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第二次怪獣ブーム

だいにじかいじゅうぶーむまたはへんしんぶーむ

1971年から1974年における子供向けテレビヒーロー番組のブームである。
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概要編集

別名変身ブームともいう。

おそらく日本で最も特撮ヒーローが輝いた時代。 ただし、ブームは特撮テレビ番組だけでなく、テレビアニメも含まれる。怪獣ブームとあるが、実質的には別名の通り変身ヒーローブームといえる(書籍によっては「第二次怪獣ブーム」と「変身ブーム」を別個のものとする、もしくは第二次怪獣ブームが変身ブームに取って代わられたと記述しているものもある)。また怪人というカテゴリーが生まれたのもこの頃である。


発端編集

第一次怪獣ブームが『ウルトラセブン』終了前後で過ぎ去り、子供たちの間では『巨人の星』『柔道一直線』等のスポ根ものが人気であった。


しかし、ゴジラガメラの新作は製作されており、ウルトラシリーズや『ジャイアントロボ』等の再放送も好調であった。そして『ウルトラファイト』がヒットし、ソフビ人形が再び売れるようになったことで円谷プロは『帰ってきたウルトラマン』の製作を決定、また東映は新しい等身大ヒーローとして仮面ライダーを企画した。

しかし、いち早く始まったのはピープロダクションの『宇宙猿人ゴリ』だったことはあまり知られていない。


1971年度編集

1971年4月には『帰ってきたウルトラマン』、『仮面ライダー』が開始。


『帰マン』は成功したものの、代表的脚本家の上原正三沖縄問題を書いたことがTBS上層部により問題視され追放されてしまい、以降のウルトラマンに暗雲が立ち込める。


ライダーは、上述のスペクトルマン共々当初は視聴率で苦戦したものの、安定した人気を獲得。ライダー人気は凄まじく、等身大ヒーローが増えるきっかけとなった。


後半には『ミラーマン』や『シルバー仮面』が登場、特撮ブームが決定的となる。


1972〜1973年度編集

ブームがピークを迎え作品は一気に増加。最高で週に10作以上放送されており、ゴールデンタイムにヒーロー物が放送されてない日はないと言われるようになる。

この時期には仮面ライダーは続編の『仮面ライダーV3』で最高視聴率を記録、ウルトラシリーズはウルトラ兄弟を主軸に展開していった。


また、『快傑ライオン丸』『魔人ハンターミツルギ』といった時代劇人形劇との融合、『突撃!ヒューマン!!』のようにヒーローショーを主体とした作品や『行け!ゴッドマン』『トリプルファイター』のような帯番組等個性的な作品が登場した。


1974〜1975年度編集

オイルショックによる制作費の高騰やいくつかのスポンサーの倒産により作品数は激減した。

ウルトラシリーズや仮面ライダーも、それぞれ『ウルトラマンレオ』と『仮面ライダーストロンガー』でシリーズ中断、またゴジラも『メカゴジラの逆襲』をもって新作製作は中断し、ピープロは『冒険ロックバット』を最後に『ライオン丸G』(2006年)まで新作製作が途絶えた。


衰退期編集

70年代後半になると『マジンガーZ』から始まったロボットアニメが低年齢層からブームを奪い、さらに『宇宙戦艦ヤマト』に端を発する高年齢層のアニメブームも発生する。

ロボットブームは本ブーム期間中から始まっており、特撮界にも下記の仮面ライダーXにおけるキングダークの登場やレッドバロンといったロボットを主体とした作品が作られるなど影響を与え、怪獣ブーム終了後も大鉄人17などの作品が作られた。

こうした状況とマンネリ、技術革新の停滞もあり、ウルトラやライダーの視聴率は年々低下していく。


円谷プロは『プロレスの星アステカイザー』『恐竜探険隊ボーンフリー』等でセルアニメと実写の合成による新たな路線を模索した。


等身大ヒーローものは実質東映の独占状態となった。東映は『秘密戦隊ゴレンジャー』『アクマイザー3』『超神ビビューン』『快傑ズバット』でアニメブームに対抗した(そもそもロボットアニメブームのきっかけであるマジンガーも東映動画制作なので、ある意味同士討ち)。


