演:京本政樹
概要
必殺シリーズ第23弾『必殺仕事人Ⅴ』からレギュラーとして登場するようになった若手の仕事人。
テレビでの初登場作は『仕事人Ⅴ』の実質上の序章である1985年1月4日に放送された正月スペシャル『必殺仕事人意外伝 主水、第七騎兵隊と闘う 大利根ウエスタン月夜』。ただし、それ以前に『花屋の政』と共に1984年の舞台『からくり猫屋敷』に登場しており、そちらが本当の初登場となる。
表稼業は日本橋に店を構える組紐職人。
組紐の産地として、そして忍の里として有名な伊賀の生まれ。
彼もまた、かつては忍者であったが、自らの存在を消して暮らすほかない生き方と決別する道を選び、抜け忍としてかつての仲間に命を狙われた過去を持つ。
とはいえ表社会での生き方を欲して江戸に住み着いたにもかかわらず仕事人となったあたり、彼もまた裏の世界から逃れることはできなかったようである。
同じく仕事人の政とは付き合いが長く、中村主水たちと組む前から彼と組んで裏稼業を行っていたらしい。
人当たりの良い好人物であるが、政とは対照的に物静かな性格で、前述した生い立ちも含めて謎めいた部分も多い。
殺し技
- 仕事人Ⅴ
鈴が付いた赤と黒の糸で編んだ組紐を遠距離または高所から投げて、相手の首に巻き付け吊り上げて絞殺する。
組紐を投げつける時と、悪人が絶命する際には鈴の音が鳴り響く。
- 仕事人Ⅴ激闘編
錨が付いた緑の組紐を遠距離または高所から投げつける。組紐は相手の首に巻き付くと錨によって柱や壁に固定され、てこの原理によって絞殺する。
なお、体術を得意とする伊賀流の忍者であったためか、身体能力が非常に高く、細めの外見からは想像もつかないほどの力持ちである。
上述の殺し技を用いる際にもこれが存分に発揮されており、『仕事人Ⅴ』では屋根から悪人に巻き付けた組紐を手繰り寄せ、そのまま相手の体が天井板を次々と突き破り、終いには屋根まで貫通するほどの勢いで吊り上げて仕留めるという常人離れした怪力っぷりを度々見せていた。
更には悪人を2人同時に吊り上げる、吊り上げた勢いでそのまま建物の反対側に放り投げる等の荒業を披露したこともあった。
劇場版第三作『必殺!Ⅲ 裏か表か』では悪徳集団の真砂屋との大乱戦で自分の絞殺技が多勢を相手に不利であることを悟り、自ら囮役を引き受けて真砂屋の斥候達を相手に奮戦するも、背中を斬り付けられてそのまま生死不明となった。
余談
2019年、漫画『必殺仕置長屋 一筆啓上編』(必殺シリーズ初の漫画オリジナル作品で作画:木村知夫、原作:山田誠二、協力:朝日放送、松竹)に、竜の弟で同様に組紐を使う仕置人の竜二が登場する。しかも作中、竜二の口から竜の最期が語られていることから、すでに故人となっているが、竜二も人づてに聞いたのみで詳細は不明。
演者の京本曰く、竜を演じるにあたり外見や仕草は『必殺仕置屋稼業』に登場した市松を参考にしたのだとか。
なお、京本が劇場版第二作『ブラウン館の怪物たち』の撮影中に負傷した関係で、『Ⅴ』終盤の一部シーンは大竹修造が代役を務めている。
ちなみに京本は竜としての出演の他に、『Ⅴ』挿入歌や『Ⅴ激闘編』主題歌の作曲も担当した。