概要
ブラジルの北部に住む先住民に伝承される風の魔神。
この魔神の像はシャパタン山の西側の谷間にある、3メートルほどの高さのピラミッド型の祭壇の頂部に祀られている。
岩のようにゴツゴツした体で、頭に2匹の蛇を巻き、とても大きな一つ目と耳まで裂けた口を持つ。さらに鼻のあるべきところには4つ穴が開いており、そこからとても強い風を吹き出す。
怒らせると2メートルほどの像が10メートルも大きくなり、手にした真っ赤な羽根を振り回して、大木ですら根っこごと吹き飛ばす強風を3日間も続かせると先住民は恐れていた。
そのため、月に一回はこの魔神の好物であるという牛を一頭捧げていたといわれる。
あるとき、いたずら好きの少年がこの魔神像に矢を放ったところ、強風が吹き荒れてたちまち空へ吹き飛ばされてしまったという。
創作での扱い
水木しげる作品
1978年に発売された『妖怪《世界編》入門』では解説はされなかったが「妖怪のダンス」にカラーで描かれ、「妖怪のスタイル」のイラストでも点描で登場している。
また児童誌の特集記事では単体で描かれ解説された。
さらにモバゲー『妖怪横丁』ではボス妖怪の一体である。
関連タグ
実は…
初出は1968年に発売された作家・中岡俊哉著の児童書『世界の魔術・妖術』で、シャパタン山という地名は現実には存在しない。
中岡による実録調の解説は、その後の怪奇系児童書に大きな影響を与えており、上記の水木の書籍にも採用されたことで、中岡の書籍の挿絵を元に描かれたことから有名になったのである。