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吸血鬼エリート

きゅうけつきえりーと

吸血鬼エリートとは、『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズのキャラクター。音楽による「音響催眠術」を得意とした吸血妖怪。名称は『霧の中のジョニー』又は『吸血鬼エリート』とあるが違いは特にない。ただし吸血鬼チャランポランではヒゲがある。
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声優



概要

ゲゲゲの鬼太郎』シリーズに登場する吸血鬼。
貸本時代に執筆された「霧の中のジョニー」などに登場し、作品によっては霧の中のジョニー吸血鬼チャランポランとも呼ばれる。
アニメ4期では吸血鬼エリート、5期では作品タイトルが「吸血鬼エリート」、個体名が「吸血鬼エリート ジョニー」。6期では本名が「ジョニー」であり、対外的には「吸血鬼エリート」を名乗っているという設定となっている。

モデルは水木しげるの友人のつゆき・サブロー(杉本五郎)で、本人も認めるほどその特徴をうまく捉えている。
 
シリーズを通して容貌はほぼ共通しており、大半はスーツに身を包み(シリーズによって、緑、黒、白となる)、ギターを背負う。顔や髪形のデザインも似通っているが、顎先は4期では平らで5期ではやや尖っているほか、髪形は大半がセンター分けだが、墓場鬼太郎では七三分けになっている。

ジョニー



なお、吸血鬼エリートのもう一つの名である「霧の中のジョニー」は、イギリスの俳優・歌手のジョン・レイトンの楽曲「Johnny Remember Me」に由来する。恋人との別れを歌った哀愁漂うラブソングだが、その内容は死のイメージを感じさせるもので、吸血鬼にはぴったりとも言える。詳細はリンク先を参照。


キャラクター


原作でのエリート

黒船来航より前にフランスからきた吸血鬼で、ねずみ男秘書として雇い総理などエリート官僚といった名士を中心に狙う。
その理由は「刺激があるから」というもの。

標的である国防大臣の吸血に失敗して、日本の事情に詳しい協力者を求め、新聞に妖怪にしか読めない妖怪語で秘書募集の求人広告を出すが、「午後三時に銀座のいちばん高級な喫茶店で日本一のコーヒーをすすりながら、その横に世界一のギターを置いている日本一の男前」などとナルシスト全開の自己紹介をしていた。

15円のアンパンすら買えないほど生活に困窮していたねずみ男に、月給10万円(当時の大卒初任給の平均は2万4千円)という破格の好待遇を提示して採用した。
だが実際はかなりケチな性格で、ねずみ男に金を払う気など最初から無く、用が済んだら始末するつもりだった。
一方で布団の柄は「KYUKETUKI」のクロス模様と、お茶目な部分もあったりする。

アニメでのエリート

エリートとしてのやたらと高い自覚もといプライドは共通しているものの、その方向性や行動の目的はシリーズにより異なる場合がある。

大半は個人のプレーの充実感といったもので、エリート官僚の血を狙うことで自らの実力を誇示している(特に第5期では躊躇)。
4期では、吸血鬼としてのプライドは同じであるものの、さらに加えてゴリ押しによる戦法を嫌うなど、戦術の鮮やかさを求めている一面があり「力づくと言うのは、知性の足りない落ちこぼれのやり方だ。それはエリートの私のプライドが許しません」と発言している。

5期では、漫画版や第1期と同じく、世界各国のエリート官僚といった名士を狙うことが目的だった。
6期では直接エリートを狙うのではなく、その息子たちを支配することで次世代の権力中枢を陰から操作し、1000年にわたって世界を支配してきたと語っている※。また、過去のシリーズとは打って変わって、叩き上げの成り上がり妖怪であり、コンプレックスの塊のような性格に変更され、独自のドラマが展開された。

※なお、彼がその目的のために学園長として潜り込んでいた名門校の名は「ポランチャール学園」で、キャラクターの祖先である「吸血鬼チャランポラン」を連想させるものとなっている。

また原作同様にケチな性格であり、4期ではねずみ男に報酬を払わずに砂地獄に落として始末しようとした。
6期では報酬を提示する際に指5本を立てて見せて、ねずみ男が「5万円?」と聞いたら「0が2つ違う」と答え、ねずみ男に500万円だと思い込ませた。だが実際に支払ったのは500円玉が一枚だけ、つまり0が2つ少なかったわけであった。


実写

月曜ドラマランド版の実写に佐渡稔(さわたり みのる)が演じる吸血鬼エリートが出てくる。
外見はドラキュラに近く、エレキギターを弾いていたり、マントを相手にかぶせ別の場所に飛ばす、杖から電撃を放つ必殺技「ビバ・フラッシュ」を使ったりするなど、原作とはかなり違う。
さらに今作では彼に噛みつかれた者は赤ちゃんプレイに目覚めてしまうという、とんでもない能力が追加されている。


実力

単独の敵では、最も鬼太郎を苦しめた相手である。ねずみ男の協力があったとはいえ、鬼太郎を捕らえ、溶解液を注射して溶かしてしまった。
アニメ4期では音楽で自由を奪い、そのまま抵抗も許さず砂地獄へと落とし込む。5期では吸血鬼としての実力の高さから、他の吸血鬼からも恐れられていたほど(モンローとピーも、エリートの音楽を聴いた途端に、すたこら退散してしまった)。

