概要
名前の通り、吸血鬼や狼男などといった、ヨーロッパ及びその付近で活躍する妖怪を指す。劇中ではぬらりひょん一味と並び鬼太郎軍団最大の宿敵だが、必ずしも敵ではなく、というか日本を侵略してくる西洋妖怪がクローズアップされるので仕方ないが、例えば魔女や狼男などでも平和的な存在もいる。
鬼太郎シリーズ
原作では、鬼太郎親子とねずみ男以外の鬼太郎ファミリーが初登場した時の敵でもある(猫娘は当時はまだ鬼太郎ファミリーではない)。そして、ねずみ男の裏切りにより鬼太郎親子以外のファミリーが全員死亡し、その後何事もなく復活している事も有名な話である。
一方で、アニメ第1期においては会議所にしていた寺院を破壊されるまでは人間と共存していた節がある(この点は同様に領域としていた『妖怪パラダイス』を人間に荒らされるまでは共存していた節がある原作での中国妖怪(チーの軍団)と似た境遇で、アニメ3期でのたんたん坊一味の状況も、どこか似ているのかもしれない)。
特に吸血鬼・狼男・魔女に言える事だが、作品や各話ごとに同じ種族でも全く異なる個体が出てきており、以下のリストから漏れている個体や勢力も少なくない。
例えば、以下の様に必ずしも敵とは言えない個体も確認されている。後述の『墓場鬼太郎』における四代目吸血鬼と人狼(ひとおおかみ)は敵対する場合もあったが、『ゲゲゲの鬼太郎』における敵対状況とは全く別である。また『妖怪ラリー』や『国盗り物語』の相撲編の様に、敵対関係にも種類がある(例えばアニメ4期のバックベアードの様に、ラリーと直接の敵対を両方経験した事もある他、3期劇場版では妖怪皇帝の配下として狼男とフランケンがメインビジュアルに描かれている。)。
- ルーマニアのドラキュラ伯爵は、目玉おやじが伯爵の娘を鬼太郎の見合い相手として推していた。
主なキャラクター
首領
“妖怪大統領”及び“西洋妖怪軍団首領”の肩書を持つアメリカの妖怪。強力な眼力が武器。が、媒体によっては鬼太郎サイドの味方になる事もあり、その際は西洋妖怪軍団相手に戦っている。
幹部
原作・第1~3期
西洋妖怪軍団のナンバー2である吸血鬼。恐山の妖怪血液病院を狙う世界吸血妖怪軍団の首領でもある。
アニメ第3期ではウミガメの血を啜ってミイラにしていた(何故かウミガメはエピローグで生き返っているが)。
第4期劇場版『妖怪特急 まぼろしの汽車』では、外見こそ同様だが「ドラキュラ」の呼称は無く、単に「吸血鬼」と称されていた。
カッターにもなるシルクハット、サーベルが武器。更に羽織っているマントは包み込んだ相手を妖怪石炭に変える能力を持ち、脱ぎ捨てれば相手を追尾する強力な飛び道具になる。鬼太郎をマントで包み込み、一度は妖怪石炭に変えて汽車の燃料にしてしまうが、目玉おやじとねこ娘の活躍によって復活される。鬼太郎と汽車の上で一騎打ちを繰り広げるも、ちゃんちゃんこでマントを押し返されて胴を突かれ、そのまま汽車の煙突に落下して敗北。そして黒焦げになった状態でお縄となった。
第6期は第1話で犬山まなが吸血木から「ドラキュラ」の名前を連想し言及、鬼太郎も存在自体は否定していないが姿は未登場なまま。
地獄編では人間の血では種族の繁栄が見込めない事を悟り、こうもり男や狼男を引き連れて地獄に現れ、血の池地獄で生き永らえようと目論んだ。その為にがしゃどくろのツボを手に入れて白骨軍団を復活させ、兵団を作り上げようとしたが、がしゃどくろによって地上に戻された。
ちなみにデーモン小暮は、彼等の親類であり配下という設定である。
ちなみに、水木御大が描いた妖怪画ではリアルな中年紳士の姿で描かれており、漫画などに登場するデザインは水木顔にデフォルメされたものである(5期では容姿が大幅に変わった事で威厳も増している)。
鋭い牙と爪が武器の獣人。第3期映画版では伊勢海老を噛み砕くパフォーマンスを披露。デザインは大抵スーツを着た姿で表される傾向にある。
