キミが死ぬ時が私が死ぬ時 キミと私は一心同体だ
プロフィール
概要
本編のヒロインにして錬金戦団の戦士。ホムンクルス討伐の命を受け、カズキたちの住む銀成市へやって来た。後にカズキの通う銀成高校に編入され、同級生となる。
ボブカットに顔の一文字傷、紺のセーラー服が特徴。
自身を庇って瀕死の傷を負ったカズキに核鉄を与え、その命を救ったことから物語が動き出す。
過去にホムンクルスに襲撃され壊滅した瀬戸内海の島・赤銅島の小学校の生き残り。元はそこの旧家の娘だったが、惨禍のショックで当時のことを思い出せなくなっている。
顔の一文字傷はその事件の首謀者によって負わされたもので、ホムンクルスへの強い敵意の象徴として治療せず残している。
基本的にはクールな性格だが、短気で負けず嫌いで「キレると凶暴で手に負えなくなる」(ブラボー談)。
また、ブラボーに腹黒扱いされたことがある。
コメディパートではほとんどツッコミ役だが、たまに自分もその場の雰囲気でボケに回ってからツッコむ傾向もあり、アニメ版では更にリアクションが大げさになっている。
L.X.E.アジトにおける合言葉の際は嫌々ながらもセーラー戦士風のポーズを披露(ポーズそのものはノリが良い)した。
当初、その憎しみと殺意はホムンクルスに味方する人間にまで及び、「スパルタン」と形容される情け容赦のない攻撃に加え、早坂姉弟が人間であることと事情を知った上で殺そうとするなど、一番憎んでるはずのホムンクルスとほとんど変わらない危険な思想に陥っていた。
実生活においても、歳の関係故か与えられる任務内容は学校への潜入調査が多かった。しかしカズキの学校へ来る前の女子校では危険に巻き込まない意味合いもあってかあまり周囲に馴染めなかった(しかし後にその女子校ではぶっ飛んだ事実が判明するため、馴染めなかった理由はそこもあるかも知れない…。)。しかしまるで空気という訳でも無かったらしく、謎めいた行動のためか斗貴子の存在は学校の怪談の一部となっている。
しかし、カズキや妹のまひろ、そしてその友人達との触れ合いの中で日常の世界にも居場所を見つけ、表情も刺々しさが取れて、少女らしい柔らかなものになった。
成績は割と良い方。料理も最低でもカレーは作れることが判明している。
またカズキよりも一つ年上だが、銀成学園でのクラスは同じ。
また、早坂桜花の武装錬金であるエンゼル御前には、「つむりん」と呼ばれている。
ちなみに、アニメで「つむりん」と呼んだのは戦いが終わった事実2回目に会った時である。
作者曰く「描きやすいと思って改めて見てみたら抜刀斎そのまんまだった」らしい。
武装錬金『バルキリースカート』
特性は生体電流で作動する四本の可動肢による精密高速機動。
各可動肢の先端に一枚ずつブレードが付いており接近格闘や、不特定多数の相手との戦闘を得意とする。
また可動肢を用いて天井、壁、床を高速で飛び跳ねる高速撹乱機動からの死角の強襲を十八番としている。
作中で指摘されるくらい全然処刑鎌に見えないが、これは髪型などのモデルであるセーラーサターンが鎌を武器に使っていたからとの噂がある。
戦闘時の口癖は「臓物(ハラワタ)をブチ撒けろ!」で、アニメの宣伝や毎回の次回予告、DVDのCM、『武装錬金RADIO』の毎回の締めや規制音に使われるなどこの作品を端的に表す言葉になっている。
作中での活躍
自身を庇って死んだカズキに、任務で手に入れた核鉄を埋め込み生き返らせ(これが後にカズキのヴィクター化の遠因になる)、以後「カズキを戦いの世界に巻き込んだ」罪悪感もあり、行動を共にするようになる。
蝶野攻爵ことパピヨンの起こした事件をカズキと共に終息させると、カズキの身を気遣いそのまま日常に帰そうとした。が、戦士長であるブラボーが銀成市での「新たなる任務」のためにカズキをスカウトしたため目論見が崩れ、さらに斗貴子自身も銀成学園高校に転入、カズキのクラスメイトになることに。
戦士であるため、一般人と一定の距離をおいて生きてきたがゆえに、当初はクラスメートと溶け込もうと考えていなかったが、岡倉達のフォローのおかげであっさりと打ち解けられ、人気者になる。
カズキがヴィクター化した後は「キミが死ぬ時が私の死ぬ時」「一心同体」の誓いのもと、錬金戦団の「再殺部隊」と戦う等の苦難を乗り越えてカズキと異性として意識し合うようになり、恋人同士になる。