しかし1978年になると、アニメブームの拡大と前年の『ジャッカー電撃隊』の不振をうけ、ウルトラ・ライダー・戦隊の三大特撮ヒーローが作られないという、特撮が死んだ年となった。


そんな中でひっそりと作られていたのが、あのカルト的特撮番組『スパイダーマン』。これには戦隊のスタッフ陣がそのまま移動する形で関わっており、特撮復活の重要な伏線となるのであった。

またこの頃東映本社がアニメに参入しており(後に言う長浜ロマンロボシリーズ)、1980年代中盤以降美形悪役路線に影響を与える。


その後編集

円谷は1980年に『ウルトラマン80』で復活するが、ワンマン経営がたたってTBSと対立し、以降巨大ヒーロー特撮自体が『電光超人グリッドマン』や『平成ウルトラセブン』、『海外ウルトラマン』といった細々とした展開の後に1996年の『ウルトラマンティガ』まで冬の時代を迎える。怪獣オタクは怪人主体の東映特撮に馴染めなかった人も多く、今でいう難民となり、主にロボットアニメに代表されるSFアニメで亡命生活を送った人が多い。


東映はその後順調にスーパー戦隊シリーズメタルヒーローシリーズ東映不思議コメディシリーズを順調に軌道にのせ、『電撃戦隊チェンジマン』では男児キャラクター市場を制覇した。

一方で、ライダーは『仮面ライダースーパー1』以降しばらく中断することになる。


年代別の主な作品編集

1971年​編集

ピープロダクション制作。主人公ヒーローの「スペクトルマン」は、「巨大化変身サイボーグ」の元祖。変身ブームを受け、のちに題名を『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』、さらに『スペクトルマン』と変更。


漫画家の石ノ森章太郎原作で東映制作。「変身ポーズ」を社会現象にまで押し上げた名作。オートバイ変身ベルトなどのアイテムも人気となり商品化された。また、敵キャラクターに「怪獣」に代わる「怪人」の概念を導入。


円谷プロ制作。「宇宙人」に代わり「星人」の呼称が登場。


円谷プロ制作。ウルトラシリーズとの差別化のためシャープで硬質なドラマが意図されたが、後半は「カラータイマー」や戦闘機「ジャンボフェニックス」など、ウルトラシリーズと似たような内容に。


変身仮面ヒーローの草分け「月光仮面」を制作した宣弘社の制作。日本現代企画初のテレビドラマでもある。第11話から巨大化し、題名も『シルバー仮面ジャイアント』へと変更。


1972年​編集

「男女合体変身」や、シリーズ初のレギュラー敵キャラクター「ヤプール」など、新機軸設定を導入。「怪獣」より強力な「超獣」の概念を打ち出した。


ピープロダクション制作の時代劇変身ヒーロー。特撮番組初の「アンチヒーロー」としてのライバル、「タイガージョー」が絶大な人気を得る。


東映制作の時代劇変身ヒーロー。「時代劇版・仮面ライダー」のコンセプトで制作された。


劇画の巨匠さいとう・たかを原作、東映制作。子役による「合体変身」が新機軸。よみうりテレビが特撮ヒーロー番組に参戦。


旧・虫プロダクションOBが設立したひろみプロダクション及び東洋エージェンシー(現:創通)制作。等身大から巨大化への新機軸「二段変身」が売り物。


東映制作の等身大変身ロボットヒーロー。「8時だョ!全員集合」に対抗し、夜20時枠「変身大会」の放送。


東宝制作。「月光仮面」を生み出した川内康範が原作で、東宝が変身ヒーローに参戦。主人公ヒーローが七つの姿に変身する設定は後の平成ウルトラマンタイプチェンジ平成ライダーフォームチェンジのはしりといえる。


