魔法少女(魔法少女まどか☆マギカ)
まほうしょうじょ
本作における魔法少女とは、どんな願いでも1つ叶えることと引き換えに地球外生命体「キュゥべえ」と契約を結び、魔女と戦う使命を課せられた存在である。
『魔法少女まどか☆マギカ』の世界には、魔法少女と魔女が存在しているが、いずれも一般には存在を知られておらず、主人公の鹿目まどかも第1話の時点では魔法少女のことなどは知らない。と言うのもそれは魔法少女たちが周囲にばれないように社会の影で秘密裏に活動している為である。
ただし、第11話におけるキュゥべえの発言によると、有史以前から世界中に多くの魔法少女が人知れず存在し、歴史を動かしてきたとされている。劇中の歴史では、史実上の人物であるクレオパトラ7世、卑弥呼、ジャンヌ・ダルクも契約を交わした魔法少女であったと設定されている(第11話、最終話の劇中ではそれらしい容姿の人物が登場するものの、明言はされていない。ただし、脚本ではこれらの人物が実名で「クレオパトラ、卑弥呼、ジャンヌ・ダルク」であると明記されている)。
通常の人間に比べて身体能力は大きく上がるが、肉体的には人間のままであり子供を残す事は可能。ただし子供を残した事がはっきりしている魔法少女は、史実上の人物で魔法少女と設定されている人物に限定される(クレオパトラ、イザボー・ド・バヴィエール、ペレネル・フラメル)。また、魔法少女から産まれた子供は一般人と同じである。
また趣味及びキュゥべえに叶えてもらった願いを由来とした固有魔法を持つ(さやかだったら恭介の腕を治してと願ったので回復魔法という風に)。
尚『マギアレコード』では魔法少女を日本の平和を守る存在「巫」として認知する村があったり、魔法少女と魔女の存在を知りつつそれらを危険分子として排斥した街、魔法少女の存在を世間に広めようとしている人物が登場している。
その他呪いに近い願いを叶えた者は戦う力が弱くなり、調整屋として生きている。
時代によっては魔法少女自体の呼称が違い、戦国時代では戦神子(いくさみこ)、弥生時代では祓い巫女、チベットではラクシャーシー、古代ローマのポンペイでは煌乙女と呼ばれた。
魔法少女の素質を示す魔法係数は、その人物が抱える「因果」の大きさによって決まり、主に国を束ねる者や、救世主と呼ばれる者などが高い資質を持つ傾向にある。ただし、主人公のまどかは平凡な中学2年生でありながら、とある理由によって例外的に高い素質を持っている。
魔法少女の契約の際には、ソウルジェムと呼ばれる宝石状のアイテムが生み出される。これは魔法少女の霊力をエネルギーに変換する魔法の力の源であると同時に、魔女やそれに類する存在の感知や、変身アイテムとしての役割も担うものである。基本的な形状は卵の形で統一されているが、普段は指輪の形状として左手の中指に付けられている(指輪形態のソウルジェムには契約者の人名が魔女文字で刻まれている)。変身時はそれぞれ異なるアクセサリーの形状に変形する。
魔法少女の持つソウルジェムは魔法を使用するたびに穢れが貯まり輝きが失われ、全く魔法を使わずにいたとしても肉体の維持のため少しずつ濁って行く。このような場合は、ソウルジェムに溜まった穢れをグリーフシード(魔女が孕んでいる黒い宝石状の物質)に移し替えることで魔法少女は再び魔法を使えるようになる。魔法少女は濁りを回避するために、定期的に魔女を倒さなければならないという仕組みになっており、グリーフシードは魔法少女が魔女を倒すことで得られる見返りともいえる。
グリーフシードを得られなかったり、精神的なショックで絶望したりするとソウルジェムの穢れが増し、限界を迎えると魔法少女は魔女と化してしまう。キュゥべえは魔女化する際に発生するエネルギーを回収する事が最大の目的である。
魔女化や魔女との戦いによる戦死率の事情から魔法少女の寿命は非常に短く、ベテランと呼ばれる巴マミでさえ魔法少女の活動歴は3年、公式設定で判明している限りで活動歴最長の魔法少女は七海やちよの7年である。
また鳥かごの魔女は魔法少女時代は20代半ばから30代と魔法少女としては非常に長生きだったらしく、それ故に魔女化した時は「少女」ではなかった為魔女としては弱かったという。
『マギアレコード』では魔法少女が何故それまで歴史の影に隠れて民間に認知されないのかと言う事に関して語られた。魔法少女たちはまるで遺伝子レベルで定められたように自分たちの正体を隠蔽して秘密裏に行動する事を当然な事と思っており、また戦闘による魔法少女の死が不自然なのに関心を持とうとせず、自然な事として放置している人々がおかしいと言う見方もあった。
そしてある街では魔法少女たちが自分たちの存在を公表した結果、死傷者が出るほどの不祥事が起こった事で魔法少女が害悪として危険視される惨劇が発生し、それを目の当たりにした民俗学者は魔法少女の宿命を一般人に理解される事は宇宙にとって不都合であり、それを破ると絶望が生まれると仮説を立てている。