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シオン・エルトナム・ソカリス

しおんえるとなむそかりす

『MELTY BLOOD』の登場人物「シオン・エルトナム・アトラシア」の旧名。本項ではFateシリーズに登場する彼女を説明する。
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CV:青木志貴


概説編集

魔術協会三大門「アトラス院」の錬金術師で、汎人類史最後の生き残りの一人である女性。


MELTY BLOOD』シリーズのヒロイン(&第一作主人公)シオン・エルトナム・アトラシア本人であり、同作で学長候補に推薦されて改名する以前の名前が"ソカリス"である。

本作でもアトラス院所属で、霊子ハッカーを自称するため、並行世界の同一人物と思われる。


人理継続保障機関フィニス・カルデアで使用されていた霊子演算システム「トリスメギストス」及び虚数潜航艇シャドウ・ボーダーの次元航行機関「ペーパームーン」の製作者。

トリスメギストスについては養父である学長から引き継いだもので、のちに彷徨海に二号機を建造している。


かつてカルデアとの交渉後、アトラス院も独自の未来観測を開始。その結果、2018年で人理が唐突に消滅し、それを食い止めるカルデアは真っ先に狙われ潰されるであろう事を導き出す。

この突然降って湧いた「難題」に対する「解」を得ようと学長である養父に相談を持ち掛けるも、自分で見つけた問題は自分で解決しろとあっさり協力を断られた。


理由としてはアトラス院にとって、人類の滅びの可能性の発見は腐るほど存在するので、それぞれが観測している以外の滅びの対処へ手を貸す状況じゃない、という彼ららしい理由ではある。

これをきっかけにアトラス院を出奔、彷徨海の門を叩く。


その後、彷徨海でトリスメギストスⅡを建造し、カルデア陣営がクリプター陣営の障害となって立ちはだかってくれることを信じて彷徨海からカルデアへ向けて信号を送り続けてきた。

そして北欧異聞帯を突破してきたカルデア一行を彷徨海に招待し、彼らのために彷徨海の一角を拠点「ノウム・カルデア」として貸し出して協力関係を結ぶ。


竹箒日記によると吸血種ではあるが、"吸血鬼・死徒"ではないとのこと。また、存在的には人類史と縁を切っているとのことで、徳川廻天迷宮 大奥では、カーマの魔の手から逃れられている。

いつもは人工血液とサプリメントで栄養補給を済ませていたらしく、カルデアのために彷徨海内部に施設したキッチンや食事という行為に興味が尽きない様子。


雪原のメリー・クリスマスマーリン曰くの自分の千里眼は『現在』を観るものであり、彼女はぼやけて見えるらしく、それは吸血種だからだと思っていたらしいがそれだけではないらしい。


人物編集

原典のメルブラシオンが「生真面目で堅物なクール委員長」キャラだったのに対し、こちらのシオンは「明るく前向きで洒脱なムードメーカー」と、メルブラ版とは180°と言い得るほどキャラが変わっている。口癖は「ナイナイ」。状況によって「!」をつけて強調することもある。


本人曰く"人見知り"との事だが、明るくにぎやか、さらにジョークを交えて人を担ぐような会話も楽しむなど、社交的で掴みどころのない女性。この性格は養父の受け売りで、父に構われ過ぎた結果、この傍迷惑な性質も受け継いでしまったとのこと。


原作の彼女が持つ暗い影は、エルトナム家の霊装・エーテライトで他者の情報を盗む習慣による後ろめたさと過剰な効率化に起因している。しかし、子煩悩な養父の意向によってこちらのシオンはそれを一切使わず、人と肌で触れ合う事に価値を見出した人生を歩んできた模様。


「中断(カット)」「修正(リテイク)」など、原典における先祖の口癖も受け継いでおり、父がアトラス院の学長という言から、が彼女の親であることも確定している。

メルブラでは怨敵にして死徒としての「親」に当たるが、Fate時空では養父と娘という関係に収まっており、彼を"演劇狂いの失格親父(ダメオヤジ)"と讒言しつつも親子仲は悪くない様子。


はっちゃけた人物に見えるが、根っこにある面倒見の良いの人の好さと合理主義、目的のために大胆に行動できる決断力と胆力は変わっていない。

こうした点から依然として、自他共に認める「アトラス院の異端児」という評価も健在である。


カルデア陣営には協力的・友好的な態度を貫いているが、本質的にはどこか一線を引いている節も強く、レイシフトなどの活動へ直接的に同行したのも始皇帝の幕間のみ。話が進むたび、露骨に"犠牲や別離"の可能性を独りごちる不穏な描写も増えていったが、これはどちらかというと自分に向けた戒めとして言ったものらしい。