水木御大の妖怪画では狼の特性を持った人間の顔で描かれている。
箒で空を飛び魔法を操る典型的な魔女。斥候の任務も多い。第4期においては周囲からは「悪臭」と嫌われるねずみ男の臭いも大好物。ロッキード事件を起こした大魔女もいた。
怪力の人造人間。第5期では鬼界ヶ島侵攻の際、かつて共に攻め入った面々がヤングジェネレーションに代替わりした中、唯一次世代が登場しなかった。
『妖怪千物語』では『幽☆遊☆白書』のあの人を思わせるパワーアップ振りを披露。
第4期
西洋妖怪四天王
第4期に登場。妖怪王となったぬらりひょんの配下となる。
原作では妖怪大統領選に敗れたアメリカの妖怪。『悪魔くん』のアニメ及び『最新版』に登場した個体と異なり、かなりの実力者。ウーストレル、ポルターガイストといった小妖怪を体内で飼っている。ベアードが命を持っているため不死身。
ゴーレムを操る魔女。普段は猫の姿をしている。御大の妖怪図鑑では小池婆のイラストで紹介された事も。元ネタは魔女の使い魔とされる猫の名前。
冷気を吐く巨大な一ツ眼妖怪。元はロシアの文豪ゴーゴリ著の同名小説『ヴィイ』に登場する妖怪。
元ネタ作品をアレンジした『死人つき』(5期では『もうりょうの夜』)にて“土精”という名前で日本妖怪として登場している。ブイイ、土精共に元ネタ通りの巨大な瞼を持つ。
御大の妖怪図鑑ではもうりょうの様な行動を取る猿みたいな姿(一応一緒に暗闇に浮かぶ目玉が描かれているので多分それもブイイだろう)だったり、石像みたいな姿だったりと描かれた世代によって姿の認識にばらつきがあるであろう妖怪。
鬼太郎達を追い詰めたが、援軍として駆けつけた化け鯨・蟹坊主・雪女・つらら女・輪入道の攻撃を受けたところを鬼太郎のゲタに歯を折られて撤退した。
四天王最強の巨人。幻術や分身などの妖術と五感も優れている。長い顎鬚は魔力の源。
御大の書籍では(恐らくは複数形である)“ジャイアンツ”の名前で紹介される事も。大地の神の子孫だったりと強大な力を持つことが推測されるが、踵が弱点らしい。
出身はバルカン半島との事であるが、語源がギリシャ神話のギガース(ギガンテス)なのであながち間違いという訳でもない。上記の水木しげる設定の元ネタは、恐らくギリシャ神話に登場するアンタイオスだと思われる。
ぬらりひょんの手先として登場。デザインは水木しげるの世界の妖怪大百科準拠。
第4期アニメでは後述するグルマルキンの手先として、5期アニメでは心優しき妖怪として登場。なお、第5期第2夜OPでは妖怪図鑑上のイラストや『悪魔くん』及び第4期に準拠したデザインで、本編ではそれとは少し異なるデザインで登場するなど差異が見られる。第5期では子ゴーレムも登場する(参照)。
妖怪図鑑にては、身長が数十メートルもある様に思えるロボットとしており、30年ごとに行動したり、世の中の不正を粉砕したり、人間の代わりに行動するなどの特徴が紹介されている。
第5期
メインとしては第5期に登場した伝説の西洋妖怪で、バックベアードの盟友でもある。ドラキュラ二世の父。人間界で密かに得た爵位は伯爵。ベアードと共に西洋妖怪の首領格。
第5期では血の池地獄で長い歳月の間に力を蓄え、鬼太郎の扱う『地獄究極奥義』にも互角と凄まじい力を手に入れるまで至ったが、(不死身故に死にはしなかったものの)オリジナルとも言うべき閻魔大王の『地獄究極奥義』には耐えられなかった。
初代ドラキュラ伯爵の息子。
- 大コウモリ
吸血コウモリだが初代ドラキュラ伯爵によって血の池地獄で育てられ、まるでドラゴンの如く巨大な体躯と強力な力を得たが、閻魔大王の『獄炎乱舞』に一掃された。
- 先代狼男
第5期では老いており、跡継ぎのワイルドに対し性格や何かとミスの多い体たらくを(特に同世代のドラキュラ三世が初代の活躍を目の当たりにし心機一転してからは、一向に変化の見られないさまを見て)「情けない」と嘆いていた。
