徹底的に概要を語ってくれるわ
江戸時代を舞台に、徳川幕府転覆を企む宇宙忍者サソリ軍団と戦う正義の味方ミツルギ三兄妹の活躍を描いた特撮時代劇。
劇中に登場する巨大神ミツルギと怪獣の戦いは当時は珍しいストップモーションアニメで表現された。1話の敵はガイコツ怪獣である。
「異色過ぎて人気が出なくて12話打ち切り」という評価がなされた事もあるが、放送期間は1月から3月までなので番組改編の合間に放送された実験作である可能性が高い。
「あれ以上放送延長しての人形アニメの製作は無理だろう」との声もある(実際終盤は辛そうなところが見受けられた)。
徹底的にあらすじ
徳川家康が江戸幕府を開き、太平の世を築いた時代。
さそり座から飛来した邪悪な宇宙忍者「サソリ軍団」は妖術と怪獣を操り家康暗殺による幕府転覆と日本占領を画策した。
この危機に対し、ミツルギ一族の長老・道半は銀河、彗星、月光の三兄妹に「智」「仁」「愛」の三つの力を宿した三本の秘剣を授け、サソリ軍団から日本を守る使命を託した。
ミツルギ一族は徳川家に力を貸す義理は全く無い。だが罪なき民衆が苦しむ姿を黙って見ていられない。風のように現れる三兄妹は秘剣を合わせることで巨大神ミツルギに変身し、サソリ軍団の怪獣達と戦う。そして風のように去っていく。
徹底的に登場人物
- ミツルギ銀河(演:水木襄)
ミツルギ三兄妹の長男。「智」の秘剣を持つ。マフラーの色は青。
冷静で用心深い性格。
- ミツルギ彗星(演:佐久間亮)
ミツルギ三兄妹の次男。「仁」の秘剣を持つ。マフラーの色は黄色。
- ミツルギ月光(演:林由里)
ミツルギ三兄妹の長女。「愛」の秘剣を持つ。マフラーの色は赤。
- ミツルギ道半(演:緒方燐作)
ミツルギ一族の長。銀河達に秘剣を託す。
幕府の忍者。作中ナレーションでは「今で言うと、将軍家直轄の秘密捜査官である」と語られている(当たらずとも遠からずといったところか)。
地球防衛軍の長官みたいな役割のキャラだが、ミツルギ一族と連絡する方法を知らないのでほとんど役に立たない。
- 徳川家康(演:奥野匡)
江戸幕府の将軍だが、それ故に天下取りを画策するサソリ軍団に命を狙われる。
- 魔人サソリ
サソリ軍団の長。様々な妖術を使いこなす。
非常にテンションが高く、「徹底的に」が口癖。
「こんな事もあろうかと、水陸両用の怪獣を徹底的に作っておいたのだぁ〜!」
「おのれ〜ミツルギめぇ〜!今度こそ徹底的に倒してやるわぁ〜!」
最終回では全ての手駒を失ったことで自ら戦いに挑み、三本の秘剣を胸を刺され、手榴弾でとどめを刺された。
その見た目は、ほぼ即身仏のそれで、ミイラに近い。衣の色は赤。
- サソリ忍者
いわゆる戦闘員。顔に包帯を巻いている(市販品のゴム製ミイラ男マスクの流用)のが特徴。
刀と火矢を使う宇宙人の忍者だが、ミツルギ忍法にはまるっきり勝てない。
徹底的に巨大神ミツルギ
銀河、彗星、月光の三人が三つの刀を空にかざして合体変身する巨人。身長20メートル、体重4万トン。変身すると稲妻が発生し、黒雲が上空を包み込む。合体した後も三人の意思は残されている。
武器は神剣と盾。盾はブーメランとして投げて使う事もある。
胸の紋章からは火炎弾を発射する。火炎弾は火炎そのものではなく「短剣型のミサイル」に近い。炎とともに連続発射され、敵怪獣に突き刺さり爆発する。
当初は空が飛べなかったが、道半との修行で時間制限付きではあるが飛行が可能になった。
撮影の都合上、ロボットアニメ的な演出が多用されている。
人形アニメで描写されるシーンになると、黒雲が広がり稲妻が落ちて、画面が真っ暗になる。
変身の際には、銀河、彗星、月光が並び立ち、
銀河「ミツルギ参上、智!」
彗星「仁!」
月光「愛!」
と、それぞれ叫び、秘剣をかざした後に空中に跳躍。
三人が空中で秘剣を合わせると、稲妻が走り、ミツルギの巨体が姿を現す。
撮影用の造形物は、一体のみが作られた。頭部は銅製、胴体部は真鍮の叩き出しにより成形され、火薬を用いた撮影にも耐えられるように作られている。
また、広告用に着ぐるみも作られたが、頭部と楯のみ近年まで残っていた。材質はポリエステル製。当時は胸部に、火炎弾を模した煙を放つギミックがあったとの事。
徹底的にサソリ軍団怪獣
魔人サソリが差し向ける巨大怪獣。
- 甲冑怪獣デノモン
1話登場。巨大な甲冑を纏い、棘付の棍棒を武器とする。また、口から火炎を吹く。ミツルギに鎧の留め金を切られ、甲冑の下の巨大な骸骨の姿を露わにする(この状態は「デノモンⅡ」と、児童書などでは記載されている)。腰骨を切られ火炎弾で止めを刺される。
