曖昧さ回避
大百足の伝説
大百足の伝承は日本だけでなく韓国などアジア各地にある。単に『百足』とも表記。
たとえば近畿に伝わっている。中でも、後に平将門を討伐する藤原秀郷の武勇伝の一つとして有名。
若かりし日の秀郷は俵藤太の名で知られていたが、ある日近江の国(滋賀)の橋に大蛇が出て通れないという話を聞き、早速退治しようと意気込んだ。人々が恐れる中、藤太は躊躇いなく大蛇をまたぎ、悠々と歩き去った。
その晩、藤太の家に美しい娘が現れた。娘は琵琶湖に住む龍神の娘で、大蛇に化けて勇者を捜していたと告白する。娘は三上山に山を七巻き半するほどの超巨大なムカデが出没し、龍神の一族を迫害していると告げ、これに対し藤太は「退治してやる」と快諾した。
気合を入れるべく藤太は白い鉢巻きを締め、弓矢を引っ提げて三上山に向かう。山には娘の言う通り大百足が巻き付いていた。人里に下りる前に始末してやると藤太は弓矢を打ち込むが、硬い皮膚に弾かれびくともしない。とうとう矢は最後の一本になった。
藤太は百足は人の唾液を嫌う事を思い出し、矢に唾を吐きかけると八幡大菩薩に祈り、渾身の矢を放つ。
矢は百足の脳天に突き刺さり、悶え苦しんだ百足はそのまま倒れ込む。絶命寸前に百足は「俺は七巻き半、奴は鉢巻(八巻き)…」と吐き捨てたという。
似たような伝説として、関東では赤城山(群馬県)の神が百足、男体山(栃木県)の神が白蛇とされ、二柱が戦った場所が戦場ヶ原と呼ばれるようになったと言う。こちらも、弓矢で百足が退治されたのは興味深い。まんが日本昔ばなしでは「赤城と日光の戦い」というタイトルのお話で放送されている。
関連動画
🏹俵藤太のおおむかで退治 【むかしばなしのおへや~伝えたい日本昔話~】 - YouTube
創作における大百足
原作、アニメ共に鬼太郎の敵として登場。原作では鬼太郎を言葉巧みにだまし毒でぬりかべを溶かしてしまう。水木センセイの妖怪画ではニヤニヤ笑いながら子供を追いかける姿で描かれている。
第3期第73話「シーサー登場!!」では沖縄の妖怪として登場し、キジムナーの畑を襲撃。
糸で鎧武者の軍勢を操り、溶解液を武器としていたが、シーサーに腹をぶち抜かれて倒された。なお、この鎧武者(埴輪武者)のデザインは、水木しげると関係性がある大映特撮の大魔神のデザインを参考にしているとされる。
第4期第107話「山の神・穴ぐら入道」では穴ぐら入道のペットである虫の集合体として登場。
各節を分割して行動する能力を持ち、開発に怒る穴ぐら入道の乗り物として暴れまわった。
しかし、工事の影響で水脈が傷ついて洪水が起こった際には穴ぐら入道と共に石化して水害を防いだのだが、現場監督・古野国権造(CV:田中和実)にその思いが通じる事は無かった。尤も、現場監督にもトンネルを開発する事で急病人を助けやすくするという考えがあり、また穴ぐら入道も住処を何度も失ったとはいえ自分の都合の為だけに人間を襲ったに過ぎない為、「どちらが悪いか?」とは言えない問題だったと言える…。
これと似た問題について第6期の泥田坊の一件も当てはまると言える。
第5期第13話「奮闘!ぬりかべ用心棒」では近江の御影石に封じられていた妖怪としての登場。
体の各パーツが独立して襲っており、一軒家を建てるためにねずみ男と組んだぬりかべがそれを退治して欠片を回収して回っていた。
やがて日没と共に各パーツが集結して正体を表すが、猛毒でピンチに陥った夫を助けるべくぬりかべ妻子が加勢に現れて退治される。
ゲーム『ゆる~いゲゲゲの妖怪ドタバタ大戦争』ではこのシーズンのデザインで登場した。
第45話「慌てん坊サンタ」にアメフト選手をモチーフにしたオオムカデとして登場。サンタクロースの国を乗っ取り人間を操る自身の眷属を配ろうとした。
敵組織宇宙忍群ジャカンジャの本拠地「寄生要塞センティピード」およびそれに巻き付く首領タウ・ザントは大百足の怪物である。
忍びの35「キンジ、妖怪への迷路!」に、電源タップを素体に生み出された上級妖怪オオムカデが登場した。
※イラスト右
最終話に登場したロクロクビは、本編未登場の魔化魍オオムカデの姿と能力を付加したという設定。
妖魔として登場。
ジパングに棲む魔物娘大百足として登場する。
上述の「百足退治伝説」に因んだ造形がされた女妖怪・百足(ひゃくり)が登場する。主人の猛将・藤原秀郷(俵藤太)に仕え、全力を出す際はもう一体の妖怪と共に三位一体の陣形をとるため下半身は大百足の巨大な異形へ変化する。
雑魚キャラとして登場。俵藤太がかつて戦った龍神を害した大百足はかなりの強敵であったと推測される(※型月において竜種は幻想種の中でも上位、龍は更に格が高い存在とされる)。
東方虹龍洞のEXボスで種族が大蜈蚣の姫虫百々世が登場する。他の妖怪達からは龍殺しの最強妖怪だと恐れられている。
町の商店街を覆いつくすほど巨大なムカデのおばけ。Pixivタグでは「大百足の神様」が多く使われている。
作中では公衆電話を通して主人公の少女を自身が生み出した領域に誘い込み、襲い掛かってくる。
しかし単純な敵キャラという訳ではなく、商店街の外れにある神社の御祭神ではないかと推測されている。
少女に襲いかかったのも誤解だったようで、誤解が解けた後は「まっかなおまもり」を少女に渡している。
「スプリングガーデンを守護する」と言い伝えられる3大守護神蟲のひとつとして、北欧のニーズヘッグと一部設定を共有する超巨大怪獣、ナイドホグルが出現する。
害虫の首領として1000年近く封印されていた守護神蟲の中で一足早く復活したが、初登場時は眷属の問題の方が深刻で、本人はほとんど置物同然のまま再封印された。
ナイドホグルが本領発揮したのは敵対するフラスベルグが復活してからで、フラスベルグを倒すためにミズウォルム・シロの力を利用してナイドホグルを制御するという危険な計画が始動。これにより青白く脱色され再復活したナイドホグルは、ついに敵対していたフラスベルグに勝利。
アグレッサの横槍が入り、両者とも一度はアグレッサに取り込まれ依代にされるも、最終的に奪還され再度地底に戻された。
後に、人間に近い姿と能力を併せ持つ事実上の後継者外園騎士ナイドホグルが新たに出現。それぞれの正義を賭けて花騎士たちと死闘を繰り広げた。花騎士が勝利を収めた後、ブロスの裁量で花騎士側につき、騎士団にも登録された。
その後、ナイドホグルの本来の姿である、愚直で慈悲深い性格が明らかになるとともに、ナイドホグル、ミズウォルム、フラスベルグの「守護神」の基準が根本的に違うことや、フラワーナイトガールにおける三大対立勢力の三つ巴の構図が浮き彫りになりつつある。