南米の地獄での人間の魂を支配する者。日本の地獄に亡者が増えたのを手伝いに呼ばれたが、ぬらりひょんの電波に操られて妖怪獣の如く巨大化して地上で暴れた。鬼太郎が脳天に『霊波遮断剣』を刺し込んで解放した。
別として、ぬらりひょんの工作で崩れたこの世と地獄のバランスを戻すために地上に現れる。『悪魔くん』では味方として登場していたが、こちらは敵キャラである。ただし、5期で声はアニメ版悪魔くんに登場した個体と同じだった。
- 美女魔女軍団
バックベアードの世話役。バックベアードに好意を抱くザンビアは、彼女らの事を鬱陶しく思っている。
第5期では、膨大な人間の悪意を街に落とそうとしたが、西洋妖怪キラーである子泣き爺と鬼太郎の『地獄究極奥義』により失敗する。
妖怪図鑑によっては怪物顔で描かれたり、BBA顔で描かれたかと思えばかなりの美人に描かれた事も。
モノクルを付けた翼人に似たいかにもイケメンな妖怪なのだが、本来の姿はクジャクとグリフォンを混ぜたかのような怪物然とした姿(これに近いデザインというとわかりやすいだろうか)をしている。
なお、本来パンサーとは鳥の姿をした妖怪ではなく、中世ヨーロッパの伝承に登場する甘い香りを発する、獣のような姿をしたモンスターである(参照)。サクソン人にとっては、神に近い存在とされている。
- 魔火
フランス出身の顔の付いた鬼火の様な妖怪で、ゴーレムのコントローラー的な位置づけで登場。鬼太郎に登場する前は『悪魔くん』において黒小人(昔話『取り替えっ子』で有名なあの妖精。後述の黒小鬼の元ネタでもある)が姿を変えられた悪魔という位置づけで登場していた。
水木御大もイラストを描いており、『最新版悪魔くん』にも登場しているフォービ(参照)という馬の身体に多頭竜の頭を持つ魔神も「魔火」を放つとされているが、妖怪の魔火とは別と思われる。
シルクハットが特徴的なイギリスに伝わる妖精。アニメ第5期第2夜OPに登場していたものの、本編には登場せず。
ヤングジェネレーション
初代ドラキュラの孫でドラキュラ二世の子。残虐な美形悪党で戦闘力も高めだが、美女に弱い三枚目で、一応ヤングジェネレーションのリーダー格ながら迂闊な部分も多い半端者。
先代魔女の孫娘。ベアードに憧れる若い魔女。テレビマガジンのスチールでは金髪になった事があるが、実際は紫色の髪の毛である。経験不足から戦術は稚拙ながら、魔法のセンスは悪くない。
冷酷な行動が目立つが、どこか悪に徹しきれない面があり、ネコ娘とはライバルにして腐れ縁という微妙な関係ともなる。
先代狼男の子。オネエキャラで間抜けだが極悪非道。ネイルアートや化粧などにこだわる性格は先代狼男の悩みのタネながら、格闘能力には優れている。
古代エジプト妖怪王家の末裔であるミイラ男。その風貌と技から、視聴者からは「CCO」と呼ばれる事も(声は死神代行だったが)。
戦闘能力も高く、配下には「マミー」と呼ばれる戦闘員を引き連れている。ドラキュラ三世の指揮権を上回る貫禄もあり、狡猾な性格。
第6期
第6期に登場する西洋妖怪の幹部メンバーは、いずれも歴代以上の高い能力を有している。
魔女の一族から西洋妖怪の指揮官格となった女将軍で、戦闘能力も高い。第6期の西洋妖怪軍団では彼女がナンバー2的な最高幹部である。冷徹だが実直な性格で、ベアードに純粋な忠誠を誓う。
アデルの妹で若い魔女。姉の地位もあるため、彼女も他の幹部クラスから「アニエス様」と敬称付きで呼ばれている。とある思惑から西洋妖怪軍団より逃亡し、日本に来て鬼太郎達に協力を求める。
良くも悪くも自由奔放な性格で、言動もストレートである。犬山まなと出会い交流を深めていく。姉には及ばないが、魔法の能力は高い。
デザイン的に第5期に登場したザンビアの後身的な存在でもある。
