注意:本稿には、ゲーム「フラワーナイトガール」の最新の情報を含む根本的なネタバレが含まれる可能性があります。
概要
根源の世界花とは、全ての世界花、ならびに守護神蟲の上位に存在する、スプリングガーデンにおける創造神であるとともに、スプリングガーデン最大の謎でもある。
スプリングガーデンにおけるあらゆる加護の源流となる「根源の世界花の加護」を有し、この加護はスプリングガーデンに存在する全ての存在に付与されている。夢想改虫のように、この加護を悪用して生態系の魔改造を行う古代害虫も確認されており、スプリングガーデンにおけるあらゆる事象に直接関係しているとも考えられている。
また後述の通り、本作の黒幕たちも根源の世界花を露骨に敵視しており、他にも様々な勢力と何らかの直接的な関係があるため、本作における全ての事象の根本に、高い確立で根源の世界花に関する何らかの要素が関わっている。
呼称
真名は「アルカ」。近年その由来および真の真名が、最古の被子植物と同じ「アルカエフルクトゥス」であることがウィンによって明かされた。
世界花からは後述の理由から「ママ」もしくは「お母さん」と呼ばれている。
守護神蟲や外園騎士からは「アルカ」、花騎士からは「根源の世界花」と呼ばれている。
また、邪神ハクアやリコ・アグレッサら「星の意志」を名乗る侵略者からは「夢の花」と呼ばれ毛嫌いされている。ただし、「夢の花」という呼称は、ミズウォルムやプチセンティなども使うことがある。
見た目
左奥
7つの世界花の根が交わる中心に存在し、そこからいきなり花が咲いたような見た目をしている。
花びらに相当する部位はなく、萼のような部位が7つ(と、再生途中らしい8つ目)確認できる。それぞれの付け根から一つずつ、計8つのベル型の先端を持つ塔のようなものが生え、花の中央からはひときわ巨大な、イスラム寺院の尖塔のような塔が生えている。ベル型の先端のものが雄しべ、巨大なものが雌しべに相当するとみられ、いずれもガラス細工のような見た目をしている。
萼や雄しべは、自身を含む各世界花を示している可能性がある。
根源の世界花が存在する場所はリリィウッドの地下深くであり、未知の発光源を中心とする花畑のような環境が存在している。ここには根源の世界花以外の世界花の加護はほぼ届かないため、一度この空間が制圧されてしまうと、根源の世界花に近づくことはほぼ不可能になる(実際ミズウォルムがその事態にあと一歩まで迫っていた)。
また、各世界花の加護は、根を通じて根源の世界花から加護を受け取ったものを使って、自身の加護に変換しているものと思われる。
つまりスプリングガーデンにおいて根源の世界花が存在する空間は、世界花とスプリングガーデンが存続するために最も重要な区域だと言える。
他の存在との関係
守護神蟲
ミズウォルム・シロの発言や外園騎士ナイドホグルの回想により、守護神蟲とは契約-被契約の関係にあることが判明している。しかし各守護神蟲によって世界花への対応が大きく異なるため、契約の実態は不明。
-ナイドホグル
外園騎士ナイドホグルの回想によれば、ナイドホグルの名付け親であることが判明している。
また、元々ナイドホグルが温厚な生物であることによる、「理不尽に仲間を奪われたくない」という願いを叶えるために、ナイドホグルと契約したらしい。その見返りとしてナイドホグルは、「永遠の平和」という「アルカの願い」を叶えようとしていた。
-ミズウォルム
根源の世界花の領域を侵害し、かと思えばその根源の世界花の味方ヅラをすることもある、実に不可思議な態度を取っている。ミズウォルムが手のひら返ししまくってるだけとも、ミズウォルムにとっては道具の一つに過ぎないからとも考えられる。
現在では「アルカの願い」というワードだけがミズウォルムの間で一人歩きしている可能性があり、事実上ミズウォルムが花騎士たちを襲撃するための大義名分と化している。
-フラスベルグ
外園騎士ミズウォルム・アオによれば、フラスベルグは根源の世界花を含む全ての他者を見下し侮蔑している。そのため、なぜフラスベルグと契約したのかなど詳細は謎に包まれている。
世界花
化身体の話によれば、全ての世界花は根源の世界花から生み出された。そのため世界花たちは根源の世界花を母親として慕っている。
しかし、もう長いこと交信は絶えており、根源の世界花が何を望んでいるのかなど、詳しいことは世界花にもわからない。
化身体の会合は根源の世界花の領域で行われているが、肝心の根源の世界花との交信はいまだに成功していない。
花騎士
クマツヅラなど一部の花騎士の中には、根源の世界花の加護を直接受けている特異体質のものがいるが、これが何を意味するのかなどは不明。
