ライオン丸とは、ただ一人悪と戦う勇気ある若者の変身した姿である。
概要
弾獅子丸二十一歳。強大な敵マントル一族を相手に、自らの青春を賭けて戦う勇気ある男。人は彼をライオン丸と呼ぶ・・・
前作『快傑ライオン丸』の好評を受け、引き続きフジテレビ系で放送された特撮ドラマ。
タイトルこそライオン丸の名を冠しているが、前作とのかかわりはなくあくまで新作。主人公の名前と演じる俳優は同様だが、同名の別人である。
いわゆる時代劇特撮であるが、前作とは異なり時代考証は完全に無視されている。「西日本が異種族に支配されている」だけでなく、衣装こそ時代劇っぽいのに、幌馬車・戦車・オートバイ・ロケットブースター・ガトリング砲・キリスト教の教会まで出て来るので、まさにカオス。
キリスト教に関しては時代背景が戦国時代という事を考慮すれば特に問題は無いが、さすがに変だろう(※戦国時代にはヨーロッパからフランシスコ・ザビエルを初めとするイエズス会宣教師が多数来日し、日本各地で布教活動を行っており、いわゆるキリシタン大名などの日本人のキリスト教信者が複数存在していた。かの織田信長も『南蛮寺』という教会堂を京都や安土に建立している)。
ここは我々の知ってる日本じゃないのかもしれない。
ストーリーは人間の弱さやエゴが盛り込まれた非常にハードな内容である。ライオン丸も毎回絶叫必殺技で怪人を倒してる訳ではなく、怪物を倒す爽快感よりも鬱展開の方が圧倒的に多い。
シリアス過ぎたのか年少層の人気が得られず、途中から新キャラを追加して路線変更をしたものの、全25話で終了した。
ちなみに後番組の「鉄人タイガーセブン」も鬱展開が多い。どうしてこうなった。
あらすじ
戦国時代。西日本の地下に潜む地底帝国マントル帝国は、日本征服を企み地中忍者や怪人を使って数多くの町や村を攻め滅ぼした。
相模出身の忍者、弾獅子丸はマントル帝国に殺された兄の仇を討つために父から学んだ秘術「弾丸(ロケット)変身」を使って正義の使者ライオン丸に変身。生き別れの父を探す志乃と三吉姉弟と共に、マントル帝国を倒すための旅に出る。
登場キャラクター
- 弾獅子丸/ライオン丸
相模国出身の忍者。前作の弾獅子丸とは別人である。ポンチョをまとい、愛馬シェーンに乗る。
マントル帝国に殺された兄の意思を継ぎ、秘術「弾丸変身」でライオン丸に変身。背中に背負ったロケット装置で空高く飛び上がり、降りて来るとライオン丸に変身している(なぜ変身出来るのか特に説明は無い)。このロケット装置が作中で壊れやすいのか、時々機械を整備している。
第11話で兜を壊され、第13話からは兜を取って戦うようになった。しかし、終盤には再び兜を着けている。
「自分の使命は、兄の仇討ちなのか、人を守る事なのか」という葛藤に苦しみ、回が進む毎に陰気になっていく。最終回には遂に、仲間の手助けを断って一人でマントルゴッドを倒した後、生きる目的を見失ってどこかへ行ってしまった。
- 志乃と三吉
姉弟で行方不明となっている父を探し、びっくり号という幌馬車で日本中を旅している。獅子丸とは旅の目的が違うが、道中偶然出会うという形で戦いに関わっていく。
- 黒影豹馬/ブラックジャガー
獅子丸の最初のライバル。秘法「豹変」でブラックジャガーへと変身する(なぜ変身出来るのか特に説明は無い)。
強い者と戦う事に生きがいを感じており、ライオン丸を倒すことに執着する。善人だが金に目がない。後先考えずに行動する性分で、怪人ザグロに殺されてしまう。
- 虎錠之助/タイガージョーJr
獅子丸を変わり者呼ばわりする剣士。「タイガージュニア」の掛け声でタイガージョーJrに変身する。急遽登場が決まったらしく、「快傑ライオン丸」最終回で瀕死の重傷を負った顔色の悪いマスクのままで現れ、後から新調したマスクに変わっている。
ライオン丸に対して「兜で身を守ろうとするな」と、兜を捨てる事を勧めた人物(テコ入れ要員)。
- 七色虹之助
マントル一族と戦っていた、西から来た甲賀忍者。陽気なコメディリリーフで三吉とも仲が良くなるが、後に壮絶な戦死を遂げる。
第9話にて、剣を折られて倒れた獅子丸の元に、前作の最終回で戦死したライオン丸が現れて、金砂地の太刀を託す…
という夢を見た後、獅子丸が目覚めると手元に剣が落ちていた。
- 志津
マントル帝国の地下要塞に住んでいた、志乃と瓜二つの女性。一同を助けた事で裏切者として処刑されるが、死の直前に父の形見「春の短刀」を志乃に託す。双子の姉妹だったと判明し、後に「夏の櫛」「秋の十字架」「冬の太刀」と合わせてマントル一族打倒の鍵となった。
- バードレー
京の南蛮寺(=キリスト教の教会)の神父。「秋の十字架」を持っていたが、詳しい事情を語る前に死んでしまった。演じたのはこの人。
- 勘介
終盤でようやく登場した、志乃・志津・三吉の父親。こんな父親であれば会いたくなかった……
マントル一族
西日本を支配しているという謎の種族。首領マントルゴッドは地面に顔だけを広げている存在であり、怪人や地虫忍者に指令を出す。マントルの地下要塞には、地虫忍者の孵卵器や幼虫が隠されていたので、どうやら人間とは違う生物らしい。
なお、マントルゴッドの顔は「豹マン」からの流用。