ベアード直属の西洋妖怪三人衆
第6期においてベアード側近格の最高幹部・アデルに次ぐ西洋妖怪軍団の幹部達。
第6期における西洋妖怪軍団で、ドラキュラ二世の役割ポジションにて大幹部の1人として登場する女性吸血鬼。ただし、地位はナンバー2ではなく、あくまで三人衆の1人である。軍団きっての策士で、性格は冷酷。
先述の様に6期では既に第1話からドラキュラの名前も言及されているが、最後まで未登場であり、西洋妖怪としての位置付けやカミーラ達との関連も不明なままである。
獣人だが普段はスーツを身に纏った男性の姿をしていて、戦闘時に赤い狼男形態を取る。宝石に込められた魔法を使った戦術や驚異的な回復力が特徴であり、歴代で最も動物の狼に似た姿に変化し、戦闘能力も歴代狼男でトップクラスの強さである。残虐な性格。
極悪非道な西洋妖怪の科学者にして人造人間の製作者。見た目は少年の様だが、性格は狂気じみている。本作では自らがフランケンシュタインの怪物となっている。
その他の西洋妖怪
吸血鬼
「霧の中のジョニー」、「吸血鬼チャランポラン」とも呼ばれる。高い実力の他、ギターの音色による催眠術や溶解液などの搦め手も得意。
相手に気付かれずに血を吸うことを得意とするフランスの吸血鬼。マシンガン使いの殺し屋ザ・マンモスを用心棒として連れている。
魔女
本物そっくりの複製人形や天候操作の魔法を操る。
アラビアの魔王の娘。
その他
『妖怪ラリー』にソ連(ロシア)代表として出場し、中国代表の長江の水虎とデッドヒートを繰り広げる。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』ではラスボスである大妖怪ギーガの正体(ただし本体ではない)。
姿も作品によって一定せず、アニメ1作など殆どの作品では獣人のような姿で(アニメ版『悪魔くん』も含む)、5期ではモグワイに似た姿で登場している。『水木しげる世界の妖怪大百科』などではやたら格好良い姿で描かれているのは内緒である。
名前はドラゴンだが、見た目は竜人。半竜人とも呼ばれる。アニメ版『悪魔くん』に登場したクエレブレにデザインが似ている。
第4期アニメに登場。インド出身の妖怪で、喫茶店『銀十字』のマスターに化けていた。5期では劇場版に少しだけ登場するが、本編には番組打ち切りの関係で登場出来なかった。西洋妖怪勢力にしては珍しくアジア圏の妖怪だが、かつてイギリスの植民地として統括されていた歴史との関係は不明。
作中では『羅刹』の名称で鬼太郎に認知されていた。
漫画『雪姫ちゃんと鬼太郎』に登場した妖怪。ブラジルに伝わる一本足の妖怪が元ネタ。『悪魔くん』では味方として登場しているが(こちらは流石に一本足はマズかったのか二本足)、こちらは敵役として登場。ガマ仙人の体に穴を開けるが、マーメイドと共倒れになり失格。
『水ノコギリ』という強力な技を持ち、ヴィイを二枚卸しにしたりヴォジャノーイの体に穴を開ける。だか、サシペレレと相討ちになる。
水木氏による妖怪図鑑のイラストと漫画の姿がおそらく別物(参照)。後者は馬男、というか馬の獣人。似た様なケースは、例えば以津真天にも見られる。鬼太郎の様なエクトプラズムも可能。海馬/馬鯨とは別の存在。
漢字表記は『水精』。漫画版に登場するロシア(当時はソ連)の妖怪。お馴染みのカエルやアザラシが混じった様な姿ではなく、2本の角と唐辛子の様な尖った鼻が特徴の姿で描かれている。人間に化けて体が凍り付いた鬼太郎とねずみ男を船にあげ、温められた際に生気を抜かれて体が溶けた2人をゼリーか羊羹よろしく型に入れて固め食おうとするが、その前にフライにして食べた目玉おやじに心臓をやられ倒れる。ちなみにその後ねずみ男が肉をカツレツにして食った。
