概要
南西諸島、南太平洋、東南アジア、アフリカなど日本から見た南方の出身の妖怪達。アカマタやキジムナーなどは国内・国外の両勢として同期でも別個に登場することも。なお、ミウやカイが属するアマミ一族や、4期では鯨の墓場が南海にある化け鯨、ジニヤーやパパの手下の悪魔や怪獣の軍団も、定義上は南方妖怪に入るのかどうかは不明。
大半の作品では徒党を組んで日本を襲撃する事が多いが、中には単独行動をする者や別の妖怪に襲われ鬼太郎達に助けを求めて登場した者もいる。
アニメでも、第1期の第39話「妖怪軍団」等から登場しており、第3期と第4期では劇場版の敵として登場した。第4期では、日本人の行動に非があることもあり、また、大海獣の子孫であるシロナガスクジラ達が鬼太郎を助けたこともあり、最終的には和解した。
アニメ第5期では日本を征服しようというスタンスは残っているものの鬼太郎ファミリーと敵対する描写が少なめで、むしろ最終的には和解している。
しかし美女に化けた画皮にそそのかされて鬼太郎達と再び敵対したり、ハワイやグアムをアジア圏と勘違いしていたりと、腕っぷしは強く耐久力も恐ろしいが頭が良くないといったキャラ付けがなされている。また、映画ではジュネーブでの「世界悪者妖怪サミット」に西洋妖怪や中国妖怪、ぬらりひょん一味と肩を並べて出席していた。が、自分達が悪者なのかどうか判断できていたのか、また、サミットの主旨を理解して参加していたのかは不明。
主な妖怪
他の生物や妖怪に寄生する能力を持つ赤い顔の妖怪。
3期では寄生能力が披露されていて、老人の姿も寄生したものだったが、4期以降は人間型の姿が基本となる。本来の相方のクロマタは未登場。
頭に生えた椰子の木から実を落として攻撃する。5期ではデフォルメされ過ぎた結果頭身がおかしなことになり言葉も話さなくなった。他の全員同様、肌の色がシリーズごとに大きく異なる。
原作では、アカマタと共に南方妖怪の地位向上のために来日。
もはや伝説の存在である。
「トリビアの泉」で「恥ずかしい名前」と紹介されたことはあまりにも有名で、当時は御大も「あまり騒いでくれなかった」と(よほど筆が乗られていたのか)落ち込んでいたが、ここにきて一気に挽回した(感涙)。
三本の生殖器を持つ妖怪で、そこから色々なものを飛ばして攻撃したり、ガス爆発級のオナラや、男性器からの液体噴射または風ジェットを出して空を飛ぶなど、下ネタがそのまま妖怪として具現化したような存在。3期の劇場版では、あろうことか終盤のワンシーンで飛行の際に画面いっぱいに男性器をアップさせて、「3連チンポ噴射だっ!!」と見事にのたまった(動画)。
あまりに際ど過ぎて(それこそ色々規制が緩かった昭和時代ならではともいえる存在であり、仮に平成以降ではまだ寛容な状態にある深夜アニメでも無理なほど)さすがに21世紀にはいるとこのままの設定でアニメシリーズに出すのは問題があり過ぎたようで、アニメ第5作では名前が「ポ」となり、攻撃方法も口から吐き出すリング状の「ポービーム」というものに変更された。その代わり、屁がアニメで初めて再現された。とある絵本には目からビームを出す姿が掲載されていた事もあるが、この時は4期寄りの姿になっていた。
第6期では、何と日曜朝のOPに登場しており、肌はこれまでにないほど赤黒い。肝心の局部であるが、丸毛による渾身のサポートで難を逃れている。
当然、ファンがこれに反応しないわけがなく、某動画サイトにおいては『放送事故』、『チンポ100%』などとコメントされた。
第3期の南方妖怪のリーダーであるが、一切戦闘はしていない。
原作漫画では、アカマタや椰子落としとは別登場で、金を積むと言うことを聞くらしい(たまたま遭遇したドラキュラから鬼太郎抹殺依頼を受けたねずみ男に、報酬と引き換えに鬼太郎達をおびき出す囮役を頼まれたことがある)。
また千里眼を持つ同名の高僧が登場したこともある(ノイタミナの『墓場鬼太郎』ではやっぱり変更されたが)。
なお関係は不明だが、表現が変更されたケースには、チンポ以外だと例えば食べたものを反物にするチーの丸薬が4期では干し苺(5期ではローラーで直接押し潰している)になっている。
