概要![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
『九十九の満月』『学び生きるは夫婦のつとめ』『こわもてかわもて』の小雨大豆が描く自主制作漫画。
当初は酔狂文庫「鬼と坊主の話」で投稿され、後に「月歌の始まり」へタイトル代えし、より世界観の広がりをみせていく妖怪漫画として引き続き描かれている。
本作は妖怪漫画「九十九の満月」(🌕1)の数百年くらい前のお話を描く前日譚との事で、作者が語っていた「三部作」の二作目にあたる模様。
因みに関連話として、情報サイト「マグミクス」にあった取材で、物語の構想はまだ全てを描き尽くしていないらしい(2021年8月現在)。
前作「九十九の満月」を知らなくても作品を楽しめる構成にしているが、軍神など前作にも登場する要素もあり、高頻度で行われるどんでん返しといった作風・クセもより濃くなって続投している。
数百年前を舞台にしている事もあって、多少内容に相違あるようだが、概ね同じ事柄と思われる。…たぶん。
2024年06月現在、単行本は電子書籍のみで既刊19巻。
制作媒体・販売形態は『出版社を通さない自主出版』という独特すぎる漫画創作がされている(詳細は後述の媒体を参照)。
🌕1.「九十九の満月」とは、ニコニコ漫画で2011年~ 2017年の6年連載された小雨氏のWEB漫画。
2022年1月以降は、掲載場「ニコニコ漫画」の運営変更によりアプリ版で全話が公開中なため、最終話まで閲覧する際は携帯機器の使用が必要である事に留意。因みに同年現在の単行本は全4巻発売中で、WEB版【その1】~【その26】を、ほぼ全ての画(コマ)や演出などが描き直しされて収録されている。
その他詳細は「九十九の満月」へ。
あらすじ![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
むかし むかし あるところに邪知暴虐(じゃちぼうぎゃく)と恐れられる大鬼と、それを諫(いさ)める一人の小坊主がおりました。
この酔狂な物語の始まりは、この鬼と坊主が出会う所から始まり始まり〜云々〜なんやかんやあって、赤鬼娘・小紅(こべに)と昔は侍だった坊主・桃(もも)の主人公たちが、あっちゃこっちゃと騒動に巻き込まれながら旅をする御話でございます。
媒体![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
2019年12月から作者の𝕏️(前代・Twitter)・pixivアカウントに酔狂文庫「鬼と坊主の話」として、数回に分け投稿された。後に本作品名「月歌の始まり」へタイトル代えし同人誌として発売もされた。
2020年6月にpixivFANBOX「ようこそ酔狂倶楽部へ!」へ掲載場所が移り、タイトルは「月歌の始まり」で第一話が再投稿された。そして続きのお話が同電子掲載場(WEBサイト)などでWEB連載されている。
pixivFANBOXとは![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
イラストコミュニケーションサービス「pixiv」関連の一つで「クリエイターの創作活動を応援することができるファンコミュニティ」のこと。創作者(クリエイター)は「FANBOX」を開設し、創作活動の報告やファン限定作品の公開などを行う。読者(ファン)は継続的に閲覧や支援することで、クリエイターが自由に創作活動を続けられる助けが出来る繋がりの場所(コミュニティ)である。
また本作「月歌の始まり」は複数のWEB漫画サイトにも掲載されている。そのためサイトごとに閲覧の仕方が若干異なる。例として独自機能(オプション)のあるサイトで比べると―
ようこそ酔狂倶楽部へ! - pixivFANBOXでは![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
妖怪漫画「月歌の始まり」のWEB連載がされている他、作中の制作秘話やキャラデザなどの四方山話「楽屋裏 うらばなし」、他の創作を更新などがされている。支援する階級(コース)には【怪談級部員<民話級部員<神話級部員<戦国万妖級部員】が設けられている。