ちなみに、ヴォジャノーイに呼ばれた他の3人のロシアの妖怪も、結局はねずみ男の機転でお化け島(正体は巨大な海の妖怪)に登らされた後にお化け島が沈んだ。
第5期アニメで登場。割と原典に即した外見をしている。本来なら冥府の番犬であるはずなのだが、何故か亀姫が自分の城で飼っているペットとして登場。どこから連れて来たのかが非常に興味深いところである。なお、『妖怪千物語』では西洋妖怪軍団の一員として登場し(姿はどう見てもオルトロスである…作画の都合故だろうか?)、アニメ版『悪魔くん』にも序盤にて登場している。
ドイツ出身。ぬらりひょんの刺客で、巧妙な手口で鬼太郎達に取り入る。アリ地獄で鬼太郎を地中に引きずり込むが、鬼太郎の左目が開いた力で倒される(参照)。
墓場鬼太郎
- ドラキュラ四世
ハンガリー出身で、来日の理由は人間の血を狙っての事(「ねずみ男はハンガリー人」だとする巷の情報は、これが由来だろうか)。大妖怪の魔人であり、当時のねずみ男の主人(ねずみ男の初登場でもあった)。この時、ねずみ男は目玉おやじを天ぷらにして主人に食わせている。日光に耐性がある。
最後は、夜叉と東西の吸血鬼対決で相討ちに終わる。何故か最後は丸い玉の様になってもつれあって死んだ。原作の旧鼠と五徳猫、あるいは第3期の画皮と妖神にも似た最後であった。
出自と日本語の習得度は、原作とガロ版・アニメ版とで異なり、ガロ版だと逆にねずみ男に利用された(夜叉ではなく牛鬼と戦うために連れてこられ、結果は相討ち)。
『ゲゲゲの鬼太郎』では、夜叉の取り憑いていた姿がドラキュラ四世の姿にそっくりであり、吸血鬼エリートのようにギター持ちであった。
西洋妖怪軍団である初代~三世との関係は不明。
- 人狼
同じく『墓場鬼太郎』に登場。『人狼』と書いて「ひとおおかみ」と読む。イギリス出身で、出身国で恐れられてきた。出会った時は鬼太郎の隣人である。
普段はインテリな紳士であり、英国軍とも繋がっている。一方、変化すると暴れまわる。がま令嬢を巡ってねずみ男と恋敵になり、そのことで、当時水神事件の余波でねずみ男の奴隷となっていた鬼太郎と協力した (鬼太郎がねずみ男の恋を邪魔して人狼の恋の成就を手伝う代わりに、水神退治に協力)。だが、がま令嬢が失踪した事で鬼太郎に騙された事を知り、ねずみ男と共に鬼太郎への復讐に動く。
その容姿からも、西洋妖怪軍団のバックベアード配下となっている狼男とは別人の様である。
- 魔女製美女
鬼太郎に対する色仕掛け戦法と催眠術で容易く鬼太郎を陥落させ、鬼太郎と婚約するが目玉おやじの要請で来たバックベアードに倒される。
第5期でのみ西洋妖怪だとされているが、バックベアード達とは関連性がない。というかピーはタイ王国の妖怪である。
- ベルサイユの化け猫
ベルサイユ宮殿に取り憑いた化け猫であり、ヨーロッパの妖怪の一団を率いる。自らが食い殺した老婆に化けていたが、鬼太郎に尻尾を千切られ、妖怪軍団を連れて逆襲した。鬼太郎の体内に潜伏して衰弱死させようとしたものの、鬼太郎が覚悟の切腹をして倒された。
- 死霊使いの女
アメリカ東部の妖怪。日本を襲った西洋妖怪の軍団に参加していたり、ローマの民家をガイコツ軍団に混じって乗っ取っていた。
作品によっては出身地が違う。原作ではイギリスの巨大な黒い猫妖。有名大学出身の美人女性教師黒塚先生に取り憑き、田舎の小学校の生徒や大人達を洗脳して乗っ取った。日本を支配しようとしたところを鬼太郎の秘法『絵封じ』によって倒された。しかし、絵が破かれた事で復活し生徒達を襲ったが、真実を見抜く力を持ち鬼太郎に似た顔を持つ少年の横山丸男には本性と体内の九つの魂を見抜かれ、指鉄砲で魂を撃ち抜かれて消滅した。第6期では日本妖怪。
- 黒小鬼
スカンジナビア出身でぬらりひょん達に助太刀した。子供を霊界に誘拐してコレクションにして、合図一つで黒小鬼ジュニア(縄の様なもので対象を捕縛する)にさせる。髪の毛を伸ばした攻撃も出来るが、鬼太郎の毛針より弱い。最終的に鬼太郎の『ダブルゲタクラッシュ』に参って帰国し、子供達も解放された。
