龍(九十九の満月)
つくもせかいのりゅう
「九十九の満月」の世界(以下、九十九世界) に登場する【龍】とは…
Q 戦火の権化にして、厄災の化身…それが龍!って結局なんの九十九神なの?
A なんで…しょうね… \え!?/
詳細は後述を参照。
その誕生経緯と気性からか、九十九世界では禍神(まがつがみ:強い思いを持って死んだ生物が化けた異形の存在)や戦国万妖(せんごくばんよう:600年前、人に造られた最強の妖怪)のように文献に記載されるほどの有名な妖怪。
巷の噂では悪評が広まっているらしいが?
九十九世界では人が死ぬと魂が重力に引かれ、地球の中心部に集まる。そこから(大地にある)魂の流れに乗って地上に生まれる存在が妖怪【九十九神】。(誕生経緯の詳細は九十九神(九十九の満月)を参照。)
そんな中、大きな戦争や天変地異で大勢の人や生き物がいっぺんに死ぬと、地面の下の魂が多くなりすぎて、大きな偏りが生まれる。
その偏よった魂の流れが、いっぺんに溢れ出る時に生まれるのが「龍」
つまり概念妖(がいねんよう:人などの概念が触媒(ベース)の妖怪)の一種「龍」とは、戦争などによって多くの『死んだ人達の魂=死んだ人達の思想(概念)』で出来ているので、屈指の強さと気性の荒さをあわせもつ、厄介妖怪なのであります!
魂の流れは、地球の大きさや龍脈(りゅうみゃく:大地にある魂の海流)の位置関係によって、地上に出るまでに数十年かかる。なので他の九十九神と違って、『濃い魂=魂魄(こんぱく:汎用性の高いエネルギー)』で作られ(生まれ)ているので、めちゃめちゃ強く、それでいてめったに生まれる妖怪でもない。
大きな戦の度に現れる九十九神のため、戦火の権化、災厄の化身、恐妖(きょうよう)といった存在で、「龍」が生れた年は世に混乱をもたらしていた模様。その為九十九世界では陰陽省(おんみょうしょう:江戸幕府内にある妖怪絡みの事案に関わる部署)が対処に乗り出し、他には龍を専門に退治する人間の名家がある。
強いぞ!
上記でも述べたように、『濃い魂=魂魄(こんぱく:汎用性の高いエネルギー)』で作られ(生まれ)ているので、鬼道(きどう:自身が持つ汎用性の高いエネルギーを扱う分野)の一つ一つが強大である(技の種類は鬼道(九十九の満月)を参照)。また『魂魄=妖質(ようしつ:汎用性の高いエネルギーを変化させた物質)』を持つ体なので、筋力も超強い!!
この強さは鬼子(おにご:妖怪と人間の親から産まれた半妖)にも引き継がれている。
ドゴン(照れ隠しで、手を振っただけで岩を砕く龍の鬼子)
旅人の人間「自覚はなし、と。」
その強靭さは戦国万妖(せんごくばんよう:600年前、人に造られた最強の妖怪)やうしとら(600年前、最強の妖怪に対抗するために作られた妖怪)並の力を持つ。
この最強な要因は、体内の莫大な魂魄だけでなく、「龍胆(りゅうたん?)」や「龍核(りゅうかく)」という独自の器官(龍のパワーの源だ!)を持つから。
龍の源
力の源である「龍胆(りゅうたん?)」と「龍核(りゅうかく)」について、今のところ作中で明確な説明は無いが、
が備えているものと思われる。
概念妖(がいねんよう:人などの概念が触媒(ベース)の妖怪)
禍神(まがつがみ) ・・・強い思いを持って死んだ生物が化けた異形の存在。過去に龍のご先祖様的な禍神が確認された。
陰陽十家(おんみょうじゅっけ:人間の名家)
龍神・・・龍の神様。または名前・称号などの事。
「龍」とはどんな妖怪か?
文献云々の情報よりも、「龍」に遭遇した人間・妖怪・鬼達の生の声を(心の声も含めて)聞いてみると…
※内容は一部編集してあります。
※途中に龍を「人」など人間のように表記している。九十九世界に登場する妖怪は人の記憶を持って誕生するので、人の言葉を喋れる妖怪を数える時は「一人、二人」と「人」のように数える。
とある人間はー
こここれが本物のののの龍!
でかい!つよい!こわい!
こわい!!
とある妖怪はー
そしてー
あこがれ。
恐怖や後悔や殺意すらも飲み込むほどの圧倒的な感動。
それが見るものすべてを魅了する龍の力。
とある人間はー
一言で言うと、強い人です。
やると言ったら絶対やるし、どんなケンカも買っちゃうし、とにかく規格外の問題児(トラブルメーカー)で、おかげで巷では厄災の化身だなんて言われています。
私の目から見て龍は、良い人か悪い人かで言うと…
間違いなく良い人ではありません。
強くて、自由で、褒められるのが大好きで、
そしてとってもかっこいい龍です。
とある鬼はー
それはあきれるほど自由で、全てを呑みこみ、全てを巻き込み―
どうしようもないほど―
キラキラと輝いていた。
とある妖怪はー
んー。そうだなぁ。豪放磊落(ごうほうらいらく)天衣無縫(てんいむほう)。
開国後、初の龍にして史上初めて鬼子(おにご:妖怪と人間の親から産まれた半妖)を産んだ変わり者。
とにかく強く。一個人が持っているとは思えんような強大な魂魄(こんぱく:汎用性の高いエネルギー)の持ち主で、本当に手を焼いた。
…ま、負けてはおらんがな。だから負けてないって!
とにかく偉そうで、世界が自分中心に回っていると思ってるような自己中心的なやつだ。
こっちは振り回されてばっかり!
ほんと、あんな非常識なやつ後にも先にも…
とある妖怪はー
んーそうなぁー。あらためて聞かれると何なんだろうなぁ、あいつ。
そもそも龍の鬼子って考えてみればとんでもないことだよな!私だって初耳って!
まったく非常識もいいところだぜ。
んだけど、見てる限りじゃドジでまぬけでふっぺんもっぺん。今代の龍はすごいって聞いてた分まぬけさが際立つよなぁ。
とある鬼はー
よく喰うの。食いしんぼじゃ!!
店の料理(メニュー)端から端まで全部喰ってしまったんじゃよ。二周。
あ、でもこれ秘密じゃったから絶対秘密な。
あと遊ぶのが好きな。よう遊んどる。
え?
そんな遊ぶ印象(イメージ)ない?いやいやそりゃよく見とらんだけじゃよ。
とある鬼はー
うむ。実に普通の娘だな。
うむ。普通だ。
びっくりするくらい食が細くて驚いた。お茶碗いっぱい…いや半分くらいでお腹いっぱいになってたかな?
いや実に普通だ。
可憐で素直で皆にやさしいくせに裏表がないっていうのが最もすごい。人間は嫌いだが、あいつと友達になれて本当に良かったと思っているよ。それに育ちのおかげか良い舌も持ってるから、あいつの意見は参考になるし、ほんと才知(さいち)あふれるやつだ。
とある人間はー
知ってるわよ、ハナミズバカ。
…ほんと不器用な子…
とある人間はー
燃えるような瞳をした龍であった。
実に面白い。
いかにー
強くて、
可愛らしくて、
美しくて、
輝かしくて、
まぶしい存在だったのか。
そんなのは誰だって、ひと目見ればすべて分かるさ。