そしてこれが60%ってとこか…3分でこのビルを平らにしてみせようか?
解説
舞台版キャスト:片山浩憲
ドラマ版キャスト:綾野剛
戸愚呂兄弟のグラサンをかけた背の高い方で、元人間のB級妖怪。
作品中盤における大ボスであり、インパクトが凄すぎる外見もあって人気も高い。
作中やpixiv等で単に戸愚呂と呼ぶ場合は、こちらの弟の方を指すことが多い。
通常時の姿↓
戦闘時は厳格かつ冷徹なイメージが強いが、普段の彼は他人を気遣う等の言動も見られ紳士的。ちなみに愛煙家であるが、その一方で風貌に似合わず下戸という意外な一面も。
「酒はダメなんで オレンジジュースください」
「でも、烏龍茶も捨てがたいですね」(アニメ版追加台詞)
アニメ版ではバイクに乗るシーンも描かれている。
モデルはおそらくこの人だろう。
ちなみに中の人も同じ。
能力
80%ともなると、パンチの風圧(空拳)でさえも破壊力を持つ。
100%では指を弾くだけで空気の弾丸(指弾)を撃ち出せるなど、桁外れのパワーを発揮する。
大抵の相手には30〜45%で戦うが、80%になるとこれまで以上に筋肉が発達し(80%で戦ったのは、戸愚呂チームの3人と幻海と幽助)、見た目はさながら肉の鎧といったところで、更に放出された妖気を浴びた者は弱者であれば即死に至る。
単純な筋力も見た目相応に上昇し、幽助に暗黒武術会参加を告げに来た際には60%でビルを僅か3分で平らにしてみせようかとハッタリをかまし(アニメ版では本当に実行した。記事冒頭の台詞を口にしながら)、武術会決勝戦では飛影と武威の戦いで崩壊した石盤のリングの代わりを調達するべく、準決勝前の会場からリングを担いで来る等している。(この時は何%だったかは明かされていない)
そして100%となると「100%の俺は今までの俺とは別の生き物だ」と称する通り、
外見が化け物じみた姿になる。
100%時の姿↓
この姿になるとエネルギー消耗が激しいらしく、生者・死者を問わず、常時周囲の者のオーラを吸収し餌とする(100%になったのは幽助が初めて)。
従って、周囲への被害という点においてはA級・S級妖怪以上の厄介さとも言えなくもない。
なお、暗黒武術会などでは己の五体のみで戦っていたが、垂金権造の別荘で幽助と桑原と対戦した際は、兄が武態の能力で変身した剣と盾を使用。「俺は兄者の力を最大限に引き出すことが出来る」と発言したとおり、兄弟だけあって、かなり息の合ったコンビネーションを披露した。
活躍
暗黒武術会の決勝戦直前に因縁のある幻海を倒し、決勝で浦飯幽助との一騎打ちに臨む。
最初は80%で圧倒していたが、呪霊錠を解いて、本気を出した幽助に対し、100%に変身。
圧倒的強さを見せながらも幽助のさらなる力を引き出すべく、客席の雪村螢子たちに攻撃したり、桑原和真を手にかけて(実際は死んでおらず、飛影は和真の防御力が戸愚呂の予想以上に強かったと推測したが、蔵馬の見立てではわざとギリギリのところで急所を外していた)、幽助の力を引き出すことに成功する。
戸愚呂の強さに憧れていた幽助を自分と同じ道に誘いながらも、幽助は戸愚呂が捨てたものを捨てないことを宣言。
そして最後は、100%中の100%というフルパワーで幽助の最後の渾身の霊丸を迎え撃ち、完全に防御に回りながらも締め潰すことに成功。戸愚呂の勝ちと思われたが限界を超えたフルパワーの反動で戸愚呂の肉体は崩壊。初めて全力で戦えた事を幽助に感謝し、仲間の大切さに気付いて最期を迎えた。