この公開場(WEBページ)が一番早く更新されるらしい。
Fantia(ファンティア)では![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
クリエイター支援プラットフォーム【Fantia(ファンティア)】では、支援する階級(コース)に【雑談級部員(一番下の級)】が追加されている。その他は上記サイトとほぼ同じ仕様になっている。
※2021年5月以後の投稿は、pixivFANBOXで引き続き行う変更がされている。
ニコニコ漫画では![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
Webマンガサービス【ニコニコ漫画】では、縦スクロールでコマ割漫画を閲覧する「スクロール形式」で、ニコニコ動画と同じく「閲覧と同時に読者のコメントが流れる」機能が付いている。その他、見開きの頁では横広がり(ワイド)の表示になり、より見映えのある表現を楽しめる特徴もある。
因みに前作「九十九の満月」では、自動送りでBGMやSEも流れる「ニコニコ漫画形式」の別形態で連載がされた。当時初連載だった作者が特別発注したBGM・楽曲付きの力が入った酔狂な制作がされている。楽曲は第一話など、本編の山場がある回で使われている。
このように掲載場所によって表現がちょっぴり差異のある閲覧が出来るので、気になる方はこの酔狂な妖怪漫画を読み比べてみてはどうか。
単行本![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
本編以外のオマケ
2024年06月現在、19巻までが『出版社を通さない自主出版』をされている。おまけ要素(ページ)も収録されており、2020年8月より登録代行サービスによって、pixivコミックなど複数の電子書籍サイトで電子(デジタル)版の発売のみとなっている。
因みに同人誌版は1話(40pくらい)の収録で、単行本1巻は180pの収録となっており、カラー表紙も異なる。
自主制作の理由![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
連載担当「ん~ボツかな~」
A.連載会議に落ちたから
そんなわけで、本作「月歌の始まり」は出版社を通さない個人連載での少年漫画となっております。
妖怪「できるの?」
作者「しらん」
もともと作者・小雨大豆は、どうしても描きたいお話があって漫画家の道を進んだ。その後、上記の連載経緯のような紆余曲折あって(ピクシブ百科事典の九十九の満月 - 制作秘話も参照)、今回の打ち切りを気にせず打ち込める形式に至る。これが漫画家スタイルの選択肢の一つになればなあと思いながら、作者曰く「今日もペンをぶん回しております」とのこと。
作風![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
概要でも触れたように、前作「九十九の満月」へ続く作者の持ち味を活かした物語作り、そして電子媒体(WEB)ならではの試みも加味した、酔狂な浪漫戯画を描く。
主な作風例として―
暖色系の画構成![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
第1話の画 | 第2話からの画 | 第4巻途中からの画 |
第一話は黒白画(モノクロ)に髪色(ヘアカラー)を着けた構成。第二話以降からは一転して全体的に暖色系の画(コマ)で制作している。そして山場ではふんだんに全色画(フルカラー)で迫力ある場面を描いている。
紙媒体では中々できない、こういった絵画工夫を多彩にできる電子媒体ならではの特徴。
【ピンクは淫乱】 | 【ブルーはポンコツクール】 | 【オレンジは小悪魔○学生】 |
また本作「月歌の始まり」の制作前には、短連載「ヘアカラーズ」(オムニバスweb漫画)で試みた題材と表現『髪の色にまつわる乙女達の恋愛オムニバスを強調するため、彼女たちの髪を着色した作画』という漫画的表現へ挑んでおり、この辺りの経験を今作で再発揮(リデザイン)されている模様。
なお彩色は、後述する主人公たちの印象【紅色】【桃色】を足して二つに割ったような紅桃風の色合いを表現したと推察される。
