曖昧さ回避
- スラヴの伝承に登場するという地下世界に住む者。※この項で解説
- デスクトップマスコット『伺か』のゴースト⇒人体視願/ヴィイ
- ソーシャルゲーム『Fate/GrandOrder』に登場するサーヴァント・アナスタシアの宝具⇒疾走・精霊眼球
スラヴのヴィイ
ロシア語表記は"Вий"。他の日本語表記にはヴィー、ブイイなど。
東スラヴ神話における地下世界の住人。
土の精、もしくは吸血鬼とも言われる。
目は大きな瞼(もしくは睫毛)で覆われており、自力では持ち上げられないという。
その眼差しを浴びた者は昏倒しそのまま絶命すると言われ、また村や町を灰にするほどの破壊力を持つとする説もある。
創作での扱い
文学
ロシア近代小説の父ともいわれる文豪ニコライ・ヴァシーリエヴィチ・ゴーゴリによる『ヴィイ』が有名。
日本語翻訳に際しては『妖女』という邦題が用いられているが、作中に登場する『妖女』と『ヴィイ』は別個の存在である。
元となった伝承はあるといわれるが、この小説のエピソードはゴーゴリによる創作でウクライナには伝わっていない。
映画
- 『妖婆 死棺の呪い』
ストーリーはほぼゴーゴリの原作どおり。
日本では一度TV放映された後、1985年に『魔女伝説ヴィー』と改題されて劇場公開されたという珍しい経緯を持ち、映像ソフトもVHS・DVD・Blu-rayと複数回販売されている。
ヴィイはずんぐり体型で短い手足を持ち、周囲の魑魅魍魎とともに青粘土のような色で統一されており、独特の存在感を醸しているが、(原作どおりであるがゆえに)登場シーンが少ない。
またナターリア・ヴァルレイ(Natalya Varley)演ずる妖女が普通に美少女すぎることもあり、ヴィイの印象が霞んでしまっている点は否定できない。
- 『レジェンド・オブ・ヴィー 妖怪村と秘密の棺』_
_2014年ロシア・ウクライナ・チェコ合作。オレッグ・ステプチェンコ監督。
英国人のジョナサン・グリーンを主人公とし、原作の後日譚を描いたオリジナルストーリー。
ここでのヴィイは(トライポフォビアの方は閲覧注意)、妖女(とされている地主の娘)殺害の真相究明を主人公に依頼してくる。やはり登場シーンは少ない。
『俺の目を見つめながら 永遠の業火に焼かれるがいい』
水木しげる作品
※『悪魔くん』版
詳細はこちらへ →ブイイ
女神転生シリーズ
初出はファミリーコンピュータで発売された『女神転生』で、触手が生えた単眼の生首としか形容できない姿の「”地霊”ヴィー」として登場した。
この作品以降リメイク作の『旧約・女神転生』にしか登場していない。
一方真・女神転生TRPGではスラブ神話に登場している悪魔が属している神族はこの悪魔の名を冠するヴィー神族と命名されている。
靴ずれ戦線
NKVD将校のナージャがお化け達にかこまれ、「面白い話をしないと食ってしまうぞ!」と脅されたときに、「ヴィイ」をはじめとする文学の内容を話して難を逃れている。
なお、新装版に掲載された番外編にヴィイ本人が登場しているが、魔女ワーシェンカは新参者である彼のことを知らなかった。