ちなみに、この崩壊の瞬間、これまでの彼からは想像できないほど優しい表情を浮かべているように見える。
その過去
上記の通り兄共々、元は人間であり、幻海とは武術仲間で霊光波動拳の高弟であった。
彼は若くして多くの弟子に恵まれ(恐らく師範代)、本編においては霊光波動拳の奥義や継承方法などの知識を持っていた事から、継承者候補にして幻海に並ぶ筆頭候補だったと思われる。
しかし、50年前、当時の武術会優勝候補にして、凶悪な妖怪・潰煉に弟子達を皆殺しにされてしまい、復讐の鬼と化す。
当時の武術会にゲストとして招待された戸愚呂は決勝で潰煉を倒し、仇討ちに成功するが、自分の力不足で弟子を死なせてしまった罪の意識までは消えなかった(しかし、幻海をして「潰煉の強さは当時・誰にもどうしようもなかった」と弁護している、当時全盛期だった彼らすら相手にならないほど潰煉が強過ぎたのだ)。
そして、優勝の褒美で兄と共に妖怪に転生。これを機に幻海とは袂を分かつこととなった。
「さらなる強さを求めるため」という名目であったが、実際には戦いの中で、自分を否定し、倒してくれる誰かを待ち望んでいたのである。
彼の心象が影響しているのかは定かではないが、100%の姿は怨敵である潰煉に酷似していた。
死後は霊界裁判にて、殺人を犯したものの幻海以外は対象が極悪人であった事、格闘家としての功績、潰煉に関する一連の経緯等から情状酌量の余地もあり、軽い地獄の罪で済むはずだったが、自らの意思で最も過酷な地獄「冥獄界」へと赴き、永遠とも言える苦痛を味わった後の完全な消滅という罰をもって罪滅ぼしをする事を選択。
その過酷さたるやコエンマ曰く「あらゆる苦痛を一万年かけて受け続け、それを一万回繰り返す。その先にあるのは完全な『無』」。
つまり、単純計算して懲役1億年という刑罰(尚かつその後は転生も叶わない消滅のみ)を自らに課すことを選んだのである。
冥獄界へ続く道で若き日の幻海と再会し、幽助が自分と同じ道を歩まないように、幻海に幽助の事を託して冥獄界へ去って行った。
「世話ばかりかけちまったな…」
ゲーム作品への出演
幽☆遊☆白書(スーパーファミコン)
ラスボスとして登場。最初は60%で戦い、一度敗れると100%になり真のラストバトルに突入する。
最後の敵に相応しい強さを持つ。
ちなみに100%相手に負けても60%との戦いからやり直しになる。
なお100%は隠しキャラとして使用が可能。
幽☆遊☆白書2 格闘の章
ラスボスとして登場。80%を倒した後で100%と戦うこととなる。
100%形態では超必殺技を使用すると100%中の100%になり、強力な突進攻撃を行う。
予兆なしでいきなり変身して突進してくるため回避が非常に困難。このため凶悪な初見殺しとなっている。
THE BATTLE OF 幽☆遊☆白書 ~死闘!暗黒武術会~
100%形態がラスボスとして登場。チートレベルに凶悪な性能を持る。
- 通常攻撃の威力が高く、一度コンボを決められただけでも体力ゲージの半分は持って行かれる。
- 遠距離攻撃の指弾も威力が高く、ガードしても最大体力を削られてしまう(次の試合にも反映される)。
- 逆にこちらの攻撃はロクに通らず、しかもドンドン体力を回復させる(周囲からオーラを吸収する原作再現だろうか?)