ミズウォルムが事件を起こすまで根源の世界花は存在そのものが忘れられており、現在でも直接その空間に行くのは難しい。
侵略勢力
ハクアやアグレッサは根源の世界花を滅ぼすことを目的としており、カレンサスとスプリングガーデンの全面戦争を引き起こそうとしていた。
まるで根源の世界花が完全な悪者のような口ぶりだが、たとえそれが全て事実であると仮定したとしてもぶっちゃけどっちもどっちというレベルでハクアもアグレッサも十二分以上に悪者である。
「太陽の七賢人」
物語開始より約1千年前、外界からスプリングガーデンに来た存在。世界花の力を利用して全世界を救おうとしていたが、その当時は今よりも根源の世界花の力は弱く、各世界花も未熟だったらしい。
ウォダンとアグレッサが義兄弟の契を結んでいたらしいが実態は不明。しかしウォダンの遺伝子が根源の世界花やスプリングガーデンを救ったという事実は疑う余地もない。
その他
覚醒竜センティもまた、守護神蟲同様契約-被契約関係にあるらしいが、これも実態は謎に包まれている。少なくともセンティ側は世界花をあまり信用していない。
センティは、いつかスプリングガーデンから外界に出る時のための準備を任されていたらしい。そしてその関係の事件(センティ側にとっては「試練」)が一連の古代花騎士の事件だったらしい(それにしてはナイドホグルも「試練」と称して宣戦布告してきたような…?)。
センティは精霊側からも世界花側からもナイドホグル側からもあまり信用されている様子はなく、スプリングガーデンにおける高次存在の中では孤立している可能性が高い。
カレンサスの「伝説」(正体はハクアがスプリングガーデンを憎ませようと仕組んだ創作)に出てくる「花の悪魔」とは、ハクア視点での根源の世界花の加護を受けた存在の総称である。しかし、ケペラやシルキトたちはこの「伝説」が嘘であると考えており、既にスプリングガーデンとカレンサスは和解している。
「アルカの願い」
根源の世界花がスプリングガーデンを創造した目的は、ハクアら「星の意志」によって滅亡寸前に陥った世界を救うため、そのための力を温存して増幅するためである、とされている。
リコ・アグレッサ曰くスプリングガーデンの創造は劇中時間で約6500万年前、おそらく白亜紀末大量絶滅の時だったらしいが詳しくは不明である(リコ・アグレッサはしばしば嘘や妄言で相手を騙したり混乱させるため。この話が出たのも何かの時間稼ぎの途中だった)。一応、スプリングガーデン誕生に、過去の大量絶滅が関係しているらしいことが、最近になり世界花と外園騎士ミズウォルム姉妹によって明かされているが、詳細は今も秘匿されている。
しかし、従来考えられていた、スプリングガーデンによる全世界の復興のシナリオと、「星の意志」サイドが想像しているスプリングガーデンのシナリオとでは著しい乖離があり、元々情報が少ない存在でもあるため、根源の世界花の目的については、詳細がほとんどわかっていないのが現状である。
各勢力からの証言等
根源の世界花の思想が始めて明確に語られたのは、覚醒竜センティの回想(「封印の古代花騎士」最終章、センティとの決戦)である。ここではセンティの「最終的に全てをひとつに統合して、超強力な単一戦力を生み出す」という思想と、根源の世界花の「無数の小さな力を合わせ、無限の可能性を内包した集団を生み出す」という思想がかち合っている様子が描かれており、根源の世界花がセンティを説得している様子も見て取れる。
次に語られたのは前述のナイドホグルとの決戦(メインストーリー4部6章)ならびにナイドホグルのサブストーリーで、ここでついに、「アルカの願い」=永遠の平和と判明した。
しかし、当初のナイドホグルやウィンが見せた過保護…というより過干渉とも言えるスタンスは、根源の世界花の思想ではなく、ナイドホグルやウィンの個人的なお節介(と早とちり)が理由だと考えられている。
不可解な動向
これまで、花騎士たちにとって味方だと考えられてきた、根源の世界花。事態が急変したのは、侵略勢力である「星の意志」が根源の世界花を諸悪の根源扱いしてきてからである。無論この時はハクアやアグレッサによる自身の正当化のための詭弁だと考えるのが自然だと思われていたが、5部になり徐々に雲行きが怪しくなりつつある。
まず、5部最序盤にて、「彼が、本当の永遠の創り方を教えてくれた」という、根源の世界花による不可解なセリフが入った。そして5部中盤にスプリングガーデンの領域が突然拡大し始めたことが発覚した。ハクアはこれを「スプリングガーデンによる惑星規模の侵食」と考えているが、「彼」が何者のことを指しているのか、この事象が何を意味するのか、「アルカの願い」であるはずの「永遠の平和」とどういう関係にあるのか、現時点で確かなことは不明である。
