曖昧さ回避
- 「ファイヤーボール」の表記ゆれ。
- アメリカのライアン・エアロノーティカル社が開発した複合動力型艦上戦闘機。⇒FR(戦闘機)
- イギリスのロックバンド「Deep Purple」の曲/アルバムタイトル。
- 大友克洋の短編漫画。
- アクションゲーム『マリオシリーズ』に登場するマリオの攻撃手段のひとつ。詳細は「ファイアフラワー」もしくは「ファイアボール(マリオシリーズ)」を参照。
- 密閉された可燃性のガスや液体蒸気が開放されたさい急激な反応を引き起こし球状の炎を生み出す現象
- ドラゴンクエストシリーズに登場するメタッピー系の転生モンスター。
概要
日本で集められた制作スタッフによる、日本国内初の日本製ディズニー・オリジナルアニメーション作品。
2011年4月に第2期『ファイアボール チャーミング』、2017年10月に第3期『ファイアボール ユーモラス』が放送された。その後、2020年にシリーズ最終章としてファイアーボールシリーズの前日譚にあたる『ゲボイデ=ボイデ』が発表された。
外界から隔絶された屋敷の中で先代が残した書物で外界の事を学んでいる貴族のお嬢様ロボット・ドロッセルと執事のゲデヒトニスの日常を描いたコメディ作品。
TOKYO MXやディズニーチャンネルでの放送以外にも動画サイトで無料配信された為か(著作権にうるさいディズニー作品なのに)無断アップロードされても消される気配がない。
ストーリー
メルクール暦48650年。地球ともそうでないとも明言されない惑星において、4万8千年以上前にイルカや猿、鳥といった野生動物とそれを含む自然環境は壊滅し、人類は自らの統治をロボットに委ねていた。しかしロボットはやがて貴族化し人類はそれに抵抗を見せ始め、人類の軍隊とロボット貴族との戦争はすでに2万年に及んでいた。
ドロッセルの父である故フリューゲル公爵は人類との共存を望みながら道半ばにして没する。残された一人娘ドロッセルはお屋敷のデータベースと執事ゲデヒトニスから、「人類とは、生命とは、そして貴族としての矜持と使命とはなにか」を学びつつある。しかしお屋敷の外に一歩も出たことのないドロッセルはそのどれにもはっきりとした答えを見つけることができない。
主要登場人物
瞳の色 | オーシャン・ブルー |
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重量 | りんご179個分(りんごは一個平均300g前後) |
興味がある事 | かわいいという概念、護身術(空手と信じている、カポエイラのような格闘技) |
欲しい物 | ペット(喋る猫)、魔法のステッキ |
主人公。本名はドロッセル・ジュノー・フィアツェーンテス・ハイツレギスタ・フュルスティン・フォン・フリューゲル(フリューゲル女公爵ハイツレギスタ社製ジュノー14型の意)。名前の由来はドイツ語で鳥の「ツグミ」を表す(フリューゲルは「羽根」の意)。
ガイノイドであり、人間でいう14歳として設計されている(実年齢は不明)。
ウラノス国テンペスト領を統治する19代目当主のハイペリオン(貴族)ではあるが、屋敷から出たことは無い。そのため、外界の知識は屋敷に保管されている書物やゲデヒトニスからの口伝に由来するものであり、間違いや偏りが激しい。
ドロッセルの体には様々な機能が内蔵されており、アタッチメントで拡張も可能である。目にはサーチライトが内蔵されている(使用するとまぶしすぎて前が見えなくなる)が、作動するまで本人はこの機能についてまったく知らなかった。頭部のツーテールは換装が可能である。通常のツーテール風ユニットの他、飛行ユニット “オブルチェフ” や格闘ユニット “ベリンダ” が存在する。
『チャーミング』では1世代前の「ジュノー13型」として登場、第1シリーズより脚部が肥大化し後頭部が後ろに大きく伸びた姿になっている。真ん中部分に関節があり間違いなどを指摘された場合に折れる。先端には小型の車輪が搭載されており、両足に搭載された物も使ってブリッジの形で走行することも可能。さらに一輪車「ヨーゼフ」に搭乗することで高速移動も可能である。
以下は『チャーミング』におけるドロッセルのプロフィールである。
型番 | ハイツレギスタ社製量子ジャイロ式自律お嬢様 JUNO-XIII |
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肩書 | フリューゲル家第19代当主 |
好きなもの | すあまとあましょく(興味ぶかい名前なので) |
気になること | どんぶり勘定を証明した数学者のくいしんぼうぶり |
『ユーモラス』ではキャスタリアモデル「KASTALIA-IX」として登場。眼が大きな幼児体型となり腹部や四肢の関節部分は軟質素材で覆われている。4本のスタビライザーを持つが、邪魔であったため後のモデルでは採用されていない。またボクっ娘になっている。
