概要
この列車によって冥界に送られた死者の魂は、彼の地で永遠の安息を得るとされている。
カイエンはそれが魔列車であることに咄嗟に気付くが、マッシュはすでに興味本位で車内探索に乗り込んでしまい、彼を呼び戻そうと同じく乗車したタイミングで列車が動き出してしまう。マッシュたちは、なんとか脱出するために先頭車両を目指すことになる。
魔列車におけるパーティ構成は、前述のマッシュとカイエンの他、ドマ近辺の一軒家で一時的に仲間になるシャドウも同乗させることが出来、魔列車での戦闘の間はパーティを途中離脱することはない。さしもの彼も数多の亡者が徘徊する列車の中において、マッシュやカイエンらと離れるのはリスクが高すぎると判断したのだろうか。
乗客がおしなべて死者の魂や亡者、幽霊といったこの世のものならざる存在であることを除けば、魔列車自体の外見は現世の蒸気鉄道と大差なく、カイエンも初見時は「戦火を免れたドマ鉄道」だと勘違いしたほど(マッシュが車内に乗り込んだのは、興味本位以外にも生き残りがいないか捜索する目的もあったためである)。
車内設備もなかなかに豪華なつくりとなっており、客車や車掌車のほかに食堂車まで連結されているが、特定の部屋以外では敵がエンカウントするため「列車の形をしたダンジョン」と言って差し支えないだろう。
食堂車ではテーブルに着席することで食事をすることができ、幽霊のウェイターが運んできた料理を食べることでステータスを全快させる(つまり宿屋と同じ)ことが可能で、しかも何度食べても無料。魔列車内では回復魔法を使えるキャラがいないため、回復拠点として活用しよう。
なお、食堂車利用時はパーティの先頭に立っているキャラによってリアクションが異なる(マッシュ・カイエン・シャドウ・幽霊の4パターン)のだが、いずれもキャラの個性が出ていて面白い。特にシャドウは愛犬インターセプターに食事を分け与えて一緒に食事をするため、彼の人間味を垣間見ることが出来る貴重なシーンである。
ちなみに、出された料理は、本来の主客であろう幽霊はもちろん、生きた人間であるマッシュ・カイエン・シャドウはおろか犬であるインターセプターが食べても問題なくステータスが全快する。マッシュのリアクションを見るに、味も量も満足のいくもののようなのだが、いったいどんな食材を使っているのやら…。
魔列車の車内にいる幽霊は、話しかけると問答無用で襲ってくる攻撃的な者が多いが、中にはアイテムを売ってくれる商人の幽霊(何故か関西弁で喋る)や、一時的にPCとしてパーティに加える事が出来る友好的な幽霊もいる(但し、先頭車両まで行くとパーティから離脱するイベントが発生する)。
仲間になる幽霊は武器や防具を装備しておらず(唯一、アクセサリーとして「死者の指輪」を装備している)能力的にはマッシュ達一行には大きく劣るが、防御力に関してはなかなかで、攻撃力も致命的に低いわけではないので数合わせ程度には頼りになる。そのため、とりあえず仲間にしておいても大きな損はしないだろう。
ついでに、彼らも他のPCと同様に、驚いたり身構えたりといったリアクションが用意されているので、一度は仲間に加えて一通り見ておくのも一興だろう。とりわけ、食堂車での食事シーンにおける無言の激しいリアクションは必見。
なお、仲間になる幽霊はシャドウがいなければ最大2人まで加入する事が可能だが、二人目の幽霊は一人目よりもさらにパラメータが下回る(ゲーム内の全PCキャラ内でもワーストクラスという驚きの低さ)ため、一人目と違ってあまりアテにしないほうが得策である。
彼らの個別特殊コマンドである「とりつく」は、その名の通り相手モンスターに取り憑き呪い殺す技で、使用すると幽霊自身も戦闘不能になりそのままパーティを離脱する。
取り憑いた敵を死出の供として、魔列車よりも一足先に召されて逝くのだろうか…。