これについては世界花ですら知らされておらず、根源の世界花が関与しているのか、はたまた守護神蟲が関係しているのか、実態は不明である。
なお、ミズウォルムが花騎士たちをスプリングガーデンに永遠に閉じ込めようとしている理由について、ナイドホグルやウィンとは根本的に目的が違うことが確定しているが、これも根源の世界花の意図ではなく、ミズウォルムの個人的な野望と考えるのが自然である。
そして、5部になって根源の世界花の加護を悪用し、本格的に猛威をふるい始めた前述の夢想改虫だが、これも単なる害虫ではないことが最近になり明らかになった。第五の世界花リリの突然の干渉により正体は隠蔽されてしまったが、これが根源の世界花と何らかの特殊な関係にあることは間違いない。
関連項目
タケ「「環境の復元」—その力がスプリングガーデン(=アルカ)にある限り、「星の意志」はさして問題になっていないのではないでしょうか。我々短命の生物とは異なる、あなたがた神の視座からすれば…次の「星の気まぐれ」が落ち着いた後で、絶滅した種をまた悠々と「復元」すればよいだけですよね?この世界の神々の危機感は—私たちのそれと、次元が揃っていますか?」
真の目的
以降、フラワーナイトガールの最新の情報を含む根本的なネタバレが含まれます
突如乱入してきた、第五の世界花リリ。彼女はスプリングガーデンの全勢力をかき集め、とんでもない真実を明かした。
それは、今の今まで根源の世界花アルカがひた隠しにしてきた真の目的、およびスプリングガーデンにおけるあらゆる非常事態の真相、そして、「アルカの願い」の正体である。
全ては劇中時間で約1000年前、ウォダンがアルカに接触したところまで遡る。
元々アグレッサやハクアらの横暴と、害虫勢力の存在に手を焼いていたアルカは、ウォダンと恐ろしい密約を交わすと、スプリングガーデン創生以来温めていた計画を基に、リリ以外の全世界花と全守護神蟲に隠れ、リリを傀儡として、密かに恐ろしい計画を始動した。
その計画を、「アルカランド計画」と言う。
アルカランド計画
計画はこうだ。まずコダイバナを生贄に、外界よりアグレッサを誘い込み、害虫化の呪毒をスプリングガーデンに蔓延させる。その後、スプリングガーデン在来の生物たちと害虫を争わせ、両方の戦力を解析しつつ強化させる。
そして、花騎士側の戦力がある一定水準に達したら、その力を「夢想改虫」というアルカの眷属に回収させる。
最終的に、スプリングガーデンの全生命を生贄に、スプリングガーデン領土を地球から分離、自らの方舟として宇宙へと逃げ去るという、いわば徹頭徹尾アルカが地球から脱出するための計画である。
つまり、アグレッサがスプリングガーデンに攻め込んで来れたのも、コダイバナが滅亡してしまったのも、ネムノキが1000年近くコールドスリープにならなければならなかったのも、ナイドホグルが害虫化し花騎士と敵対しなければならなくなったのも、ジュズダマやイフェイオン、アルストロメリアなどの被害者たちに降りかかった害虫関連の不幸や災厄の数々も、覚醒竜センティの非道な計画も、スプリングガーデンが急に拡大し始めたのも、なにもかも全てアルカの仕業だったのである。
もっと言えばこれが原因で、リコ・アグレッサにスプリングガーデン侵略の糸口を与えてしまっており、同時に1000年前のカレンサスの惨劇の間接的な原因と考えるのが自然である。
さらに言えば、もしこのままアルカランド計画が執行された場合、世界花や守護神蟲を含む全ての生命が「アルカの記憶」として補完されることになる。そうなればアルカが全ての生命の生殺与奪の権限を握ることになり、もう誰もアルカに意見できなくなる。
前回の大量絶滅時に他に頼る存在がいなかったナイドホグルにしてみれば、QBと契約した魔法少女のような状態である。
端的に言えば「騙された」ということである。
もっと酷いのは、こうしたスプリングガーデンの数多の惨劇や悲劇の全ては、アルカにとっては些事であり「必要な犠牲」に過ぎないということである。
そして計画のためならば、たとえ我が子の世界花だろうが、契約した守護神蟲だろうが、全てはアルカの捨て駒に等しい。なぜならばタケが指摘したように、アルカには「復元」という権能が備わっており、好きな時に好きな生物種を好きなだけ「復元」することができるからである。
