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幽霊電車

ゆうれいでんしゃ

鉄道に関わる怪談の一種。国や地域を問わず、世界中に同種のものが存在する。日本では『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズで有名。
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概要編集

幽霊電車とは鉄道車両が直接に関わる怪談であり、幽霊列車とも呼ばれる。都市部においては鉄道路線は電化されていることが多いため、大抵の場合、怪異の主役は電車となる。


鉄道の登場後まもなく誕生し、以来現代に至るまで語り継がれている。

鉄道網が発達した地域で普遍的なものであり、厳密な意味での起源は不明である。


実在する幽霊列車としては、以下のものがある。

  1. 乗車すると本来の行先、系統とは全く異なる場所に運ばれる鉄道車両。逝っとけダイヤ等。
  2. 時刻表に載っていない電車。終電から始発までの真夜中を走行する回送電車などがこう呼ばれることもある。特に事業用車は不思議な形をしているので驚かれる。大阪大空襲の際の幽霊列車も有名。京都で社会問題になった「幽霊バス」というのもある。

都市伝説としてもポピュラーなものであり、以下の特徴がある。

  1. 鉄道車両そのもの怪異。
  2. 幽霊が乗車している電車。

フィクションでの扱い編集

日本においては後述する『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズでの知名度が高い。その他、漫画、ゲームなどでも度々取り上げられる。

基本的に、幽霊や妖怪などのモンスターが運転手だったり乗客だったりするが、一方で列車や電車自体がモンスターだったりするケースもある。

舞台装置としては、現世と異世界を結ぶインフラとしての位置着けであり、死者の魂を運ぶ、死神としての役割を担う場合もある。


幽霊電車として登場する車両は作品によって様々だが、現行車両、特に塗装不要なステンレスやアルミで構成された「銀色の電車」は避けられる傾向にある。恐怖や不安を煽る演出が求められるホラー作品では、より雰囲気のある旧式な電車や蒸気機関車に牽引される客車列車が、幽霊列車として登場するケースが殆どである。

吊り掛け駆動、ウィンドシルやヘッダー、木造車体は、戦前から戦後の高度成長期までに製造された電車や客車のものであり、現在では現役の車体を見ることはまずない。

しかし、この時代的なギャップにより、登場人物や読者に”電車と認識させながらも違和感を感じさせることができる”という利点がある。この点で「この世ならざる物」である幽霊電車、幽霊列車には恰好のモチーフであるといえる。



ゲゲゲの鬼太郎の「ゆうれい電車」編集

ゲゲゲの鬼太郎シリーズに登場する「ゆうれい電車」は、鬼太郎が妖力で作り出した幻影である。作中は、原作者水木しげるの住宅がある調布市を沿線に持つ京王電鉄京王線新宿駅多磨霊園駅間が舞台であるが、新宿駅と多磨霊園駅以外は、臨終駅~火葬場駅~骨壺駅と架空の駅となっており、それぞれが葬式の過程に由来している。

また、御大の妖怪画「幽霊電車」に描かれた毛むくじゃらの物体はポプラ社の『水木しげるのおばけ学校』版、3期のOPでも登場する。


初出は、貸本漫画『墓場鬼太郎』の「顔の中の敵」。鬼太郎を海の底に沈めた人狼紳士ねずみ男に対する報復として、ゆうれい電車に引きずり込んだ。異常に気付き、恐怖にかられた人狼は電車から飛び降りるが、頭を強く打ち死亡。生還したねずみ男は鬼太郎の軍門に下るという結末であった。


少年マガジン』掲載分では、登場人物やそれぞれの立ち位置などが変更された。

鬼太郎の報復を受けるのは、妖怪の存在を信じないばかりか鬼太郎をぶん殴った、酔っ払いの男性二人組。その結末も、妖怪たちや鬼太郎に驚かされた挙句、鬼太郎と同じ瘤をこしらえて恐れおののき逃げていく、というマイルドなものだった。また、ねずみ男も鬼太郎と一緒に懲らしめる側に回っている。


