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中村主水

なかむらもんど

「必殺シリーズ」に登場する人物。シリーズの大半の作品に出演している、「必殺」の代名詞。
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「世の中で一番信頼ならねえのは権力者と役人だぜ!」
「オレたちはな…別に世の為人の為にやっているわけじゃねえんだ!所詮は、銭貰って人様のお命頂戴するセコい商売じゃねえか!」

演:藤田まこと

概要

中村主水、本名:中村主水佑玉五郎(なかむらもんどのすけたまごろう)必殺シリーズに登場する、藤田まこと氏が演じた架空の人物である。小説などの原作を持たないテレビ番組オリジナルキャラクターであり、必殺全シリーズにおける主人公でもある。

第2作必殺仕置人での初登場以来、第31作必殺仕事人2009まで、シリーズの半分を超える16作にレギュラーとして登場した。その他のシリーズでも『助け人走る』『必殺剣劇人』にゲスト出演し、「必殺の顔」と公式にも称されるなど、シリーズを通して大活躍した。

藤田まことと言えば「中村主水」「安浦刑事」と言われる程の当たり役となった。

シリーズ・状況における人物像の差異

家族

姑「せん」、妻「りつ」と3人で八丁堀の役宅に暮らしている。下総の筆頭同心・北大路家の次男である主水がわずかな伝手を頼って、中村家に婿入りしたのが馴れ初めである。
家庭においても冴えない婿養子故の典型的な恐妻家で、世渡りが元々下手なことに加え、薄給であること、やる気の無さゆえに奉行所での出世の見込みがないこと、彼自身の怠惰な生活態度から、家では2人から疎まれ、陰日向でいびられ続けている、どこにでもいそうなありふれた小役人である。
彼もまたそんな態度で接する2人、特にせんに対しては、かなり嫌気が差している様子が数多く窺える。もっとも、表に出さないだけで深い愛情で結ばれており、それを示唆するエピソードも劇中に数多く見られた。

30歳を過ぎても子供ができず、懐妊の兆しもないことから、せんとりつからは後継ぎができない「種なしカボチャ」と毎日のように揶揄され、二人の願掛けに付き合わされたり精の付く食べ物や薬を口に捻じ込まれたりする日々を送っている。
子供が授からない理由ははっきりしないが、主水が子供のころにオタフク風邪にかかり高熱を発したことが判明したときは、せんとりつからはこれが原因ではないのかと疑われていた。『商売人』ではりつが懐妊するが、最終的には死産という結末を迎えた。夫婦ともに性欲は旺盛で、りつが床入りを迫る場面も少なからずあり、主水も時折他の女性に浮気をしている。

その後、訳あって上役の娘を養子に迎え入れたり(『新仕事人』)、かつて関係を持った女性との間に生まれた娘と対面したり(『Ⅴ旋風編』)と、りつとの子と合わせて三人の娘がいるが、その全てと死別している。

なお放送当時の社会を舞台にした2回のTVスペシャルにおいて、主水ならびにせんとりつの子孫が登場しているが、主水の子孫とされた人物は名前も職業もそれぞれ違っている。
また、『暗闇仕留人』の段階ではせんには妙心尼(本名はたえ)、あやと娘がりつ以外に二人おり(りつにとってはいずれも妹)、妙心尼の情夫・村雨の大吉と、あやの夫・糸井貢はいずれも主水にとっては徒党を組んだ裏稼業仲間であった。
なお、あやは『仕留人』劇中にて死亡しているが、妙心尼は後に『新必殺仕置人』第14話にゲスト出演し、別の男を情夫にしていて、その様子を影から見ていた主水は「昔と同じで、進歩が全く無い」と憤慨しつつ呆れている。

へそくりが趣味で、袖の下や裏の仕事などで得た金銭を、家の様々な場所に隠している。それを必要な時に持ち出し、様々な用途に用いているが、せんとりつに見つかり、生活費や遊興費に充てられてしまうことも多い。
もっとも、それが劇中における彼のコメディリリーフ的な側面であり、この世のサラリーマンの悲哀を一般視聴者にも感じさせるなど、これこそが彼の人気ぶりの最大要因にもなっている。
また、『商売人』では珍しくへそくりをしていない。

実は「せん」の夫即ち当代から見た先代の名前も中村主水だったりする。さらに先々代も中村主水だという。
…「主水」の名前は襲名みたいなものなのだろうか?

