠々と戦わせるもよしと、戦術の幅が広がる。
色々攻撃に偏った性能であるため、強みを伸ばすと破格のダメージを叩き出せることがある。復刻版『深海電脳楽土 SE.RA.PH』での高難易度クエストで登場したHP200万のキングプロテアを、マーリンなどのバフで強化したレベル100カリギュラにより1ターンで倒したプレイヤーもいる。
他作品での活躍
Fate/EXTRA CCC FoxTail
坂神一人の父の同僚であった紀伊イザヤのサーヴァントとして登場。一人のトーナメント1回戦の相手として対決する事となる。『我が心を喰らえ、月の光』の効果でJKセイバーを狂化させる事で徒手空拳の命中率を上げようとしたものの、スキル『才知の祝福』を発動したJKセイバーの迷いの無い一太刀の前に敗北した。
関連人物
生前
実姪。アグリッピナとは生き写しであるらしく、狂気に堕ちてなお超溺愛している。
幕間では部屋一面やそこら中にネロのポスターを貼っているが、一体どこから調達してきたのか。
一方で大胆な水着姿は些か目に余るらしく、狂化を抑えつけて「服を着ろ」と注意している。
実妹。ネロの母親でもあり、彼女のことも同じく愛していることが会話の中から窺える。
ろび~な作画の『フェイト/エクストラ』では、生前のネロの回想として出てきている。
Fate/Grand Order
祖先ユリアの兄。偉大なる先達として、その逸話を幼い頃のネロに語っていたらしい。
初期のお月見イベントでは共演し、互いに振り回したり振り回されたりした。
マイルーム会話では「子を捨てるな」と警告している。
ローマ建国の父たる神祖。
その偉大さ故に崇敬しており、彼の前では狂気も穏やかになる。異聞帯では自身そのものを触媒に、対オリュンポス十二神の切り札として神祖としてのロムルスを呼び寄せた。
アルテミスに縁深い神話の狩人。
同じ月の女神に運命を狂わされた者同士(もっともオリオンの場合は半ば自業自得だが)。
現界手段がかなり特殊なせいか、女神の気配を感じて反応する。
契約したマスター。
ネロに似ているらしく、彼/彼女への態度はわりと穏やかで父親のように接している。ネロの良さで言葉をかわさなくても通じ合う仲。そして、第2部5章後半クリア後には……
余談
戦闘アニメーション改修には伴い、マイルームボイスも追加された。
それに際して、ある異聞帯を越えたマスターには涙腺崩壊必至のサプライズが用意された。
悲愴と艱難辛苦の果て、一つの奇跡がマスターにもたらされる。それは紛れもなく、英霊カリギュラからマスターへの最大の褒賞に外ならない。