斑鳩の森
いかるがのもり
小雨大豆の妖怪漫画「月歌の始まり」で、キジの九十九神・ぽむなの回想で初登場した土地。その場面は主人公の一人・桃の過去も垣間見れる回となっている。
作中では、斑鳩(奈良県)にある森の奥深くを指す。天然食材の宝庫と過言ではない、自然豊かな場所であると窺える。ここは龍脈(りゅうみゃく:大地にある魂の海流)すじに位置する特殊な土地。龍脈があるという事は、作中世界の貧富を左右する一つである魂魄(こんぱく:万物構成の一つであり、汎用性に優れた元素)が豊富という事で、生命の維持・栄養分を欠く事なく雄大な生態系が構築されている模様。
また資源豊富な土地であるため、その昔、時の有力者が人を超えた、人の先の生き物になろうとして数多の陰陽氏と共に術を練り、綺麗に失敗し見事に呪われた曰く付きの跡地でもある。このような謂れがある場所の妖怪洞(ようかいどう)はよくあるとのこと。
そんな過去の遺物であり失敗した副産物で、ヤバい寄生虫を彷彿させる虹色の縞々な、一際目を引く巨大で奇妙な洞(クレーター)がある(上空からみれば、何かの怪物かと思うほどの奇抜さがある巨物である)。
この悪影響もあって粗暴で短絡的な妖怪たちが多くひしめき合っており、鬼のように強い者でないと生き残れない、毎日のように命を狙われる修羅場である危険地帯となっている。
そして、酔狂にも強い妖怪を殺して名を上げようとする者が現れることもある…
そんな場所でありますので、なんか小っちゃい妖怪いるぞと油断すれば、
秒でボコされてしまう危ないところだぞ!
斑鳩の森に住む妖怪たち
キジの九十九神である人型の少女。龍脈(りゅうみゃく:大地にある魂の海流)のある特殊な土地で生まれた妖怪ゆえか、万物を調理(ぶっころ)できる「万物完食」という強力な鬼技(おにわざ:超能力)をもつ。これ抜きでも心身ともに強い女性で、森の住人達から一目置かれ恐れられている。
丸い大岩の体をした多板綱(たばんこう)ヒザラ貝類の九十九神。斑鳩の森西部にある勢力の頭領で、鈍重な見た目と裏腹に、熱い野心の炎(こころ)を持った妖怪。
乳母何時
斑鳩の森へ訪れた者たち
ぽむなの回想(かこ)で登場したので、本編(いま)とは違い侍(サムライ)の身なり。そして清潔感のある風貌とともに心清らかな人物でした(生臭坊主の桃と出会った小紅からは、今とかけ離れすぎる人柄に「いや誰コレ!?」と驚かれた)。
当時の桃へお供していた妖怪その1(正確には鬼子(おにご)という半妖)。やさぐれ感のある男だが、頭の切れる聡明さがあり、人情家な桃とシロへ苦言を呈する事が多い苦労人(それでも主人である桃へ心からの尊敬も持ち合わせている)。
当時の桃へお供していた妖怪その2。元気いっぱいの犬の妖怪(犬のようにめいっぱい駆け回る仕草のほか、嬉しすぎてオロロするなどキャンキャン騒がしい時がある)。感情で動きやすく理論的な事を考えるのは苦手。だが、主人である桃の頼み事へ人一倍の忠義をみせる忠犬。
桶之助
斑鳩の森を流れる川をどんぶらこるしてきた人間の赤ちゃん。桶に入れられていた事から、成り行きでお世話するぽむなから「桶之助」と名付けられた(命名後に女の子と分かったが名はそのままとなった)。