「ブッ壊してもブッ壊しても手を緩めなくて嫌われるグズマがここにいるぜ」
「破壊という言葉が人の形をしているのがこのオレさまグズマだぜえ!」
概要
『ポケットモンスター サン・ムーン』に登場するならずもの集団スカル団のボス。
シナリオ中盤から姿を表し、主人公とも数回に渡って衝突する。
名前の由来はアナナス類(園芸におけるパイナップル科植物の総称)の一種である「グズマニア」と思われる。
人物
「破壊という言葉が人の形をしているのがこの俺様」と称し、「ブッ壊してもブッ壊しても手を緩めなくて嫌われる」とも自負しているが、「グズマさんのためなら本気200パーセントだぜ!」と語るしたっぱもいるように部下からは厚い信頼を寄せられている。
バトルに負けた際には必ず「グズマァ!!なにやってるんだああ!!」と自虐し、怒りを爆発させるなど気性が荒い。
イライラした時に周りの物に八つ当たりする癖があるようで、スカル団アジトの彼が座っていた椅子を調べると殴りつけた跡が無数に残っていることがわかる。
ただし、バトルに敗北しても決して手持ちのポケモンを責めたことはなく、たとえ敵対関係にあろうと他人との約束は守るなど、彼なりの自分への苛立ち、トレーナーとしての矜持が見られる。
かつてキャプテンを志していたが、本人曰く「なれなかった」らしく、数々の大会で優秀な成績を残すほどの高い実力を持ちながらも周囲に認められなかったことが原因で精神的に擦り減っていき、現在のような破壊を好む荒んだ性格になった。
その承認欲求ゆえに自分を認めてくれた人に対しては協力的な一面も持つ。
同じくキャプテンになれなかった者であるククイ博士とは犬猿の仲。
グズマ同様に島めぐりからの脱落によって闇に堕ちたプルメリやしたっぱ達からは素直に慕われており、絶対の忠誠を誓われている。
好物はエネココア。
グズマの実家はメレメレ島2番道路にある。
彼の部屋には沢山のトロフィーが置かれているが、全て銀か銅であり、頂点にはなかなか縁がなかったことが窺える(ただし優勝記念品を所持している為、優勝経験もある)。
父は「子供の旅はうれしいが、飛び出したままなのはいかんです。なのでとっちめてやろう!としたらコテンパンにされましてのう…」と語っている。
また、殿堂入り後にグズマの部屋に行くと彼の母(祖母という説もある)と会うことができ、本編での出来事を経てようやく家に帰ってきてくれるようになったと聞ける。
さらに彼女を通じてグズマから「いばる」のわざマシンを貰える。昔のグズマは「いばる」を覚えたポケモンを大会にエントリーしてはたくさんのトロフィーを貰ってきたらしい。ただし、主人公とのバトルでは「いばる」は使ってこない。
なお、彼女はグズマがスカル団のボスであることは知らない様子でもあり、逆に息子が悪いことに携わっているという噂を聞いても信じなかったほど。
本編での関わり
かつては主人公同様に島巡りをした経験があり(その時の写真がグズマの家にある)、しまキングのハラに師事していたが、ある時ハラの下を飛び出し現在に至る。
そして、島巡りから脱落した者、カプ神から罰を受けたもので構成されるスカル団のリーダーとなり、いつ頃からかは不明だが、グズマはポータウンを完全に乗っ取り、スカル団(とクチナシ)だけの居場所にしてしまった。
主人公とはマリエ庭園で初めて出会い、終始余裕な態度を崩さないククイ博士に詰め寄った挙句「島巡りなんてくだらない」と吐き捨てて勝負を挑んでくる。
2度目の対決は子供たちのポケモンを取り返すべく向かったポータウンのスカル団アジト。この時、グズマに会うにはアジトに落ちているスカル団今月の合言葉をしたっぱに答える必要があるが、最後の問いはちょっとした引っ掛けになっている。
グズマに勝利すると横にある大量のZクリスタルの山からムシZが入手できるため、主人公にとってこのポータウンでの戦闘は、事実上むしタイプのキャプテンによる試練のような立ち位置である。
なお、このムシZの山はしたっぱ達が彼のために島中から掻き集めたものらしい。
また、エーテル財団代表ルザミーネと協力関係にあり、援助を受けていた様子。
流石のグズマも彼女には頭が上がらないようで、ウルトラホールの開放の際にも援護を任され、UB捕獲のためにウルトラスペースまで付き合わされたりとかなり振り回されていた。
主人公とリーリエが伝説のポケモンの力を借りてウルトラホールに飛び込んだ際には、ウツロイドの神経毒への恐怖からすっかり弱気になってしまった様子で、そのせいでルザミーネから見放されてしまった。
とはいえ、その後ハプウから指示を受けたこともあるが騒動収束後に衰弱したルザミーネを連れてポニの大峡谷を下山している。
