概要
元禄4年(1691年)に書かれた地誌『作陽誌』に記載される妖虫。
1丈(約3m)もある残忍な性格をした、巨大な蜂の妖怪で、伯州(現在の岡山県)と作州(現在の鳥取県)の境にある山(峠)に棲んでおり、そこを通る者があると出現して様々な害を成し、また生血を啜って喜んでいたとされる。
その為、そこを訪れるものは殆ど無く、山麓の村の住人達はほとほと困り果てていたが、ある時訪れた僧がその話を聞くや、村人達に木偶人形を作らせると、そこに経文を書き込んで路傍に立たせ「三日経つと蜂は必ず死ぬから、それまでここに近付いてはならない」と人々に告げて去って行った。
それから三日後、僧が告げた期限になったので村人たちは恐る恐る山へ向かうと、僧が言っていたように死んでいる蜂を発見しました。
その後、蜂の亡骸は人形と共に埋められ、このような出来事から山は「人形山」と呼ばれるようになったと言われている。
余談
蜂ではなく文献によっては大蜘蛛だったり、人魚の肉を食べた土地という話もあるらしい。
舞台となった人形山は現在「人形峠」といわれる。
近代になりウラン鉱脈が発見された為、創作では蜂や蜘蛛が巨大化した理由とされる事もある。
関連項目
関連作品
46億年物語…スーパーファミコン版「はるかなるエデンへ」にて名前も姿もそのまんまな中ボス・「ハチキング」及びそのつがいである「ハチクィーン」が登場。
ゆらぎ荘の幽奈さん…53話にて蜂王同様の巨大な蜂の妖怪である「鬼蜂」が登場。