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キジムナーとは、沖縄に伝承される樹木精霊のことである。ミチバタ、ブナガヤー、セーマなどとも呼ばれる。


概要編集

古くなったガジュマルアコウなどの樹に住むと言われる。姿かたちについては諸説あるが、凡そ人間に似ているように描写される事が多い。

多くは「顔の赤い子供」と言われることが多い。

その他「髪の長い大男」「枯れ木のような老人」「若い女性」等、各世代の姿の昔話が存在する。


沖縄では大木に宿る精霊を「キーヌシー」(樹の主)というが、キジムナーはこれを擬人化した存在だとも言われている。


魚捕りが巧みであり、しかも捕った魚の左目だけしか食べない。その為、キジムナーと友達になると漁運に恵まれる。


熱い鍋蓋、、人間のを極端に嫌い、それらのものをキジムナーに近付けるのは禁忌である。また住んでいる樹に釘を打たれると死ぬ(或いは別の樹への転居を余儀なくされるとも)。これらの禁忌を破った人間に対しては、殺害を含む恐ろしい報復を為す事も辞さない。


然し、禁忌さえ破らなければ基本的に人間には無害な存在であり、人間の船に同乗して共同で漁を行う、諸作業の手伝いをして礼にご馳走をいただく、夕食時に火を借りに来る、年の瀬は一緒に過ごすなど、人間とは「良き隣人」であると言う伝承が多い。

その為沖縄では、嘗て腐れ縁の友人同士の事を「キジムナードゥシ」と呼称した。また、これらの伝承を踏まえた沖縄民謡『ちょんちょんキジムナー』も有名で、歌詞にはいくつかのバリエーションがある。

同楽曲は、2019年開業予定のゆいレール石嶺駅で、電車到着時の車内メロディーに予定されている。


アニメ『ふるさと再生日本の昔ばなし』の「海の神とキジムナー」では、ガジュマルの化身であり、人間のためにキジムナーが砂浜にハマヒルガオを咲かせたことに怒った海の神と対決し、終いに巨大なシーサーに変化して海の神を退散させ、これが台風とシーサーの由来になったと紹介されていた。




創作での扱い編集

水木しげる作品編集

声 - 松井摩味(第3作・劇場版)、龍田直樹小林通孝田中和実(第3作)、佐藤正治(第4作・劇場版)、沼田祐介(第4作)、佐藤聡美安田早希(第5作)

妖怪画ではヒヨコのような毛玉のような独特の姿が描かれた。なお初期には”キムジナー”と紹介されていたのでそう覚えてしまっていたものもいるという。『ゲゲゲの鬼太郎』には南方妖怪として何度も登場している。

屁に弱いという性質からねずみ男とは相性が悪い。

尚ゲゲゲの鬼太郎には顔の赤い沖縄の妖怪「アカマタ」が登場するが、こちらの方がキジムナーの伝承に近い姿である。

更に言えば沖縄の妖怪「アカマタ」は「大きな毛玉の姿に化けた蛇」という伝承が存在する。

悪魔ブエルとキジムナー


女神転生シリーズ編集

初出は『真・女神転生デビルサマナー』。種族は”妖精”でアダンの実のような姿で登場した。

女神転生 キムジナー

うしおととら編集

キジムン名義で登場。悪いカニマジムンを倒せる強い妖怪を探しに、西日本の妖怪の長神野が住む高千穂の空屋敷にやってきた。最終章での戦いでは土地神たちと一緒に駆け付けている。

リロ・アンド・スティッチ編集

沖縄の架空の島イザヨイ島が舞台のTVシリーズ『スティッチ!』に登場した。

白い砂のアクアトープ編集

主人公の自宅前に祭壇があり、彼女は毎朝魚の頭を供えてお祈りするのが日課となっている。また、第11話まではセリフこそ無いもののほぼ毎回本編に数秒間出現していたが、12話以降は最終回のみ本編に出現した。なお、OPには全話出演している。


関連タグ編集

沖縄 妖怪 マジムン ケンムン

ガジュマル

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