概要
昼間に行灯(あんどん)を灯しても意味がないことから、転じて日頃からボンヤリとしている人や役に立たない人を揶揄する言葉として使われる。
しかし、フィクションで「昼行燈」とされる人物は、普段地味でパッとしないが、いざという時には隠された実力を発揮する所謂「能ある鷹は爪を隠す」タイプだったりする。あえて言うなら「昼行灯であり夜行灯」(夜の行灯は役に立つ)。
勿論、本来の意味通りの場合もあるので、昼行燈が必ずしも有能とは限らないが……。
「昼行燈タイプ」の人物は組織のナンバー2に適している。平時の時はトップの引き立て役となり、有事の時(トップの不在時)はトップの代わりに組織のメンバーを率いる責務を負うからである。
昼行燈の種類
秘密・装う
他人に知られたくない経歴や素性を隠すために昼行燈を装っている。
- 遠山キンジ(緋弾のアリア)
- 特異体質のヒステリアモードにより、人間離れした頭脳や身体能力を発揮できる。中学生の時に女子生徒に利用され、独善的な正義の味方にされたため、周囲(特に女子)に知られないように距離を置いて生活していた。そして、ヒロインの神崎・H・アリアに出会って以降、事件を通して覚醒し続けている。
- 綾小路清隆(ようこそ実力至上主義の教室へ)
- 幼少期より父親が経営するエリート養成機関で育ち常人離れした頭脳と身体能力を誇り、心の奥では他人を自分が勝利するための道具としか思っていないが、自身の過去と本心を知られない為、平穏な高校生活を過ごしたいという理由で極力目立たないようにし、自身の言動によりトラブルが解決した際は身近な相手の手柄として伝えている。
一芸特化・ギャップ
才能に特出し過ぎていたり、興味がある事とない事に対するギャップが激しい
- 泉こなた(らき☆すた)
- 小柄な体型(小学生時代のスク水が現在でも着れる)とは裏腹に身体能力が高く、テストも一夜漬けで高得点を取る程地頭が良いが、重度のアニメオタクおよびゲーマーであり、趣味の時間を最優先させるため万年帰宅部で、家に帰っても自ら進んで勉強しようとはしない。また、気分屋な一面もあり、「五月病がひどくって…」という理由で学校をサボろうとし、担任に雷を落とされたこともある。
- 藤田浩之(ToHeart)
- やる気を出せば勉強、スポーツ等大抵のことはこなせる(1999年版のアニメでは球技大会前に友人達とバスケットをしていた際ダンクを決めていた)のだが、面倒くさがりな性格故に普段は自分から積極的に行動しようとせず、能力を持て余している。そのため、あかりから「浩之ちゃんはやれば何でもできるんだから。」等褒められても買いかぶりだと思っている。だが、あかりを始めとするヒロイン達が困窮している際は「しょうがねぇなぁ…」と呟いた後手助けし、信頼関係を築いていく。
- 志摩聡介(スキップとローファー)
- 幼少期は天才子役と言われていたが、複雑な家庭環境(主に父親の問題行動)により母親および幼馴染が追い詰められたのを自分のせいだと思い込んでしまい、罪悪感から日常の出来事を心から楽しめなくなり、少し寝坊しただけで登校しない等大事だと感じない事柄を拒否するようになってしまった。
- 碓氷拓海(会長はメイド様!)
- 波瀾万丈な生い立ちにより高校に入るまで一切学校に通わず、家庭教師達に様々な分野の勉強を教わるという極めて特殊な環境で育ったため人間関係に無関心になり、友達を作ろうとしない、次々に告白してくる女子達を軽くあしらい続ける、学校行事の際は登校するが参加しない等最初の一年間はぼっち状態だったが、会長を気に入ってからは彼女のために積極的に行動するようになり、からかいながらも会長の欠点を指摘したり、怪我をしそうになった際は身を挺して庇い自分が負傷する、会長が追い詰められそうになると颯爽と現れ、素早く保護したうえで相手を爽やかに論破する等男気のある行動を見せる。だが、現在でも会長以外の相手のことは、会長の幼馴染の転校生以外ほとんど眼中にない。なお、上述のイケメンぶりに加え、真面目に取り組んだテストで学年一位を取る、スポーツ万能、少林寺拳法有段者で、窓ガラス、会長が厳重に施錠した体育倉庫の扉、校庭の水道を一蹴りで破壊する、常連客なのに厨房スタッフに欠員が出た際臨時アルバイトとして働かされる料理上手、メイドカフェのトランプゲームで無敗だった会長に圧勝(以後連戦連勝)する、チェスの全国大会4位の実力者に圧勝する、会長を庇って両腕を負傷した状態でバイオリンを弾く、会長の家の廊下に空いていた大穴を即興で補修する等あらゆる面で並外れたスペックを持っている。
- 部長(この美術部には問題がある!)
