干将・莫耶
概説
- ランク:C-(アーチャーが投影した場合)
『捜神記』など中国の伝承に登場する二振りの剣。名前は作成者である刀鍛冶の夫婦に由来する。
黒い陽剣「干将」と白い陰剣「莫耶」で構成されておりお互いが引き合う性質を持つ。また作中では言及されていないが、コンテマによるとそろえて装備することで対魔術、対物理が上昇し武器や宝具としてのランクも上昇するとのこと。
宝具としてのランクはそう高くはないが、投影の際の負担が低い上に非常に取り扱いやすい構造をしている為、アーチャーが好んで使用する。
また、魔除けの文句が刻まれており、原典の干将・莫耶は破魔の剣としての側面を持ち、大海魔やゴルゴーンなどの魔性に特攻を入れることが出来る強力な宝具だが、原典の担い手が未だにFateシリーズに登場していない。
アーチャーはこれを強化する事で鶴の翼を思わせる巨大なオーバーエッジ形態に変化させる事が出来、後述の鶴翼三連のフィニッシュに使用する。また、彼の力を借りる少年が使用した際には何本も投影して一斉に強化するという方法でアサシンに大ダメージを与えた。オーバーエッジ形態でバーサーカーにダメージを与えている描写があるので宝具のランクが上がっているのかもしれない。ただDEEN版は原作と違う部分も多いので、たんなる設定ミスの可能性もある。
アーチャーの別側面は担い手の心意気など糞食らえという心情の持ち主である為か、二丁の銃剣の付いた拳銃に改造しており、遠近両方に対応させた戦法を展開、宝具も莫耶に銃弾を込めて放つ。
また、改造を加える事で巨大な両刃の薙刀に変形させるといった使用方法も可能で、こちらの形態はシャドウアーチャーも使用している。漫画版新宿幻霊事件では閃光弾を放つ、薙刀を分割していつもの二刀流スタイルに転じるなどの応用を見せた(刃のデザイン事態は薙刀モードと同じ)。
サーヴァント・サマーキャンプ!において、投影品の干将・莫耶にも怪異に対しての特攻があることが判明した。
鶴翼三連(かくよくさんれん)
概説
- ランク:C(クロが使用しているものの場合。本家のランクは不明)
- 種別:対人宝具
アーチャーが振るった絶技であり、彼が持つ唯一のオリジナル技。
互いに引き合う性質を持つ夫婦剣・干将・莫耶を三対投影し、投擲と斬撃を重ね当てる必中不可避のコンビネーションを繰り出す。
なお、原作ゲームではアーチャーではなく衛宮士郎が使用しており、彼自身が振るう姿はアニメ版や派生作品を待つ事になった。
各作品での活躍
Fate/staynight
「―――鶴翼、欠落ヲ不ラズ(しんぎ むけつにしてばんじゃく)」
「―――心技、泰山ニ至リ(ちから やまをぬき)」
「―――心技 黄河ヲ渡ル(つるぎ みずをわかつ)」
「―――唯名 別天ニ納メ(せいめい りきゅうにとどき)。
―――両雄、共ニ命ヲ別ツ(われら ともにてんをいだかず)……!」
前述した通り、本編中では衛宮士郎が使用しているが、『Heaven's_Feel』のバッドエンドルートである「スパークスライナーハイ」でしか見られないというレア技である。
移植版『Realta Nua』においては、この技を放つシーンに専用の新BGM「Mighty Wind」が用意されるという優遇っぷりである。
このエンドにおいては
- 一対目を投影(1A・2Aとする)。渾身の魔力を込めて、鉄塊をも打ち砕く一撃を左右同時に投擲。
- 一対目(1A・2A)が弾かれた後、凍結解除(事前に設計図のみを完成させておくことで、ノータイムで投影する技)により二対目(1B・2B)を瞬時に投影して接近。
- 引き寄せられて戻ってきた一対目の1Aと手に持つ2Bで背後と正面から挟みこむように同時攻撃。
- これを防がれるも、上記と同様に引き寄せられてきた2Aと手に持つ1Bで再度同時攻撃。
- この前後からの同時を防ぎきり可動の限界で動けなくなった一瞬に三対目(1C・2Cとする)を投影して二刀同時の渾身の一撃を放つ。
初手の投擲から背後と正面の同時攻撃まで全て必殺狙いだが、作中の記述からするとそれすら布石。要は必殺の奇襲攻撃を3連続行う技であり、牽制がなく一つ一つが必殺狙いであるからこそ、相手に次がないと誤認させることが出来る。必殺でありながら最後以外が防がれること前提であることから、その本質は格上を倒す為の搦め手といったところと思われる。
布石に布石を重ねて放つコンビネーション攻撃、高い能力と直感:Bスキルを持つセイバーオルタに致命傷を負わせている。
原作者曰く3つの✕からなる攻撃。1Aの「\」と2Bの「/」が重なり1つ目の「✕」、2Aの「/」と1Bの「\」が重なり2つ目の「✕」、最後の1Cと2Cをクロスさせた3つ目の「✕」ということと思われる。
アニメ版では、2006年版のオリジナルシーンである「アーチャーvsバーサーカー」で登場。