牙の生えたヒヨコのような姿をしたガジュマルの木の精。複数体登場したこともある。4期での南方の個体群は空を飛び火を吹く。喋るのはリーダーのみ。つかまることで他の妖怪も空を飛べる。
アカマタやチンポやヤシ落とし同様、作品ごとに姿も立ち位置も大きく異なる。
3期と4期では、沖縄の群れ(味方)と南方の群れ(敵)が出演。3期は歴代で一番人語を喋るが、たぶん一番弱い。5期も妖怪横丁の住人であるが、小動物に近い描写でもあり、強さは3期とどっこいどっこいかそれ以下だろうか。
一般的には沖縄の狛犬とも言える守護神的存在だが、本作では妖怪として扱われている。
南方妖怪では珍しく一貫して鬼太郎の味方だが、なぜか鬼太郎よりねずみ男に懐いていた。アニメ第3作ではレギュラー入りしており、原作漫画でもちょくちょく登場している。4期&5期では親の存在は確認されていないが成獣化でき、とくに5期では天候を操るほどに強化されていた。
3期ではハリボテのみだが先代が登場し、5期のみ複数の個体が確認されている。
ご存じ巨大な海獣。
厳密には南方妖怪に含まれることはないが、4期では南方妖怪と一方的だが繋がりがあり、目玉おやじや他の一行も南方妖怪の仲間かどうか判断がつかないでいた。
巨大な「妖怪獣」。元ネタとは違い、竜にも蛟にも見えない姿が特徴。
狸や河童、落武者などにも見えなくもない。ピグモンやガラモンにシルエットは近いだろうか。
ただし、目からビームで蜃気楼を起こす。また、これでも一応は蛇の化身らしい。
刑部狸率いる八百八狸に妖怪獣として召喚される事があるが、原作の一部や第3期では南方妖怪勢であったり鬼太郎が存在を知っていたので、複数の個体が存在するのだろうか。3期の個体は、妖怪獣としての個体よりもかなり小さい。
ムック本などでは大海獣と戦うシーンが(背景で)描かれた事もあるが、どちらも毛むくじゃらでどちらもビームに破壊力はない。
鬼太郎を実際に殺したことのある実力者であり、同僚の大ナマズも国連の艦隊を壊滅させたことがあるなど、サイズを含めて怪獣クラスの強さを持つ。
なお、紛れもない本物の蛟もちゃんと登場する。蓬莱島の守護神兼創造者であり、ピンクレッドのイケメンの海竜である。ドデカい逆鱗は宝石の様でもある。蜃気楼を作り出すのは蛟竜と一緒だが、同族にも亜種にも見えないほど姿が違う。
耳長/ビディ/竹鼠の精/エギク/土の精
西洋妖怪の侵攻ににより、故国から命からがら逃げ延びた妖怪達。リーダー格は耳長。何故か、ポリティカル・コレクトネスという言葉を知っている。
悪意は無い妖怪達だが、竹鼠の精は竹林を食い荒らし、ビディは小便で川を汚すなど、彼らの生態はゲゲゲの森の住人にとっては迷惑極まりないものであった。最後は西洋妖怪の刺客狼男ヴォルフガングに核を破壊されて全員死亡した。
ちなみに、伝承では全員シャレにならない危害を加えてくる妖怪達である。
ケンパス蛇/ハンプバック
故国から逃げ出した耳長達とは異なり、最期まで西洋妖怪に抗戦した妖怪達。
南方の吸血鬼
長い牙と舌、大きな丸い目が特徴のマレーシアの妖怪。
ドラキュラを筆頭とする吸血妖怪軍団の一員。5期ではおバカ軍団のリーダーになった。
樹木子や吸血木と似る。4期では苗木達が鬼太郎達の救助に来た化け鯨に全滅させられ、5期ではえげつない敵として出現したが、アカマタの妖怪四十七士覚醒の糧となった。
女夜叉
アニメでは3期に登場したが、女性の声ではなかった。
5期では打ち切りのため、OPと映画のポスターのみの出演となった。
吸血軍団の一員であるフィリピンの妖怪。
伝承では内臓をぶら下げた生首だが、この作品では毛むくじゃらのツチノコのような姿をしている。また3期では獅子頭に宿って暴れる回がある。
吸血軍団の一員であるアフリカの妖怪。
常に粘着質の樹液をガムのように噛んでおり、相手に吐きつけて動きを封じる。
元ネタはガーナアシャンティ族の伝説に登場する森の魔物アサンボサム(ササボンサム)。
CV:鈴木泰明(2期)、大竹宏(3期)、屋良有作(4期)、茶風林(5期)山崎たくみ(6期)
「逆立ちしてシャチホコのように反り返ったトカゲ」としか言いようのない奇怪な姿の妖怪。
