概要
1977年、ニュージーランドで日本のトロール漁船「瑞洋丸」によって引き上げられた未確認生物の死骸。
首のように見える長くたれ下がった部位、大きなヒレ状の部位から、古代の長頸竜プレシオサウルスの仲間の生き残りだったとする説が当初はささやかれ、当時すでに広く知られていたネッシーにあやかり、ニューネッシーと名づけられた。
だが死骸は引き上げられた時点で腐敗が酷く、さらに瑞洋丸は調査船でなくごく一般的な漁船だったこともあり、ニューネッシーを船内に保管して日本に持ち帰る余裕はなかった。
そのため船員によって証拠となるごく一部の部位(繊維状の組織など)がぬき取られたあとやむなく海に投棄された。
正体?
採取された体組織の研究から、正体はウバザメの腐乱死体だろうと言われている。
というのもサンプルの成分※がウバザメと酷似している上、軟骨魚類のウバザメは腐敗が進むうちに体の組織が脱落し、その結果生前の姿からは大きくかけ離れた姿になることが多いのだ(またサメの筋肉はアンモニアを含むので余計に臭い)。
現存しているニューネッシーの写真は、ウバザメの下あごが脱落し偶然首長竜のような姿になっただけでは?とされている。
さらに当時瑞洋丸が航海していた地域はウバザメの生息域とも重なっている。
※サンプルの成分とはアミノ酸のこと。生物は種ごとに特有のアミノ酸指数を持っているのだが、ニューネッシーのアミノ酸指数は113、ウバザメの属する軟骨魚類のアミノ酸指数は116と数値的に極めて近い。
そのため、とりあえず生前の姿は軟骨魚類のそれであったとされている。
「腐敗臭が自分たちの知っているどの魚のそれでもなかった」という船員の証言から、未知の生物の可能性も指摘された。骨格が完全にはウバザメと一致していないということなどから、ウバザメではないという説もあったが、この骨格図は乗組員の想像を交えて描いたものだったため、腹ビレや頭骨の形は実際に引き上げられたものと違い、やはりウバザメなのではないか?と言われている。