主役たちの役回り![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
※本世界の鬼文化では「人」の字を「鬼」の字に変えて言葉にする大昔の風習がある。本項もそれに習い「一鬼(一人)」のように表記する。ただし人間に関する事柄は変換せず表記する。
本作は一鬼(一人)の鬼と一人の坊主、二者が主役となる妖怪漫画。両者の鬼物像 / 人物像に興味を惹かれる人・鬼・妖怪の群像劇、それぞれの背景・経歴にある因縁から現れた数々の敵役・準主役による面白味といった鬼情もの / 人情ものが物語にある特徴の一つ。
立ち絵 | 賢明な様 | 純粋な様 | 子鬼は度胸 | 変態に好かれる… |
赤鬼娘(ヒロイン)・小紅(こべに)は、過酷な鬼生(人生)によって山で一鬼ぼっち(一人ぼっち)で暮らし、鬼技(おにわざ:超能力)で大鬼に化けて他を寄せ付けない生活をしていた。それもあって鬼付き合い(人付き合い)に疎い所もあり、チョロい所もある反面、長年の山暮らしで培ったり元来の素質もあってか聡明で思慮深い一面もある。まさに主鬼公(主人公)で魅力的な鬼柄(人柄)に、後述する桃から始まり、敵味方の大将たちへ一目置かれたり、まさかの変態たちを寄せ付ける展開がお決まりとなってしまった。
立ち絵 | 昔の桃 | 残念桃 | やる時は強し | 過去の因縁が… |
もう一人の主人公・桃(もも)は、元侍からござる口調の小坊主。かつては日ノ本一と謳われる程の実戦経験は健在・・・だが、当時は真面目男子だった反動で今は下心(スケベ)まる出し、いわゆる残念な美青年(イケメン)となっている。普段はお茶らけているが、やる時は高い実力を発揮する男。ただのもm・・・只者ではないからこそ、過去の怨恨に苛まれ一大事となってしまう一幕もある。
以上、主人公たちの大要へ前後述する作風を加えた醍醐味が特徴の一つである。
お馴染みの小雨節![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
幾つもの過去作で培った表現力を活かすのが作者・小雨大豆にある特色の一環。特に前作「九十九の満月」のような長期作品では、数々のどんでん返しや伏線を張り巡らされた物語作りが魅力の一つ。これらは作者の名義に因み「小雨節」と称される面白味が本作「月歌の始まり」でも発揮されている。
その為、他作品からの登場キャラが少し描かれたり、先述した他の題材・表現を再創作(リデザイン)して用いたり、作者の特権として愛好する科学ネタや時事ネタを盛り込んだりと、今回は自主的な長期制作だけあって自由で酔狂な様相は前作以上である。
そして自力主体で制作も相まってか、所々で描き間違いがある箇所に気づかれる読者もいるだろうが、実は此れも作風の一つである(?!)。
作者曰く「自分の作品が大好きすぎて、あんまり見返せない」も要因の端緒、作品愛が多大すぎるゆえの特性的な一面らしい(更に詳細は【小雨節】の項を参照)。
世界観![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
妖怪や鬼などの人外・陰陽術などの霊能力・超能力が存在する架空日本。
世界(万物)の構成要素に『魂魄(こんぱく)』という、汎用性(はんようせい:用途が限られておらず、幅広い用途に使用できる事)に優れた要素がある。これは日常や戦闘で多種多様に活用がされている。しかし、汎用性が高すぎるために、力の使い方を誤ったり制御が外れたりなどがあった場合、暴走の起きやすい世界(万物)の構造となっている。
その他、詳細は『魂魄(九十九の満月)』・『暴走(九十九の満月)』、後述にある「用語の項」を参照。
時代背景![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
舞台は「九十九の満月」(江戸時代まで史実通りである架空の大正時代)から数百年くらい前の時代。
参考に大正は1912年~1926年の時期で、その100年ぐらい前だと江戸時代の文化(ぶんか:1804年~1818年)辺りが舞台となる(後述の用語‐通貨も参照)。
