ケケケ 生命も金で買ってみせるわ
解説
声:緒方賢一
舞台版キャスト:中村哲人
雪菜を捕らえ、様々な拷問を加えて氷泪石を無理やり作らせていた非道な宝石商。容姿といい、手口といい、とてもそうは見えないがこれでも人間。
裏世界を牛耳る実業家で構成される闇のサロン「BBC(ブラック・ブック・クラブ、アニメではブラック・ブラック・クラブ)」のメンバーでもある。
元々あくどいやり方で商売をしていたが、左京の売買ルートから横流しで手に入れた雪菜を監禁して財を成し、裏社会でのし上がっていった。
出番
雪菜を救うために屋敷に乗り込んできた幽助と桑原に戸愚呂兄弟を差し向け、彼らの戦いを「侵入者が勝つか戸愚呂兄弟が勝つか」という賭け試合に仕立て上げてひと儲けしようとたくらむものの、結果はまさかの戸愚呂兄弟の敗北。
当初、幽助と桑原の情報を入手していた左京は唯一「侵入者が勝利する」という方に賭け続けていた。そして最後の戦いでは日本の国家予算並みの金額を賭けられる(垂金なら破産覚悟で払えるとのこと)。そして垂金は破産・破滅が確定する(アニメ版ではその際、他のBBCメンバーからも「また賭けをしようにも、破産したから無理か」と嘲笑われたことから、団体内でも嫌われていたと思われる)。
それでも「氷泪石さえあれば」と逃げ出そうとした所を飛影にとっ捕まって殴り倒された(原作では「垂金の薄汚い血で雪菜を汚したくない」ということから一発だけだったが、アニメでは飛影を「ワシと手を組まんか?」と金で勧誘しようとしたことで火に油を注いでしまい、飛影は雪菜に止められるまで何発も垂金を殴り倒した)。挙句に雪菜まで奪還されてしまい、今度こそ完全に詰んだ彼はとうとう精神崩壊。
「ひひひひひ、破滅じゃ、破滅じゃ」
最期
実は戸愚呂兄弟は左京と結託しており、「幽助達の力を試すため+垂金を陥れるため」に負けたフリをしていただけに過ぎなかった。そんな垂金の最期は、左京によって「ゴミの始末」を任された戸愚呂弟の蹴りで頭部を吹っ飛ばされるというものだった(この時、首と胴体がお別れした瞬間すらラリったニヤけ面を浮かべ続けていたため、恐らく彼は自分が殺されたことにすら気づかないまま死んだのだろう……。また、アニメでは残虐シーンを明確に描かないことが多かったが、なぜか垂金の首が飛ぶ場面には何の修正も入らなかった)。
BBCメンバーを召集する前にその拝金主義ぶりに戸愚呂弟から「あんた………きっといい死に方できないね」と言われており、それに対し垂金は「命も金で買ってみせる」と豪語していたが、程無くして破産し廃人となった挙句に戸愚呂弟本人の手で命を落とすという余りにも皮肉な末路を迎える事となった。
余談
……まぁぶっちゃけた話、シナリオ上では左京や戸愚呂兄弟と幽助達が邂逅する場面を用意するための、序盤のうちにさっさと退場した割と代わりが利くキャラではあるのだが、人間の身でありながら妖怪よりもよっぽど醜悪な振る舞い(と顔)を散々見せつけた末に味方の裏切りにまんまとハメられてサクっと殺られる、無残だが外道にはお似合いの因果応報な死にっぷりはある意味痛快でもあり、意外と印象に残るキャラと言える。
作中における人間側の悪役といえば悪徳教師である岩本が元祖であるが、岩本が(言動は外道そのものとはいえ)刃向かわなければ不良(及び反社会的な人間)以外には基本的に無害で、本人なりに皿屋敷中の秩序の事を考えていたのに対して、垂金は完全な私利私欲であるのも救いようのないところである(因みに岩本は命も落としてはいない)。
「垂金」という名前を聞いただけでは思い出せない人でも「幽助と戸愚呂が初めて戦った時に居たシュークリームみたいな顔の汚いおっさん」と聞けば思い出せるんじゃなかろうか。
実は作者をして垂金の初登場コマの枠外に小さく「何故こういうのを描く…」とセルフツッコミを入れている辺り、「人外にしか見えない人間キャラ」をこしらえてしまったという自覚はあった様である。
おかげでごくごく一部に微妙に人気がある……ような気もする。(具体的に言うと関連イラストに使わせていただいている絵師の方とかに。)
完全な余談になるが、ソーシャルゲーム「100%マジバトル」ではなんとプレイアブルキャラとして参戦。レアリティは☆1。
垂金本人は攻撃せず、通常攻撃と必殺技は従えている部下たちに任せている。必殺技は恐らく雪菜を逃がそうとした裏切り者の部下を粛清した際のものと思われる「銃撃命令」、破滅が確定した際の発狂を再現した「高笑い」。また、雪菜を監禁していた経緯からか、スキルによって氷耐性を持っていたりも。