型番 | ハイツレギスタ社製 Tauri 34 |
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瞳の色 | クリムゾン・レッド |
製造時の設定年齢 | 50歳 実年齢:20800歳 |
重量 | 248100グラーブ(キログラムの古い呼び名だが関係は不明) |
趣味 | 浴室のぬめり取り、スキンケア |
教育と護衛を最優先事項としているドロッセルの執事。名前はドイツ語で「記憶」を表す。
むき出しの油圧シリンダーや背面の排気筒など重機を思わせる大型の多脚ロボットだが、主人であるドロッセルには体を折り曲げ同じ目線で慇懃に接する。
ドロッセルからは故意にしろ過失にしろ毎回違った名前で呼ばれてしまい(1エピソードの間にも変化する)事あるごとに名前を強調するが、いつも聞いてはもらえない。
第13話(最終話)にて、初めて正しい名前で呼ばれる。
一見旧式のロボットだが、背面ソケットから屋敷の管理システムに接続が可能であり、屋敷のデータベース検索や防衛システムの運用等、幅広い機能の使用が可能である。
『チャーミング』では2世代前の「タウリ32型」として登場、大幅にデザインが変更されている。『ファイアボール』と比べさらに旧式ではあるが、このころでも既にお屋敷制御装置を搭載しているらしく、有線接続でお屋敷自体の角度を傾ける荒業をやってのけている。
以下は『チャーミング』におけるゲデヒトニスのプロフィールである。
型番 | ハイツレギスタ重工製惑星開墾機器 TAURI 32 |
---|---|
肩書 | 重装甲型突撃執事 |
欲しいもの | 面倒くさい際にくさみを除去するデオドラント |
気になること | なまはげの調理法としての焼きはげや蒸しはげの存在 |
『ユーモラス』ではハイツレギスタ重工製自走式汎用文明解体機械「BAU 29」として登場。腹部標準装備「思考収納ジャバウォッキー」アタッチメントは積載量が少ない。
ドロッセルの亡き父(ドロッセル自身は両親の記憶はない)。
先代のフリューゲル公爵。画面にその姿は現れず、名前のみ登場している。
名前はドイツ語で「無風、なぎ」を表す。ロボットであると思われるが詳しくは不明。
ゲデヒトニス曰く「人類との共存を望んでいた」らしいが、その真偽のほどは定かではない。
『ユーモラス』では存命で、世界を統治する「ハイペリオン」と呼ばれる機械貴族。通称「KRONOS-V」。ガラテア山脈でアガメムノンのポータル生成やバルカン45遺跡アンティキナ機械群、ユミナトリクス高原の調査のため不在していたが、第3話にて初めて姿を見せる。
- アリアドネ(CV:川庄美雪)
型番:KASTALIA-IX B
ゲボイデ=ボイデが仕えるハイペリオン(機械貴族)。
キャスタリアの機体をベースに頭部をはじめ多くのモジュールがイゾルデシリーズに置換されている。
頭部と背中それぞれのポートから充電を行うが、日々駆動時間が短くなっているのが悩み。
型番:BAU 28
やがて世界を救うという事実と個性的な口臭で知られるハイツレギスタ重工製自走式汎用文明解体機械。アリアドネの執事として仕えるゲデヒトニスと同型の機械執事。
赤色のボディが特徴で、劇中では「アカヒトニス」とも呼ばれる。
オーディオドラマで初登場。ドロッセルの言い間違いによって発生した平行世界を修復するために過去へタイムトラベルをし「余分な濁点」の排除を試みる。
主人・アリアドネが彼らの住むユグドラシルの塔より外出することで、世界がより良いものになると信じている模様。
その他キャラ及びシリーズの特徴
第1期
テレビ放送の他にも公式サイトやYouTube等を利用しインターネットにて無料配信されたディズニーとしては前例のない実験的な作品である。
フル3Dアニメであり、1話が約2分の短編である。2006年春の段階で声優のアフレコが既に行われ、同年秋には放送できる状態で完成していた。
作中には幅広いジャンルのパロディ要素を二人の会話中に多数織り込みながら、無表情な二人のロボットが繰り広げるどこか噛み合わない会話と3DCGの滑らかな動きが中心の作品である。
1話の短さに加え、数少ない登場人物であるドロッセルとゲデヒトニスは顔に目以外のパーツが存在せず表情がない事などもあり、他のディズニー作品の多くに見られる大げさな表情や身振りで感情を表現するといった演出はない。
舞台は屋敷の広間に限定されていて、OPとEDで “テンペストの塔” の外観が映る以外は他の場所が画面に現れることはほぼない。したがって視聴者は登場する二人の会話から外の世界を想像するしかない。それはお屋敷から外に出たことがない主人公ドロッセルの視点でもある。