表稼業

江戸町奉行所の同心。初期は北町、後に南町奉行所勤務。元々は佐渡島の牢番だったが、出世の見込みありとして江戸に転属になった。
だが、典型的な昼行燈として江戸中に広く知れ渡っている。お勤めを真面目にやらず、勤務中に居眠りしたり、失態を犯しては左遷を何回も喰らったりしている常習犯
職務怠慢が目立つが、自分の担当地域の商家に袖の下(賄賂)を要求したり、同じく軽犯罪の場合には金で見逃すという、現代でいうところの悪徳警官である。
頻繁に史実として同心(役人)に付け届けをすることもあったが、当時の時代劇では主人公の同心が小悪党という設定は珍しいことであった。

上役の多くは彼のことを軽んじるかまたは蔑ろにし、時にはお荷物や疫病神とも呼んだが、中には彼の素質と性格を見抜き、報償金などで焚き付けて上手く手綱を握る者もいた。同僚たちからもバカにされているが、10年以上に渡って宴会の幹事を務め、宴の仕切りに関しては同僚たちからも信頼されていた。賭け事では胴元を務めることも多く、その際には、普段は口うるさい上司も上手く丸め込んだ。キャリアについての正確な描写は少ないが、後期の作品で、勤続20年の表彰を受ける場面がある。
また、スペシャル『2007』の時点では姑せんが『奉行所勤めが30年』と発言している。
好物は甘いものと目刺。酒は『仕置屋』までは下戸であったが、『仕業人』から飲むようになる。
劇中では異動や出張が多く、シリーズによって勤務地や職務が変わっている。『仕業人』では牢屋見廻り同心(現代で言う刑務官)を、『2007』『2009』では倉庫番や自身番(交番の駐在さんに近い)をそれぞれ務めていた他、裏稼業から身を引いていた『仕事人』冒頭では八王子の奉行所に赴任していた。

普段は無気力で物事にも無関心だが、旗本・大名・幕閣などの権力者でもある巨悪が絡み、町方役人たちが目を瞑る事件については上役の命令を無視してまで捜査をしようとするなど、元来持つ性格が現れることもある。
もっとも、彼の昼行燈ぶりは彼が本来持つ代物ではなく、裏の正体と本性を隠し通すために、それを意図的に装っているだけの目眩ましである。そうすることで、仕事人=中村主水を成立させないように、彼が巧妙に立ち振る舞っている、役者顔負けの大した演技力によるものである。

実際に、彼以外の役人たち(筆頭同心や筆頭与力も含む)が事故・自殺・心中と断定した案件も、彼は権力者が自殺や心中を巧妙に装った偽装殺人であることをズバリと的中させたり、下手人の目星をその過程で付けたりするなど、その鋭い観察眼と推理力は奉行所内で随一無二と言える優等生である。その証拠にそれを証明するこんなエピソードがある。

筆頭同心・田中(山内敏夫氏、現:山内としお氏)「はあ~……一家心中なんて、まったく人騒がせですね」

主水「余程何か事情があったんでしょうなぁ」

田「お上の手をそんなことで煩わすなんて、いったいどういう了見なんでしょうね~」

主「何が彼らに死を選ばせたのか?それが問題ですなぁ」

田「何おバカなことを言っているんです?中村さん!問題なのは、あなたの頭のほうですよ!」

「一家首吊り心中」とこの時点で断定した節穴な田中に対して、下手人が巧妙に装った偽装殺人をあっさりと見破り、普段は業務に怠慢な彼が下手人逮捕に珍しく躍起になった矢先に、心中と断定した田中によって捜査と詮索を打ち切られた。これが起因となって、この後悪者連中によってさらなる犠牲者を生み出した。

また別の事件では、「三河以来の直参旗本の御子息たちが不行跡の廉で、小普請組という名の無役の閑職に格下げられたのだが、己の不行跡を棚に上げて、その憂さを晴らすために浮浪者・夜鷹らを襲撃し、その過程でついに辻斬りにまで及んだ」というものがあった。
誰が見ても明らかな辻斬りで、しかも目撃者も大勢いたことから、その下手人であるドラ息子たちを彼が捕縛しようとしたのだが、その辻斬りを「無礼討ち」と主張したドラ息子たちの言い分を田中が鵜吞みにし、ドラ息子たちをそのまま釈放させてしまった。これがやはり起因となって、この後彼らによってさらなる犠牲者を生み出され、町奉行所に対する町人たちの信頼を悉く失墜させた。