殿堂入り後、彼の家に訪れると勝負を挑まれる。
グズマは自分なりのケジメとしてスカル団を解散しており、ハウオリシティの海岸でのバトルでは、実際にこの戦闘時の肩書きも「ポケモントレーナー」となっている。服装もスカル団に関する装飾が取り外されており(首飾りが外れ腕のペイントが消え、ジャケットのマークも×印で消している)、また片側だけ歪んでいたサングラスが両方円形になっている。BGMもこれまでの専用BGMではなく、アローラ地方トレーナーの汎用BGMになる。
対決後にハラが現れ、相手を壊すことではなく活かすことの大切さを指摘され、再び彼の教えを受けることを選んだ(別れ際にかつて優勝した記念として持っていた「めざめいし」を譲ってくれる)。
その後はムーン版でのみバトルツリーにも現れ、パートナーにすることもできる。
なお、バトルツリーでの戦いは、なぜかこちらが勝ったのに「そんなもんか チャンピオン!」と呆れられる台詞を吐かれる。負けたときの台詞と間違えて導入されたのだろうか。
ウルトラサン・ウルトラムーン
ポケモンUSUMでは最初のマリエ庭園でのバトル後ハウとの会話が追加されている。かつての師ハラの孫であるハウとは以前から面識があったようで、ハウからはさん付けで呼ばれている。
ハウに対し思うところがあったようで「しまキングの孫だからといって島巡りをする必要はない、こなしたってほしいものが手に入るとは限らない」と忠告している。
以降の展開はほぼ同じだが、ルザミーネの目的がSMから変更されているため、ウルトラホールの先の世界へはネクロズマを倒すという理由で向かっている。その後、ルザミーネともどもすぐにネクロズマに退けられてしまった。
ネクロズマの事件後はマツリカの試練に挑む最中で再会し、ねばりのかぎづめをくれる。このときもハウと会話があり、グソクムシャの話などをしてくれる。
殿堂入り後は再戦とハラとのイベントはなくなったが、歴代の悪の組織ボスが登場する「エピソードRR」では主人公の味方として参戦。
レインボーロケット団のしたっぱからは「思想も理念もないハンパ者」と罵倒されるも、本人はそれを認めた上で「だがな!ゆずれない…かけがえのないものも持ってんだ!」と己の信念を語り主人公とのタッグバトルとなる。
その後先に進む方法を別のしたっぱから聞きだし、このとき両手でしたっぱ二人の口を押さえしたっぱがもがもがあがくという構図になるのだが、聞きだした後もこの状態なためかなりシュールなものになる。
事件解決後にはチャンピオン防衛戦にも登場する。
また、シナリオクリア後にグズマの母親から「いばる」のわざマシンを貰えるのは変わらないが、父親に話しかけた際のセリフが「ポケモン勝負でコテンパンに……」と、グズマの成長を父親が実感するようなセリフに変化している。
手持ちポケモン
悪の組織のリーダーにしては珍しく、ロケット団のサカキ以来となるタイプ統一のメンバー。
むしタイプのポケモンを中心とした構成であり、高い防御力と強力な先制技を持つグソクムシャが主力。
なお、ムーン限定バトルツリーのレパルダス、ドンカラス、キリキザンを除けばあくタイプは使用しておらず、これまでのボスとは異なる。
また戦闘中はヤンキー座りをしながら指示を出す。
ちなみに使用しているボールは四天王やほぼ全てのキャプテン同様ハイパーボール。もともとキャプテンを目指していた過去やスカル団がしまキングを中心とした組織であった事を考えれば妥当だと言える。
サン・ムーン
回数 | 手持ち |
---|---|
1回目 | グソクムシャ(Lv.31)、アリアドス(Lv.30) |
2回目 | グソクムシャ(Lv.37)、アリアドス(Lv.36) |
3回目 | グソクムシャ(Lv.41)、アリアドス(Lv.40)、アメモース(Lv.40)、カイロス(Lv.40) |
4回目 | グソクムシャ(Lv.63)、アリアドス(Lv.63)、アメモース(Lv.63)、カイロス(Lv.63)、ハッサム(Lv.63) |
バトルツリー | グソクムシャ、ドンカラス、ドクロッグ、レパルダス、キリキザン、ドヒドイデ、カイロス(メガカイロス) |
1回目はマリエ庭園での戦闘。これまでの試練を突破した実力ならそこまで苦戦することは無い。ただし先鋒のグソクムシャはタイプ一致の先制技「であいがしら」を放ってくるため、耐久が低い、もしくはむしタイプが弱点のポケモンならば変えた方が良い。グソクムシャは耐久が高く、1発で仕留められない場合は「ききかいひ」の特性で逃げられてしまうため、であいがしらは1回のバトルにつき2度放ってくると言っても良い。