下記奏章ではハプニングにより、結果的に彼女が見せない目的・内面がある程度掘り下げられた。

  • 自身は傍観者、良くて応援者、カルデアの味方でいることはできても仲間になることはできない(その資格がない、なるべきではない)
  • その立ち位置でなければできない役割が最後の最後にあると予測できている
  • 仲間になる方針もあったかもしれないが、その勇気を出すのには遅すぎた、というか、機を逃してしまった
  • クリア後の概念礼装に描かれた光景も、"本来存在してはならない奇跡"とコメント

等々、胸中にあったのは固い理性と少しの未練であり、敵意があるワケではない模様。



容姿編集

服装は魔術礼装アトラス院制服」の亜種。もっとも彼女こそ本場アトラス院の出身なので、似ているのは当然の話である。


最大の違いは黒縁眼鏡ツインテールという、ダイナミックなイメージチェンジが施された点だろう。メルブラシオンも踵に付くほどの長髪だが、普段は三つ編みで一本にまとめているため、長髪という印象は薄い。

所謂『月姫』の女性キャラ三人組の特徴的な部分を纏めたキャラというイメージが分かりやすいのかもしれない。


またキャラ性の変更に伴い、目つき鋭く険しい表情の多いメルブラシオンに対し、かなり表情が柔らかくなっている。

あと、メルブラに比べて分かりやすく大きい(原典では全女性キャラ中3位のバストの持ち主だった)ことも分かる。


幼少期編集

いいでしょう、計算通りです

私が居るのですから、当然です

シオン

奏章Ⅰ『虚数羅針内界ペーパームーン』では、主人公カーマ共々ペーパームーンの不調に巻き込まれて内部世界に迷い込んだ際に推定10歳足らずの姿になってしまった。


ロード・エルメロイⅡ世の冒険』でも、十歳にも満たない年齢の彼女がソカリス姓で登場。彼女の口から、エルトナムが時計塔で言うところの君主(ロード)にあたる家系、アトラスの六源のひとつであることが明言された。


いずれも昔の作品の性格に近くなっており、明るい方の人柄は大人になるにつれ身に着けた後天的なものであることが分かる。


三田誠氏は執筆の際に奈須きのこから、『事件簿』や『冒険』『stay night』世界におけるシオンはエーテライトを使い続ける方向に寄り、性格も変わらないだろうというアドバイスを受けていたことが明かされている。


能力編集

メルブラ時代のギャグ時空からコハッキーの依頼で怪しいアイテムを作っていたが、FGOでは上記発明品の数々を生み出した経緯から、発明力についてはさらに磨きがかかっている模様。

さらにアニムスフィア家秘伝の「レイシフト」技術と装置一式まで模倣し、短距離かつ複雑でない異相ならレイシフトを可能にしてしまうなど、カルデア側さえ舌を巻く技術力を発揮して見せる。


魔術方面でも、幻霊をベースに神霊の霊基を代入してサーヴァントに仕上げるという、悪のカリスマの講じた霊基融合術を難なく行使し、自身の考案した術式を代行させるなど、メルブラ時代では披露できなかった三大門アトラス院の院長候補にまで上り詰めた才覚の一端を垣間見せている。


運動能力もそれなりらしく、昔取った杵柄と格闘シミュレーターでの戦闘訓練やジョギングを日課とするなど、デスクワークばかりでないアクティブさも備えている。このアクティブさは幼少期から義父に構い倒されたことが影響しているらしい。


無論ちゃんと戦闘能力はあるようだが詳細は不明。曰く特異点サーヴァントに対しても、自己防衛だけなら問題なくこなせるとのこと。ネモからも並みのサーヴァントよりも頑丈であると言及されている。

なおエーテライトは上記の理由からか、大人の彼女は今のところ使ってる様子を見せていない。


2017年の彷徨海を異星の神に襲撃された際は一人残った上で圧縮した彷徨海をぶつけ、自身は存在の確率操作という名の霧化のようなもので彷徨海から離脱し、ストーム・ボーダーへと転移している。

月姫リメイク』において吸血鬼の霧化は、本当に自分を粒子化し自己を拡散させて現象になる離れ技である高等なものと、分身を作って意識を乗せ、用が済んだら魔力をカットする(分身が消滅して塵になる様が霧になって消えたように見えるだけの)下等なものに分けられるとされるが、この時にシオンが行使したのがどちらなのか、或いはどちらにも属さない別物なのか等は不明。


『冒険』においては主力武器としてエーテライトを使用している。この時代ではまだ幼いということもあってか格闘戦はあまり行わずにこちらを主軸としており、予めエーテライトで作り出した糸人形の分身、エーテライト・レプリカントを身代わりにすることにより遠坂凛の圧縮された呪いを叩き込む掌打を躱すなどの技を披露している。