最終回はディズニーチャンネルではTOKYO MXより長いディレクターカット版が放送されている。
ドロッセルはfigma、ねんどろいど、SR、超合金シリーズで商品化された。
なお、公式ブログ(略称「イボログ」)のロゴやイラストのデザインは、横内なおきが担当している。
- ユミルテミル
ドロッセルの文通相手。ヴィントシュティレと同じく画面にその姿は現れず、名前のみ登場。
ドロッセルによると「ご近所さん」とのことであるが、テンペストからは人類の軍隊が駐留する砂漠を挟んだ場所にあり手紙1通を届けるだけでも通信係が何名も犠牲になっている。
- 猿
屋敷内に住み着いている猿型ロボ。「シャーデンフロイデ」とドロッセルからは呼ばれている(ドイツ語で「人の不幸は蜜の味」の意)。
先代の言葉(CV:郷里大輔)がインプットされており、非常時にメッセンジャーの役割を果す。
- メイド
ステルスユニットを装着している見えない雑務用ロボットである。言われるまでドロッセルはその存在さえ気づいていなかった(つまり存在しながらも画面上には一切登場しない)。
7965名のメイドロボがテンペスト内の雑務に従事していたが、資金繰りが厳しくなったため大部分のメイドが解雇された。そのため、現在は3691名にまで人員は削減されている。
『チャーミング』では第4話などでドロッセルがメイドの存在を認識している描写が存在している。
第2期
2011年4月から6月にかけて『ファイアボール チャーミング』のタイトルで放送された。監督・脚本は前シリーズに引き続き荒川航が続投した。フルHD制作であり、画面の情報量を増やすためキャラクターデザインも変更されている。各話冒頭の年代表示や最終回の展開から前シリーズの前日談である事が示されている。
2018年2月21日に行われた『D23 Expo Japan 2018記念オークション』では、ドロッセルのマケット(商品化参考用大型模型、無可動)が出品された。
「人類」を模して作られたとされる人形。
宇宙服のような形状で、ドロッセルが夢の中で見た「人類」も同様の姿をしていた。右足に拘束具が付いているため、右足を引きずりながら歩く。
ユーリと抱き合わせ販売されたテーブル型の会話シミュレーター。商品名「楽しいテーブルマナーことわざ編」。
心と心の距離を体と体の距離に変換するテーブルで一端にユーリが座っており、他端にプレイヤーが座る。出題に対する正解・不正解で心の距離を判断し、テーブルの長さを伸縮することにより互いの体の距離を変化させる。
- ツークツヴァンク(CV:薄井由行)
屋敷地下第42層で機能停止状態で発見された9機の謎の使用人。
名前はドイツ語のチェス用語で「動きの強制(動かしたくないが、手番なので動かさなければならない)」という意味である。長きにわたりフリューゲル家に仕えていたと記されている。書物によれば、コミュニケーションは2つの姿勢(座る、立つ)を組み合わせた2進法によって行い、顔を回転させることにより表情を表現する。しかし、『チャーミング』後期では、感情(のようなもの)をジェスチャーで表現したり、ゲデヒトニスに用件を耳(?)打ちしたりと、意思疎通の手段を増やすことも可能なようである。
- レジナルド(CV:加藤賢崇)
ハイツレギスタ社製の自走式記録装置。フリューゲル家の書記係。寝言や独り言を含めたドロッセルの過去の発言をすべて記録している。
- ハルキゲニア
外界からテンペストの塔下層にある工場エリアへ資材を運搬するモノレールを走る鉄道車両そのもの。本編中では資材の入ったコンテナを下層へ滑空させたり、正面ドーム状の「顔」にある緑に発光する眼が稼動しているのが確認できる。
名の由来は、古生代カンブリア紀の海に生息していた葉足動物の1属。
- キャプテン・レックス
テンペストの塔にあるモノレールのプラットフォーム管制室にいるロボット。何の「キャプテン」であるかは定かではない。
第3期
Dlife開局5周年を記念して『ファイアボール ユーモラス』のタイトルで、2017年10月より3ヶ月連続毎月1話ずつ放送。前作で故人だったドロッセルの父フリューゲル公爵が存命である事から更なる前日談である事が示唆されている。
- 思考収納ジャバウォッキー(ハラヅモリ3000)(CV:磯部弘)
ゲデヒトニスの"腹"に格納されている思考収納ロボット。絨毯を内蔵している。犬のような動きをする。ドロッセルを乗せて運ぶはずが、重くて動けなかった。
- 思考収納ジャバウォッキー(ハラヅモリ1000)(CV:荒川航)
パーティユニットを見繕ってきた思考収納ロボット。1000とは色違い。
元ネタは『スターツアーズ』より。
外伝 ワンダーの方へ
オーディオドラマ『ファイアボール外伝 ワンダーの方へ』が2019年1月23日に発売されたファイアボールシリーズ10周年記念CD+BDセット「ファイアボール オーディオ・オモシロニクス」に収録された。計約20分。
