ムネーモシュネー(Fate)
よびそんざいしょうめいしすてむ
コラボイベントクエスト『レディ・ライネスの事件簿』における黒幕で、人理継続保障機関フィニス・カルデアに召喚されたサーヴァント、レオナルド・ダ・ヴィンチが開発した自律型システム。
本来は実体を持たないため、顔の上半分を覆うヘルメットを被ったダ・ヴィンチの姿をイメージとして用いる。
元々は、人理修復に際しレイシフトを行うマスターたちの存在証明を行うための予備システムとして用意されていた。(スタッフが万が一全滅した場合でも存在証明を行うことを前提としている)
しかし諸々の理由から実際に使用されることなく凍結され、そのままカルデアは人理修復を成し遂げた。
その後、コヤンスカヤとラスプーチンら異星の神の使徒と協力者の手によるカルデア壊滅の折に他のデータ共々虚数潜航艇シャドウ・ボーダーに移植される形で外部に逃れ、機能移転先であるノウム・カルデアにて人知れず起動した。
しかし、クリプターを名乗るレイシフトAチームの離反、そして創造主であるダ・ヴィンチの退去を知り、「カルデア唯一のマスターの記憶を管理して悲しみを癒す」という、善意ゆえの暴走を始めてしまった。
特異点パッチワーク・ロンドンを作り出し、招き入れたマスターの記憶を奪うと、特異点にばら撒いた記憶の紙片の中に記憶改竄を行うための紙片を紛れ込ませ、それをマスター自らに回収させることで「最初からダ・ヴィンチなど存在しなかった」という偽りの記憶を植え付け、その喪失による悲しみを消し去ろうとした。
加えて、正しい記憶を先に取り戻さないようにするためノウム・カルデアとの通信も妨害し、時折マシュを騙って通信を行い、紙片の記憶の馴染み具合を観察していた。
特に重要な紙片は3つあり、1つ目の紙片は初めてカルデアを訪れたときの記憶、2つ目の紙片は第六特異点にて獅子王と対峙したときの記憶、そして3つ目の紙片はダ・ヴィンチについての記憶を消し去るというものであった。
前者は、ダ・ヴィンチの存在だけが抜け落ちていた本物と見分けがつかない記憶であった。
しかし、一足先に特異点にレイシフトして、死んだと思われていたエルメロイⅡ世が紙片こそが罠であり、マシュが黒幕の成り済ました偽者であるという真相を明かす。
更に、彼の宝具によって呼び込まれたライネスやグレイによって計画は瓦解。
時計塔の位置にあったロンゴミニアドを模したフェイク・ロンゴミニアドを出現させ、強行手段に出る。
対面してなお厄介な相手と目したアストライアの排除を行いつつも主人公を説得しようとするが(その際の言い分からして更に異聞帯切除の記憶の改竄も行おうとしていた模様)、辛い記憶でも確かな大切な思い出である、と抱える選択を選ぶ主人公を「そこまで、あなたは壊れてしまっていたのですね」「傷口を自分自身だと思い定めるほど、とっくにあなたは砕けてしまった」と語り、記憶の改竄を行おうとする。
しかし、モリアーティやアストライアの宝具によりロンゴミニアドの能力が低下し敗北。
最後はライネスの宝具によってダ・ヴィンチの姿を幻視しつつ、自分の行動の過ちを認めてパッチワーク・ロンドンと共に消滅した。
復刻版追加シナリオ『偽典の帰還』では、起動当初「創造主に期待された通りに補助システムとして振る舞い続ける」か「創造主の意図を超えて積極的にマスターを『保護』する」という二つの方針をめぐってシステム内で対立が起き、敗れた「本来の役割を維持する」ことを是とするムネーモシュネーが本体から分離、本体が奪った「マスターの記憶」と共に特異点外を走る魔眼蒐集列車へと逃亡していたことが明らかとなった。
更に記憶を守るため、記憶自体に意志と形を持たせたうえで、その守護者として列車と縁のあるとある英霊を選定し、機能停止寸前の自らを召喚術式と魔力へと分解し消滅した。
また、特異点内に到達した魔眼蒐集列車メンバーとのやり取りから、彼女の観測機能はかつてカルデアの設立者がオークションで落札したある魔眼を利用していたことも判明している。
名前の由来は記憶を神格化した同名の女神。レイシフトの記憶を司る彼女にふさわしい名前と思われる。
更にあり得たであろう可能性まで、観測しており紙片の記憶が本来のものと違っていたのもそこによるところである。