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必殺仕事人(無印)

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ひっさつしごとにん

ここでは、1979年~1981年にかけて放送された時代劇『必殺シリーズ』第15作『必殺仕事人』について解説する。

必殺口上

一掛け 二掛け 三掛けて

仕掛けて 殺して 日が暮れて

橋の欄干腰下ろし 遥か向こうを眺むれば

この世は つらい 事ばかり

片手に線香 花を持ち

おっさん おっさん 何処行くの

あたしは必殺仕事人 中村主水と申します

「それで今日は、何処のどいつを殺ってくれと仰るんで…」

(語り:芥川隆行 台詞:藤田まこと)

概要

1979年5月~1981年1月にかけて放送された必殺シリーズ第15作。全84話。

中村主水が主要人物として登場する7作目の作品である。

言わずもがな「必殺仕事人」シリーズ最初の作品であるのだが、いわゆる「後期必殺シリーズ」の雛形が確立するのは次作「新必殺仕事人」からで、本作の作風それ自体は(特に序盤において)「必殺仕置人」をはじめとする初期の作品に負けず劣らずのシリアスみの強いものとなっている。

これは前作「翔べ!必殺うらごろし」の視聴率低迷を受けて必殺シリーズそれ自体の本作を以ての打ち切りが決定していたことを考慮し、シリーズの原点に立ち返ることを意識して番組が製作された結果である。

しかしながら、そうした実験的要素を排しての地に足をつけた作風や独特の演出、さらには本作から新たに登場した飾り職人の秀のキャラ人気が重なり高視聴率をたたき出したことから、全26話のはずが延長を繰り返し気づけば全84話(+スペシャルドラマ1作)というロングラン作品となり、シリーズの打ち切りも回避されることとなった。これに伴う撮影スケジュールの都合などにより、序盤から中盤にかけて登場人物やその設定などにかなりの変遷が生じている。

その一方、秀や加代といった名物キャラ、および続編に登場するおりくの原型となった元締・おとわといった登場人物、季節感や娯楽性を多く取り込んだ中盤以降の演出など、後年の作品に引き継がれた要素もいくつか見られた。

劇中にて使用されるBGMについては、おなじみ平尾昌晃が本作から再び作曲を担当しており、新曲は勿論、過去作のものも積極的に使用されている(過去作にて出陣のBGMだったものが一部キャラの殺しのテーマとして定着してしまったケースすらある)。

また、本作のサブタイトルにも過去作同様に統一性が見られるが、序盤までは「〇〇は××か?」などといった短文の体裁を取っていたのに対し、中盤以降は「〇〇技××」といった各話の要素を絡めた技名のような形となっている。

登場人物

仕事人

実働部隊

言わずと知れた本作の主人公。

前作『江戸プロフェッショナル必殺商売人』最終回での商売人チーム解散ののち、裏稼業から身を引いており、表稼業では後進の育成という名目で八王子の奉行所に左遷されて平穏な日々を過ごしていたが、後述する事情により突如として江戸の南町奉行所に呼び戻され裏稼業にも復帰することとなった。

殺し技は、相手の確実な抹殺に重きを置いた「剣術」。

かつてはとある藩の藩士だった男。

妻のお涼に手を出した藩の家老(その息子が主水に顔が似ているらしい)を斬殺し脱藩、江戸に逃れお涼や娘の美鈴とともに長屋での生活を送っていた中、誘いを受け裏稼業に足を踏み入れた。

殺し技は、序盤は相手を正面から討ち取ることに重きを置いた「剣術」。中盤からおでん屋に転職し、以降は豪快な人体二つ折りなどを主とする「体術」に鞍替えした。

左門の隣の部屋に住む飾り職の青年。

以前より裏稼業を行っていたらしく、惚れた女の敵討ちのため左門に手を貸したことをきっかけに主水たちと組む形で復帰した。

気さくなお人よしである一方、若さゆえに熱くなりやすく、当初は主水や左門から叱責されたり鉄拳制裁を受けたりすることも多かった。

殺し技は、序盤は仕事道具でもある「鑿(のみ)」。中盤からやり方はそのまま「簪(かんざし)」に変えており、これは以降の作品でも踏襲されることとなる。

元締およびその関係者

  • 鹿蔵(演:二代目 中村鴈治郎)