こうした上役たちの無能や怠慢、事なかれ主義は一度や二度では留まらず、更にタチが悪いことに町奉行所の内には三十俵二人扶持という生命を的にして仕事をしているにもかかわらず割に全く合わない「薄碌」に我慢できず、悪徳商人や遊郭賭場を牛耳る悪徳ヤクザと結託して賄賂を着服し、悪事に故意に手を染める同心・与力や目明かし・岡っ引きも実際に多く存在する(前述の田中は節穴で未熟ではあっても、悪事に決して手を染める悪者ではない)。
更に極め付けなのは、TVシリーズの各最終回やスペシャル版・劇場版では幕閣・大名への栄転・栄達を目論む御奉行自らが黒幕になったり、老中・若年寄などの幕閣・権力者と一蓮托生となって巨悪の権化と化し、己の出世欲や金権欲のために罪咎も全くない善人・弱者らを冤罪で下手人に悪びれもなくでっち上げ、拷問などで弱らせ言質を取ったり口書爪印を謀り、彼らを磔刑や斬首刑などで処刑し権力者連中の隠れ蓑・スケープゴートに仕立て上げるなど、「真に昼行燈なのはどちらなのか?」と首を傾げたくもなるような逆転現象や「昼行燈を遥かに通り越して、腐れ役人此処に極まれり」という異常現象までも多数散見されている。
そして実は主水自身も『新必殺仕置人』にてそうした「腐れ役人」たる上司に振り回された挙句命まで狙われたことがあり、その一件から奉行所や役人への失望を深め、昼行燈ぶりに一層拍車がかかるようになっていった。

つまり、彼はやる時はやる男であり、興味が全く湧かないものにはやる気をトコトン出さない男でもある。
それ故に、彼の昼行燈ぶりは己の正体を隠すためだけでなく、権力者が絡む事件に対して無能で怠慢な町奉行所の体質やその役人たちの所為と決して無関係ではない。もっと言うなら、発言権や政治力が町奉行所内で全くと言っていいほどなく、上司に意見すら言えない彼の奉行所や上司に対する当て付けと言ってもいいだろう

裏稼業

この世に蔓延る悪を裁く、闇の処刑人『仕事人』の一人である。同僚内からは奉行所の同心であることから、『八丁堀』または『ダンナ』と呼ばれ、苗字や名前で呼ばれる機会は全くと言っていいほどない。
晴らせぬ恨みと表の法で裁けぬ外道を金銭で晴らす殺し屋としての顔も持ち合わせている。『必殺仕置人』で棺桶の錠(沖雅也氏)が持ち掛けて来た、百姓娘の父親の仇討ちを請け負ったのをきっかけに、裏稼業に足を踏み入れた。

以前は正義感に燃える若い同心であったが、老中・若年寄・大名・大奥・旗本・大目付・諸奉行(町・勘定・寺社・船手・長崎)・悪徳商人などの権力者には大変弱いくせに市民には居丈高に振る舞い、権力者絡みな事件には事なかれ主義一辺倒な役人の実態を知り、大いに失望していた。
自らの職場に大変うんざりしていた主水は、かつて佐渡島の罪人であった棺桶の錠、念仏の鉄(山崎努氏)に再会し、『仕置』を共にしたことで、消えかけていた正義感に火が付き、闇に紛れ悪を断つ、『仕置人』の一人となった。
その後、多くの仲間との離反集合を繰り返し『仕留人』『仕置屋』『仕置人』『仕業人』『商売人』『仕事人』など様々なグループに所属しつつ、法で裁けぬ悪を人知れず葬り続け、裏稼業を長きに渡って続けてきた。

当初は参謀として登場し、殺し以外にも自分の地位を利用した情報収集やサポートを行なった。『仕置人』はその傾向が特に強く、実際に殺しを行うのは鉄と錠だけで、サポートにすら関わっていないエピソードも存在する。幾多の組織に身を置くうちに、やがて実働隊の一員かつリーダーとしての活躍が主となっていったが、参謀として計画を立案する姿もなお少なからず見られた。

殺し技

殺し技は勿論、手持ちの刀を用いた剣術である。その腕は超一級であり、劇中の描写や設定によると奥山神影流、御嶽新影流、小野派一刀流、一刀無心流の免許皆伝で、心形刀流の心得もあるなど様々な流派の免許皆伝を会得するほどの剣豪ぶりであり、寺子屋では一番の腕前であったとも語られ、奉行所内では五指に入るといわれている(後述の通り本気を出すことはまずないが)。
『仕置』に使う得物も、その腕から大刀を振るう事が多かったが、中の人の加齢による体力低下事情で、脇差を使った突きでの一撃必殺を多用するようになった。

