概要
チベット(現チベット自治区)のトルクジャン地方に伝承される魔神。
角の生えた二足歩行のイノシシの様な姿で、鼻から出る煙をかけられた人間は動物に変えられて食べられてしまう。
この地方の人々はこの魔神を非常に恐れており、自分たちが食べられないように祠に生贄をささげる風習が残っている。
1955年に迷信を打ち破るために軍隊が祠に砲撃を仕掛けた。
しかし、ズウー像には一つも傷がつかず、砲撃を行った兵士5人は身体を引きちぎられた状態で死亡していたという。(謎の病気になった、大怪我を負ったともいわれる。)
創作での扱い
水木しげる作品
1978年に発売された『妖怪《世界編》入門』に描かれた魔神ズウーの妖怪画が有名である。
さらに『悪魔くん(埋れ木真吾版)』に黒悪魔として、ファミコン用RPG『魔界の罠』にも敵モンスターとして登場している。
妖怪馬鹿
京極夏彦氏がみうらじゅんの絵柄を完コピして、「これが魔神ズウーだ!」という紹介図を描いた。
※ホラー作品における豚のコックや、『天外魔境』シリーズの地獄釜の肉助、マダム・アペティのように人間を動物に変えて、料理して食べてしまう豚の魔物という存在の元ネタなのかもしれない。
関連タグ
実は…
初出は1968年に発売された作家・中岡俊哉著の児童書『世界の魔術・妖術』で、トルクジャン地方という地名は現実には存在しない。
この魔神の元ネタはメソポタミア神話のアンズーだと考察されているが、単純に動物園を表すズー(ZOO)のほうなのかもしれない。
中岡による実録調の解説は、その後の怪奇系児童書に大きな影響を与えており、上記の水木の書籍にも採用されたことで、中岡の書籍の挿絵がディテールアップした姿で描かれたことから有名になったのである。