特徴的なポーズはかっこいいポーズとネタにされているが、以降の作品におけるこの技のモーションの元(流石に多少実戦的にアレンジはされるが)にもなっており、影響の大きさが窺える。
なお、この作品で初めて干将・莫邪のオーバー・エッジ形態が登場(この時点での公式名称はスーパー干将・莫邪)。「あの刀、実は大きくなるんです」という奈須の一言を聞いた山口監督が即座に取り入れた結果実現したのがあのシーンである。
アニメ版での型は次の通り。
1.一対目と二対目の干将・莫耶を一気に投影し、バーサーカーを挟み撃ち。
2.背後で三対目をオーバーエッジ形態に変形させ、鶴翼三連の詠唱を行いながら、飛び上がって例のかっこいいポーズを決める。
3.三対目を思い切り振り下ろす。
…とどのメディアとも異なった型となっている(後述のクロエの鶴翼三連に近い)。
Fate/unlimitedcodes
アーチャーと衛宮士郎の超必殺技として登場。ただし、型はそれぞれ異なる。
- アーチャー版
1.一対目の干将・莫耶を投影して敵に投擲する。
2.二対目を投影して乱れ斬りを浴びせる。
3.最後に三対目(オーバーエッジ)を投影して交差斬りを浴びせる。
- 士郎版
1.一対目の干将・莫耶を投影し、敵に投擲。
2.二対目を投影して連続斬りを浴びせ、三対目でトドメ(アーチャーとは異なり、短剣状態のまま)。
両者に共通して、最初の投擲がガードされたら連撃に移行し威力が大きくなるという格闘ゲームの技としては異例の性質を持つ。
その反面、投擲が直撃した場合は連撃を行わず技が終了し、威力が雀の涙となってしまう。
Fate/EXTRAシリーズ
無銘のスキルとして登場。
投影レベルに応じた物理ダメージを与える。
これまでのシリーズとは斬撃の型が異なり、次の通りである。
- まず干将・莫耶の一対目を投影して、左右から挟み撃ち。
- 飛び上がって二対目の干将・莫耶を振り下ろす。
- トドメに交差切りを浴びせてかっこよく腕を大きく広げる。
Fate/EXTELLAではブーメランもといヨーヨーよろしく干将・莫耶を二回投擲し、最後に跳躍しつつ交差斬りを決める技となっている。なおスキルによりオーバーエッジ化させて使うことで三対全てがオーバーエッジとなった三連を見ることが出来る。派生技として鶴翼双連もある。
プリズマ☆イリヤ
「山を抜き、水を割り、なお墜ちることなきその両翼…。鶴翼三連!」
クロの場合、オーバーエッジ化はしないものの更に敵の背後への転移をも組み合わせるため、スキル「心眼」をもってしても見切ることは困難と言われている。その為、これを防ぐには全方位の防御か後述の手段で強硬突破するしかないとも。
『ツヴァイ!』では、バゼット戦で使用。
バゼットは、損傷を無視して本体へ特攻する事で攻略しているが、これはイリヤに繋げるための囮であった。
『ドライ!!』では、アンジェリカ戦で美遊兄とクロが同時使用。アンジェリカは置換魔術による全方位の防護で防いだが、この隙にクロが足場となっている「斬山剣・イガリマ」の裏側へ転移し、死角から攻撃する事で防護を突破し撃破へ繋げた。
Fate/GrandOrder
BGMで「少女よ星になれ」が流れるなどアニメ『ツヴァイ!』でのバゼット戦を再現した演出(一度に二対投影して相手の逃げ場を無くし、三対目を投影して敵に斬りかかる型)になっている他、〆には投げキッスを行う。
ゲーム上での種類はArts。効果は【自身に必中状態を付与(1ターン)&敵単体に超強力な攻撃&クリティカル発生率をダウン(3ターン)】。
『五つの石』と同様に必中付与が先行しそのターン中持続する事から、後続の攻撃も含めて回避状態の相手にも確実に当てられる。
さらにArts属性なので、スキル「投影魔術」を加え、Arts&Braveチェインを出せば、クリティカル次第で次のターンに再発動も狙える。
また、イベントでクロに憑依した敵「ファースト・レディ」は「堕・鶴翼三連(ブラックバード・シザーハンズ)」という変化技を使用しており、演出も微妙に異なる。
しかし、効果は必中付与の効果が無くなり弱体化しているため、回避スキルでダメージを避けられる。
さらに本家アーチャーも、2016年11月3日のアップデートでモーションが刷新され、エクストラアタック時に上記のオーバーエッジ形態も併用して繰り出すようになった。こちらでの型はstay nightの士郎版に準拠しており、
- 一対目を投影(1A・2Aとする)し敵に投擲。
- 二対目(1B・2B)を瞬時に投影して接近。
- 引き寄せられて戻ってきた一対目の1Aと手に持つ2Bで背後と正面からの同時攻撃。
- 同様に引き寄せられてきた2Aと手に持つ1Bで再度同時攻撃。
- 三対目(1C・2Cとする)をオーバーエッジ化させつつ投影して二刀同時の一撃を放つ、というものになっている。