また、その才能は(対ムシキ用に準備したものとはいえ)近代の軍隊にも勝る戦力を個人で運用するほどの実力を持つラティオ・クルドリス・ハイラムを上回り、アトラスの六源に所属する上の世代の錬金術師からも化け物と呼ばれた程。

たった八歳にして教官の地位と特使の権利を拝受しているほか、“神を喰らった男”であるエルゴに奇襲をかけることで一切の抵抗を許さずに拘束するなど、その才覚と早熟ぶりが具体的に描写されている。


関連人物編集

シオン・エルトナム・アトラシア

平行世界の自分自身。養父とは異なり、認識(観測)はしていない。


ズェピア・エルトナム・アトラシア

アトラス院最後の院長であり、シオンの養父にして師である錬金術師。今作でも吸血種であるが、ワラキアの夜にはなっていない。子孫の中で優秀だったシオンを後継者として養子にした。

シオンによくちょっかいを出しては鬱陶しがられているが、父親として、また師として良好な関係を築いているとのこと。


Fate/Grand Order編集

キャプテン・ネモ

カルデアの手法を模倣し、アトラス院の技術で幻霊を合体・融合させることで独自にサーヴァントとして召喚することに成功した英霊。

その性格ゆえに反応こそ淡泊だが、サーヴァントの意思を尊重した良好な関係を結んでいる。


ロード・エルメロイⅡ世の冒険編集

サイファ・クルドリス・ハイラム

クルドリスの後継者とされていた人物。故人。彼の属するシオンの一つ上の世代では抜きん出た優等生であり、ことによってはシオンにも比肩するかもしれないとされていた。

冒険』では彼の不審死に端を発した出来事をきっかけとして、アトラス院の内部監査に乗り出す。


ラティオ・クルドリス・ハイラム

サイファの姉。弟の死を境に積極的に外界へと出向くようになったことから、彼女がアトラス院の戒律である『自己の研究成果は自己にのみ公開する』を破り、外部に研究成果を流出させたと判断する。


ロード・エルメロイⅡ世

ラティオと行動中だった魔術師。第四次聖杯戦争を生き抜いたことやエルメロイ教室を立て直して維持し続けたこと、他人の魔術を解体し特許申請する“略奪公”としての所業を把握しているため、彼のことを『ただものではない』『侮れるはずがない』など、計画を根底から覆す可能性があるイレギュラーとして最大限の評価をしている。

結果、略奪公であろうと対応できないほどに全ての手を詰み、人質をとって短時間で交渉を決着させるしかないとして、彼と分かれて行動中のエルゴと遠坂凛を襲撃する。


エルゴ

Ⅱ世と交渉するための人質として拘束した。・・・が、エーテライトを介して得られた情報は、彼が彷徨海山嶺法廷、そしてアトラス院のクルドリス家が二千年以上も前に合同で創り上げた“神を喰らった男”であるという、場合によっては任務の優先順位を入れ替えなければならないほどのイレギュラーであった。

最終的には、目的地である“もうひとつのアレクサンドリア大図書館”が忘れている自分の過去を知る手掛かりになると判断し、彼の方からシオンへと協力を申し出る。


遠坂凛

最初は彼女の方を人質にとるつもりだったが、形勢不利と即座に判断され、足止め用に結界を張られたことで離脱を許してしまった。

再度の交戦時には互いに一歩も譲らぬ展開となるが、エルゴの仲裁によって一時休戦。その後は行動を共にするようになる。


カルマグリフ・メルアステア・ドリューク

海底遺跡で遭遇した、時計塔における考古学科のロード。

エーテライトでその場の全員と記憶を共有しようとした際にシオン自身も自覚していなかった内面の異常性・特別性を賞賛とともに紐解き、略奪公(Ⅱ世)に神秘を解体された魔術師と同じ絶望を味わわせてしまう。


余談編集

『MELTY BLOOD』はAD.2000年前後の物語で、当時のシオンは10代後半だった。

つまり2018年では、どう少なく見積もってもアラサーは免れず、ややもとするとアラフ(手記はここで切れている

ただし、月姫およびメルブラはリメイクされるにあたって背景年代が2010年代にアップデートされており、このシオンもプリヤ同様、原作から誕生が十数年後ろにズレている可能性も高い。実際『冒険』では十歳にも満たない、幼い少女として登場している。


スピンオフアニメ『藤丸立香はわからない』第16話において何気に初アニメ出演。同時に彼女の声が青木志貴氏(女モレーと同じ)と判明した。


関連タグ編集

TYPE-MOON 月姫 メルブラ シオン・エルトナム・アトラシア

Fate/GrandOrder Cosmos_in_the_Lostbelt ロード・エルメロイⅡ世の冒険 オーディール・コール

アトラス院 彷徨海 錬金術師


外部リンク編集

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