曖昧さ回避
⚗️概要
フラスコとは、化学実験や検査で使う口の小さい容器である。主としてガラスで作られている。
中に液体(固体・気体のこともある)を入れて保管・加熱・冷却・混合、その他各種の用途に使われる。
絵に描かれるフラスコは、首が細長い筒状になっていることが多いが、現在はあのような形状のフラスコはメスフラスコを除きあまりお目にかからない。ほとんどの場合、首はかなり短くなっている。
というのも、首が長ければフラスコ内部に物体の出し入れがしづらく不便であり、中を洗浄するのも一苦労だからである。昔は加熱されたフラスコの胴の部分に手を触れずに済むように、長い首の部分を持ち手代わりにしていたため、そういう形状をしている必要があった。しかし、現在ではフラスコをつかむためのクランプが使われているためフラスコ自体に直接手を触れることが無く、首を長くする必要も無くなっている。
色々なフラスコ
丸底フラスコ
フラスコと言って、まず連想されるのがこれであろう。名前のとおり、ほぼ球形のフラスコ本体の上部に筒型の首が付いている。昔は前述のように細長い首をしているのが一般的だったが、現在では指やクランプでつかめる程度の短い首がほとんどである。
中身を加熱・冷却したり、振って混ぜたりするのに用いられる。
もちろん、そのまま実験台などに置くと倒れてしまうので、専用の台座が必要である。
ナス型フラスコ
本体部分が米ナスか卵のような形をしたフラスコ。首はとがった方の端に付いている。
丸底フラスコよりも表面積が大きい点を利用して、エバポレーター(減圧蒸留器)で溶液を減圧濃縮・乾固させるのに用いられる。首はエバポレーターに接続するために多少長めではあるが、それでも大きい物でも10cm足らずである。
「ナス型コルベン」(コルベンはドイツ語でフラスコのこと)、または略して「ナスコル」とも呼ばれる。
三角フラスコ
本体部分が円錐形(横からのシルエットを見れば二等辺三角形)になっているフラスコ。首は短く、やや太めのことが多い。これに伴って、口も広めに作られている場合も多い。
開発者の苗字を取って「エルレンマイヤー・フラスコ」もしくは「エルレンマイヤー」とも呼ばれる。
底が平らなため、実験台や棚などの上に直接置くことができる。また、全体が円錐形で口が広めなので、じかに棒を入れて撹拌するのが楽である。液体加熱時に突沸しても、外へ飛び散りにくい。中に揮発性のものを入れても周囲の空気に触れる面積が小さいため、ガスが拡散しにくく安定に保管が可能。
……など、いくつもの利点を備えている。このため、現在では最も頻繁に使われているフラスコと言ってもよいであろう。
メスフラスコ
一定量の液体を、正確に測り採るためのフラスコ。メスシリンダーよりも厳密に測りたい場合に使われる。
細長い首をしており、底面は台などに置けるように平らである。この首の部分に「標線」と呼ばれる線が引いてあり、そこまで液体を入れることで一定の量を測り採れるようになっている。
なお、メスフラスコ自体に溶媒と溶質を入れて溶液を調製することはあるものの、ほかの容器で調製できる場合は基本的にメスフラスコは使わない。また、容積が狂うので、(乾燥機や冷凍庫も含め)常温を越えた範囲で絶対にメスフラスコを加熱したり冷却したりしてはいけない。良い子のお約束だぞ。
ちなみにオスフラスコというものは存在しない。悪しからず。
ブフナーフラスコ
高粘度であったり、溶け残りの多い溶液に強制的に真空圧を与えてろ過する手法(吸引濾過)に用いるフラスコ。ブフナーは開発した化学者の苗字(ビュフナーのほうが原音に近い)。「吸引瓶」とも呼ぶ。
三角フラスコと同様の形だが、首の途中から垂直に短く細い管が枝のように突き出している。フラスコの上に「ブフナー漏斗」という特殊な漏斗を置き、枝にホースをつないで真空ポンプで中の空気を抜く。そのうえでブフナー漏斗に溶液を注ぐと、真空圧のため溶媒がどんどんフラスコの中へ流れ落ちていく一方で、溶け残りの沈殿物が漏斗の上にたまるので、回収が楽に出来る。
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