CV: 金尾哲夫(ゲーム作品によっては若本規夫氏が担当する事も)
実写版:荒井敦史
「お前も本気を出せ。いい思い出にしてやる。」
概要
幽遊白書に登場する妖怪で、戸愚呂チームの一員である鎧武者。決勝戦では飛影と対戦(その戦いの際、邪王炎殺拳について多少の知識を持っていた描写があった)。
戸愚呂チームのメンバーでは最も寡黙であり、飛影戦で鎧を外す時になって初めて台詞が出てきた。実況の小兎曰く、意外と渋い声らしい。(それまではマスク越しの呼吸音くらい)
「なるほど。鎧をつけたままで勝てる相手では無さそうだ。」
チームメイトの鴉とは、過去に戸愚呂兄弟に挑んだ前後の頃からの古馴染み。付き合いが良いのか、鴉のトリートメントの名言を生み出す際に、蔵馬の注意を引くために協力している。……やはり事前に打ち合わせでもしていたのだろうか?
普段は鎧を着たまま、専ら巨大な片刃の斧を武器にする。この斧は破損してもすぐさま生成可能で大きさも伸縮自在だが、飛影によれば「妖気が通っていない」らしい。
巨大ながら持ち前の怪力で刀剣よりも素早く振る事が可能で、スピードと破壊力を兼ねた一撃は並みの相手なら一撃で粉砕する。形状はグレートアックスに似ているが、アニメ版や一部ゲームではフランキスカのように投擲する場合もある。
また、斧でリングの石版や岩を剥がしそれを投げつける攻撃も使用し、一部ゲーム作品でも技として搭載されている。アニメ版では、一回だけでなく手当たり次第に引っペがし連続で投げつけ、観客席にまで被害が及んでいる。
決勝戦では飛影の実力を認めたことで、鎧を脱いで本気の勝負に挑む。飛影の黒龍波を跳ね返す快挙を見せたが、その黒龍波を喰った飛影に逆転され敗北した。試合は場外ダウンによる10カウント負け。武威は暗黒武術会において、飛影と戦った中で唯一殺されなかった妖怪である。そのため、不死身である戸愚呂(兄)以外では、戸愚呂チームで唯一、武術会終了後も生き延びていた(武術会終了後の消息は不明)。
ちなみに武威と鴉が戸愚呂チームに参加している理由は、過去に敗北した戸愚呂への再戦が理由だが、実のところ彼自身は限界まで鍛えたにもかかわらず戸愚呂との力の差はさらに開いていることに気付き、復讐についてはほぼ諦めている。その為、敗北後は飛影に介錯を望むも断られてしまう。その後の彼については、ユーザーからは「隠遁したか旅に出た」「魔界統一編にて蔵馬から誘いを受けたが断った」「敗北で全てを失い自死した」など様々な推察がされている。
飛影vs武威のバトルは、コミックスに掲載された「究極の名場面コンテスト」で2位を獲得した(1位の蔵馬vs鴉と僅か50票差)。デフォルメされた彼らの姿が可愛い。
鎧を外した真の姿
上述の武具は、自身が身に纏っている真の鎧であり武器である「武装闘気(バトルオーラ)」を抑えているためであり、本気になると鎧を外して戦う。素顔は額に大きな傷跡が付いた中年に近い渋い顔立ち。
ちなみにアニメ版では、この特徴的な額の古傷がクローズアップされている。過去に戸愚呂(弟)と戦い敗北した際に付けられた描写がある他に、「武装闘気」使用時に発光したり、黒龍波を跳ね返す前に傷から出血するなどしている。
なお、戸愚呂(弟)に挑んだ頃の彼は、後ろ髪を伸ばしており根元で括っていた。
↓戸愚呂(弟)と初めて戦った頃の姿
なお彼が着ているこの鎧、重量も相当なもので数百kgを超えているらしい。こんな重いのを着てあれだけ素早く動ける事から、本気を出していない状態でも武威の相当な実力者ぶりが垣間見えている。
「武装闘気(バトルオーラ)」
武威の強さの真骨頂とも呼べる攻防一体の闘気。「武装闘気」は飛影の各種邪王炎殺拳の炎にも耐える事が可能である他に、気弾のように発射する攻撃手段として用いている。アニメ版やゲーム作品では、相手を追尾する「オーラバトルクロスアタック」やレーザー状の「バトルメガ粒子キャノン」なるオリジナル技を使っている。
武威が内包している「武装闘気」の総量は桁外れであり、「武装闘気」に関して知識のある蔵馬によると、彼のように空中に浮遊する程の使い手はいなかったとの事。しかし、これで飛影の黒龍波を跳ね返すも、黒龍波を喰った状態の飛影にダメージを与えられなかった上に、アニメ版では更に身体に纏った「武装闘気」を掻き消されてしまった。
ちなみに、過去にスーパーファミコンで発売された『幽☆遊☆白書2 格闘の章』では、見た目や効果は武威とはまるで異なるが、100%状態の戸愚呂(弟)が「武装闘気」を使用している。(ルビはそのまま「ぶそうとうき」の表記である)
余談
戸愚呂(弟)と同じくストイックかつ厳格な人物だが、キャラの動きを付ける為か、かなり独特なタッチが話題になっているアニメ版58話において、数々の顔芸と飛影に対する連続攻撃で見せたアクロバティックな動きなどが原因でネタ度が一気に加速。
この中で上空へ投げた飛影に追撃するための跳躍時の姿は、一部ユーザーからアレとかコレに見えると言われているらしく、他には2005年度にPS2で発売された『幽遊白書FOREVER』での「穿翔落(がしょうらく)」という技の中で、動作の一環として実装されている。
ちなみに、飛影に飛び掛かった際も同じポーズをしている場面があるが、こっちは何処ぞの義星の男や聖帝を連想した方もいるとかいないとか。
上述の通り、戸愚呂チームの4人では最も寡黙な上に、初登場したのが準決勝直前時期と遅めだったためか、チーム中最も影が薄い印象は否めない。その証拠に、原作で行われた第2回人気投票(武術会編終盤時点)では、浦飯チームやぼたん・コエンマといったレギュラーキャラは勿論、鴉や戸愚呂兄弟がランクインされている中、彼はランク外だった(皮肉なことに1位は、対戦相手の飛影である)。
また、限界以上に強くなったが戸愚呂には敵わなかったとのことだが、後の武闘会参加組が短期間で悉く戸愚呂をはるかに上回るS級妖怪レベルになっている点から、優れた師匠がいればもっと強くなれたのではと言われることも(この時、なぜ蔵馬が存命しているはずの武威に声をかけなかったのかは謎。消息を掴めなかったのだろうか?)。