能力

  • 音響催眠術 ギターの演奏による音響催眠術(余談だが、ゲゲゲの鬼太郎では同様の能力を持つ妖怪に夜叉がいる)が武器で、その演奏を聴いた相手を操ることができる。

ただし、単に音楽を引くのではなく、相手の性格あるいは性質に合わせて曲を弾くとのこと。とはいえ、この設定も明確に定まっているとも言えないところもある。

アニメ第4期では相手の体の一部(髪の毛等)を水槽のオタマジャクシに食べさせると、水槽に描かれている音符に合わせてオタマジャクシが並び、音楽を作曲する形式となっている。ただし、人間が対象の場合にはこの前提を必要とせず、音色だけで魅惑していた。

第5期では演奏するだけで多数の人間を操り、長遠距離であるにもかかわらず鬼太郎を遠隔操作して自分の屋敷に誘い込んでいた。

第6期では、対象となる人間を意のままにするだけでなく、潜在能力を極限まで引き出すことが可能。また、相手が妖怪の場合でも、その技を一度見るだけで特徴をつかみ、ただちにギターの音色で支配下に置くことができるという強力なものとなっている。

  • 蝙蝠化
人の背丈ほどもある巨大な蝙蝠に変身して戦うこともできるが、シリーズによって異なる。
漫画版やアニメ4期では、人の姿のまま敗れ去っているが、アニメ1期や5期では蝙蝠に変身して再戦に挑んでいる。

体質

エリートを名乗るだけあって、弱点は特になし。吸血鬼と言えば十字架やニンニクを連想させるが、そういったものは一切効果がなく嫌がったりもしていない。 さらには昼間でも堂々と活動ができるなど、活動能力も高い。


アニメ4期での吸血鬼エリート

ドラキュラカラー
鬼



ゲスト声優の豪華さや特殊なシナリオが特徴のアニメ4期では、水木しげるファンであり、吸血鬼マニアでもある佐野史郎が声を担当した。佐野はさらにエリートのイメージソングも手掛け、劇中で披露、キャラクターソング集にも収められている。

黒スーツに赤蝶ネクタイという出立ちで登場。
エリート意識がずば抜けて高く、鬼太郎と初対面した時にも「世界でも凄腕とされる評判の君がその程度とは、拍子抜けだね」と言い放っている。
千年近い年月を生き続けたとされており、高い妖力を得、若さを保つために、高い才能を持った若い美女を襲っては血を吸い続けていた。その最終目的は、吸血妖怪の祝日『チースッター祭』に100人目の美女の血を吸うことで、最強の超エリート吸血鬼となり、妹蝙蝠のエリート化を成し遂げる事だった。

本編開幕早々、いきなり学校帰りだった美人の大学美術教授(cv:山崎和佳奈)を音響催眠術で路地裏に誘い込み、血を吸い尽くすという、ショッキングな登場を果たした。
エリートはねずみ男を金で釣って手に入れた鬼太郎の髪の毛を使い、鬼太郎に合わせた曲を作り上げる。乗り込んできた鬼太郎にギターを奏で、音響催眠でいとも容易く行動不能に陥れると、屋敷の真下にある砂地獄へと叩き落す。

用済みとなったねずみ男も同様に始末し、安心して念願の100人目の美女の血を吸おうとしたが、その直前に砂地獄から脱出していた鬼太郎に阻止される。
エリートは再度、鬼太郎を砂地獄に落とそうとするものの、鬼太郎は耳栓で防御。蹴り飛ばそうとして避けられたはずみにギターを落として壊したうえ、自身も屋敷の外へ投げ出されてしまった。

エリートはかろうじて崖っぷちにしがみついていたが、屋敷の崩壊にまきこまれ谷底へ転落。瓦礫の下敷きとなり、望みが果たせなくなったことを妹蝙蝠のティナに詫びながら力尽きる。同時に、彼の身体からこれまで吸い続けてきた美女の精気が拡散。失踪していた美女たちは元の姿に戻った。
しかしエリートは死亡したわけではなく、元の蝙蝠の姿に戻っただけで、ティナと共にいずこかへ飛び立っていった。

佐野史郎の飄々とした中にも不気味さの漂う演技と、事を進めるにあたってスマートさを重視する気取った性格、妹思いのお兄ちゃん(妹ティナに対しては一人称も兄ちゃん)というキャラクターが相まって視聴者に絶大なインパクトを残した。pixivでも人気が高く、様々な作品が投稿されている。


アニメ6期での吸血鬼エリート

もう彼しか考えられない…!
吸血鬼エリート、ジョニー様



大ベテランで、癖のある役柄を得意とする中尾隆聖が声を担当。壮絶な経歴と複雑な性格を持つ、哀しき吸血鬼を魅力たっぷりに演じた。

表向きは名門私立校「ポランチャール学園」の学園長として振る舞っており、エリート層の美少年たちを吸血し、配下としている。それまでにも彼らのように、次代を担うエリートの若者を支配下に置き、政治の中枢に送り込むことで、1000年間にわたって世界を裏から支配してきたと嘯いていた。