また、後輩である中村剛太にも想いを寄せられており、その様はパピヨンに「ちょっとした幻想(ファンタジー)」と評されている。
しかし、ヴィクターとの戦いの際では「一心同体の誓いを破られた上での、カズキとの離別」という最大の絶望を味わい、『ピリオド』前半ではカズキのことを「完全に死んだ」と思い込んで心身共に落胆し、一ヶ月の間病院で塞ぎ込んだり、自虐的なトレーニングを繰り返していた結果自分の殻に閉じ籠ってしまい、昔の彼女に戻ってしまう。
パピヨンとの決着の後に銀成市を去るつもりだったが、逆に彼に「(カズキのことを)諦めきれるのか」と諭され、閉じ籠っていた感情とカズキへの愛を溢れさせて大粒の涙を流した。
そしてカズキの生存を知り、今度は「一緒に生きていく」という意味での一心同体の誓いを交わし、ようやく笑顔を取り戻す。
全ての戦いが終わった後にはカズキの恋人として、日常の世界で共に生涯を生きることとなった。
登場人物との関係
- キャプテンブラボー…7年前の凄惨極まりない事件(小説『//』参照)の際に記憶の殆どを失ってしまったため本人は覚えていないが、キャプテンブラボーとは上司部下である以前に深い縁を持っている。当初はカズキ一辺倒の斗貴子に苦言を呈したが、発破を掛けて尚収まらなかったカズキへの甘さと、逆にこのせいで復活した彼女の殺伐感を見て、部下の育成の難しさに頭を悩ませていた。
- 早坂桜花…元LXE信奉者の銀成高校生徒会長。一度は敵対し、敗北後斗貴子に殺されかけるもカズキのお陰で事なきを得た。斗貴子とは違うあらふ系のお姉さんキャラで、そうした性格の不一致のためか、カズキに気がある態度を取っているためか、彼女のことは仲間になってからも警戒してしまうようである。
- パピヨン…自身がホムンクルスにされそうになった因縁もあって気を許さず、カズキを差し置いて殺そうとしたほど(その時は戦闘直後で興奮状態にあったのもあるが)。しかしカズキへの深い愛情は(ベクトルは違えど)共通しているためか、カズキのために矛を収めて行動を共にすることもある。一方のパピヨンは彼女ほど敵対的では無いにせよ、時と場合によっては干戈を交えたり協力し合ったりと柔軟な対応を見せる。『アフター』ではパピヨンの監修によって、ロッテリや(ウマカバーガー)のマスコットフィギュア第二弾の内の1つ「怪人・ブチ撒け女」としてフィギュア化されている。
余談
銀成学園に転入して以後もニュートンアップル女学院の制服を着ているのは、ミニスカートの為バルキリースカートを使うのに都合が良いからだが、戦士でなくなって以後も着続けている。なお、原作では1枚だけ「サービスカット」として、銀成学園の制服を着用した斗貴子のイラストが描かれている。
読者アンケートでは人気が高く、主人公に次ぐ(順位自体は1位だが大量投票を行った読者がいたため、実質的にはカズキが1位だった)。1巻では「連載始まったばかりなのに、なぜか主人公より斗貴子さんの方がファンレターが多い」と書かれている。
『アフター』においてはカズキのプロポーズ同然の発言で更に周りから祝福も兼ねて揶揄され、作者からも「バカップル」呼ばわりされている。将来はカズキと結婚することになる(後述)。
彼女の生家・津村家は赤銅島の有力者である。幼い頃は後継ぎとして家族の愛情を一心に受け、「お嬢さん」らしい性格をしていた。
『//』によれば、一家と共に日ごろでも一様に和服を着ていた。
また同作ではホムンクルスの襲撃される直前、夜中に鏡合わせのおまじないでウエディングドレスに身を包む自分と、暖かな山吹色の光に包まれた結婚相手を見ている。
本編では恋人になり、一緒に生きていくことを決意したところで物語が終わっているが、その後無事に結婚したらしい。
最終回である『ピリオド』の表紙、小説版のおまじない描写、そしてゲーム版のある設定から察することができる。
『週刊少年ジャンプ』作家の漫画術を公開する「ジャンプ流」vol.12にて、作者の和月伸宏が「幼馴染の友人に“斗貴子のモデルは、お前の初恋の○○さんだろ?”と突っ込まれたが、正にその通りだった」ことを明かしている。但し、この件に関しては「まったくの無自覚」とのことである。