アニメシリーズでは、ゆうれい電車のエピソードが必ず放映されている※1。

原則的に少年マガジン版を原典とするが※2、貸本版を原典とする『アニメ版墓場鬼太郎』では、貸本版とほぼ同じストーリーになっている。


4~6期は、どれも凝ったシナリオと演出で視聴者から高い評価を得た※3。

5期6期はアニメオリジナルの展開を見せ、サスペンス感溢れる演出が行われた。特に6期は放映前から「歴代最恐」と喧伝され、放映されたエピソードは実際に、何重にも仕掛けられた伏線と、見るものの背筋を凍らせるような幕切れで大きな反響を呼んだ。


「ゲゲゲ」でのアニメ化に当たっては、駅表記など一部の設定が変更されている。

ゆうれい電車の車両は、原典では京王線が物語の舞台であるため、3期以降は『墓場鬼太郎』を除き、京王帝都電鉄時代の旧式車両がモチーフになっている。また、客車の扉は火葬場のそれである。


「妖怪千物語」では落語「死神」のリメイクも兼ねている為か、少々毛色が異なり、こちらではねずみ男から買い取った寿命と引き換えに超能力を与えるネックレスを付けて周りから持て囃されるようになった少年「ショボ秀」が幽霊列車に乗せられて、鬼太郎に終着駅に着くまでに手放すように警告されるも、栄光を手放したくなかった彼はこれを拒否。終着駅で自分の寿命の蝋燭が消えかかっているのを見て隣の墓石にあった蝋燭とすり替えて生還するが、その影響で母親が交通事故で死んでしまうという後味の悪い結末を迎えている。

悪人が制裁を食らうという意味ではまだ6期の方が救いがあるが、なんの罪もない人物が身勝手な人物の身代わりとなってしまうという意味では「千物語」版の胸糞悪さは歴代でもトップクラスと言える。


1999年に公開された3Dアニメ版は細田守監督が演出を手がけている。

こちらでは三太郎少年がテストで0点を取ってしまった過去を改変するために乗車したという設定であり、乗客として油すましオバリヨンだるまなどが登場した。


※1 - 2期1期の直接の続編であり、地続きの世界観を持つため、エピソードの重複は避けられている。

※2 - 原作は数少ない目玉おやじ未登場回であり、アニメも1期と3期は例外的に登場していない(実に全アニメシリーズ中で目玉おやじが登場しないのは、この2話分のみである)。4期以降は登場しているが、やはり他の回より出番は極端に少なく、殆ど1シーンのみで台詞も一言だけである。

※3 - 3期は体験した人間の回想とされたので、原作者の水木しげるからは「結局助かってしまうのが最初から視聴者には判ってるから、あれでは脅かし演出しても見ている側には怖さが半減しますよ」との見解で低評価だった。



「死者が乗る鉄道」というモチーフ編集

宮沢賢治の童話銀河鉄道の夜は、生きることの苦しさや悲しみを抱えた主人公の少年ジョバンニが、夢幻のうちに突然出現した蒸気機関車に乗り込み、親友のカムパネルラとともに不思議な旅をするという物語。銀河が煌めく宇宙空間の美しい描写、賢治らしい化石鉱石というガジェット、そこここに見られる哲学などが魅力的である。

しかし、実はジョバンニ以外の銀河鉄道の乗客は全て死者であり、やがて現世に戻ったジョバンニは、カムパネルラの哀しくも気高い最期を知ることになる。


この「死者が乗る鉄道」「宇宙を駆ける蒸気機関車」というイメージは、松本零士に大きな影響を与え「銀河鉄道999」の誕生へと繋がった。



関連イラスト編集

因果応報幽霊電車ゲゲゲの記憶補正15



関連タグ編集

怪談 都市伝説 魔列車 異次元列車 きさらぎ駅 幽霊船


別名・表記ゆれ編集

幽霊列車


この記事のカテゴリ編集

ゲゲゲの鬼太郎 京王電鉄 怪談


その他編集

一条総司令…6期の幽霊電車で登場した社長と同じく高圧的なパワハラ上司であり、おまけに中の人が同じ。

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