- 美術部部長でありながら部活中はほとんど勝手に部費で購入したソファーと枕を使用してうたた寝または熟睡しており、個人の作品を制作した描写が無い。しかも、授業をサボって屋上や中庭で昼寝することもある。だが、地頭は非常に良く、テストの成績は学年上位である。更に、部員達が困窮していると的確な指示を出すこともある。特に文化祭の空き缶アート制作時は珍しく終始やる気に満ちており、陣頭指揮だけでなく制作にも率先して協力し、後に市の美術展で銀賞を獲得するほどの大作を作り上げるのに大きく貢献した。
- 斎藤楓(ヤマノススメ)
- 登山以外の事柄にはほぼ興味が無く、本気で取り組めばテストで学年トップを取れると言われるほどの頭脳を持っているにもかかわらず自ら進んで勉強しようとせず(アニメでは切羽詰まるまで勉強しない)、テスト直前に親友からみっちりしごかれるのがお約束となっている。しかも、勉強会の最中も登山関連の話題を出して脱線しサボろうとするので、親友を大いに困惑させている。
- 両津勘吉(こちら葛飾区亀有公園前派出所)
- 少年時代に友人と共に授業妨害を繰り返す、長話をされるとうたた寝する等興味が無い分野にはとことん無関心だが、好きなジャンルや大金を獲得できそうな話題に対しては完璧主義で、桁外れの体力を生かして様々なスポーツイベントで優勝したり、手先の器用さを生かして様々な新発明をしたり、独学で猛勉強したジャンルで発案したプロジェクトが大成功するなどして億万長者になることも多々あった。
- セイウンスカイ(ウマ娘プリティーダービー)
- 自由気ままでマイペースな性格で練習もサボりがち。一方で暴走のような逃げを見せてレースを支配する、本番前の模擬レースで偽情報を流したり他のウマ娘の情報を盗んだり、自身への評価の低さを逆利用してレースで勝利するなどかなりの策士でもある。
- つゆくさ(おにぱん!)
- 天才肌で本気を出せば大抵のことは難なくこなせるのだが、毎朝二度寝してつつじに引きずられながら登校する、授業中も教科書に落書きする以外は寝ている等怠惰な性格である。なお、新しいおにぱんを貰うため3つの課題に挑戦した際は、課題そのものは全て余裕でクリアしていたのだが、2つ目の課題である崖のぼりの最中目に入った新種の果物を収穫したため、設定時間を4分もオーバーしてゴールした。
- ルキフェル(ラピスリライツ)
- 学院一の魔力を持ち、スポーツ、アイドル活動、ボードゲーム等本気を出せば人並外れたパフォーマンスを発揮するが、自由奔放で気まぐれな性格故にほとんどの授業をサボり、理事長直々の指令を拒否して新作ボードゲームを買いに行ったこともある。
- 益子薫(刀使ノ巫女)
- エレンとの共同任務やシリアスな状況ではやる気を出すが、それ以外の場面では基本的にぐうたらで、任務をサボって昼寝したり温泉に入ったりしてくつろいでいる最中に上司から電話で叱られ、余計な一言を言って火に油を注いで雷を落とされるのがお約束となっている。なお、自身の監視役として途中合流した沙耶香に対し、「いや、働いたら普通に負けだろ。」と言い放ったこともある。
- 角谷杏(ガールズ&パンツァー)
- 砲撃手として高い実力を持ちながら、準決勝の途中までは至近距離でも当てられない部下に任せきりで、自分は戦車の中で悠々と干し芋を食べ続けていた。また、普段はお気楽な性格だが、劇場版では文部科学省の役人相手に強気な交渉を繰り広げ、ある条件を満たせば廃校を撤回する確約を取り付ける活躍を見せた。
- 羽鳥葉(青のオーケストラ)
