基礎データ
全国図鑑 | No.0975 |
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パルデア図鑑 | No.362 |
ローマ字表記 | Hulkujira |
分類 | りくくじらポケモン |
タイプ | こおり |
高さ | 4.5m |
体重 | 700.0kg |
せいべつ | 50%♂・50%♀ |
特性 | あついしぼう/ゆきかき/ちからずく(隠れ特性) |
おとしもの | アルクジラのあぶら |
タマゴグループ | りくじょう |
進化
各言語版での名称と由来
言語 | 名称 | 由来 |
---|---|---|
日本語 | ハルクジラ | hulk(英語で廃船の船体、図体の大きなもの)+クジラ |
英語・スペイン語・イタリア語 | Cetitan | cetacean(鯨類)+titan(ティーターン、巨大な人) |
ドイツ語 | Kolowal | kolossal(巨大な)+Wal(クジラ) |
フランス語 | Balbalèze | baleine(クジラ)+balèze(たくましい) |
韓国語 | 우락고래 | 우락부락하다(恐ろしい見た目の)+고래(クジラ) |
中国語(簡体字) | 浩大鲸 | 浩大(巨大な)+鲸(クジラ) |
中国語(繁体字) | 浩大鯨 | 浩大(巨大な)+鯨(クジラ) |
タイ語 | ฮัลค์จิระ | 日本語名の音写 |
概要
第9世代『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』で初登場した、アルクジラの進化形。
太い足で二足歩行する白いクジラの様な見た目をしたポケモン。目元やヒレにはピンク色の模様が入っている。
一般ポケモンながら高さ4.5m 重さ700.0kgと伝説のポケモンに匹敵する図体が特徴的。ホエルオーといい、ポケモン界でもクジラは大きさのイメージが強いようだ。
その巨体を支えるために筋肉が強靭で発達しており、ヘビー級の身体から駆り出される攻撃は絶大な威力を発揮する。また皮下脂肪のおかげで寒さにも強い。
上顎に三本、下顎に二本、合計五本の顔面から突き出たトゲが特徴で、上顎のトゲには特にこおりエネルギーが集中しているため超低温。そこから放つ冷気で周囲を凍らせる事ができる。
巨体ゆえ普段の動きは遅いものの、この能力で腹部に氷を張ることで雪の上を滑ったり高速で回転することができ、氷雪地帯でなら機敏に動き回れる。
気質は無邪気な進化前と違い獰猛、かつ仲間思いな性格で、一緒に暮らすアルクジラに危害が及びそうになると非常に攻撃的になる性質をもつ。
また、鯨らしくエコーロケーションで仲間と意思疎通を行う能力もあり、その波長はフルートの音色に似ているらしい。
ホエルオー系統とは近縁で、遥か大昔は完全な水棲だったが、ある日を境に陸地に上がって暮らすようになった模様。現在では専ら雪山など陸の寒冷地に暮らし、日々足を使って縄張りを回遊しては、雪や氷からミネラルなどの栄養を摂取している。
逆にホエルコ達は大昔に陸棲だった可能性が指摘されており、太古の彼らがどのように分化していったのか謎は尽きない。
デザインを担当したのは前作でエレズンやストリンダー、タイレーツを手がけたコザキユースケ氏。今作では、他にも進化前のアルクジラやブロロン系統のデザインも担当している。
色違い個体は黒やグレーの体色となり、ピンクの部分は橙色へと変わる。
光沢も相まってウェットスーツを着ているようにも見える。
ゲームでの特徴
スカーレット・バイオレット
ナッペ山に生息しており、ストーリーにおいてはナッペ山のジムリーダー・グルーシャの手持ちとして登場する。
能力
種族値
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
170 | 113 | 65 | 45 | 55 | 73 | 521 |
「HP」の数値がずば抜けて高く、こおりタイプでトップであり、全ポケモンでも屈指の高さである。しかも、同じヒゲクジラ仲間のホエルオーと同じ値である。
