概要
カズキは銀成市に暮らす高校2年生で、明朗活発で正義感の強い性格。家族や仲間の為なら時に自己犠牲をも厭わない献身を見せ、初対面の相手にも隔てなく接する優しさを持つ。
斗貴子は錬金戦団所属の“錬金の戦士”で、クールで男性的な性格。過去に経験したトラウマからホムンクルスに並ならぬ憎悪を抱く一方、戦いに関わりない人々にはさり気ない優しさを見せることもある。
自身を庇って死亡したカズキに斗貴子が核鉄を与え、蘇らせたのが本編の始まりである。斗貴子曰く「助けるに値する命だと感じたから」とのこと。
当初はカズキが斗貴子を意識する一方、斗貴子の方は特にカズキを意識する様子は無く、ドギマギするカズキに「どうした?顔が変だぞ」と素で問いかける朴念仁振りを見せる。斗貴子としてはカズキを戦士にするつもりは毛頭無く、平穏な日常に戻らせるつもりだったが、カズキの強い意志に根負けして“戦士見習い”にする。
その後もカズキを「戦いの世界に巻き込んだ罪悪感」もあり、斗貴子は彼と行動を共にするが、そのベッタリ振りから彼女と誤解されることも多々あった。
口裏を合わせる為とはいえカズキとの関係を「姉弟」と言ったり、カズキの性癖が判明した後に「年上は好きか?」等とからかう余裕振りを見せる。
銀成学園に斗貴子が転入した後、戦士としての価値観の違いから孤立気味だった彼女をクラスに打ち解けさせたのもカズキ(とその友人たち)であり、彼女もその触れ合いの中で日常の世界にも居場所を見つけ、表情も以前の刺々しさが抜け、少女らしい柔らかなものになっていく。
本来の彼女も優しい一面がありながら、寄宿舎襲撃事件でホムンクルスへの恨みを呼び起こされ、敵にナーバスな精神状態に。その際ホムンクルスの信奉者であった早坂姉弟の処遇を巡ってカズキと対立した事もあった。しかし結局彼の甘さに負ける事になる。
LXE編のクライマックスである銀成学園襲撃時は、背中合わせで戦う信頼関係を見せるも、ヴィクターが復活した際は二人揃って歯が立たず、互いに互いのピンチを救うため必死に足掻く。そしてカズキのヴィクター化という衝撃の事態に斗貴子は打ちひしがれるが、ヴィクター化の影響もあって自分を見失いつつあったカズキに、後ろから抱きついて彼を制止するヒロインムーブを見せた。
やがてカズキの再殺が決まるも「キミが死ぬ時が私の死ぬ時」「一心同体」の誓いのもと斗貴子は戦団に反旗を翻し、カズキと一緒に元に戻る術を探す旅に出る。錬金戦団の「再殺部隊」と戦う等の苦難を乗り越えてカズキと異性として意識し合うようになり、夏休み後、「勇気が足りない」と言うカズキにキスを贈り、両者は正式に恋人同士になる。
しかし、この感情は以前から抱いていた愛情に上記の罪悪感が加味された複雑な物であり、ヴィクター戦でカズキが彼女を置いて月に突撃した後は、一カ月近く病院で塞ぎ込んだり、自虐的なトレーニングを重ね、以前の斗貴子に戻ってしまう。
更には、「カズキのためにできること」を彼女なりに考えた結果、残したパピヨンとの因縁を清算しようとし、彼が生成していた「白い核鉄」を破壊しかける(つまり、カズキが人間に戻れる可能性を潰しかけた)。
しかしパピヨンに「(カズキを)諦め切れるのか」と諭され、斗貴子は今まで閉じ込めてきた感情と愛情を溢れさせ、カズキへの未練を露わにした。
月で輝く光からカズキの生存を知り、今度は「一緒に生きていく」という意味での誓いを交わし、坂口照星の破壊男爵に同乗し、キャプテンブラボーのシルバースキンを纏い、ヴィクターと共に衛星軌道に漂っていたカズキと再会する。
全てが終わった後、二人は恋人として日常の世界で共に生きる事となる。
余談
後日談を描いた『アフター』では、カズキのプロポーズ同然の告白を受け入れ、作者からも「バカップル」と言われている。
小説版においても、幼少期の斗貴子は鏡合わせのおまじないでウエディングドレスの自分と結婚相手(カズキ)を見る。
そしてゲーム『武装錬金 ようこそパピヨンパークへ』では、衝撃的な設定が登場することとなった。