※下記動画の1:45、2:03に登場。
- 四つ足怪獣ゴールドサタン
2話登場。四つ足で俊敏に動く。ジャンプしてミツルギを翻弄したが、火炎弾を受け敗北。
- 巨大妖虫ムカデラー
3話登場。巨大な龍にも見える姿で、空中を移動。口から炎を吐く。胴体部は切断しても再生してしまう。ミツルギに巻きつくも火炎弾で振り払われ、唯一の弱点である頭部に剣を受け敗北。
※下記動画3:13に登場。
- 黄金妖怪カネクジラ
4話登場。小判を食い毒小判として吐き出し、それを用い江戸の人々を毒殺していった。水陸を選ばず行動する為、ミツルギもそれに翻弄される。爆弾を仕掛けた千両箱を飲み込んでおり、それが爆発して果てた。
- 地震怪獣グラグラン
5話登場。上半身が骸骨、下半身が蜘蛛、右手に剣、左手に鉤を持つ。地中に潜み地震を起こす能力を有し、さらに口や角から可燃ガスを、両手の武器を飛ばして攻撃する。火炎弾を受けて倒された。
※下記動画2:56に登場。
- 二頭象ガンダラー
6話登場。南蛮渡来の二頭の象を、魔人サソリが怪獣と化した。その巨体で体当たりし、二つの長い鼻をミツルギに巻きつけるなどして攻撃する。倒れたミツルギに追撃するが、ミツルギが振り向きざまに振るった剣により両の鼻を切断され、逃げようとしたところを後ろから火炎弾を受けて爆発した。
※下記動画3:23に登場。
児童誌や特撮誌などでは、名称が「ガンダーラ」という記述も見られた。
- 巨大要塞ロードス
7話登場。メイン画像右後ろの鎧武者。通常は普通の大きさの鎧だが、知らずにそれを着た者を取り込み巨大化する。怪力と、両目から放つ怪光線が武器。銀河の友人である剣持一平が着てしまったため、人質にされる。両目をミツルギの剣で突かれ、一平ごと倒れてしまった。
※下記動画2:39に登場。
- ツチノコ怪獣モグロン
8話登場。ツチノコが巨大化したような姿で、鼻先からモリを発射。カタツムリのように両目を伸ばし、地中から地上をうかがう。しかし、ミツルギに伸ばした目を掴まれて引きずり出された後、放たれた盾で首を切断され破れる。
- 原始怪鳥ベラドン
9話登場。メイン画像左後ろの怪獣。空中戦を得意とし、空を飛べないミツルギを翻弄。翼からは爆弾を放つ。一度はミツルギを下したが、飛行の秘術で一時的に飛行能力を得たミツルギと再戦。秘剣を受けて倒された。
- 昆虫怪獣カブトン
10話登場。村を襲撃し村人たちを惨殺していた。直立したカブトムシのような姿をしている。
村人たちの生き残りである子供達が集めた毒を受け、頭部が溶け落ちた。しかし頭を失った状態でも死なず、居合刀を取り出し戦う。最後はミツルギの火炎弾を受け、そのまま破れた。
- 狛犬怪獣コマンガー
11話登場。盲目の少女の飼っている黒犬が、魔人サソリが怪獣と化した。巨大な狛犬そのものといった姿をしており、口から火炎を吐き、空も飛べる。ミツルギの火炎弾を受け炎上。犬は元に戻り、少女の元へと戻る。
- 磁力怪獣マグネッシー
12話登場。メイン画像後ろの怪獣。全身黄金のカメレオンのような姿をしている。磁力を放ち、ミツルギの剣と盾を引き寄せた後、ミツルギ自身も引き寄せる。
しかし道半が命と引き換えに呼び出した、「黄金の大仏」の力により磁力を失い、ミツルギの剣を受けて止めを刺される。
※ミツルギ同様に、これら怪獣も撮影用の造形物が一体のみ作られた。最後に炎上するシーン(火炎弾を受けて止めを刺されるなど)では、実際に造形物に火が放たれている。そのため、ほとんど残されてはいない。しかしマグネッシーなど、一部は近年まで現存していた様子。
徹底的に余談
- 江戸時代が舞台だが、時代劇らしい小道具・背景が異様にリアルで主人公達と全く会話しないモブキャラが全編に渡って大量に出てくる。他所で撮影された1970年代時代劇の映像をそのまま流用しているのかもしれない。
- ミツルギ忍者は先述の通り、江戸幕府(政府)と無関係に行動し、忍法とは名ばかりのほとんど超能力な技を使いまくる。
- 主題歌「走れ!嵐の中を」は、三味線の伴奏がカッコイイ名曲である。アニメカラオケ好きの人なら「麗人ハンターミツルギ」という誤植を見た事があるかもしれない。
徹底的に動画
主題歌「走れ!嵐の中を」
※上記動画に登場する怪獣。
1:45:デノモン
2:03:デノモンⅡ
2:39:ロードス
2:57:グラグラン
3:13:ムカデラー
3:23:ガンダラー
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