アバロンのダニ
あばろんのだに
RPGロマンシング・サガ2に登場するキャラの一人、シティシーフの「キャット」に、ファンからつけられた愛称である。
字面だけ見ると蔑称にしか見えないが、主に彼女のファンたちの間で好意的に使われる呼称であり、まぎれもない愛称である。
簡単にかいつまめば、「キャット」自体は職業「シティシーフ」に用意された汎用キャラの一人にすぎず、条件を満たせば同名同グラの別個体が何度でも登場する。
しかし序盤にストーリー上で固定出現する一人目の「キャット」については非常に印象的なイベントの持ち主であり、ロマサガ2の汎用キャラの中でも別格の人気を誇っている。
そのため、この「一人目のキャット」を区別する呼称として、同イベント中で彼女に投げかける言葉として選ぶことのできる迷言「アバロンのダニ」がファンの中で定着したものとなる。
もう少し掘り下げれば、この「一人目のキャット」は、ゲームを素直にプレイした場合、プレイヤーキャラである皇帝とゴールインしたとも妄想できる展開となることが原作当時から話題となっており、上記の「ダニ」と罵ることができる選択肢も、逆にそこまで身分差・価値観の差がある相手とゴールインした、と解釈できる想像力の余地に繋がって、この呼称を愛称として定着させたのではないかとも考えられる。
ダニ呼ばわりするイベントの詳細についてはキャット(ロマサガ2)を参照のこと。
※イメージ映像
- 減らないダニ
この愛称の元となった迷言は、皇帝がモンスターに襲われているキャットを見捨て、立ち去り際に「アバロンのダニが一匹減ったな」と呟く(リメイクでは、心の中で言う)というものだが、実は見捨てたところでキャットは自力で生還してしまう。
つまり見捨ててもダニは一匹も減らない上、シティシーフ自体が帝国に参加しなくなるため、むしろダニが野放しになってしまうという皮肉な結果となる。
ちなみにリメイク版でこのセリフを出すと、立ち去るときには皇帝が満面の笑顔を浮かべているうえ、プレイ記録である帝国記にもしっかりアバロンの平和を乱すダニという記述が残るようになっているなど演出が無駄に強化されており、敢えて選んでみる皇帝も少なからずいる。
ただしゲーム的には「シティシーフが加入しなくなる」という特大のデメリットがあるため、事前のセーブは欠かせない。
- そのほかのダニ
リメイク版リベンジオブザセブンでは忍者のアザミがヤウダ地方にあるチョントウ城の宝探しで皇帝を出し抜くも、モンスターに襲われた所を皇帝に助けられた事で仲間になるというキャットに似た経緯を持つことから「ヤウダのダニ」と呼ばれるようになった。
ただし、キャットが「皇帝とは互いに手助けした関係であり、自称だが義賊」であるのに対し、アザミは「皇帝を利用してそれに失敗すると身も蓋もなく命乞いし、動機も単なる泥棒」と正真正銘のダ…いや、コミカルさが目立ったいわゆる憎めない悪役な点が異なる。
ちなみにこのダニコンビは頑張れば同時加入も可能であり、キャットとアザミを左右に侍らせたジェラール、という光景を見ることもできる。やり方は意外とシンプルで、キャット加入時の年代ジャンプさえ起こさないようにすれば、あとはヤウダまでわき目もふらず駆け抜けるだけである。
そして、この二人のネタ的知名度から完全な流れ弾の風評被害を食らってしまったのが、南ロンギット地方にあるマーメイドの町で新クラスとして登場した踊り子である。
踊り子の一人にダニオという名前がいたのが運の尽き(?)で、その名前から彼女がアバロンのダニ、ヤウダのダニに続く第3のダニである「マーメイドのダニ夫」扱いされてしまった。
なお、当のダニオの名前の由来はダニでも節足動物でもなく、他の踊り子たちと同様の熱帯魚(ゼブラフィッシュまたはゼブラ・ダニオをはじめとする仲間)である。