名前はタイ王国の精霊ピー、姿は寺院装飾のマカラ像がモチーフだと思われる。鐘の音が嫌いだとされる。
人間を自分に従う吸血鬼に変えて世界を征服しようと企む。3期では強かったが、5期では戦闘能力は弱いとされ、直接対峙した際は被っていた帽子を投げて攻撃するもブーメランのように戻ってきたこところでキャッチに失敗し自滅した。ただしアニメ第4作では鬼太郎を吸血鬼(第5作では操り人形)に変えて従えるなど、自身に有利な環境を用意して追い込む場面があるため、上記面々(特に5期での)とは逆に知恵は回る模様。
モンロー
CV:山本圭子(2期)、向井真理子(3期)、百々麻子(4期)、川浪葉子(5期)色川京子(6期)
ピーの妻である女吸血鬼。
女優のマリリン・モンローに似ており、彼女の血を吸ったためだと語る。
なお、ピー・モンロー夫婦は5期でのみ西洋妖怪に分類されているが、バックベアードたちとは関連性がない。
「そろそろ、あのワインが効いてくる頃ですわ」
『村の連中に効いてきたら次は町、そして日本中がワシらの仲間になる!』
4期のピーとモンローは9話で登場する。廃線となる最終列車に乗った客にモンローが怪しいワインを提供し、限界集落である「ゆきどまり村」の住民(+ねずみ男)を吸血鬼に変え日本征服を狙っていた。
モンローの手紙によってゆきどまり村に来た鬼太郎であったが、ねずみ男に噛まれてしまい、人間を装って近づいたモンローに傷口に怪しい薬を塗られて吸血鬼化してしまう。何とか逃げ出した目玉の親父と一反木綿は二手に分かれ、一反木綿はゲゲゲの森へ、目玉の親父は村に残って様子を見ることに。ポストに潰されて地面に埋まっていたねずみ男を救出したところ、ねずみ男の吸血鬼化が回復しており、フグ毒の迷信から「土が毒素を吸い取ってくれる」とヒントを得た目玉の親父は鬼太郎の元へ向かう。
吸血鬼化した鬼太郎に汽車の操縦を任せ、村の老人達を乗せて町へ向かうピーとモンローだが、乗り込んだぬりかべが客車と汽車を切り離し、砂かけ婆と子泣き爺の協力でピーを汽車から降ろす。なんとか子泣きを振り払ったピーは木から木へ飛び移って(※)先回りして、ポイント分岐器のレバーを切り替えて汽車もろもとも鬼太郎を始末しようとする。
鬼太郎は目玉の親父と対面したことで一瞬正気に戻り、吸血鬼の衝動と葛藤していたために、汽車のブレーキまで手が回らず、汽車はそのままレールを飛び出して土砂へと突っ込んでしまう。
勝利を確信したピーだったが、目玉の親父はピーの帽子に隠れて難を逃れ、ピーが目玉の親父を攻撃しようとした所土砂から髪の毛が伸び、完全に解毒された鬼太郎が現れる。髪の毛に雁字搦めにされたピーは降参することとなった。モンローはぬりかべに捕まえられた。
その後、ねずみ男の手によって土に首だけ出した状態でピーとモンローは埋められ、ピーは「もっと埋めてくれェ!こんなみっともない姿を人目に晒したくないよぅ!」と懇願するもねずみ男に「埋まって無くてもかなりみっともない姿だけどな!」と笑われ、二人は朝日を浴びながらいつ終わるとも知れない解毒処理をされるのだった。
※…ピーが木から木へと飛び移るシーンはやたらぬるぬるとしたアニメーションで一見の価値あり。
アドバラナ
「墓場鬼太郎」などでは南方の仮面を付けた部族風の、妖怪図鑑などでは爬虫類じみたクリーチャーの姿で描かれており、墓場鬼太郎の1エピソード「ボクは新入生」(「朧車」の原作)で初登場。お化け大学の番長格であり、フランスのブリガドーン現象学者ガモツ博士のお化けの国建設計画に同調し、建設に反対していた鬼太郎をシラミ風呂でお仕置きしようと目論んだ。
原作版「お化けナイター」では内野手、「ゲゲゲの鬼太郎」(80年代版)ではレフェリー役で登場するなどちょくちょくモブ役として登場している。
伝承では「アトバラナ」というマラリアを媒介する妖怪とされ、煙を焚かれるのを非常に嫌い、オスとメスで鳴き声が違う妖怪だという。一説ではマラリアを媒介する蚊が正体だとも。結構な頻度でモブ役として登場するのも彼がラバウル出身の妖怪だからだろう。
その他
ブードゥーの神、雨神ユムチャック、ヒー族や吸血海綿、グハ、ニューギニアの森の精など。沖縄のボゼ、件などもいる。