翻って考えれば、ミズウォルムが根源の世界を侵した時、もしあのままミズウォルムが勝っていたとしても、それどころか万が一害虫勢力がスプリングガーデンを滅ぼし尽くしてしまっていたとしても、アルカにしてみれば痛くも痒くもなく、自分だけこっそりスプリングガーデンを抜け出すか、あるいはスプリングガーデンそのものを一度消滅させるかして、その後どこか任意の場所で「第二のスプリングガーデン」を創ればよかっただけの話だった、ということである。
それならばセンティが「スプリングガーデンの危機=花騎士がスプリングガーデンの外に行こうとしていること」と認識した、という説にも説得力が出る。センティにしてみれば、アルカの苗床たる「スプリングガーデンという空間」だけ守れればよかったからである。
つまり、今までアルカが求めていたのは地球から脱出するだけの力を内包した生贄であり、アルカにとってスプリングガーデンの生命とは使い捨てのインテリアのようなものであり、そして「アルカの子」という呼称は「アルカの作品」としてインテリア扱いされる生命という意味となり、結局アルカもまた、ハクアやアグレッサと同じく生命を弄ぶ側の存在だったのである。
そして、アルカと「星の意志」の違いはただ1つ、自分の作品でもある「インテリア」に対する執着心の有無である。
計画の始まりと暴走
この計画は、かつてスイバチが「蓬莱花」として、空飛ぶ島を建造したのを見て思いついたという。発案がアルカだったのか、ウォダンだったのかは定かではないが、これで実際にウォダンが裏切り者だったこと、そしてアルカ自身がスプリングガーデンを裏切っていたことが明らかになった。
アルカの計画を止めるために向かう世界花と外園騎士ミズウォルムの双子。しかし、アルカとは別に、この計画を利用しようと企む連中がいた。
それは、世界花になりきれなかった「精霊」。以降、この存在が世界花(の精霊態)に擬態していることから、偽世界花と呼称する。
偽世界花はリリの肉体を乗っ取ると、リリの力を利用して次々と世界花を黙らせ、ミズウォルムの双子まで支配すると、アルカランド計画を強行しようとした。
偽世界花の目的は、自分たちが世界花に成り代わり、アルカに認められること。そのために、アルカが今まさに発動させようとしているアルカランド計画の強行をもって、自分たちの手柄にしようとしていたのである。
絶体絶命のその時、最後の世界花レンが突如覚醒、ついにリリを含む全ての世界花とミズウォルムの双子を奪い返した。
形勢不利とみた偽世界花は、最強の夢想改虫「アルカアルク」らとともに世界花と花騎士に襲いかかるも、抵抗虚しく返り討ちに遭い、ついに殲滅された。
偽世界花を殲滅され、夢想改虫をも蹴散らされ、全ての世界花に楯突かれたアルカもまた、ついに根負けしてアルカランド計画の中断を宣言し、スプリングガーデン史上最大最悪のクーデターはここに幕を閉じた。
残された闇
計画を一時中断したアルカは、急遽リリを自らの後継者に指名すると、外園に攻め込んで来たハクアらの軍団の迎撃を理由に、突然根源の世界から出ていってしまった。
当然、外園でリコ・アグレッサの迎撃をしていた外園騎士ナイドホグルがスプリングガーデン内の異変とアルカの真実を知るはずもなく、まもなく先代ナイドホグルの言伝とともに、急ぎスプリングガーデンに帰ることになったため、急に外園にやって来たアルカと話をする間もなかったナイドホグルには、まだ何も知らされていない。
そして、アルカは世界花や花騎士たちからの質問を受け付けることもなく、見ようによっては逃げるかの如く根源の世界から出ていってしまったため、結局花騎士たちが得られた成果は、「アルカランド計画の中止」と、「アルカランド計画の執行権が世界花たちに譲渡された」ことだけであり、「ナズナが花騎士になれない理由」、「フラスベルグが守護神蟲になった理由」、「ウォダンが教えたという「永遠の創り方」の意味」※など、ほとんどの謎はことごとく放置されてしまった。
※アルカ曰く「既に現在のスプリングガーデンが享受しているもの」らしいが、何のことかは不明
また、執行権を譲渡したとはいえ、アルカ自身は計画の再決行を諦めてはおらず、なお不穏な気配を残すこととなった。
そして、再びフラスベルグがスプリングガーデンを裏切り、守護神蟲たちに牙を剥き始めた…。
第二の関連項目
ムーンシャード+セイレーン+人類補完計画→アルカランド計画をざっくり説明するとこうなる。
ノアの方舟:計画の元になったと思われる伝説
ムフェト・ジーヴァ:「周囲の環境や生態系を操り、自分だけに都合の良い楽園を創る」という、似たようなことをやる存在。
蛮野天十郎:自分の子どもたちのことを、都合の良い手駒にしか思っていなかった黒幕。
全能人工知能:もしかすると似たようなことをしているのかもしれない存在。