ゲデヒトニスに似た赤いペイントの「ゲボイデ=ボイデ」が初登場し、第1期、第2期、第3期のドロッセルとゲデヒトニスのもとへタイムトラベルするストーリーとなっている。
ヴィントシュティレ・フォン・フリューゲル(CV:菅生隆之)
レオナルド(プロトタイプ・レジナルド)(CV:加藤賢崇)
ナレーター(CV:銀河万丈)
第4期
2020年11月から、『ゲボイデ=ボイデ』のタイトルで、ディズニー・チャンネルとDisney+にて、放送・配信する事を同年10月に発表した。
オーディオドラマに登場したゲボイデ=ボイデがアニメ本編に初登場する。
- ヘカトンケイルと呼ばれる使者たち(CV:大塚芳忠)
型番:OSTRICH 2187
砂丘を越えてクロノス国はエンケラドゥスからやってきた三体の賢者。
カノープスと呼ばれる地域言語を操り、一般的にミステリアスな存在として知られる対象を目にした際に我々が感じる多くの要素を備えている。
カノープスでは文末に「ニムニム」という言葉がつく。建国すべくユグドラシルの塔にやってきた。
神聖なものとして扱う便利棒(現地語で「ムーイムーイ」)をアリアドネから取り戻そうとしたが、最終的に譲渡している。
伝統的に体の大きい方を主人と認識するため、ゲボイデ=ボイデをアリアドネの主人であると勘違いした。
各話リスト
第一クール
話数 | メルクール暦 | サブタイトル |
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第1話 | 48650年 | その水棲動物をみよ |
第2話 | 48666年 | 9:25 |
第3話 | 48682年 | イルカが飛んだ日 |
第4話 | 48690年 | セントエルモの火 |
第5話 | 48698年 | 前頭葉の惡魔 |
第6話 | 48714年 | ゆるぎないこころ |
第7話 | 48730年 | プロフェシー |
第8話 | 48746年 | 座面の猿 |
第9話 | 48754年 | バタフライ |
第10話 | 48762年 | 終着駅 |
第11話 | 48778年 | 侵入者たち |
第12話 | 48786年 | 虚像の眼 |
第13話 | 48794年 | 夢の生まれる場所 |
第二クール
話数 | メルクール暦 | サブタイトル |
---|---|---|
第1話 | 48234年 | ブートストラップ連続体 |
第2話 | 48250年 | トロイに木馬 |
第3話 | 48266年 | クラインの壷直し |
第4話 | 48282年 | うつろな宇宙 |
第5話 | 48298年 | チャンピオンたちの食卓 |
第6話 | 48314年 | 恐怖の頭脳会議 |
第7話 | 48330年 | 嵐が丘 |
第8話 | 48346年 | ガントレット |
第9話 | 48362年 | ゲームの規則 |
第10話 | 48378年 | 去年を待ちながら |
第11話 | 48394年 | リンボ |
第12話 | 48410年 | 重力の糸車 |
第13話 | 48426年 | アイなき世界 |
第三クール
話数 | サブタイトル |
---|---|
PV | 「ココで見ル、タダで見ル。」篇 |
第1話 | きたるべき世界 EPISODE IV: THE WORLD TO COME |
第2話 | 黄金のこころ EPISODE VII: HEART OF GOLD |
第3話 | ハイペリオン交点 EPISODE XI: THE HYPERION INTERSECTION |
第四クール
話数 | 辰砂暦 | サブタイトル |
---|---|---|
第1話 | 39298年 | まぼろしの国境線 |
第2話 | 39314年 | テセウスから遠く圏外 |
第3話 | 39330年 | しばらくお待ちください |
第4話 | 39346年 | 事象の地平面 |
第5話 | 39362年 | フギン・ムニン |
第6話 | 39378年 | おおむね無害 |
第7話 | 39394年 | ユグドラシルの長い午後 |
第8話 | 39410年 | ワルキューレ |
第9話 | 39426年 | ラグランジュの暗点 |
第10話 | 39426年 | バンジージャンプ・メソッド(アリアドネの糸) |
関連イラスト
関連タグ
ロボディーズ:日本製ディズニーアニメ第2作で、東映アニメーションとの合作フルCGロボットアニメである。
リロ・アンド・スティッチ:挙げているのは続編の日本版スティッチ・沖縄シリーズの事で、同じ日本製ディズニーアニメ繋がりの第3作目に当たる。
サイボーグクロちゃん:作者である横内なおき氏が公式ブログ「イボログ」のタイトルロゴ及びイラストを担当されている。