作中の描写や"ある歴史上の人物たち"が登場したり、関連の出来事から平安時代(794年~1185年 ※年数については諸説あり)が舞台であり、前作「九十九の満月」から約600年~700年前が舞台と思われる。
参考
登場した地名![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
用語![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
始めに
本稿では、作中で活用数・重要性の高い内容を記述。また殆どの用語は、同世界観である前作「九十九の満月」を基に編集されている事へ留意。
羅列は五十音順で作成。
鬼(おに)
ご存知、頭に角の生えた人型の種族。「九十九の満月」の解説では、人より圧倒的に筋量が優れ、産まれながらに鬼技(おにわざ:超能力)を使える。資質としては温厚な性格の者が多く、争いごとを避ける傾向にある。また人に比べ子どもができづらく、鬼技の暴走による死亡率の高い彼らの繁殖力は人に大きく劣る。なお本作品群の「鬼」は、妖怪ではなく哺乳類オニ科の動物と分類されている。
独自の鬼文化も営まれており、例えば『人家(ひとんち) → 鬼家(おにんち)』のように言葉使いで「人」の字を「鬼」の字で話すなどがある。
「月歌の始まり」では、世間での地位や鬼関係が掘り下げされている。その特異で人外な容姿や異能から、あらぬ誤解が世間に広まって風評被害を受けている事、さらに物語の始まり時点では“ある一派”によって壊滅的な被害を受けて、何百年にも渡る鬼口減少(人口減少)・鬼種的偏見(人種的偏見)などの憂き目へ遭っている。
後述の「鬼狩衆」や「鬼の角」の事情で、外出する際は髪を結ったり被り物で角を隠す鬼もいる。
鬼狩衆(おにがりしゅう)
高価に取引される「鬼の角」を鬼から刈り取る狩人の肩書。「九十九の満月」では鬼狩(おにがり)の名称で登場した。
鬼の角(おにのつの)
「九十九の満月」の解説では、鬼によって数や形は様々だが、鬼技(おにわざ:超能力)の強さにはあまり関係しない。
そして角が取れると鬼は死んでしまう。角には鬼技が宿っており力の源。これを加工して薬にすると、誰でも鬼技を使えるため“幻の高需要商品”とされている。
「月歌の始まり」では、第一話で「…いい薬になると分かると…」と曖昧な表現がされている。上記の具体的効用が明らかとなり始める時代背景なのかもしれない。
鬼技(おにわざ)
鬼達が産まれながらに持つ固有の超能力。名称の語源は鬼の持つ特殊な力からきている。転じて稀に人や妖に宿る特殊な力もまた“鬼技(おにわざ)”と呼ばれている(そのため鬼技の使い手が「鬼」だから有しているわけではない)。
鬼の場合は人と違い、鍛錬や感情の昂りで進化する事もあり、その伸びしろ・応用力は幅広い。
その他、関連話(外部リンク)
陰陽師(おんみょうし)
奈良・平安時代以降から存在した職業で、律令制の日本において陰陽寮に設置された官職。専門は方位学と天文学による占術であり、その延長として退魔行を成すこともあった。明治初期(1868年~)には陰陽寮が近代科学の導入の妨げとして廃止された。これにより、官職としての陰陽師も無くなったが、現在でも私立の占術師として活動する陰陽師は少数ながら存在するらしい。創作においては霊能力者だったり式神を操るといった職業としても登場する。
「月歌の始まり」にも登場し、後述の式神や式術などを扱う専門家と推察される。
陰陽術(おんみょうじゅつ)
因みに「九十九の満月」では、何百年も前に最も陰陽術の研究が盛んであった時代には、万の術式と二つの国の人命を材料に作られ、自我を持った【最強の人造妖】が登場している。
陰陽寮(おんみょうりょう)
江戸幕府内にある妖怪絡みの事案に関わる部署と推察される。
「九十九の満月」では、これに相当する『陰陽省(おんみょうしょう) 』が登場した。
軍神(ぐんしん)
「九十九の満月」の解説では、魂魄(こんぱく:作中世界において万物構成を成す一つであり、汎用性へ優れた活動力・組成物)を元に造られた人造妖(ロボット)の事。一時だけ作る(生み出す)式神より高度長期的に具現化した「物」で、高度な技術と予算で造られた「戦術用」…つまり現実世界ならば戦車や戦闘機などに相当する兵器である。