ただし「エリート」と名乗ってはいるものの、元はといえばフランスの吸血鬼のしもべコウモリが、美女の血を吸い続けることで進化し、吸血鬼となった存在である。
本名はジョニーであり、エリートとして振舞うときは一人称も「私」と上品だが、ジョニーとしての素顔を見せた場面では「俺」になり、生き血を一気飲みして「うんめぇ~」と口走っている(原作へのオマージュでもある)。

妖怪社会での貴族階級である生まれながらの(?)吸血鬼たちから、その出自ゆえに一流と認められず、蔑まれたジョニーは復讐を決意。音響催眠術の力により、多数を操り圧倒することで彼らを容赦なく葬り去り、現在の地位を手に入れたという過去を持っていた。

自らの出自に強烈なコンプレックスを持つジョニーは、自分を「貴公子」と称えたねずみ男の言葉を否定し、それまで誰にも話さなかった過去を語る。それは、半妖ゆえに妖怪からも人間からも蔑まれてきたねずみ男に対してシンパシーを感じたためだった。
しかし他人を操ることで成り上がってきたジョニーは、結局はねずみ男をも信用できず、眷属のコウモリたちに襲わせて底なしの湖に突き落としてしまう。

ジョニーの狙いは、幽霊族という妖怪の中でもエリート中のエリートの身でありながら人間のために妖怪を倒し、さらにはバックベアードを退けて日本を救った実力者でもある鬼太郎を倒すことで、自分こそが真のエリートだと世界中の妖怪に知らしめることだった。

ジョニーの仕掛けで屋敷に誘い込まれ、対決することになった鬼太郎は、ギターの音色に操られる学生たちを攻撃できず窮地に陥る。
溶解液を注射される寸前まで追い込まれたところへ、仲間が駆け付けたことで隙をついて注射をはねのけ、脱出に成功したものの、髪の毛針を使ったことで意識を支配されてしまった。

そこへ屁を推力にして、湖から脱出を果たしたねずみ男が現れるが、ジョニーの傀儡と化した鬼太郎に蹴り倒され、指鉄砲を突き付けられる。絶体絶命となったねずみ男は「どうせやるなら、おめえがその手でやりやがれ!ジョニー!」と煽った。

ねずみ男に自分を重ねるジョニーは、苦悩しながらも鬼太郎にねずみ男を殺すよう命じる。ところが次の瞬間、鬼太郎にはねのけられた勢いで天井に突き刺さっていた注射器が落下、ジョニーの右手に刺さって溶解液が注入された。絶叫するジョニー。

右手が溶けたことでギターを弾けなくなったジョニーは、1000年の命運もここまでと屋敷に火を放つ。最後に、鬼太郎に人間を守る理由を問いかけたジョニーは「人間を排除する妖怪も、妖怪を排除する人間も僕は許せない」との返答に「やはりお前は鼻持ちならないやつだ」と嘲笑いながら炎の中に消えた。

脱出した鬼太郎たちは、炎上する屋敷の中から巨大なコウモリの姿が浮き上がるのを見る。指鉄砲でとどめを刺そうとする鬼太郎を止めるねずみ男。目玉おやじの「吸血鬼エリートの最期じゃ」との言葉に「いや……、あいつの名前はジョニー、吸血鬼ジョニーだ」とつぶやいたねずみ男の視線の先で、巨大コウモリは焼け崩れていった。

余談

  • 溺死させたはずのねずみ男が現れた時、エリートは明らかな笑顔を浮かべ、担当声優の中尾もいかにも嬉しそうな演技を披露している。またねずみ男も、殺されかけながらもさほど恨んでいる様子を見せず、クライマックスでは彼をあくまでジョニーとして見送るなど、短い時間ながらも両者に友情のようなものがあったことが描かれている。
  • 劇中では、エリートがジョニーとしてその過去を回想するが、その中に傷を負って倒れ伏し、涙を流すジョニーと、彼を見下し、嘲笑う貴族吸血鬼の男女という場面がある。このとき、ジョニーの周囲には真紅の花弁が散らばっており、悲痛な表情を浮かべた彼の手には茎だけとなったバラが握られていた。こうした様子からは、ジョニーが貴族吸血鬼の美女にプロポーズしたものの、手ひどい侮辱と暴力を受けたことが推測される。なお、この貴族吸血鬼の男女は、その後ジョニーの策謀により火炙りとなっている。
  • 次話「鮮血の貴公子 ラ・セーヌ」において、バックベアード復活をもくろむ女吸血鬼カミーラの指示により、世界中で吸血鬼が活発化していると明かされ、鬼太郎たちは「もしやエリートもベアード復活のために活動していたのでは」と推測した。ただし吸血鬼エリートはバックベアードを呼び捨てにするなど従っている様子は見せておらず、作中でも部下として言及されてはいない。



関連タグ

霧の中のジョニー ジョニー 吸血鬼チャランポラン 吸血鬼 ヴァンパイア フランス ギター コウモリ

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