アニメ版『悪魔くん』では、「黒小人」名義で先述の魔火の正体として登場。
人間から地上を取り戻すために戦争を仕掛けようとして妖怪島に集まっていた面々。
- ラークサーハ
目玉が三つある。死霊使いの女やガイコツ軍団と共に民家を襲った。先述のラクシャサと元ネタは共通。
第5期の狼男族の眷属の魔犬で、コウモリやミイラの軍団やカボチャ人形(ジャック・オ・ランタン)などと共に雑兵である。体にトゲが生えている。
『最新版悪魔くん』ではゲスト敵として登場。こちらはシンプルに巨大な黒い犬の姿をしている。
一本足の付いた家の様なヨーロッパの妖怪。言葉を喋らない代わりに煙突から煙の文字(英語)を出す。人間をドアから吸い込んで家具や壁で襲って消化する恐ろしい妖怪だが、逆に魔女裁判から逃げて日本にきた。
ゲゲゲの森に誘き寄せられたところを、森に住む妖怪ツタが(100年程餌を貰えていなくて飢えていたため) 凄まじい勢いで家獣を捕食した。第5期のゲゲゲハウスは似たような見た目かもしれない。
元ネタはロシアの魔女・バーバ・ヤーガの家。ちなみに『悪魔くん』に登場する家獣とは全くの別物。
- 蟹妖怪
- ジェフ
アメリカ出身のカニ妖怪の一体。魚と貝しか食べない。人間に化けてねずみ男と友達になり、紹介された黒髪切りとねずみ男を誘拐した。洋服屋を営んでいた黒髪切りの作ったスーツを気に入っていた模様。
ジェフの師匠もいるが、鬼太郎が年に一度だけ使う技『八幡まき』によって捕獲された。
- 大蟹・大亀・大カジキ
西洋妖怪が海上戦で乗騎にしている。
神々
魂を奪う光線を口から吐き、一万の魂によって作る霊魂爆弾によって全てを創世させようと企んだ。鬼太郎が殺された事もある強敵。目玉おやじ曰く「鬼太郎が自分の能力を鼻にかけて無用心だったから」らしいが。オシリスに反逆してエジプトの地下世界を征服したが、最後は地獄に流された。獣人の様な5体の配下がいる。
アニメ版『悪魔くん』では『アヌビスのセト』として登場。別の神と名前がごっちゃになっているのは、種族・アヌビスの個体名・セトと言ったところなのだろうか?
メキシコの雨の神で厳密には敵ではないが、訳あって戦った。ケニアのブードー神と似たような話。本来は西洋ではないが、ミイラ男にはメキシコ由来の術を使う個体もいるので。
先述のブードーとの対決にてねずみ男が全身を溶かされ、二つの目玉だけで生き延びたのは有名な話。
悪魔関係
言わずと知れた大悪魔だが、昔は天使長で釈迦や諸仏の皆々様方と友だった。大日如来様に反逆し、神宝『ユニコンの鏡』を盗んで太陽の光を消した。弥勒菩薩様がサタンの術を破り、鬼太郎達の協力で神宝や太陽の光が復活し、瓢箪に他の悪魔もろとも封印され、大日如来様が息を吹いて宇宙の彼方に追放なされた。
ちなみに、『ユニコンの鏡』を巡った宇宙戦争はこれまでに何度か発生し、それを解決した八百万の神々は弥勒菩薩様が大日如来様へと送り届ける。鬼太郎と水木しげるも神として迎えられた。
「それぞれ各種顔の部位が無数についた球状の肉塊」という非常にグロテスクな姿になる事で知られる。烏天狗と鬼太郎の逆魔法が天敵。『悪魔くん』版はやたらと姿が違う。
一説によるとルシファーの次に強い悪魔の筈なのだが、第6期ではバックベアード配下の西洋妖怪(サブタイトルは『悪魔ベリアル』表記)に格落ちしてしまっている(それでも強大な存在である事に変わりはないが)。
上記の状態に近い見た目の妖怪が、野球や綱引きの審判などで登場している。
- 悪魔博士
ベリアルの子孫。『オーナラトロン』という光の粉末に肉体を再構成して変幻自在に変化できる。また、オーナラトロン光線で敵を石に変える。鬼太郎に復讐しようとしてねずみ男を買収した。鬼太郎を誘き寄せるために犯罪を行ったが、ねずみ男の失態で鬼太郎の石化が解け、ちょうど蜘蛛に化けていたところを鬼太郎のカメレオン舌に捕食された。