製造には式術も活用され、その姿形は生々しく稼働するようになって生物感(どちゃくそ生きてる感じ)のある創造物という特徴もある。その為、本作の軍神=高性能機械(マシーンウエポン)は妖怪みたいな兵器として、何かしらな組織・集団が所有・開発している形式で登場する事が多い。
「月歌の始まり」では、第一話で鬼狩衆(おにがりしゅう)が搭乗して登場した。
魂魄(こんぱく)
本作品群(九十九の満月・月歌の始まり)の世界において、万物構成を成す一つであり、汎用性へ優れた活動力(エナジー)・組成物(マテリアル)。架空の万物構成要素として物語随所に登場する。
性質は、重さや形が無く、作中描写から普段目に見えず空間を通り抜ける透過力があり、更に汎用性(はんようせい:用途が限られておらず、幅広い用途に使用できる事)に優れる架空の活力・資源・素材の一種として、日常・戦闘面で多大に活用されている。
また先述したように通常の状態では不可視の様で、魂魄を探知する技術や鬼技(おにわざ:超能力)で視認する能力描写がある。
鬼や人などの生物や妖怪が宿す魂魄ならば、オーラやチャクラや魔力のような活動力、言い換えれば「気功≒生命力」といった類(たぐい)の要素(後述の妖怪の項も参照)。
因みに「月歌の始まり」では生物が魂魄を含む物を摂取する際、現実世界の栄養管理と同様に過剰摂取すれば生命に悪影響を及ぼす事が言われている。
有用で扱い注意物だが、適用範囲内であれば問題なし。日常や戦闘において活動力の補給物・術技の燃料といった汎用的道具「魂魄印(こんぱくいん)」も登場している。使用例として、本作「月歌の始まり」では魂魄印のような道具(人が抱える程の大きさがある判子)を使用し、特大の式神を召喚する場面がある。
式神(しきがみ)
従属関係を結んだ妖怪の事。大概の式神は、下記の式術で一時的に"疑似的な妖怪"を(生み出して)作っている。「月歌の始まり」でも、巻物などから式神を発現させている。式術と同様に学問の一環として教養を積んで習得する技術だが―
本作「月歌の始まり」では、伝統儀式の舞踏(まい)や民謡として継承した術式で式神を召喚する一幕もある。
作者曰く「ちびっこが可愛いダンスしてた」
式術(しきじゅつ)
御札(式札)や巻物などに書かれた魂魄回路(こんぱくかいろ:汎用性の高い活動力を流す回路)に魂魄(こんぱく:作中世界で汎用性へ優れた万物構成を成す一つであり、今回だと活動力の要素が大きい)を流すことで様々な効果を発現させる技術。
因みに前作「九十九の満月」では、わっちゃいと生物の成長を促進させる妖怪を活かして農作する場面がある。
その他、関連話(外部リンク)
通貨(つうか)
「月歌の始まり」の通貨単位で「両」が登場している。坊主が懐から出した小銭(こぜに)は穴の空いた物や金属片のような硬貨だった。この事から、平安時代に流通していた鐚銭(びたせん:今でいう1円のように価値が低く、他の貨幣より粗悪な銭)や、江戸時代に流通していた通貨『金・銀・銭の三貨制度』に相当する代物と思われる。
因みに「九十九の満月」では、独自の通貨が使われている。
参考外部リンク
🌙 江戸時代の貨幣制度「江戸時代の豆知識」 - 日本食文化の醤油を知る
🌙 貨幣史年表 ~日本の貨幣 そのあゆみ~ - 三菱UFJ銀行
禍神(まがつがみ)
妖怪とは一線を画し、龍のように世界へ災害級の危害をもたらす厄介な存在。強い思いを抱いて死んだ生き物が、死して直接妖怪へと変わったおぞましい生き物…。その誕生経緯から「死に物(しにもの)」と言われている。
肉体(死体?)は、後述する妖怪と同一ながら、高い再生能力や暴走的な異能を発揮する事が多い。
「九十九の満月」では、禍神の脅威に対する基準「禍神等級(まがつがみとうきゅう)」が設けられている。これは禍神の危険度を示す目安だが、これに関わらず相手の強さを比喩する際に「民話級(みんわきゅう:上から2番目の級)」などと引用されている。
「月歌の始まり」でも、会話の中などで「怪談級(かいだんきゅう:上から3番目の級)以上の力の持ち主」といった比喩が用いられている。
命紋(みょうもん)
Q あの巻物についているマークってなんなの?
A 印鑑みたいなものです!