仕掛人の西村左内とは異なり、様々な剣技を状況に応じて披露しており、単に斬り掛かるだけでは無く、親しげに話し掛けて敵の油断を誘う不意打ちも多い他、障子の向こうや床下からの刺突、通り魔のごとき走りながらの居合切りなども見られる。『仕事人V』『仕事人V・激闘編』では刀の茎に刃を仕込み、目釘を外した柄を鞘のように抜いて敵を暗殺する場面もあった。
奉行所では昼行燈を意図的に装い、剣の腕前を周囲にひたすら隠している。奉行所での剣術の稽古や試合などでもわざと負けたり、実力がないように見せるため、竹光を腰に差したりしていた。

裏稼業者としての在り方など

『仕置人』時代は若干なりふり構わず日々溜まった鬱憤を悪人にぶつけるように仕置に積極的に関わってきたが、『暗闇仕留人』で、糸井貢が仕留人としての生き方に苦悩し命を落としてからは感情を極力面に表わさず、仲間と馴れ合うことを避けるようになった。佐渡金山以来の顔馴染みだった念仏の鉄や、中村家の三味線の師匠である三味線屋の勇次(中条きよし氏)、奉行所の同僚である渡辺小五郎などを除き、裏稼業以外では仲間と会う機会があっても知らない者同士を意図的に装い、必要以上に親しく接することも無くなっている。しかし、鉄と再び組んだ『新・必殺仕置人』では、『仕置人』『仕留人』時代のように、仲間と友人のように馴れ合う機会となった。

仕置の狙いを定めた獲物に情けをかけることはないが、大物と謳われる権力者(有力大名や将軍家など)や剣豪(山田浅右衛門など)相手にはごく稀に弱気になることもある。
「オレたち仕事人は報酬をもらって仕事をする必要悪であって、決して人助けや世直しを無償で表立って遂行する神でも正義な使者でもねえ!」という仕事人の戒めを己自身に言い聞かせ、仲間たちにも周知徹底させている。
その仕事人の掟の下で仕事をする際は金を必ず受け取ることが常時徹底されており、良心の呵責からの無償での仕事は御法度で(金だけ貰って逃げ出すのも、勿論御法度)、その御法度を破ろうものなら、裏切り者として処罰の対象となる。
また仲間が甘さや未熟さを見せた場合は叱咤し、感情や人間性が先走りがちだった飾り職人の秀(三田村邦彦氏)や正義感に衝き動かされる言動が多かった西順之助(ひかる一平氏)に対し、鉄拳を振るったこともある。

特に仕事人を英雄視する節がある、ある意味最も危険な思考を有する順之助には、「オレたちは悪さ!オレたちは悪以上に悪にならなきゃならねえ!」「オレたちだってよ……こうやって仲間面しているけれど、お互い誰一人信用しちゃいねえや!ただ銭で繋がっているだけなんだ!」「オレたちが銭もらって、人様のお命ちょうだいするのはオレたちの命と暮らしがかかっているからだ!銭もらわねえで、おめえ(順之助)が言う正義のためだけに人を殺してみろ……思い上がっちまうだろ、神様みてぇに!人を次から次へと殺さなきゃならねえ!銭をもらうのは、人間としての最後な歯止めなんだ!」と彼は事あるごとに口酸っぱく説教した。
三味線屋のおりく(山田五十鈴氏)「仕事人というのはね……良心とか正義とかそんな立派なことでやっているんじゃないんだよ!せんじつめればお銭のためにやっている腐った商売さ!まともな人間ならいくら悪ガキだからって若い子を殺せるわけないだろ?それを平気で殺すのが仕事人さ!」という順之助に対しての言葉は、主水ひいては闇稼業を行う者たちのスタンスを端的に表していると言える。