握手した相手を操る能力を持ち、膨大な数の悪魔の軍団を従えるが、最強クラスの妖怪でもあるやかんづるに丸ごと倒された。伝承ではライオンの顔をしているが、劇中ではとてもそうには見えない。
漫画版『死神大戦記』で登場。原典通りハエの姿で登場している。が、ハエ取り紙の罠にかかって焼き殺されるというマヌケな末路を迎えた…。えぇ…。
ただし同じく漫画版『UFOの秘密』では鬼太郎を地底世界に送り届けたベヒモス共々味方で、地底人にミイラ化された鬼太郎を助け、更に捕らえた地底人をコンクリ詰めにしてみせた。
『悪魔くん』版だと姿と強さは大幅に変わっている。まぁ、あまり強くはないのだが(12使徒として活躍している作品もあるので、弱い訳では無い)。
同じく『死神大戦記』に登場する、ゴボウの様な鉤鼻と枯れ木の様な頭が特徴の悪魔。と言うか元ネタは、ケルベロスの主人である冥界の神である。最後は封印のひょうたんに封印される末路を辿る。
『悪魔くん』でも登場し、主人公らを大いに苦しめた。
同じく『死神大戦記』に登場する元天使長たる大悪魔。サタンに仕える八死神の1人で、どこかの地獄を支配していた。見た目は人型だが植物の妖怪であり、無数の吸盤型の伸縮自在の足によって対象を捕縛する…らしい。最期は鬼太郎の猛毒ヘドロの下駄を食らって死亡した。この作品の悪魔の扱いって…。
『鬼太郎の挑戦シリーズ』では幾分かアレな設定を持ち、過去に中世を支配した悪魔の親玉とされている。大量の配下と共に地球を去り、インカ人が作った空中の『神の国』を乗っ取り、地球から1000人の美女を誘拐した。しかし、体内戦術を使った目玉おやじが脳を運転してルキフェルを支配して捕虜にした。
ちなみに彼も『悪魔くん』に登場しており、サタン王国の副王といういわゆる大幹部ポジションで登場している。
直接の登場はしない。『続ゲゲゲの鬼太郎』にて、互いの命を狙ったねずみ男と猫娘の抗争の末、ねずみ男の罠で猫娘が魔王の供物として地獄に連れ去られてしまった。
ジニヤーの父も魔王だが、第3期では戦争を好まず、戦争好きな部下達を抑えていた。
- 魔王の部下
龍のような姿のタイプと、ヒト型のものがいる。後者は尖った爪と足先を持ち、猫娘を地獄に連れ去った。
- 大海魔
サタンの配下。死の島の魂や日本の漁船を襲ったりしていた。体内にガソリンを持ち、ガスを好んで摂取し、口から猛毒のガスを吐く。それ故、体内で引火させられると弱い。
- ブラックエンゼル
堕天使。統活地獄の管理者である巨大な化けガラスを襲って幽閉したが、水木によって解放された化けガラスに倒された。
ちなみに第5期に登場した宋帝王も、化けガラスと似た経歴を持つ。
その他
大日如来様の磁流エネルギーを受けて回る宇宙の巨大な円盤。時の守護神である十二支が管理(?)している。
トルコ出身で、漫画版『鬼太郎のベトナム戦記』で登場した。力強く、空中戦力として呼ばれた。西洋出身であるものの、鬼太郎側に味方するという珍しい立場にいる存在である。
元ネタは、イラン神話における強大な霊鳥で、不死鳥やロック鳥等のような性質を持つ。他文化圏に伝わった際には神にもなっている。
- 化けハンバーガー
西洋妖怪というよりは、西洋由来の食品の妖怪。渋谷で人間に噛みついたが、ハンバーガー自体が妖怪だったのかは不明。
似た様な存在として元興寺に操られたものを含め、うどん、そば、便器、ジャガイモ、蟹料理屋の看板、水、ホース、バキュームカーのホース、鉄条網、縄跳びの縄、綱引きの綱も同じ様に暴れた。
厳密には南方妖怪であるが。有名なUMAとして紹介されたニューネッシー/マッサライとは別の存在。南氷洋で発見されたところは“南極のゴジラ”に似ているかもしれない。海坊主先生こと老博士が進化薬を注射して怪物にしてしまった軟骨魚類。