登場する妖怪などの名前が書かれた巻物(テロップ)の下に描かれている丸い紋章(マーク)の事。これは鬼や妖怪、人が持つ命紋(みょうもん)と呼ばれるもので、式契約にも使う大切な契約印(パーソナルマーク)。
妖怪(ようかい)
「九十九の満月」の解説にて、ざっくりした定義は“親をもたず無から生まれる存在”とされている。妖怪は人や動物などの生き物(※)が死に、その魂と他の魂が混ざり合った魂が物や思いに宿った生まれ変わりの存在として登場する。別名に「妖(あやかし)」「九十九神(つくもかみ)」とも呼称される。
※「九十九の満月 / 月歌の始まり」の世界では、妖怪に限らず生きとし生ける生物は全て「体」と「魂」で出来ている。
その体は魂魄(こんぱく:作中世界で汎用性へ優れた万物構成を成す一つであり、今回だと体組成の要素が大きい)を変化させた物質“妖質(ようしつ)”で、骨格や臓器の他、血液やタンパク質・脂肪なども作って(そっくりに化けて)体組織を構成している。この「妖質(ようしつ)」は不安定な物質で、放っておくと自然に魂魄へ分解され空気中に放出してしまう。その為、妖怪-ならびに派生存在・禍神(まがつがみ)-のほとんどは「死ぬと何も形が残らない」とされるが、骨や甲羅などガッチリと妖質(ようしつ)が組まれた部位は、その後も数十年、中には数千年単位で残る物がある。
妖怪(ようかい)にある行動理念の多くは「前世の記憶に縛られる」もので、その縁(えにし)に準じた捕食や生活をする傾向がある。大抵の妖怪が食べる主な目的は、食べ物の栄養ではなく、物に宿った魂魄(こんぱく)を食べ、体を構成している「妖質(ようしつ)」を維持するための行動である。 |
「月歌の始まり」でも、大妖怪「龍」の骨が残っていて驚いてた鬼娘や「妖怪は無から産まれる」と話す兄さまといった場面・一幕で、この妖怪事情に関連した話題も挙がっている。
因みに―
Q 地上に妖怪ってどのくらいいるの?
A もさっとです。
前作「九十九の満月」で舞台となるおんでこ屋敷は、空を飛ぶ大きなお化け屋敷なので妖怪だらけだが、地上(人間界)にはこれほど多くはいない。とはいえネコやネズミ、大きな虫を見るくらいの割合で妖怪を見つける事が出来る。見つけようとすると結構見つかるくらいの分布との事。
龍(りゅう)
「九十九の満月」の解説では―
Q 戦火の権化にして、厄災の化身…それが龍!って結局なんの九十九神なの?
A なんで…しょうね… \え!?/
その誕生経緯と気性から、「九十九の満月 / 月歌の始まり」の世界では禍神(まがつがみ:強い思いを持って死んだ生物が化けた異形の存在)のように文献へ残るほどの有名な妖怪。上記で触れたように、作中世界では人が死ぬと魂が重力に引かれ、地球の中心部へ集まる。そこから(大地にある)魂の流れに乗り、やがて地上へ溢れた際に生まれる存在が妖怪と定義されている。その際、大きな戦争や天変地異で大勢の人や生き物がいっぺんに死ぬと、地面下の魂が多くなりすぎて大きな偏りが生まれる。その偏った魂の流れがいっぺんに溢れ出る時に生まれるのが「龍」とされている。
「龍」の誕生は、地球の大きさや龍脈(りゅうみゃく:大地にある魂の海流)の位置関係によって、地上へ出るまでに数十年かかる。なので他の妖怪と違って『濃い魂≒魂魄(こんぱく:作中世界で汎用性へ優れた万物構成を成す一つであり、今回だと活動力・体組成の要素が大きい)』を持って生まれるので、めちゃめちゃ強く、それでいてめったに生まれる妖怪でもない。
つまり大きな戦の度に現れる妖怪のため〝戦火の権化〟〝災厄の化身〟〝恐妖(きょうよう)〟といった畏怖もされ、こうして「龍」が生まれた年は世に混乱をもたらしていたという。因みに本作品群へ登場する「龍」の姿は、一般に想像する東洋の幻獣とは似て非なる体型で、蛇のような長い体躯に顔の部位などはおどろおどろしい酔狂な姿をした個体もいる。 |
この他、生態的特徴に心臓のような部位で「龍胆(りゅうたん)」という独自の器官(龍のパワーの源だ!)を持つ。