序盤に登場した最初の元締で、将棋会所の主人。

その正体は勘定奉行とさえ繋がりを持つ裏社会の大物であり、その人脈を用い主水を八王子から呼び戻したうえ、左門を裏稼業に引き入れ秀を復帰させた張本人でもある。

裏稼業者としての底知れない凄みを持つ一方、自由人気質の好々爺でもあり、妻のおとわには頭が上がらない様子。

描写は少ないものの、殺し技として投げ縄や短刀を使用しているシーンがある。

鹿蔵の妻である三味線弾き。

ある大がかりな暗殺の依頼を受けた事件により江戸を離れざるを得なくなった鹿蔵の後を継いで主水たちの元締となった。鹿蔵と異なり、主水たちとともに行動し自ら標的を仕留めることも多い。

豪放磊落な一面を持ち、主水とは酒を酌み交わすなど良好な仲。

殺し技は、接近して斬りつける「三味線の撥」、または刃物を内蔵した「仕込み三味線」。

  • 半吉(演:山田隆夫)

障子やふすまの張替えを生業とする男性。

鹿蔵配下の密偵で、彼やおとわと主水たちとの伝令役も受け持つ。二人からはかわいがられる一方、主水からはよくこき使われる。

  • 六蔵(演:木村功)

木更津のとある漁村の村長。

ある事件をきっかけに裏稼業から身を引き旅に出たおとわの後を受け中盤から登場した元締である。

立場上、めったなことでは江戸に姿を現さず、主水たちとは専ら伝令を用いて連絡を取っている。

鹿蔵やおとわと面識があり、かつては自らも裏稼業者だったというが、父親の死に伴い自分が村長となったのを機に引退していたらしい。裏稼業にいた当時の殺し技は不明。

  • 加代(演:鮎川いずみ)

江戸の質屋「上総屋」で働く女性。

六蔵の配下の者で、中盤に殉職した半吉の後を受ける形で仕事人の密偵や元締めとの連絡役、および囮役を担っている。

「新必殺仕事人」以降も登場し、のちに「何でも屋の加代」と呼ばれるようになる。

  • おしま(演:三島ゆり子)

上総屋の経営者で、加代と同じく六蔵の配下。

仕事人の存在を世間に伏せるため、加代と比べ表稼業で活動していることが多い。

何かにつけて「許せないわぁ」と口にするのがお約束。

奉行所

  • 与力 伊沢(演:唐沢民堅)

南町奉行所の与力。

表稼業での主水の上司だが、幕府の重役たちの意を汲む形で、主水の裏稼業を知らないまま仕事人に悪人の始末を依頼したことがある。

  • 筆頭同心 早川(演:早崎文司)

中盤から伊沢に代わって登場した主水の上司。

あまり上役に見えない顔をしており、初対面時には主水に上司と知らずいびられた。この手の上役の例に漏れず主水には手厳しい一方、彼のおだてにはよく乗せられる。

ある時を境に登場しなくなっているが、これは主水によれば「ちょんぼ」により八王子に左遷させられたためとのこと。

  • 筆頭同心 荒巻(演:芝本正)

早川の後釜に座った主水の上司で、熱しやすく冷めやすい性格だった先任と比べて気だるげな言動が目立つ。

かなりの潔癖症であり、主水をはじめとする奉行所の同心たちに所内の掃除をやたらとさせている。

その他

  • 中村せん(演:菅井きん)
  • 中村りつ(演:白木万理)

主水の姑と嫁。

八王子での田舎生活を満喫していたが、突如江戸に戻ることとなる。

相変わらず二人で主水をいびるのはお約束。

  • お涼(演:小林かおり)

左門の妻。

理想の妻と言っても過言ではない献身ぶりを見せ、おでん屋開業以降はその美貌から屋台の顔となる。

  • 美鈴(演:水本恵子)

左門の娘。

明るい性格で、秀に懐いている。

  • おふく(演:かわいのどか)

出会茶屋「わら卯」の女中。

大柄な体格で、半吉とは恋仲である。

余談

必殺シリーズとして初めてとなるドラマスペシャル「恐怖の大仕事 水戸・尾張・紀伊」が製作されており、1981年新春に放送された。

ちなみに同作には次作「必殺仕舞人」の主人公・坂東京山(演:京マチ子)が登場しているほか、のちに三味線屋の勇次としてシリーズに出演することとなる中条きよしが悪役として出演している。その散り様はぜひ読者ご自身の目でお確かめいただきたい。

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