概要
主に新潟県に伝承の残る妖怪で、見上げれば見上げるほど大きくなる所謂見越し入道系の妖怪である。
夜中に坂道を登る人間の前に現れ、見上げれば見上げるほど小坊主の姿から巨大な入道の姿に変化し、見上げた人間はあまりの大きさに倒れてしまう。急な坂なら後ろに倒れた時点で大怪我の可能性があるので、傍迷惑どころでは済まされない。
地域によっては食べ物や金品を奪ったり、押し潰したりするなど人に直接的な危害を加える事も。もっとも、後者は誤って自分が谷底に落っこち、人を襲わないと約束する代わりに助けてもらったというオチがついているが。
なお、他の妖怪の例に漏れずこの妖怪を退散させる呪文があり、『見上げ入道見越した』と言うと消えてしまう。
ちなみに伝承に登場する人間の中には棒や杖で戦いを挑んで退治したという猛者もいるとか。お前ら人間じゃねぇ!
つまりは未知の物に対する恐怖感が妖怪として表れたものであり、落ち着いて適切に対処することで退治できる。詳細については次第高を参照。
ゲゲゲの鬼太郎
その姿(上図左)は鳥山石燕による青坊主の画を拝借したもので、妖怪図鑑や水木しげるロードの像などでは、首の長いお坊さんのようなデザイン(同右)となっている。
空気を吸ったり吐いたりする事で自在に体の大きさを変える事ができ、戦闘においては口から吐く突風や空気の糸で攻撃し、逆に相手を吸い込んで丸呑みする。最大の攻撃は口から吐く火炎で相手を霊界へと飛ばして消滅させてしまう『霊界流し(霊界送りとも言う)』。
「大海獣」など、鬼太郎一家の味方として登場することもあるが、同一の個体なのかは不明。
アニメ版
アニメ全シリーズ皆勤賞。そのため名前は知らなくとも、キャラクターとしての姿は知っているという人も多い事だろう。
1話から登場し、自身が封印されていた入道沼を荒らされた事に怒り、工事関係者だけでなく、人間を襲っている光景を目撃していた村上祐子までも吸い込んでいた。また、後に (東映太秦映画村で公開されていたたんたん坊の妖怪城編を含めれば) 幾度か登場し、その際は川津泰彦や郷里大輔が声をあてたこともある。
妖怪学校の校長だったが、妖怪世界にも少子化の波が押し寄せて生徒が集まらなくなったため、人間や動物の子どもを攫って生徒にしようとしていた。ラストで人間の小学校の授業風景を羨まし気に眺めながら「わしも授業をしたいのう」とボヤく姿で締められたように、歴代で唯一悪意のない好々爺じみた性格だが、生徒を妖怪ミキサーでかき回したり、熱湯風呂に放り込もうとしたりと授業内容は超ハード。
2話に登場。五万人の魂を霊界に送る事で無限の力を手に入れ、その力で日本を君臨しようと企んでいた。金塊を餌にねずみ男を利用してアイドル事務所を買収させ、ライブに集まった人々をアイドルもろとも霊界送りで消し去った(ちなみに最初からねずみ男も霊界送りするつもりだったため、与えた金塊は石ころを妖術で変えたものだった)。
その後は肉体を失って魂だけになって彷徨っていたが、名無しの力によって復活。おばけ学校の校長になって同じく復活したたんたん坊一味と組んで、妖怪になれるという触れ込みで勉強嫌いな子供達を集めた。
校長室で、自分の子供が学芸会の主役に選ばれなかったとクレームを付けてきた保護者に「あんたはそうやって子供を自分の思い通りにしたいのか!」「この子の先の人生まで考えるのが親という者だろ!」と説教するなど生徒思いな熱血教師ぶりを見せる。だがそれは全て演技で、子供達を妖怪を造るための材料にするのが真の目的だった。
子供達が必要な人数分集まったところで本性を現し、子供達を妖怪ミキサーに放り込んで分解しようとしたが、変装して潜入していた鬼太郎も混じっていたため失敗する。
鬼太郎との再戦では、霊界を行き来できる鬼太郎に秘儀霊界送りを破られた教訓を生かして、霊界に送らず炎の中に閉じ込めたままにするという新たな戦術で鬼太郎を行動不能にした。
だが「見上げ入道見越したり」の呪文だけは克服できず、再び犬山まなに呪文を唱えられて退治された。
余談
- 6期では「幽霊族は霊界と現世を自在に往来できる」と設定されており、鬼太郎は割りとすぐに戻ってくるが、5期等では幽霊族の御先祖様方とちゃんちゃんこの力が無ければ生還不可能であった。
- たんたん坊と連続する出現は、過去のアニメやゲーム等と関連性がある (たんたん坊の記事を参照)。
妖怪大戦争シリーズ
水木しげるも関係してきた「妖怪大戦争シリーズ」では、『妖怪大戦争ガーディアンズ』のスピンオフ小説『平安百鬼譚』にモブとして登場した。山本五郎左衛門の配下の巨大妖怪軍団の一角として巨大な鵺に対峙した。
関連動画
関連タグ
次第高、のびあがり、見越し入道、高坊主、 高入道、高女、長面妖女:伝承において身長がでかくなる妖怪達。
八尺様、大入道、ダイダラボッチ:こちらは元から大きい妖怪達。