ちなみに、魔列車内で流れるBGMのタイトルも「魔列車」である。
出だしは静かでもの悲しい雰囲気の曲だが、突然大きなブラス音が入るため、初プレイ時はかなりビビる。
魔列車(ボスキャラ)
本ステージでのボス。正確には「魔列車の機関車部分」が敵として襲ってくるが、機関車自体が意思を持っているらしく、ソドー島の鉄道車両よろしく普通に喋る。
戦闘ではパーティは車両の前を全力で走り続けるという特殊なギミックが施されており、汽笛や蒸気、車輪などを使った列車らしい攻撃を使用する。そもそも機関車が怒っているのは魔列車の運行を一同に邪魔された挙句に勝手に途中下車しようとしたからである。…お怒りは確かにごもっともだ。
なお、時間経過などで追い付かれて轢殺されるようなことは無いので、戦闘に勝利するか全滅するまでパーティはずっと車両の前を全力疾走し続ける。「線路の横に逃げりゃいいじゃん」などと言ってはいけない。ひょっとしたら線路ごと追尾してくるのかも知れない。
直接戦うとなかなか手強いが、アンデッド系のモンスターなので「フェニックスの尾」や「聖水」を使うと一撃で倒せる(ただし後者はこの時点では入手困難)。
また、マッシュの必殺技「メテオストライク」をかけることも可能で、列車を宙高く放り投げる姿がシュールであると一部で話題になることも。
ちなみに、この時点での魔列車は6両編成のはずである。乗客たちは、大丈夫だろうか。
FF8のG.F.「グラシャラボラス」は列車の姿をしており、魔列車を連想した人も多い。
その他
前述の通り死者を冥界に送る列車であるため、乗客や乗務員、登場するモンスターもアンデッド系であり、唯一の生存者はパーティメンバーだけ…かと思われたが、とある一室で宝箱を開けようとすると剣士ジークフリードなる人物と対戦することになる。勝利すると無理矢理宝箱の中身を強奪し高笑いとともにその場を去っていくが、彼がどういった経緯で魔列車に乗り、どうやって下車したかは不明のままである(その後のイベントにも登場していることから、少なからず亡者ではない様子)。
魔列車に直接遭遇することはこのイベントが最初で最後だが、後に登場する「カイエンの夢の中」にもこの車両を意識したマップが登場している。
リメイク作品や派生作品でゲストキャラもしくはステージとしても登場。
『FF1(GBA版以降)』、『FF4TA』には敵モンスターとして登場。FF4TAでは原作を意識してかバックアタックで襲ってくる。ちなみにFF1ではどこかの街の住人をゾンビ等のアンデッドに変えた張本人であり、FF6の魔列車と違いかなり悪質。しかもシステムの都合でフェニックスの尾等で一撃ができない。また4TAでは戦闘後にパーティーメンバーの感想を聞ける(真月再生ボス共通の仕様)が、「列車のモンスター」と表現するキャラが何人かいる。あの世界に列車があるのだろうか…
『FFT』では「秘境」として「魔列車」の名前が登場する。
FF14では6をオマージュしたレイドコンテンツ「次元の狭間オメガ:シグマ編」の1番手のボスとして登場。
流石に本作ではプレイヤーを延々と走らせるわけにはいかないため、プレイヤーの乗っている車両を魔列車が追いかけて来るという構図になっている。
「魔界の汽笛」や「セイントビーム」など原典と同じ技を使用したり、プレイヤーを客室内に引きずり込んだりといった攻撃をしてくる。
また、列車内で戦う雑魚敵はごくまれに偽ジークフリードになったりもする。
ちなみに、メインクエストの中では「魔導技術で動く列車」という意味で魔列車という言葉が使われている。
ナビゲーターのシドもそちらを想像していたのか、いざ戦う相手が列車そのものだとわかった際にはさすがに狼狽していた。
関連タグ
マッシュ・レネ・フィガロ カイエン・ガラモンド シャドウ(FF6)