「皮肉だね 悪党の血の方がきれいな花が咲く」
「綺麗な薔薇には 棘があるのさ」
解説
舞台版キャスト:鈴木拡樹
実写版キャスト:志尊淳
初登場時は15歳の高校1年生で都内の進学校・盟王学園高校に通い、部活は生物部に所属しているが高校生活が描写されたのは2年生になってから。
ちなみに生物部を選んだのは一番暇そうだったかららしい。
頭脳面に優れており、学業面の成績も優秀。さらには教育者としても優れている。
人物
性格
妖狐時代の残忍さと秀一としての温厚さを兼ね備えており、無益な殺戮はしないようにしているが自身や周囲の者に危害を加えるのならば容赦しない。
家族構成
浦飯幽助同様に母子家庭であり、母・南野志保利との2人暮らし。
父親に関しては随分前に亡くなったとしか語られておらず、登場シーンも1シーンのみである。
その父親であるが原作とアニメ版では顔つきが異なり、アニメ版のほうはメガネをかけている。
戦闘スタイル
植物を武器化したり、魔界の植物を使役する力を持つ。
相手の戦法を見定めてから、それに合った戦法を立てるようにしているが相手によってはその戦法が仇になることもある為、飛影からは悪い癖と酷評されている。
肉弾戦も一応はこなし、スピード主体の攻撃を展開。
植物能力
植物武器は薔薇棘鞭刃(ローズウィップ)を主体としており、他にも雑草剣や霊竹剣を使用。
技はローズウィップで切り裂く華厳裂斬肢、バラの花弁を攻撃力のあるバリアとした風華円舞陣を使用。
魔界の植物は人間界の植物よりも強力だがそれゆえに使用妖力のコストも大きく、人間になった当初は使える魔界植物は限られていたが妖狐の力が人間の身体に戻り始めたことで使える魔界植物も増えた。
経歴
本編開始前
1000年前の魔界において、覇権を握るための第一歩として、黄泉と共に盗賊組織を率いていたが短絡的な黄泉に愛想を尽かし、雇った暗殺者に襲わせて、粛清する。
その後、雷禅と軀の二大勢力には敵わないと判断すると活動の場所を人間界に変えるが霊界特防隊に目を付けられ、隊員の舜潤の攻撃で瀕死の重傷を負う。
地上に逃げるも人間に化ける力すらも残っていなかった為、やむを得ず、志保利の胎児に憑依融合し、人間・南野秀一に転生。
当初は10歳になれば妖力が戻るのでその時期が来たら家出するはずだったが人間界での両親の愛情を受けて育ったことや9歳の時に志保利が割れた皿の上に落ちそうになった自分を傷を負っても助けてくれたことから迷うようになり、志保利が病で倒れたことで自分が南野秀一でもあることを自覚するようになる。
中学3年生の頃には住んでいる町を他の妖怪たちから守りながら日々を送る中、クラスメートの喜多嶋麻弥が八つ手に捕まってしまう。
八つ手と戦う飛影との共闘で八つ手に勝利し、麻弥の救出にも成功するが麻弥を巻き込みたくないことから、夢幻花の花粉で事件の記憶と恋心を消去する。
ちなみに飛影と出会った際の蔵馬は飛影の邪眼を見て「その邪眼は妖力の感じからして、最近身に付けたものだね」と発言したが飛影が邪眼を得たのは4年前のことゆえに最近だと矛盾が生じるが蔵馬は人間よりも寿命の長い妖怪ゆえに4年は数日と変わらない感覚で言ったのだとすれば矛盾はない。
秘宝事件
志保利の病を治すために飛影と剛鬼と組んで闇の三大秘宝を強奪し、暗黒鏡を所持。
秘宝奪還の任を受けた霊界探偵の幽助に事情を説明した後、自身の命と引き換えに暗黒鏡に志保利の病の完治を願うが幽助が割り込んだことで2人とも命を捧げることなく、願いを叶えてもらった。
この後は百目状態の飛影に苦戦する幽助を助け、降魔の剣で腹部を負傷しながらも自身の血で飛影の邪眼にダメージを与えたことで弱体化させ、幽助の勝利に貢献する。
霊界からの使者
魔回虫事件において、社会復帰のための奉仕活動として、霊界から飛影と共に派遣され、幽助と再会。秘宝事件では見せなかった自身の能力も初披露する。
原作では魔回虫事件と雪菜救出の間に起きた魔装束事件では飛影を焚きつける強かさを発揮。
雪菜救出に加わらなかった理由は不明だがアニメ版では霊界から静観していたことになっており、幽助と桑原和真が戸愚呂兄弟に苦戦していることを知ると救援に向かうも到着した際には2人は辛勝していた。また、原作よりも先に雪菜が飛影の妹であることを知っていたので飛影が雪菜に兄であることを名乗らないことでの会話も見られた。
暗黒武術会
浦飯チームの1人に選ばれ、桑原の頼みで彼を鍛え上げた。