- 地面から衝撃波を発生させ強制的にダウンさせられる。この状態でも戸愚呂の攻撃がヒットするため一方的に蹂躙される。
などなどラスボスに相応しい強さを誇り、あのジェネラルの再来といわれるほど。
幽遊白書100%本気バトル(マジバト)
2018年から2023年まで配信していた幽遊白書のソーシャルゲーム。当然、最初期から参戦しており、他のキャラクター同様にバリエーションも豊富。
一方で「お正月仕様の戸愚呂(弟)」という、ソシャゲの宿命である季節の行事に沿った衣装を着用したバージョンが存在しており、武態の能力で変形した兄による杵や羽子板を手に戦う。
何やってんだアンタら。
しかもコミカルな見た目からは想像しにくいが、意外にも高性能だったりする。
余談
後に、妖怪の強さをD級~S級に分けるランク制度が出てきた際は、B級妖怪の上位とされた。
この強さのレベルを説明する情報として、「S級妖怪は霊界ですら手が出せん」、「特防隊の手にかかれば、A級妖怪とて無事にはすまん」という台詞があり、ここから推測するとB級は多少厄介な程度であり、手出しできないほどのものではないと見ることができる。
あれだけ引っ張って倒した強敵にしては理不尽なほどの低評価であり、これに納得できないユーザーは多い。作中でもコエンマから話を聞いた幽助が「あんな凄ぇ奴がB級だってのかよ!?」とユーザーの気持ちを代弁するかのような反応を見せていた。
その為、「霊界の評価は80%までを想定したものではないのか」、「B級でもA級に極めて近い強さなのでは」「フルパワー時はA級だが捨て身状態ゆえに総合的にB級に位置する」等、彼のランクの低さを説明づける考察も盛んに行われている。
ただし、作中の設定から考えた場合、この評価は妥当になってくる。
霊界(正確には、コエンマの父であるエンマ大王とその直属の者たち)は、人間界を自分たちに都合が良いテリトリーにするために、管理できる範囲の妖怪は利用するし、ガス抜きのために妖怪たちの問題行動もある程度は見逃す(暗黒武術会そのものが霊界の黙認している大会である)と言うスタンスであった。
ここから考えると霊界の組織力であれば、いつでも対処できる相手と言うのは妥当なのである。
才能があれど喧嘩が強い不良でしかなかった人間時の幽助が短期間で対峙、対処できる相手と言う意味でも、霊界を支配し、人間界を管理している組織から見れば強敵にはならないということである。
後に出てきたS級妖怪たちと違い、妖怪として持つ能力も「筋肉をコントロールすること」であることも考慮すると、実際は妥当な評価なのかもしれない。
“暗黒武術会編”でのラスボスというポジションを飾った事から、一部格闘ゲームではラスボス枠として参戦する機会も多い。キャラクターランク的にS級クラス並みの人間や、魔界三大勢力の面々とタメを張れるレベルだったりする事も。
特に2006年にACでリリースされた『THE BATTLE OF 幽☆遊☆白書 ~死闘!暗黒武術会~』(販売:バンプレスト 開発:ディンプス)では「俺は強くなり過ぎちまった」という言葉そのままの極悪性能っぷりでCPU戦においてはかつての最強の尖兵以上と称されている。
『Jスターズビクトリーバーサス』では『幽白』敵キャラとして唯一の参戦を果たした。
ポートガス・D・エースの「出来の悪い弟を持つと兄貴は心配なんだ」という軽口に対しては、「オレは出来の悪い兄貴を持っているがな…」と皮肉で返している。
なお、中の人である玄田さんは同作ではラオウの声も担当している。
ユーザーの印象に残り一定の人気を持つキャラクターであるが、親記事にもある通りpixivではゴリマッチョとしての印象があまりに強く、パロディイラストも散見されている。
具体的には、他作品のキャラを筋肉質にしたものや、100%になった直後の台詞「お前、まだ自分が死なないとでも思ってるんじゃないかね?」のシーンのパロ作品が多い。
ちなみに彼の選んだ地獄、冥獄界だが、実のところ仏教における本物の地獄と比較した場合、話にならないほど温い