また、上述の通り裏稼業者としての在り方に疑問を抱いた仲間がその迷いゆえに命を落とした経験から、「殺しの裏稼業に迷いがあってはならない」との考えを持つようにもなっており、そうした迷いを持った仲間をあえて出撃させず間接的に守る様子も見られた。
一方で、何も考えずに殺しを行うだけの『からくり人形』に自分たちがなりかねないことには本人なりに危機感を持っていたようで、上述の危なっかしさがある順之助を仕事人に加えたのも、「世の不条理を真っ当に嘆き悲しむやつが一人くらいいてもいい」というのが理由であった。
彼の通う学問所の同級生がお偉方のドラ息子たちの悪行に巻き込まれた末に家族もろとも殺されてしまった事件では、侍ゆえに仇討ちへの理解が他の誰よりもある中、仇討ちせんと怒りに震える彼をあえて押しとどめたうえで、依頼金から少なめに貰った仕置料の残りを与え「おめえはおめえらしく、友達のためにひっそりと一人で泣いてやれ。それが一番の供養だと思うぞ」と諭して弔いに向かわせたこともある。

チームが危機に瀕した場合は、その原因となったメンバーを容赦なく斬るとも宣言していた。その一方で、仲間が危機に陥った場合は死地に自ら飛び込む場面も多く、仲間を実際に粛清したり裏切ったことは全くない。
『必殺仕事人2007』以降、主役の座を渡辺小五郎へ譲り、若手のサポート役に廻るようになる。だが血気盛んな仕事人たちを叱責したり諭すことも忘れなかった。
表稼業では商家に袖の下を要求したり、同じく軽犯罪の場合には金で見逃したりするセコい彼だが、裏稼業では外道共が善人や弱者から巻き上げたり搾り取ったりした大金を、彼はくすねたり強奪することは絶対にしない

度重なる仲間との離別、自身の正義感、価値観の変化により、恨みを晴らせなかった依頼人から、三途の川の渡し賃をもらい、敵を闇に葬り去るというある意味割り切った考え方に変わっていく。(完全に冷めきった人間になった訳ではない)
そのため昭和の連続シリーズ最終作『必殺剣劇人』に登場した際は、主人公達の「世直し三人組」に扮して市井にはびこる悪を成敗する義賊というスタンスに合わず彼らに愚痴をこぼしていた。(もっとも彼らは「闇稼業も変わったのよ」と切り返したが……)
見方を変えてみれば、勧善懲悪を無償かつ表立って遂行することをメインとする時代劇へのアンティテーゼとも受け取れる。(これとかそれとかあれとか。)

『新・仕置人』での重要な伏線として、前期シリーズでの主水は裏稼業の世界では知られておらず、主水も自分の正体を隠していた。決まった斡旋人(元締)の元に就かず、自身もそのような人物や組織については「人殺しの集団」「信頼できねえ」と発言したこともある。シリーズを通して、寅の会や闇の会などに間接的に関わった例を除き、特定の元締から仕事を請け負ったのは『必殺仕事人』と『必殺仕事人・激突!』の時だけである。主水の名が仲間以外の裏稼業の人間に知られるようになるのは『江戸プロフェッショナル・必殺商売人』第22話以降である。
一方、後期シリーズ(仕事人シリーズ)では裏社会に主水の名が知れ渡り、数多くの同業者たちと面識があった。その中には有力な元締もおり、仕事を斡旋されたこともあるが、決まった元締の下で働くことは稀である。後期エピソードの中には、悪党が闇の世界を牛耳るために主水を懐柔しようとする回が多数ある(『必殺仕事人V・激闘編』第24話、最終回。『必殺仕事人V・風雲竜虎編』第1話など)。『仕事人』第82話のように、主水のことを知らない裏稼業の者たちも登場している。

彼のその後・・・

2010年に主水を演じた藤田まこと氏の急逝により、『仕事人2010』では突如江戸から西方への異動となり小五郎含む仕事人の面々の前から中村家ごと姿を消している。
置き手紙には菊の花の絵が描かれ『西方』のワードは藤田まこと氏が亡くなった事を暗喩した演出と思われる。(仏教に西方浄土という言葉がある)
主水の死ではないのだが、今回は主水との今生の別れを全体的に意識した流れになっている。

2017年末、ライブラリ映像を利用した出演という形ではあるが『仕事人2018』にて9年ぶりに登場する事が発表された。
なんと小五郎も知らない間に江戸に戻ってきたらしく自身番にいた。だが、仕事に加わる事はなかったが、小五郎が親の仇である黒幕に復讐をしたくても裏稼業の掟のジレンマに悩んでいた時にそっと頼み金を差し出して彼を後押しした。
2018の最後で自身番の灯りを消して戸締まりをして夜の闇に消えて以降は再登場はしていない。

