式契約(九十九の満月)
つくもせかいのしきけいやく
「九十九の満月」の世界(以下、九十九世界)では、妖怪などと従属関係を結んで使役する事が出来る。その仕組みは各々で違いがあるので、詳細は後述。
式契約には、魂魄(こんぱく:汎用性の高いエネルギー)と命紋(みょうもん:己を示す紋章)が必要(命紋の種類については、九十九の満月・用語一覧を参照)。契約を受けた側は、この命紋が体のどこかに現れ、この紋章を「契約紋(しきけいやくもん)」と言う。
また妖怪だけでなく、鬼や鬼子(おにご:妖怪と人間のハーフ)とも式契約を結ぶ事が出来る。
契約を結んだ方(契約主ではない方)は、本名の他に「式神」と(種族関係なく)呼ばれる事もある。
自然発生した妖怪などの生き物と契約を結ぶもの。この契約方法では自身が保有する魂魄(こんぱく:汎用性の高いエネルギー)を共有できる。なので「共有契約(きょうゆうけいやく)」と言われる。
また一方のみに魂魄を供給する量を調節する事が出来、お互いを助け合える間柄となる。そのためか、契約を受けた側は契約主を(必要以上に)気遣い、心から尽くす性格になる模様。
龍の娘と赤鬼の娘が結んでいる式契約を例にすると、下記の図になる。
- 魂魄の供給図
龍の娘→○赤鬼の娘
龍の娘○←赤鬼の娘
【その21】のおしこさ(本編後にある補足説明)では、体の大きいミズ江(タコの九十九神)は妖質(体を構成するモノ)を魂魄(エネルギー)に変え、その魂魄を宿主・紅に預けて体長の縮小・体重の軽量をしていると説明されている。
小雨「なので小っちゃくなったミズ江を頭に乗せても大丈夫です!」
ただ魂魄の供給がうまく出来ないと、その消費を代謝で抑えるため休眠状態になりやすくなるため注意が必要。
ちなみに魂魄 の供給は、目に見えず空間を通り抜け、長距離でも効果範囲が及ぶ。密接な関係になることから、相手の思い・意識が契約主に介入してくる事がある。
式札などを介し、魂魄(こんぱく:汎用性の高いエネルギー)を使って生み出した”疑似妖怪”と式契約するもの。この場合は本物の妖怪ではないので、移動手段や燃料(エネルギー)の貯蔵など一時的な道具のように使役される。
ひとつの人格をもった妖怪として創られた式神で、命紋(みょうもん:己を示す紋章)を持っているが、その特異な誕生経緯からか、式契約を結ぶ事が出来ないらしい。しかし、その製造に補完式神の技術が使われている戦国万妖が語った事なので、他の補完式神も適用されるか不明。
物・妖怪問わずに動くものに、鬼技(おにわざ:超能力)とも言える呪いで、触れた物と強制的に式契約を結ぶ。これは契約主から魂魄(こんぱく:汎用性の高いエネルギー)を吸い上げると言うもの。
この方法は共有式神の式契約で、魂魄を共有できる仕組みを逆手にとったもの。自分が存在するため、触れた者を呪いで契約主にして、強制的に魂魄を集めるというもの。
- 魂魄 の供給図
赤鬼の娘→○ネグサレ
赤鬼の娘×←ネグサレ
式契約を受けた方は、一方的に体内の魂魄が減少し枯渇症状に陥る。この症状になると魂魄を補給しようと、それを多く含んだ者を「たべたい」と襲う様になってしまう。
この契約は根式(こんしき:式術(しきじゅつ:文字状の回路を介して様々な効果を発現させる技術)の根底部分)から書き換えられており、未だ式を解くすべは見つかっていない。
作中では赤鬼の娘や多くの妖怪に呪いをかけ、多大な被害をもたらした。
そこで龍の娘は赤鬼の娘より上位の式契約者になって、呪いの干渉を受けずに、魂魄を直接禍神から回収しようと考えた。だが禍神の力が強大で、回収できているが、その量は予想よりずっと少ない…。
- 魂魄 の供給図
龍の娘→○赤鬼の娘→○禍神
龍の娘○←赤鬼の娘×←禍神
龍の娘△←(赤鬼の娘×)←禍神