「月歌の始まり」では、この「龍胆(りゅうたん)」のみで生きている「龍」が登場している。その姿は巨大な心臓のようでもあり、上記の式術で縛られた様は「生かさず殺さずもはや呪いの域」と形容されている。
その他、関連話(外部リンク)
その他![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
掲載サイト『酔狂倶楽部(pixivFANBOX)・(ファンティア[Fantia])』へ設けられた【支援する階級(コース)】で描かれている物の怪たちは、作者の創作作品に登場した創作物(キャラクター)が元ネタとなっている。
自主連載で1周年を突破してからは、時折に祝販売(セール)を自主開催している。
(参考画)
参考リンク
個人連載うらばなし![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
2021年7月には、個人の自主連載が一周年を迎えたという事で、体験談を漫画にして公開。これは小雨氏の漫画家仲間から「個人出版どうなの?」と聞かれていた事もあり、参考になればと描いてみたらしい。
週刊ペースで少年風漫画を描いて、物語は-後代・𝕏️(エックス)の-ツイッターなどで公開。出版社を通さず電子のみの販売で、当時は6冊も出すことが出来た。
Q その結果は!?
A まあ…まあ?
東京で小雨家がなんとか暮らしてける程度に続けられているとの事。その酔狂な漫画家生活では、試行錯誤と予想外な発見が色々あったと顧みている。
- 二巻出すと本出してない月も二倍くらいお金入ってくる!! そりゃそうだ!
- ただソレ以降は横ばいくらいの微増? 入ってくる人もいれば抜ける人もいるので売上の増減に、作者・小雨大豆は胃がキリキリするらしい
- 反面あまり期待してなかったピクシブファンボックスでは、支援者(ファン)が少しずつ増えており、生活の下支えになって大変助かっている(ありがとう! ほんとありがとう!!)
まとめると―
A 一年くらいじゃ よく分かんないです… \なんじゃそりゃ/
後代・𝕏️(エックス)のツイッター連載では、週刊少年漫画向けの創作は難しいらしい(だろうね!! でもかいちゃう)。因みに、ツイッターを主体にするなら恋愛系や数ページで区切りよく読める創作物が良いと小雨氏は感じている。ただ、どんなジャンルでも単行本やファンボックスで支えてくれる人がいてくいれれば、なんとか創作活動を続けられると実感を得られているようだ(あと宣伝大切 RTほんと、助かってます)。
『面白いと思ってくれる人がいても、その人に届かなければ意味がないので届ける努力は大切だと感じました』
そして忘れてはいけない、この創作活動を応援してくれる支援者(ファン)、ツイッターや色々な漫画サイトなどは日々の助けになってるとの事(感謝)。
ここまでをいろいろ振り返って、個人連載の一番いいと感じている事は―
" 「打ち切りがない」ということ!! "
この他、販売代行会社が便利で色々と多彩な種類(サービス)がある事、まだまだ分からない事だらけだが、自由に作れる個人出版という形式が漫画家の選択肢の一つになればと思いながら、創作熱を絶えず燃やし続けられてる様子。
また2021年8月には情報サイト「マグミクス」の取材(インタビュー)で、前作「九十九の満月」や本作「月歌の始まり」の創作秘話(高校生の頃にお風呂場で閃いたんだとか)、まだ作品構想を出し続けている途中(20年くらいは続けていきたいと思っているらしい)、といった裏話(エピソード)が語られている。
突然ですが![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
新連載はじめまーす!
【理由】
なんか描きたくなったので
同時連載【魔お嬢様は奴隷に堕ちてもわからせる】
2022年8月より「月歌の始まり」と並行して、異世界冒険ものとなる御話(ファンタジー)を描くことになった小雨大豆氏。わーやったー!小雨さんすごーい!