もしアメモースの速攻が心配なら、「ビビりだま」を「いかく」に反応させて素早さを増強すればよい。
ちなみに手持ちポケモンのタイプによってはつるぎのまいをしたものの、ききかいひの特性で逃げて台無しになるという失態を犯すこともある。
2体目のアリアドスは「ふいうち」・「かげうち」と先制技を2つもそろえているため、エスパータイプで挑むのは危険。2回目は初回戦闘の注意を払えば問題ない。
3回目はアメモースとカイロスが追加。特攻と素早さが強化されたアメモースの「エアスラッシュ」に注意。
手持ちが一気に増えた上にレベルも相応に上がっているため、各ポケモンへの対処は間違えないように。
4回目は殿堂入り後に彼の実家に行ってイベントを済ませると戦うことが出来るようになる。
再戦条件が簡単な割にレベルが強化四天王並なため、殿堂入り直後に挑むと結構危険。
ここでの全滅報告も結構上がっているため、ちゃんとレベルを上げておくか有利タイプを用意すること。
バトルツリーではどくタイプやあくタイプなど、歴代の悪の組織ボスがよく使うタイプも手持ちに加えており、ストーリーでは使わなかったZワザだけでなくメガシンカも使ってくる。全体的に特殊耐久が低いパーティなので、特殊技メインで攻められるとベター。
ウルトラサン・ウルトラムーン
回数 | 手持ち |
---|---|
1回目 | グソクムシャ(Lv.34)、アメモース(Lv.34) |
2回目 | グソクムシャ(Lv.41)、アメモース(Lv.41)、カイロス(Lv.41) |
3回目 | グソクムシャ(Lv.45)、アメモース(Lv.45)、カイロス(Lv.45)、クワガノン(Lv.45) |
チャンピオン防衛戦 | グソクムシャ(Lv.68)、アメモース(Lv.68)、カイロス(Lv.68)、クワガノン(Lv.68)、ハッサム(Lv.68) |
アリアドスが外され最初からアメモースが入り、更にクワガノンが新規に加えられている。
チャンピオン防衛戦にも出るようになったが、アローラの四天王は3人ともむしタイプ半減のタイプの使い手、かつ2人はタイプ一致で弱点を突いてくるという、むしタイプの使い手としてはかなり厳しい環境下だったりする。そんな四天王戦を突破してくる辺り、彼の並々ならぬ努力が感じられる。
バトルツリーの手持ちはムーン版と同じ。
余談
- コラ
前作のボス同様に、早速グズマの公式イラストがコラで遊ばれている。
というのも公式イラストのポーズが誰かに物や席を譲ったり、握手を求めているようにしか見えない人が続出。
Twitterなどでクソコラグランプリのような事態が起こり、自称「破壊の権化」は「実は優しい系ヤンキー」と扱われるようになってしまった。
…が、ゲームではそんな事はなく立派にヤンキーであった。
- 年齢
作中の描写における彼の内面やククイ博士より同年代もしくは年下と思わしき様子から、年齢は20代の可能性が高い。
キャプテンを諦めたことから10代ではないだろうが、実家を出奔し定職についてもいないグズマを両親が少し心配しつつもそこまで気に病んではいない描写から、おおよそ大学生ぐらいの年齢かもしれない。因みに英語版シナリオではルザミーネから「Boy」と呼ばれている。
ククイ博士は同期であるマーレインを呼び捨てであったのに対し、グズマのことは君付けで読んでおり(マーレインに関してはプルメリにおっさん呼ばわりされていた)、グズマはククイ博士をあんたと呼び、態度も普段と違っていた為、ククイ博士やマーレインより年下であると思われる。
歴代悪の組織のボスの中ではスター団に次ぐ年少という可能性もある。
ちなみに年齢が明確なボスは27歳のアカギ。
- BGM
ラップ調のボイスが入ったダウナー系のBGM。悪の組織のボスらしい、ある種ゲーチス音頭にも通じる不気味で重々しいサウンド。
実は後半の1フレーズにエーテルパラダイスのBGMがさりげなく組み込まれており、グズマと財団の関係を伏線として匂わせていた。
- グソクムシャ
最初のバトルから手持ちにおり、一貫して先発であり、かついずれも最高レベルであることからグソクムシャがグズマの切り札であるものと思われる。
サンムーンのエンディングの挿絵としてグズマとグソクムシャのツーショットがある。
ウルトラサンムーンでは島巡りに出る前からの大事な相棒と語っており、スカル団でグソクムシャに勝てるやつはいないと豪語している。他の手持ちも島巡りで出会い鍛えぬいたらしい。
pixivにおいても相棒のように扱うイラストは多く、よく一緒に描かれている。
「グズマと言えばグソクムシャ」「グソクムシャと言えばグズマ」という連想をしてるプレイヤーも多い。