詳細は地獄の項目を閲覧して欲しいが、最も軽い等活地獄ですら「囚人の寿命=刑期は500歳。ただし、通常の500歳ではなく、人間界の50年を第一四天王(四大王衆天)の一日一夜とした場合の500年が等活地獄の一日一夜であり、それが500年にわたって続く。つまり、「人間界の50年×365=人間界の18250日が一日、18250×365=人間界の6661250日を一年としての500年」が等活地獄の一日であり、6661250×365=2431356250日が等活地獄の一年である、それが500年」なので刑期は人間界の時間に換算すると1兆6653億1250万年…重ねて言うが「最も軽い地獄」である。
ここから段階が上がるごとに(四捨五入して)16兆、106兆、852兆、6821兆、5京と馬鹿みたいにインフレしていき最終的には350京、682京(仏教的には宇宙の寿命の半分とか)にまで到達する。
なぜこんなことになるのか、というと、仏教は基本的に「六道輪廻」を基準として上から天、人間、修羅、畜生、餓鬼、地獄の六つの世界が存在するため、人間界という上から2番目の世界で多少悪いことをした程度なら獣に生まれ変わったりする程度で済む、それでも悔い改めないならどんどんとランクが落ちていき、そこまでいってなお救いようのないクズが最終的に辿り着くのが地獄なのである。
にもかかわらず人間道から地獄に直通となると、聖職者への陵辱、殺害、神社等の損壊などの神仏に対する故意かつ重大な冒涜を何度も行う罰当たりである必要がある。
人間界という比較的マシな世界に生まれながら、縁に反して(例えば兵士などは殺し合う縁で結ばれているので、兵士同士の殺し合いは仏教的には罪に問われないし、事故による殺傷も「そういう縁だった」としてそこまで重くは扱われない。逆に言えば「やろうと思ってわざわざ悪事を働く」のは縁に反する行いであり、罪となる)神仏を愚弄するような獣畜生にも劣る行いをするのならばそりゃあ地獄もやむなしであろう。
さらに言うなら仏教的には完全な消滅は入滅、即ち涅槃となり最高到達点である、むしろご褒美ではないだろうか。
パロディといえば…
パロディと言えば、過去にインターネット上では彼のモデルとなった(?)アーノルド・シュワルツェネッガー氏を弟に、又吉直樹氏を兄者に見立てたコラ画像が出回っていた。
近年ではモンスターストライクと幽遊白書のコラボイベントのCMにて、本当に又吉氏が兄者を演じる事になり、同じく一部でネタとして囁かれていた戸愚呂(姉)も演者に椿鬼奴氏を迎えて現実のものとなった(※親記事の戸愚呂参照)。
……当然弟も出ていて相変わらずのインパクトを放っているのだが、ひたすら黙々とモンストをプレイしている……。なんか喋って怖いから。
そのモンストのコラボでは降臨ボスとして登場。
「80%」と、「80%」クエストを全難易度をクリアすることで挑戦できる、超究極「100%中の100%」の2種類のクエストを持つ。
クエストをクリアすることで自身の使用キャラとすることも可能。神/聖騎士キラーとアンチワープを持っている。
上記の超究極クエストをクリアすることで「100%中の100%」の戸愚呂弟を、ミッション報酬で入手可能。降臨キャラであるがわくわくの実という強化アイテムを装備可能である。
…が、超究極クエストの難易度が尋常ではなかった。
厄介な能力持ちしかいない雑魚敵と戸愚呂弟本人の超攻撃力、さらに自身が神/聖騎士キラーを持つため使用種族にも制限がかかったりと難易度は過去最大級で、おまけに超究極クエストなのでノーコンティニューのクリアが必須と、その鬼畜度から多くのプレイヤー達を阿鼻叫喚に陥れていた。
……ホントにS級妖怪でいいんじゃないかなこの人。
まさかの・・・
アニメでは描かれていないが、原作漫画にて幽助が魔界統一トーナメント後に屋台ラーメンを立ち上げた事から製作されたマルちゃんとのコラボCM。
もしも、戸愚呂が武術会後も生き残って幽助や幻海と和解したらこんな未来もあった・・・かも?
関連イラスト
(左・50年前の人間時代、右・妖怪転生後の現在)
(左・80%時、右・100%時)
(有志による描き方講座)