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概要編集

1960年代後半に起きた子供向け作品のブームである。

怪獣という存在が日本のポップカルチャーに根付いた決定的な時期であり、ウルトラマンといった巨大ヒーロー、ジャイアントロボといった巨大ロボが登場した時期でもある。

怪獣のことを話し出すと止まらない爺さんが大好きな時代が大体このころである。


経緯編集

テレビの台頭により、邦画界が斜陽になる中子供たちの間では怪獣映画が一定以上の人気を維持していた。東宝製作のゴジラは本来恐ろしい存在でありながら、子供たちにはヒーローとして受け入れられていたのである。この波に乗らんとする大映もまた、いろんな意味で悲劇の作品大群獣ネズラを経てガメラを製作。一定の人気を獲得する。

そして1966年。特撮の神様、円谷英二が後に円谷プロダクションとなる円谷特技研究所を設立。その第一回作品として『ウルトラQ』の企画をスタート。放送局であるTBSは将来怪獣がブームになると予想し、その要望に応え怪獣路線となる。

これによって、怪獣ブームの到来はほぼ約束されたものとなった。

1966年度編集

『WoO』を経過して、1月1日。ついに『ウルトラQ』がテレビ放送。本来映画館でしか見れない怪獣をお茶の間で楽しめるとして、子供たちの心をつかみ一躍大人気となり水面下では続編が企画されていた。

また映画業界でも大映が史上初の特撮二本立て企画として『大怪獣決闘ガメラ対バルゴン』『大魔神』の同時上映を慣行。東宝もまたアメリカとの合作で大人向け作品として『フランケンシュタイン対地底怪獣』『フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ』を製作する。

一方東映もこのブームを逃さんとお得意の時代劇と組み合わせた『怪竜大決戦』を製作していた。


そして『ウルトラQ』は好評の中、半年で終了。その間に、ピープロダクションが初の巨大ヒーロー番組『マグマ大使』を先んじて製作し、それに少し遅れて、かの怪物番組『ウルトラマン』が1966年7月にスタート。マグマ大使と合わせて大人気となり、子供たちの間に巨大ヒーローの存在を浸透させ、世間は一躍怪獣ブームとなった。


そのブームはアニメ業界にも影響を与え、『サイボーグ009』の映画に「怪獣大戦」というサブタイトルが付けられたり、さらに妖怪物の『悪魔くん』で怪獣のような巨大妖怪を出したり、往年のヒットアニメ作品『黄金バット』にまで怪獣が登場している。


1967年度編集

第一次怪獣ブームがピークとなったこの時代、映画界では松竹が『宇宙大怪獣ギララ』、日活が『大巨獣ガッパ』を製作。

怪獣映画は海外輸出が見込め、政府の文化輸出による補助金も計算に入れた計画であった。

東宝や大映も前年に続き積極的にゴジラシリーズやガメラシリーズといった作品を制作している。


テレビでは『ウルトラマン』が惜しまれながらも終了するが、東映の『キャプテンウルトラ』を経て『ウルトラセブン』が開始。『ウルトラマン』に引き続き人気を獲得した。


また東映も子供向け時代劇『仮面の忍者赤影』を製作。金目像といった巨大仏像や忍獣といった怪獣が登場するなど、怪獣ブームを意識した作風となっていた。

実写巨大ロボットヒーローの元祖たる『ジャイアントロボ』もこの時期に制作された。


1968年度編集

一大ブームを呼び起こした怪獣特撮だったが、そのブームも長くは続かなかった。

怪獣映画、巨大特撮は一般的なドラマや等身大特撮と比べて莫大な予算が必要になるため数が打てないのである。実際上述した松竹と日活は『ギララ』『ガッパ』の興行不振を経て撤退。東映もまた『ジャイアントロボ』を最後に怪獣路線から撤退した。

同時に子供たちの興味も巨人の星などのヒットによるスポ根ブームやゲゲゲの鬼太郎のヒットによる妖怪ブームへと次第に移っていった。


残った東宝も『怪獣総進撃』で区切りをつけ(現在、制作側は否定)円谷も『ウルトラセブン』終了後は円谷英二が「もう怪獣の時代ではない。区切りをつけて宇宙へ返してあげよう」とし、マイティジャックの後期で怪獣が登場したぐらいである。

大映も倒産の危機から予算を絞り、ガメラスタッフは苦しみながら制作を続けた。


かくして第一次怪獣ブームはわずか3年で終了してしまったが、これらの作品は定期的に再放送が行われ一定の視聴率を稼ぎ、後の第二次怪獣ブームへとつながることとなる。


年代別の主な作品編集

1966年編集

テレビ作品編集


劇場作品編集


1967年編集

テレビ作品編集


劇場作品編集


1968年編集

テレビ作品編集

劇場作品編集


関連項目編集

特撮

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