宣弘社、日本現代企画制作の巨大化変身サイボーグヒーロー。


円谷プロ制作の5分枠の帯番組。3人の兄妹が変身、さらに合体変身する。


ユニオン映画、モ・ブル制作。公開型の中継番組形式の異色作。「打倒・仮面ライダー」との意気込みから『仮面ライダー』と同時間枠に放送。


円谷プロ制作。『おはよう!こどもショー』内のワンコーナー特撮第1弾。後年、彼の過激ぶりがネットを中心に話題となる。


おはよう!こどもショー』内のワンコーナー特撮第2弾。制作が円谷プロから東宝に変わった。


漫画家の永井豪原作で東映動画制作。“変身”の概念を強調、「妖獣」の概念を打ち出した怪奇ヒーローアニメ。


タツノコプロ制作。忍者部隊月光をリスペストした集団変身ヒーローもので、巨大な「メカ怪獣」が登場する変身SFアクションアニメ。


1973年​編集

円谷プロ制作。商品化を強く意識した「変身グッズ」として「ファイヤースティック」が登場。


円谷プロ制作。主人公が搭乗操縦する、変身巨大ロボットヒーロー。2号ロボ・ジャンボーグ9(ナイン)も登場。


前作『仮面ライダー』の100話達成記念により主人公や敵組織をリニューアルした作品。


それまでは神秘的存在として描かれていたウルトラマンに、親しみやすい印象を与え、エンターテイメント性の強いストーリーが多い。 「仮面ライダー」を意識したような、派手な変身ポーズが見られる。


『人造人間キカイダー』の続編。キカイダーの兄であるキカイダー01が主人公。


東映制作。刑事ドラマと変身しない等身大ロボットヒーローが融合。


『快傑ライオン丸』のヒットを受けて制作。時代劇に西部劇テイストを加味した異色作。


ピープロダクション制作。「妖怪ブーム」を意識し、ハードなオカルトアクションを展開。


東映制作。当時の「超能力ブーム」を設定に導入。ヒーローマシン「ライジン号」がポピー社の大ヒット商品となる


国際放映制作。人形アニメを主体とした異色作。


宣弘社制作。主人公が搭乗して操縦する巨大ロボット。


東宝の「ゴジラシリーズ」の怪獣がゲスト出演し話題となる。


東宝制作。主人公が変身するのではなく、指輪から召喚されるヒーロー。素顔の主人公とヒーローが共闘する異色作。


大和企画、京都映画、宝塚映画が制作した時代劇変身ヒーロー。この時期の特撮時代劇としては唯一京都で撮影された。


『おはよう!こどもショー』内のワンコーナー特撮第3弾。同シリーズで初めてちゃんとしたストーリーが設定されるようになった。


『デビルマン』と同じく永井豪原作で東映動画制作。「変身」を強調したヒロインアクション。「キカイダー01」とのNETテレビ「変身大会」の番組のひとつ。


1974年編集

ロボットヒーロー的メカニカルアクションを導入。前半はライバル悪役「アポロガイスト」、後半は悪の巨大ロボット「キングダーク」が登場。小道具を使う当初の「セタップ変身」が、「子供が真似しにくい」として後半は従来のスタイルの「大変身」に変更された。


当時大ヒットしていたブルース・リー映画の影響で拳法戦士として設定され、「スポ根」の影響も色濃い。


ピープロダクション制作。主人公が遠隔操縦する等身大ロボットヒーロー。ウルトラマンレオ同様、ブルース・リー映画の空手・カンフーアクションを導入。


『イナズマン』の第2期。当時としては子供向けドラマの枠をはみ出さんばかりの非常に重苦しいストーリー展開のエピソードが多く作られた。


ロマンポルノで知られる日活が変身ヒーロー番組に参戦。


怪人のマンネリ化を避けるため、より怪獣的なシルエットを持つ「獣人」が登場。


日本現代企画が制作した、「日本テレビ開局20周年記念作品」。アオシマから発売されたマッハバロンのプラモデルは、翌年にかけ業界最大のヒットセールスを記録。


おはよう『おはよう!こどもショー』のワンコーナー特撮最後の作品。


関連タグ編集

特撮 変身 変身ポーズ 1970年代 変身サイボーグ 昭和特撮

第三次怪獣ブーム:70年代後半から80年代前半のリバイバルブームをそう呼ぶことがある。

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