概要
フランスの北西部の伝承で語られるドラゴンの一種。
蛇の様な頭部と尻尾を持ち、四本の足に亀の甲羅に緑色の皮膚、そして最大の特徴として体がライオンの様な毛で覆われた姿をしており、その特徴故なのか、一部の文献では“ラ・ヴリュ(=毛むくじゃら)”の名称で紹介しているものもある。
また、背中には猛毒のトゲの様なものが背骨に沿って、或いはハリネズミの様に体に毒針が生えているらしい。
伝承によれば旧約聖書で語られるノアの大洪水よりも遥か昔から存在しており、ノアの箱舟への乗船を拒否されたにもかかわらず、この破滅的な大洪水に巻き込まれても生き残った程の生命力を持っている。
更に口から吐き出す炎で農作物を焼き払い、家畜を襲い、川の中で暴れて洪水を引き起こすなど、フランス西部のラフェルテベルナールを荒らし回ったといわれている。
また、穢れの無い淑女の肉を好み、川で水浴びをしていた女性を襲っていたが、最後は愛する女性を殺された男性に、弱点とされる尾を切られ退治されたという。
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