概要
小雨大豆の妖怪漫画「月歌の始まり」に登場する多板綱(たばんこう)ヒザラ貝類の九十九神(キャラクター)。
主要人物・ぽむなの回想に登場した悪党で、斑鳩(奈良県)の森西部にある勢力の頭領をしていた野心家。
容姿
岩石のような硬い表皮がある丸くて大きな体。その外見は大岩そのもので、岩倉一心は「貝類」の九十九神なので「貝殻」の部位にあたるのだろう。海底などにいれば大岩と見分けがつかない姿である(いわゆる擬態した状態)。
二枚貝のようにパカッと開き対象を丸吞みにして捕食する(その様は大きな口を開ける某怪物のよう)。そして口を閉じた状態だと、どこが開く部位なのか分からなくなり、脱出や救助は困難になる。
異空間(胃空間)になっており、あの世を連想させる荒廃した広い湖が拡がっている。この空間に終わりはなく、無限輪環(ループ)した環境になっている。湖には、今まで丸吞みにしてきた木製の船やその残骸、何かの骨が浮かんでいる異常な光景。酸性(胃酸)の湖であり、じわじわと落ちた生き物を溶かし、岩倉一心の血肉にされる。また酸に耐性のある数多の妖怪たちを飼っており、捕食されて運よく湖に浮かぶ木舟に乗って助かっても、岩倉一心が差し向ける虫妖たちに襲われる二段構えとなっている。その他、捕食した獲物のおこぼれにあやかってか大小様々・多種多様な妖怪たちも住み着いており、独自の生態系が築かれてもいる。
体内はもし体内で、まだしぶとく生きてる獲物に対しては、人魂みたいな岩倉自身の精神体を作り、合理的な交渉の場を設ける事もある。
人物
無口な大岩でしかなかったが、体内に作られる岩倉一心の精神体では、男女(オカマ)っぽい口調でよく喋る。しかし、この時の獲物たちは相手が悪く、岩倉一心の大仰な登場は無視(スルー)されるは、問答無用で切られるはの散々な扱いを受けた。因みに、精神体が切られただけなので身体の負傷(ダメージ)はなかったが、精神(プライド)は傷つけられた。
登場した場面内では初登場は相手の隙をついて主要人物たちを丸吞みする、始めの掴みは上々だった岩倉一心。だが精神体で再登場した際は、上記の通り小悪党的な扱いなのだった(いわゆる小物界の大物みたいな、あんまりな立ち位置)。
しかし、その後は一心に合理性を重視する野心家の面を発揮して、捕食対象にすぎなかった二人に迫っていき…。
能力
孤山裂喰陣(こざんれっくうじん)
岩倉一心の抱える結界。
前述で触れた、一心の体内にある異空間(胃空間)で、無限輪環(ループ)した世界を作りだしている。そのため並の生物・妖怪なら、まず抜け出すこと叶わず、囚われれば死して出ること能(あた)わぬ〝無限の洞(うろ)〟で、やがて野垂れ死ぬことになる。そのため「孤山裂喰陣(こざんれっくうじん)」は、岩倉一心にとって必勝の型を冠する技。