おまけに特攻を低く抑えられたことでその分耐久に割り振られており、ゆき状態で物理防御力も1.5倍になるため、耐久力も高い。更に、ホエルオーより重量級でありながら素早さもそこそこあるのも特徴であり、後述の通り特性「ゆきかき」で更に素早さを補える。
- 物理攻撃力も高く、特性や習得技も優秀なので、こおりタイプ屈指の物理アタッカーになれる。
特性「あついしぼう」であれば、こおりタイプが弱点とするほのおタイプが半減になり、こおりタイプの弱点の多さを補える。
「ゆきかき」の場合、天候がゆきの際に素早さが2倍になるため、雪パ推奨。「はらだいこ」を覚えるので一気に攻撃力と素早さを上げられる他、ゆき状態で物理防御力も1.5倍になる。更に「つららおとし」も覚えるので怯みが狙える。また、この特性を持つポケモンでは最も素早いし最も耐久力がある。この特性を持つポケモンでは隠れ特性でないのはツンベアー系統以来である。
隠れ特性の「ちからずく」は、一部の攻撃技の追加効果がなくなる代わりに威力が1.3倍になり、更に対応技を使う際にはいのちのたまの反動も打ち消せるため、そのままでもある程度備わっている自身の火力が大幅に上がる。「つららおとし」や「れいとうパンチ」、「アクアブレイク」、「じゃれつく」等、対応技も軒並み揃っている。実は、物理アタッカーでこの特性を物理型に活かせるポケモンは多くない。また、こおりタイプで同特性を持つのはハルクジラ系統が初である。
新技「アイススピナー」をレベルアップで習得する唯一の系統でもある。メインウェポンとして使っていける安定した性能とフィールド破壊効果を持つ。
なお、一見低い特殊攻撃力も「ちからずく」持ちとしては採用圏内に入る程度はあるが、ハルクジラの場合は種族値と技のレパートリーの問題でこの特性を活かせる特殊技が現状ない(それでも「ふぶき」や「れいとうビーム」が役割破壊には十分な威力になるし、じゃくてんほけんを持たせればそれなりの火力になる)。
ちなみに、かなり似合っている技の「しおふき」は現状覚えないが、同じくイルカマン系統も現状覚えないため、将来的に習得するかも知れない。一応アクアブレイクなどの一部のみず技は習得できる。
ランクバトルのシリーズ1環境では、ダブルバトルにおいてユキノオー軸の雪パで「ゆきかき」エースや「あついしぼう」耐久型として一定数使われる。その他、アローラキュウコンやガラルヤドキング等とのチームアップも見られる。
シナリオでは命中安定の「アイススピナー」と鈍足揃いの新規には十分な素早さのおかげで攻略要員として役立つ。
尾鰭を持っているが、なみのりは覚えず、水上バトルでもフロートに乗ってバトルを行う。
カビゴンやマッスグマをはじめとする陸生哺乳類型がなみのりを使えたり、唯一王を除いたブイズなどが泳げるにもかかわらずこのような扱いになったのかは不明である(浮力が弱いのであろうか?)。
テラレイドバトル
- しかしこれに味をしめて、星5のレイドに油断して入ると痛い目を見る。こちらはゆきげしき自体は使うもののあくびになかまづくりと搦め手の手段が豊富になっている上、フィールド技にもアイススピナーで対策しているからである。こちらもとくせいガード+やるきとガチガチに対策して挑めば問題はないものの、無策で挑むと最悪失敗する。
使用トレーナー
番外作品
ポケモンマスターズ
- グルーシャ&ハルクジラ
2024年1月22日に実装したこおりタイプのサポートロール。「絶氷ゆきなだれ」は一度使用すると「防御状態」になり、自身の受ける技を無効化。トレーナー技「頭を冷やそうか」はつららゾーンを展開して味方の防御と特防を強化する。こちらも参照
アニメ版
アニポケ・第8シリーズ
CV:八代拓
第63話に登場。詳細は当記事にて。
放課後のブレス
第1話「息をふく」で登場。ナッペ山に生息する野生個体であり、たまたま通りかかったペパーを襲撃する。しかし、オハラが吹くフルートの音色で落ち着き、去っていった。第4話「息をあわせて」にも登場。
余談
名前の由来
- クジラ+大きな物や巨人を意味する「ハルク」または「氷が張る」だろうか。英語名は「Cetitan」。鯨類を意味する「Cetacean」またはケートス(Cetus)+巨大な物や巨人を表す「Titan」(元はギリシャ神話の巨神族の事を指す)だと推測できる。