裏浦島との対戦において、逆玉手箱の力で妖狐の姿に一時的に戻り、後に美しい魔闘家鈴木から逆玉手箱の原型である前世の実を譲り受け、15分のみだが妖狐に変身可能となり、人間の身体に妖狐の力が戻り始めるようにもなった。
魔界の扉事件
高校2年生に進級。
桑原とぼたんが高校に足を運んだ際、桑原がいつもの調子で「蔵馬」と発言したために周囲から不思議がられるが「あだ名です」と発言したことで何とか切り抜ける姿も見せる。アニメ版では女生徒たちから慕われている描写も描かれた。
クラスメイトの海藤優とのタブー対決や仙水ファミリーの一員である天沼月人とのゲーム対決といった頭脳バトルでは持ち前の頭脳を活かして、いずれも勝利している。
この事件の首謀者の1人である戸愚呂兄に対しては戸愚呂兄の体質とその外道さから「死にすら値しない」と「邪念樹で蔵馬の幻影と永遠に戦わされ続ける無間地獄を味わわせる」という恐るべき処刑ぶりを披露。
仙水忍との戦いで幽助が戦死した衝撃からA級妖怪に戻る。妖狐に変身した状態で仙水と交戦・敗北するも復活した幽助に助けられた。
ちなみにこの事件で因縁のある特防隊とも再会しており、アニメ版では「特防隊の連中か…」と口にしているシーンが見られる。
魔界統一
志保利が畑中と再婚し、畑中秀一という義弟も得る。平穏に暮らす一方、制限仕切れない敵意が限界点に達すると約50%の確率で妖狐に戻るようになった。
そんな中、黄泉からのメッセージを受け取ると過去にケジメを付けるために黄泉軍に参加し、鈴駒、酎、凍矢、陣、死々若丸、鈴木を幻海と共に鍛え上げ、六人衆とし、黄泉軍の戦力とする。
魔界トーナメントでは時雨に勝利するも次の九浄との試合で敗退するが魔界トーナメントを経て、黄泉と和解を果たす。
魔界トーナメント終了後は幽助よりも先に人間界に帰還し、桑原が高校に進学後、彼の学業面の面倒も見ている。
卒業後は進学せずに継父の会社に就職予定。
残忍な処刑法
蔵馬は自他ともに認めるように残忍でもあり、人質や騙し討ちをする相手にはどっちが酷いのか分からないぐらいの残忍なやり方でトドメを刺している。
犠牲者
呂屠:志保利を使い魔に尾行させる形で人質を取ったことから、シマネキ草で粛清
裏浦島:騙し討ちを行ったことから、食妖植物に食わせることにし、知りうる限りの情報を聞き出した後は処刑する予定だったようだが死々若丸が先に粛清
天沼月人:仙水に利用されていただけで同情の余地はあるものの先に進む必要があった為、仙水の真意を説明することで自滅させるが後にコエンマの手で復活
戸愚呂兄:天沼の件を嘲笑ったことと再生能力から邪念樹で無間地獄に落とす
傀麒:幻術で親友であった黒鵺に成りすまし、過去の心の傷を抉ると共に黒鵺との友情を捻じ曲げたために、武器化した竹林で全身を串刺しに粛清
海藤と黄泉も人質を取ったもののその2人は生存。
海藤は幻海の指示で動いていることに蔵馬は薄々気づいていたため。
黄泉は蔵馬が黄泉を裏切った負い目があることや黄泉も必要以上に蔵馬を刺激しないスタンスから均衡を保っており、最終的には黄泉が改心したため。
余談であるが、傀麒の粛清時には蔵馬は感情を抑えられない程に激怒した。
キャスト
担当声優の緒方恵美にとっては事実上の声優としてのデビューキャラであり、代表キャラの1人。それゆえに緒方氏にとっても蔵馬は思い入れのあるキャラクターといえる。
ちなみに蔵馬を演じる以前にも第1話で幽助が車から庇った子供・マサルの母親や雪村螢子の母親、螢子の友人、名無しの女生徒として出演していた。
余談
- キャラ人気投票では3位 → 2位 → 2位。
だが、アニメ放送後はこの設定を逆輸入したのか、原作のカラーイラストでは赤系の髪色で描かれている事が多い。
- 幽白世代では、蔵馬が初恋、という女子は少なくない。まさに初恋ハンター。
クラスの女子達は、蔵馬派か飛影派に分かれていてよく討論をしていたという。
その美しさにテライケメンなどと呼ばれることもしばしば。
- 桑原や飛影と違い、主人公の幽助と交戦したことがないキャラ。暗黒鏡を盗んだ際も「俺は戦う気も逃げる気もない」と幽助に敵意を見せてもいない(そもそも、目的の物が手に入ったので、飛影たちと手を切ろうとしていた)。それゆえに事情を聞いた幽助も「あいつはそんな悪い奴じゃない」とこの時点で立場上は敵だった蔵馬を信じていた。
関連イラスト
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外部リンク
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