- 特別列車の車掌
『ルーマニヤの狼男さん行きの特別列車』の車掌で妖怪語が堪能。
本編未登場の妖怪組
原作者の妖怪図鑑などに登場するが、現時点で本編未登場の存在は世界中に数多くいる。ここでは、メジャーな部類であるだろうドラゴンや悪魔などを例に出す。
ドラゴンの類
リヴァイアサンの他、リンドブルム・ワーム、毛虫のような何十もの脚があるドラゴンと、どこかファードラっぽい「聖乙女の祈りに退治される竜」、タラスク、タラスキュー(タラスクとは別)、竜かどうかは不明だが、マロール(参照)、シーサーペント、シーモンスター、多頭竜パスハ、クエレブレ、ペルーダ/毛むくじゃら、エジプトや北米大陸なども含めれば、アプス、シシュル三頭蛇霊、蛇体娘などが描かれてきた。
本編などで鬼太郎達と絡んできたのは東洋竜(蛟や蛟竜、妖神などを含む)や蛇神(夜刀神)やヤマタノオロチ)、野槌やツチノコなどの蛇妖が常であった。未登場組だと例えば龍神や龍、韓国の蛇娘、竜車、大黒龍、毒蛇竜、橋に化けた竜、鬿雀、人頭神の鼓、ヌグ、UMA勢を含めればミゴーなどが見られる。
毛虫の様な胴体を持つドラゴンは、地下世界と繋がりを持ち、愛憎・善悪の様な相反する感情を持ち合わせ、地下世界の無意識のエネルギーを身に帯びており凄まじく強いが、尻尾を弱点としている。
リヴァイアサン(レビヤタン)は、ワニの様な姿に翼を持つ。なんと山で氷となったり溶けたりして氷河の様になると紹介されている。
その他の水木作品などや未登場勢
大抵がアニメ版の『悪魔くん』に登場している事が多く、水木御大の著者で妖怪としてカウントされている者達も悪魔として扱われている(こちらの世界線では、殆どの妖怪が天岩戸に封印されて衰退した扱いにされている模様)。要はメガテンと似た扱いである。
しかし、選出は鬼太郎の物と比べてマイナーな物が多く、有名どころではセドナ(厳密には妖怪ではないが)やまんだらけやグレムリン、マイナーどころではラルヴァ(ローマに伝わる悪霊。水木御大の著者ではヨーロッパ各地に現れると解説される)など、意表を突いた人選が名を連ねる。一方で、元から悪魔とされている存在ではサタンやアザゼルなどの有名な存在が多く選出される傾向にある。
この他、水木作品に登場していないものの中にはタロスやスキュラ、グリフォン、ガルーダの様な、現代の大衆文化で当たり前に目にするようになったモンスターの他、アエロファンテといったUMAの類にも水木御大による妖怪画が存在しており、それらも総括して著書や関連書籍では『妖怪』としてカテゴライズされている。
水木作品以外での目立った登場など
藤子不二雄Aの作品・『怪物くん』でも主人公で怪物ランドの王子である怪物くんこと怪物太郎のお世話をするお供の三人衆として、フランケン・ドラキュラ・オオカミ男が登場し、原作の初出は鬼太郎シリーズが雑誌連載された頃と同時期だが、こちらでは3人共お人好しな正義の怪物としてギャグチックに描かれている。
また、怪物くんは百面相で顔を自在に変え、一瞬だが鬼太郎の顔になった(お遊びと思われる)事もあり、仲間にミイラ男や魔女系の者、更に敵勢力として悪魔軍団も登場。本作では総じて水木作品の西洋妖怪は「怪物」と称され、特撮における宇宙怪獣なども連載中の放送時期に合わされて怪物の一種に含まれる解釈になっていた。日本の妖怪については、「日本に古くからいる怪物」と呼称され、日本国内でも某所の「コワイ山」を根城に人間界の裏で行動していると設定がなされた。
余談
- 『変身忍者嵐』において悪魔道人、大魔王サタンが操る妖怪の総称でもある。※もしかして→西洋妖怪(変身忍者嵐)
- なお、「西洋妖怪との戦いは『墓場鬼太郎(竹内寛行版)』に原点がある」という見解もある。