- その他、フランス語やドイツ語でもクジラに加えて「たくましい」「巨大な」といった単語が名前に含まれているので、概して「巨体」の「クジラ」というネーミングが一貫していることがわかる。ドイツ語での表記は「Kolowal」、フランス語での表記は「Balbalèze」。
- 反面、「春」を意味する単語はどの言語の名前にも含まれていないので、たまたま日本語名がそれを連想するものになっただけの可能性が高い。
元ネタとの比較考察
- 口の上下の角、湾曲した口のライン、畝の無い腹部、背びれを持たない丸みを帯びた体を考慮すると、セミクジラがモデルの可能性がある(ハルクジラの上下の顎の角の位置はセミクジラのケロシティの位置と合致する)。角を持ち、白い体でこおりタイプである事を考慮すると、北極圏に棲息する鯨類(ホッキョククジラ(←セミクジラの近縁種)とイッカクとシロイルカ)の要素も含まれているのかもしれない。色違い個体は、よりセミクジラを思わせる姿をしている。
- また、口を開くとガタガタした凹凸の歯の様な物があるが、3Dモデルをよく見ると線が描かれているのでセミクジラが含まれるヒゲクジラ類に見られるクジラヒゲまたはブラシ状の歯になっている模様(ただし、現実のヒゲクジラと異なり下顎にも存在する)。「こおりのキバ」を覚えるので、歯または硬質化したヒゲ板だと思われる。
- 脚を生やしたことで、例えばアンブロケトゥスの様な古代の鯨類に先祖返りしたような部分も感じさせる。なお、日本では「山鯨」という名詞があるが、これはイノシシの事(これの由来として語られる和歌山県の民話では元々鯨が山に住んでいて、イノシシが海に住んでいたとされている)。脚の蹄が二本ずつなのも、鯨偶蹄目の特徴と合致している。
- ホエルオー系統とは共にヒゲクジラ類をモチーフにしているが、ナガスクジラ科がモチーフのホエルオー系統と区別されている。
- ちなみに、分類名が「陸+海洋生物」という点ではフカマルが先んじている(そちらはサメ)。
その他
- パルデア地方のモデルであるスペインとポルトガルは捕鯨で栄えた過去があり、ガリシア地方は特に捕鯨が盛んだったとされる。世界で見てもかなり初期にセミクジラの大規模捕鯨があり、セミクジラは「バスクの鯨(Balea Vasca)」と呼ばれるほどだったが、捕鯨の結果、北大西洋の東側の個体群は絶滅したとされ、今ではセミクジラをヨーロッパや北アフリカでは見ることはできなくなってしまった。他には、コククジラが大西洋全体で絶滅している。
- アルクジラの人懐っこさと「アルクジラのあぶら」をドロップする点や、ハルクジラの特性が「あついしぼう」であることも、温厚で人懐っこく、海岸近くに現れるゆえに日本もふくむ世界中で油目的などで乱獲されたセミクジラ類やホッキョククジラと共通している。
- タイセイヨウセミクジラの学名も「氷の海の真の鯨」を意味する。
- セミクジラ類が多少なりとも回復しているのは南半球だけであり、北太平洋と北大西洋では共に生息数が数百頭ずつと危機的な状況にある。南半球でも絶滅寸前の個体群がある他、見れなくなってしまった海域も少なくない。
- 捕鯨自体はスペインよりもかなり昔から各地で始まっていて、地中海やオランダ・ドイツなどの北海の沿岸などではスペインよりもかなり昔にセミクジラやコククジラなどの数が減り見れなくなっていた可能性がある。
- ちなみに、白いクジラはフィクションでもポピュラーなモチーフであり、特に有名なのが冒険小説「白鯨」。そこでは白鯨ことモビーディックが登場するが、これは実在した白いクジラを基に生み出されたキャラクターである(ただし舞台はスペインではなくアメリカ)。
- 本作で同じくデビューしたポケモンに、フラミンゴをモチーフにしたカラミンゴがいる。セミクジラとフラミンゴは、互いに口の形状が収斂進化を遂げたと推測されている。
- みずタイプのテラスタルを発動させると、王冠の形状が潮吹きに似ているので似合っている。
- 鳴き声の長さは約4秒で、これまでルージュラが保有していた鳴き声の最長記録を破っている。
関連イラスト
関連タグ
アルクジラ
0974.アルクジラ→0975.ハルクジラ→0976.ミガルーサ