ちなみに、黒歴史になりつつある映画『主水死す』での出来事はこの後に起きた、とする説もあり、(実は主水が最後に主人公を務めた『必殺仕事人激突』と渡部小五郎シリーズ第1作目である『必殺仕事人2007』との間は作中時間では2年しか経っていないので)可能性としては十分にあり得る。

これ以外にも、中村主水の最期とする案としては「殺し屋組織との抗争に単身で挑み落命する(1980年頃の案)」「裏稼業が奉行所に露見し、そのせいでせんが拷問死し、りつに刺されて主水は中村家の門前で倒れる(1992年ごろの案)」という壮絶で凄惨なものもいくつか想定されていた様子。
一方、主水を演じた藤田まこと氏は彼の最期について「どぶ川に顔を突っ込むみっともない死に方だろう」と語っているほか、シリーズのプロデューサーを担当した山内久司氏は「平穏無事に晩年を迎え、やがて認知症になり『俺は仕事人だ』と周囲に公言するも誰も相手にしない」という末路を想定していたという。
ちなみに制作側としては「死の状況については特に描写しない」方針だったらしく、この点については最終的に上述の『主水死す』『仕事人2010』なども含め「それらしい様子はあるが明確な描写はされない」形で守られることとなった。

彼の子孫

TVスペシャル『(秘) 必殺現代版 主水の子孫が京都に現われた 仕事人vs暴走族』と『必殺スペシャル・春 世にも不思議な大仕事 主水と秀 香港・マカオで大あばれ』に別々の子孫が登場することから、どうやら中村家は二つの家系が存続しているようで明治維新以降は代々警察官の家系にあるとされる。(彼の事ではないと思われる
ちなみに『現代版』の当代にあたる中村主水もまた婿養子であるが直系子孫なのかは謎。少なくとも何らかの形で主水の子孫は生まれてきたと思われる。ちなみにこの代の主水は保険外交員で警察官ではなかった。
主水の愛刀も家宝として受け継がれていたが、手入れがされていなかったのか錆び付いて抜刀すらできなかったが、現代に復活した『仕置』で封印が解けるが如く抜刀した。
余談だが、現代においては当代における「せん」からは立派な御先祖様だと代々伝えられてきたらしくかなり敬われていたが、当代の主水は受け継がれてきた愛刀にこっそり隠された文に気付いており今の自分と対して立場が変わらない先祖だったと知っていた。ちなみに幕末ゆえか、当時の技術によって撮影された中村家一同の写真が現代に残ってたりする。

『(秘)必殺現代版』は『必殺仕事人Ⅲ』がベースである為、他のメンバーにも子孫が実は存在しており、加代の子孫は女タクシードライバー・秀の子孫はアクセサリー売り・勇次の子孫はピアノ調律師となっている。

『世にも不思議な大仕事』に登場する子孫の中村誠もやはり婿養子である。彼もまた旅行代理店勤務という警察官とは異なる職業に就いている。


藤田まこと氏が中村主水そのものになる!?

何を言っているんだと思われるだろうが、1988年の1月8日に放送された『必殺ワイド・新春 久しぶり!主水、夢の初仕事 悪人チェック!!』では物語として「必殺」の撮影現場をテーマにしており、中村主水を演ずる藤田まこと氏が撮影中の転落事故で本当に「必殺の世界」にタイムスリップ(どちらかと言うと異世界転生?)して中村主水として振る舞うハメになる物語があった。

・・・が、結局は転落した後に気絶していた時に見た彼の夢だった。(夢の初仕事の伏線がここで回収される)

その他

  • 藤田まこと氏曰く、中村主水の役が自分の中で確立したのは『商売人』の頃だったと過去のインタビューで答えている。
  • 元々コメディアンの活動があった為か、藤田氏が本格的に俳優に軸を移したのはこの中村主水がきっかけだった。
  • 「仕事」の時に首元に襟巻をしているのは元々撮影の時に防寒で待機していた際に着用していた事から来ている。ちなみにこの襟巻は『仕業人』以降着用するようになったもの。
  • 山内久司プロデューサーによると、ラストで中村家の日常が毎回あったのは、物語の殺伐とした空気をコメディ調に最後は和らげる目的があったとか。(この構図は、同じ朝日放送制作の京都殺人案内にも取り入れられている)後に2007以降の必殺仕事人シリーズでも渡辺小五郎に引き継がれた上にスタッフロールでは他の仕事人が再び日常に戻った光景も加わっている。
  • せんとりつは「戦慄」からネーミングの元ネタとしているのだが、演じていた二人はそれをしばらくは知らなかったらしい。


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