おはよう。君は誰だ?
怒りだ! もう怒りしかない!!
概要
CV:小山力也
元錬金戦団の戦士長にして、「裏切りの戦士」の異名を持つ最強の錬金戦士。身長250cm、体重200kg。肌はヴィクターの特徴として赤銅色であり、髪は蛍火のようと称される。
出身は19世紀末のイギリスで、元々は「大戦士」の異名を以て英雄視される錬金戦団のエースだった。戦線でも活躍する正義感の強い好人物で、同時に家庭も大切にする良き夫、良き父であり、愛娘ヴィクトリアにも慕われ幸せに暮らしていた。
しかし戦いで心臓部に重傷を負った際、錬金戦団から実験中の「黒い核鉄」を移植されたために人生は一変。エネルギードレインを発動したことで仲間と妻を殺してしまう。錬金戦団はこの事実を隠ぺいするため戦士の籍からヴィクターを除名し、仲間殺しの罪を名目に討伐を決断した。逃亡の最中、ヴィクターは追手の中に戦団によって強制的にホムンクルス化させられた娘を発見し激昂。自身の全てを奪った錬金術をこの世から抹殺するため活動を開始した。
明治時代に日本へ流れ着いた際蝶野爆爵と出会い、戦団との戦闘で傷ついた体を癒すためフラスコの中で眠りにつく。しかし100年後、ホムンクルス化した爆爵と武藤カズキの戦闘の末に解放され、戦団の過ちを再び正すために彼らに戦いを挑む。しかし彼の行動原理には、『不幸をもたらす錬金術を無くさねばならない』正義より、家族を失い、仲間に裏切られ、自身は死を撒き散らす怪物のまま生きねばならないという境遇への絶望の方が大きかった節がある。
同じくヴィクター化したカズキにより白い核鉄を打ち込まれた上にサンライトハート改の突撃力で月面に運ばれ、3か月もの死闘の末、自分の不幸を嘆くより自分が犠牲になってもより多くの人々を救いたいと願うカズキを目にして遂に矛を収める。月面にカズキ救出に向かったバスターバロンに向け彼をフェイタルアトラクションの重力反転で帰還させようとした。しかし「もう戦う意志が無いのなら共に新しく生きる道を探そう」と願うカズキにより自身もバスターバロンに向かわされ、地球に帰還。
白い核鉄の力で一時的に人間に戻ったものの、遺されたホムンクルスが人を襲うことが無いよう、自らを娘同様に人間型ホムンクルスに改造するよう錬金戦団に依頼。ホムンクルスに生まれ変わった後は、ヴィクトリアを始めとするホムンクルスたちを連れ、月面に移住。ホムンクルスの国の王となった。
ラスボスに当たる人物だが、最終的にはカズキや錬金戦団と和解を果たすなど救われたと言える。
尤も倒すこと自体不可能と言ってもいいレベルで強くなってしまっていたのでそれも理由の一つと言える。
何よりヴィクターがカズキに対する戦団の処遇として指摘した通り「ヴィクターを巡る一連の事件を『力によって滅ぼす』ことによって解決を目指すことは、ヴィクターが怒り絶望した百年前の戦団の過ちを繰り返す」ことに他ならない。
能力
固有の能力
- エネルギードレイン
周囲に存在する生物から生命エネルギーを奪い、再生能力の糧とする。昆虫やプランクトン程度であれば即死し、人間でも極度に衰弱する。これによりほぼ不死に近い体を持ち、手足がもげたくらいなら瞬時に再生してしまう。宇宙空間でも全く支障なく生き続けることが可能。
能力というよりは生態に近いもので、呼吸を止めるのが不可能なのと同じく本人の意志でオンオフすることはできないとされる。
- 飛行能力
武装錬金に頼らずとも空中浮遊、飛行が可能。
- 義体
エネルギードレインで死んだ動植物の細胞を操り、55m級の巨人を作り出す。自らその中に入って動かすのだが、その内部を泳ぐように移動することもできる。
大戦斧(バトルアックス)の武装錬金『フェイタルアトラクション』
アルファベットのZもしくはSに似た形をした斧の武装錬金。
能力は重力の方向や強弱を自在に操ることであり、潜水艦なども簡単に沈める。瞬間的に小型のブラックホールを作ることすら可能。
余談
デザインモチーフはフランスの映画『ジェヴォーダンの獣』の登場人物であるインディアンの戦士「マニ」であることが単行本プロフィールにて明かされている。
意図したものかは不明だが、アニメ版にてヴィクター役の担当声優を務めた小山力也氏は『ジェヴォーダンの獣』日本語吹替え版におけるマニ役も務めている。
関連項目
ヴィクトリア・パワード(娘。同じく謂われなき錬金術の犠牲者となった境遇により、錬金術を嫌っていた)