Q どの雑誌でやるのー!?
A 個人連載でやりまーす!!
最低でも1巻は出すのを目標に描くとの事。その為、本作「月歌の始まり」が少し遅れて更新される進行(スケジュール)となるが、趣旨(コンセプト)の違う世界へ触れる事により、相乗効果で「月歌の始まり」へも確かな質量(クオリティ)を上げられていると実感されてる。
関連サイト(外部リンク)![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
pixivFANBOX関連![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
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制作活動の裏話
ようこそ酔狂倶楽部へ!(本倶楽部創設のいきさつを説明)、始まりました初裏話!、𝕏️(前代・Twitter)と漫画の数字(RT数偏)、𝕏️(前代・Twitter)と漫画の数字(なかみ偏)、「うらばなし」と挑戦をし続ける姿勢の話、「うらばなし」と2021年5月ファンボックス改定の話!!の話、22年2月に描いた絵と公開頻度についての話
制作工程の裏話
これからの投稿ペースについて(2020年9月現在)、「うらばなし」と聴覚過敏対策のはなし、ネームの作り方の裏話、2020年12月 ※線濃くしました☆ミヤスイ!、「うらばなし」と一日のスケジュール、(2021年5月)設定画はこんな感じ
キャラデザ変遷の裏話
2021年10月 キャラデザ変遷、2022年3月 キャラクター変遷みんなの浴衣編、2022年4月 キャラデザ変遷~!!、2022年8月 色々デザイン変遷!
制作時期の裏話
「うらばなし」と表参道の話、「うらばなし」と腕時計の話、2020年12月 メリークリスマス!!(プレゼントお受取り下さい)、「うらばなし」と「情けは人の為ならず」、「うらばなし」と2021年3月公開で話題な例のアレ(どっちもネタバレなし)、アレMITEKITEN (2021年6月)、オリンピックとかの裏話(2021年7月)、22年2月~3月の事の裏話、東京駅にて(2022年3月)
制作振返りの裏話
「うらばなし」と2020年のまとめ、2021年のあいさつ、「うらばなし」ともうすぐ一周年!の話、
ここだけの話 (2021年6月)、結婚して気づいた事とおまけマンガ (2021年11月)
掲載サイト関連![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
- 月歌の始まり - pixivコミック
- 月歌の始まり - ニコニコ漫画
- 酔狂倶楽部 (小雨大豆) - ファンティア[Fantia]
- 月歌の始まり - ジャンプルーキー!
- 月歌の始まり(小雨大豆) - LINE マンガ インディーズ
その他関連サイト![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
- 「小雨大豆」のアカウント→Pixiv・ニコニコ静画・𝕏️(Twitter)・Threads(スレッズ)・Twic(ツイック)・ツイコミ(仮)・Bluesky(ブルースカイ)
- 九十九の満月 - 小雨大豆 - ニコニコ静画 (マンガ)(🌕)
- 第一話はこちらから → 九十九の満月その1「初めての恋」
- 【漫画】打ち切りを経験して… “自主連載”を1年続けた漫画家が体験談を公開 - マグミクス
🌕:2022年以降、第一話~第六話+番外一話が無料で配信されている。また概要でも触れたように、同年1月現在ではアプリ版「ニコニコ漫画」で全話が公開中なため、最終話まで閲覧する際は携帯機器の使用が必要である事に留意。
関連項目![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
pixivFANBOX WEB漫画 オリジナル漫画 一次創作
男坂(作・車田正美):作者が強く連載を希望し、紆余曲折を経て続編を連載している繋がり。また前作の終わり方が、色んな意味で話題となった。
魔お嬢様は奴隷に堕ちてもわからせる・・・連載時期が重複する作者の異世界冒険漫画
桃源暗鬼・・・本作と同じ題材が含まれ、同時期に連載される漫画(但し、此方は週刊の少年誌に掲載されている)。また、本作よりも血みどろな世界観で綴られるダークヒーロー鬼譚。
灰の兄妹・・・小紅(ヒロイン)のような鬼種(人種)がいっぱい登場!