- シンフォニックオーケストラ部(以下オケ部)の次期コンサートマスター(以下コンマス)候補であるバイオリン奏者で、その腕前は数カ月ぶりに部活に顔を出して演奏しても一発で全員に合わせた演奏をミスなくこなせるという天才肌だが、その才能に胡坐をかきダンス部と兼部していたためしばらくの間幽霊部員状態になっており、オケ部に専念し始めた直後は同学年の女子部員達から「雪でも降るんじゃないの!?」「明日は嵐ね。」などと言われ驚愕されていた。なお、定期演奏会直前にコンマスの原田から部活に臨む姿勢を普段とは違う厳しい表情と口調で叱責されて以降は完全にオケ部に専念している。
- 高円寺六助(ようこそ実力至上主義の教室へ)
- 巨大財閥の御曹司であり作中トップクラスの身体能力と頭脳を誇るが、自己中心的で協調性皆無な性格で、無人島サバイバル試験で海パン一丁で森を駆けまわった後仮病を使いリタイアし、クラス全体に大量の減点ポイントを与えてしまう等興味が無い授業はサボる癖がある。
- ケリオイル(自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う)
- 凄腕ハンター集団として名高い愚者の奇行団の団長を務めており、クエストを行う際は行動計画および作戦の立案、臨時メンバーのスカウト、最前線に立っての戦闘とリーダーシップを発揮するが、普段は「人にも自分にも優しく」をモットーにしており、移動中の馬車の荷台の上でのんきに寝転がったり休息中に適当な発言をして副団長に説教される等だらしない一面を見せる。
- 後藤喜一(機動警察パトレイバー)
- 公安出身の切れ者で「カミソリ後藤」とあだ名され、上司への恫喝やマスコミへの情報リーク、果ては部下や警視総監にまでペテンをかけて利用する。一方で普段は無気力を装っておりあまり偉い人として扱われていない。
- 古美門研介(リーガル・ハイ)
- 弁護士としての手腕は一級品で裁判や口喧嘩ではほぼ100%の勝率を誇るが、それ以外の生活能力、趣味手芸の才能などは皆無で、私生活では一から十まで事務員にして秘書的存在の服部さんに任せっきりである。
- ヤン・ウェンリー(銀河英雄伝説)
- 「不敗の魔術師」「ミラクル・ヤン」などと呼ばれる戦略・戦術に長けた用兵家である一方、軍人として必要な戦闘スキルはほとんどなく先輩のアレックス・キャゼルヌに「ヤンは首から下は役に立たない」と言われる。また非常時以外はほとんど仕事をせず「世の中は、やっても駄目なことばかり、どうせ駄目なら酒でも飲んで寝よか」などと狂歌を唄うため「無駄飯食いのヤン」「非常勤参謀」などとあだ名される。
- 雷覇(烈火の炎)
- 主人公・烈火の異母兄にして物語前半部の大敵である紅麗の忠臣の忍。立場上は敵ながら非常に穏やかかつ朗らかな性格で、とある縁から気に掛けていた風子をはじめ烈火達にもかなり友好的で、物語最終盤の風子との決戦までは敵として直接本気で戦うことすらなく、むしろそれまでに風子の窮地を何度も救った。しかしその実は紅麗が率いる武装集団「麗」の最高幹部・十神衆の中でも最強候補として挙げられるほどの実力者(実際は誰が最強なのかの言及は場面ごとで度々変わっているため厳密には不明)。その性格と実力のギャップもあって劇中でも実際に昼行燈呼ばわりされ、自称している場面もある。しかし一方でひとたび本気の怒りと殺意を向けた相手には微塵の容赦もなく即抹殺する非情さを持っている。その上で対象を抹殺する直前に、同行していた風子に対して「あなたには見られたくないから目を閉じていてほしい」と告げるなど、殺意とは別に理性と冷静さは維持している。