概要
古戦場などの戦場跡地に生えている樹木が、流された血を根から吸い続けたために化けたものである。
見た目は普通の樹木だが、近くに人が通りかかると先が管のようになった枝で襲い掛かり血を吸ってしまう。
そのために戦場跡地の樹木は、いつまでもみずみずしい姿なのだという。
出自の問題
京極夏彦による対談本『妖怪馬鹿』で、水木しげるの妖怪画の中で伝承などの出自が不明の妖怪の筆頭として挙げられた。(他は「畑怨霊」と「万年竹」)
この時点では水木が「吸血樹(吸血木)」という妖怪を頻繁に出演させることから、水木の創作物なのではと考察されていた。
その後研究者によって、前衛科学評論家斎藤守弘による比較的新しい時代の創作物であることが判明したのであった。
創作での扱い
ゲゲゲの鬼太郎
CV:宝亀克寿
水木しげるの妖怪画では、少女に襲い掛かる樹木子がリアルなタッチに描かれていたが、5期第67話『歩く吸血樹!樹木子!!』で鬼太郎と戦った。
ある木の実を食べた人間の血を好み、枝を伸ばして拘束して生き血を啜る。更に、刺さった相手の血を凝固させる棘を飛ばしてくる。しかも、木の癖に移動できる。
習性に気付いた蒼坊主によってコアの位置を特定され、そこに封印の札を打ち込まれたことで倒された。
実は地獄に潜り込んでいたある西洋妖怪によって血の池地獄が占拠され、その影響で日本各地で樹木子が覚醒していた。蒼坊主が見つけた樹木子の習性と倒し方により、全国の天狗ポリスによって退治されたとのこと。
また各期ともに世界の吸血妖怪や南方妖怪のボスとして「吸血樹」が登場している。
カルラ舞う!
『仙台小芥子怨歌』で重要な役目を担う妖怪。
作者の永久保貴一は日本古来の妖怪と信じて登場させたのだが、概要の通り、後に京極夏彦らの対談本にて水木の創作妖怪である可能性が指摘され、大きなショックを受けたことを文庫版のあとがき漫画で告白している。
ただし、作中での名称は「呪木子」であり、物語上の設定に合わせてデザインも変更されていたため、権利的なトラブルは回避できたらしい。
女神転生シリーズ
続編『ソウルハッカーズ』では、湾岸倉庫街の冷凍倉庫に出現するために氷結属性だった。
また、架空の大正時代が舞台の『葛葉ライドウ』でも銀氷属の悪魔として登場している。
詳細は →妖樹ジュボッコ
GRIMM
「グリム童話」をモチーフにしたダークファンタジー・サスペンス海外ドラマ。ファイナルシーズン第9話「ツリー・ピープル」に登場するヴェッセン(魔物)キノシモベと何か関係があるようだが…
小山田いくの作品
同名の短編や『ウッド・ノート』の一編に登場している。