概要
とあるチャイナタウンの骨董品屋に置かれていた正体不明の生命体。体長30cm程度で小型の哺乳類(マーモセット)の様な外見をしている。「モグワイ」という名前は中国語で妖怪を意味する「魔怪(móguài、モーグァイ)」に由来する。
カタコトだが人語を喋る。
最初に登場した個体「ギズモ」は非常に人懐っこく、性格も大人しく音楽を好むなど愛嬌たっぷりだったが、これはおそらく飼い主の骨董店主人がちゃんと躾をしていたためであり、ギズモから分裂した個体はほとんどが後述のグレムリンほどではないものの悪戯好きで欲望に忠実で、これが本来のモグワイの性質と思われる。中には人に噛みついたり他の個体を虐める等の凶暴さを発揮する個体もおり、特にラスボス格となるストライプ(1作目)やモホーク(2作目)は他の個体と一線を画す知性と悪辣さを備えていた。
3つのルール
モグワイを飼育する際には以下のルールを守らなければならない。
- ルール1:光に当ててはいけない
光が苦手(夜行性)なので、なるべく暗い場所で飼わないといけない。カメラのフラッシュ等瞬間的なものでもパニックを起こすが、特に太陽光には弱く、長い間当たると体が溶けて死んでしまう。
なお、テレビ番組は普通に視聴できているため、弱い光であれば問題無い模様。その他、暗めの間接照明や月明かりなどもセーフと思われる。
- ルール2:水に濡らしてはいけない
体に少しでも水がかかると激しい痙攣を起こし、やがて背中からピンポン球のようになった毛玉が飛び出してその毛玉から新しいモグワイが生まれる。この毛玉の生成は「発射される」と言っても問題ないくらいに結構勢いがある。
お風呂やプールなどの水中にどっぷりと浸かるのはもちろん、スポイトなどで1~2滴を垂らしただけでも分裂が起きる。当然、直に水を飲むのも厳禁。
ちなみにコミカライズによると、ジュースをかけても反応が無かったため、ただの水のみに反応する様子。
- ルール3:真夜中を過ぎたら、決して食べ物を与えてはいけない
最も重要なルールである。
深夜0時を過ぎてからモグワイに食べ物を与えると、その日の内に繭を作って変態を行い、やがて中から全く別の生物へと豹変した凶悪なグレムリンとなって現れる。
この時間帯でも構わず(個体によっては)食べ物を求めるうえ、近くに食べ物があると自分から食べようとするので油断ならない。
ちなみに「朝は何時以降なら食べても平気なのか?」「時差はどう扱われるのか?」等は詳細不明。特に後者は作中でも、グレムリンの存在を信じない人物に(少々意地の悪い質問という形で)ツッコまれている。
余談
制作秘話によると、モグワイことギズモの撮影用の人形は非常に壊れやすくて撮影が滞ってスタッフのヘイトを集めており、映画にて分裂した同族によってダーツの的として弄ばれていたのは、スタッフの憂さ晴らしだった模様。
ジョージ・ガイプ著のノベライズには、誕生秘話が描かれている。
それによると、モグワイの正体は『宇宙人が作り出した人造生命体』である。
モグワイを創造したのは、モグターメンという科学者。遥か宇宙の彼方にある、科学が高度に発達した惑星で作り出されたものであり、『あらゆる気候や条件にも適応』、かつ『繁殖可能』、そして『性格が温和で知的な生物』としてモグワイを作り出した、との事。
そして、モグターメン博士によってモグワイの1匹が地球に送り込まれ、台湾に到着。それが老人に拾われて飼われるようになり、劇中に至る。
しかし、モグワイの三つのルールは、モグターメンも予想していなかったらしく、なぜ骨董屋の主人が知っていたのかは不明である。
ノベライズ劇中のギズモは、このモグターメンの性格を継承しているかのような、知的かつ穏健な性格であり、完成した人格を有していた。
しかし、繁殖し生まれた他のモグワイは、モグターメンの意図した『温和で知的』な要素が欠け、好戦的かつ嗜虐的な性格になってしまう。
また、『モグワイ同士では互いに殺し合う事は出来ない』という命令が遺伝子に組み込まれているため、モグワイはモグワイを積極的に殺害、またはその行動を起こす事が出来ない。
ノベライズ劇中でも、ギズモから生まれた(後にストライプとなる)モグワイが、ギズモを殺してなり替わろうとするも「お前を殺したいが、どうしてもできない」と述べていた。
ただし、この不殺の命令はグレムリン化すると消えてしまうため、変異したストライプたちはギズモを襲っていた。また、モグワイもグレムリンに対しては不殺は適応しないらしく、ギズモも最後にストライプに日光を浴びせるようにしている。