- クワガノン
ウルトラサンムーンにて、アリアドスと入れ替わりに加入している。そして、このクワガノンはかつて、グズマが島巡りをしていた時の手持ちの一匹と考えられる。
(クワガノンに進化させるには島巡りの道中にあるポニ島やホテリ山に行く必要がある)
- むしタイプ使いとして
そのタイプとしての弱さから序盤ジムリーダーが多いむしタイプ使いの中で、四天王のリョウと並ぶ強者である。素の実力はかなり高いことから「むしタイプ以外を使えばキャプテンになれたのでは」と言われることもあるが、上述のグソクムシャへの愛を見ればそこを否定するのはお門違いというものであろう。
考察
発売前は、スカル団が歴代組織と比べて小規模であること(今までがマフィアや宗教団体のような集団だったこともあり「地元の不良」と称されていた)と、エーテル財団のあまりの怪しさ(実際大半の予想通りだった)から、最終的に主人公サイドと共闘するのではという予想もあったが、本編でのグズマはまごうことなき悪役である。
ただし、ポケモンを道具扱いするようなことはしていないようで、主人公との勝負に負けた際には、奪ってきたポケモンを解放するようしたっぱに指示する姿も見られた。
後のウルトラサンムーンでは実際に共闘することとなった。
グズマは誰からも認められなかったというプルメリの発言、グズマの母は息子が悪事に携わっていないと信じ切っているほどであることから、自分に対する怒りを爆発させるグズマの発言も、見方を変えると自分の実力をキャプテンという形で認められなかっただけでなく、母をはじめ周囲からの期待・信頼に応えられなかった自分への苛立ちがあり、それゆえに両親との間に溝ができたと思われる。
スカル団の構成員は、島巡りから脱落した者、もしくは心の弱さを見抜かれてカプたちから罰せられた者たちであり、よく見るとコラッタやスリープなど、序盤で捕まえられるポケモンかその進化形ばかりを使っていることが分かる。
グズマの手持ちが全てむしタイプなのも、むしタイプのキャプテンを目指していたが故にだと思われる。
島巡りを諦めた者全てが悪に堕ちるわけではないが、脱落したことで自信を喪失した若者(例としてゴミ処理場の社長の息子など)が少なくないのも事実である。グズマの破壊衝動もまた、島巡りという通過儀礼(全ての人が行うわけではないが)から脱落したことへの挫折感や社会からの疎外感といった、やり場のない感情に由来すると思われる。
グズマをはじめとしたこうした人々の存在は、主人公たちが目にしている出会いや成長、希望といった光に対する、ポケモン世界の影の側面を表しているともいえる。小説版でもポケモントレーナーの負の部分が描かれていたので、クローズアップされていないだけで、スカル団のような不穏分子(例えば歴代の“暴走族”)は他の地方にもいるのかもしれない。
誰からも認められず、キャプテンにも成れなかった惨めな自分を、形はどうあれ認めてくれたルザミーネに思うところはあったようだ。
事実、グズマはウルトラスペースにおいて、自身の肉体がウツロイドに寄生されていく感覚に恐怖したが、この時、ウツロイドに心奪われるルザミーネを連れ出そうと試みている。また、彼女の息子であるグラジオに対する扱いも丁重なものであった。
利害の一致という側面もあったのだろうが、誰かに認められたいという強い承認欲求を持つが故に、全てを包み込むような母性愛を持つルザミーネに惹かれたと思われる。
プルメリも、グズマは自分を認めてくれるルザミーネが好きなのだという旨の発言をしている。
前述の通り、グズマはウツロイドに寄生されてしまったが、その後の描写を見る限り悪影響は全く見られない。むしろ明らかに人間的に丸くなっている。これに関し、本来自我を解放させ暴走させるというウツロイドの神経毒が、グレる前のグズマの純粋な人格を呼び起こしたのではないかという見方もできる(マイナスにマイナスをかけたらプラスになるという理屈)。
ちなみに、名前の由来にもなった「グズマニア」の花言葉は「あなたは完璧」。
周りに認められず、輝くこともなく挫折を繰り返し、周囲の物や自分自身に八つ当たりを繰り返すグズマに対しては、あまりにも痛烈な皮肉である。
アニポケ
CV:加瀬康之
「サン&ムーン」115話で初登場。したっぱが1話から登場しているのに対し2年以上遅れての登場となった。
アニメ版での立ち位置や性格はおおむねゲーム版と同じ(ただし、エーテル財団やグラジオとは一切関わっていない)。
ゲーム版で本人が口にしていた「ブッ壊してもブッ壊しても手を緩めない」「破壊という言葉が人の形をしている」といったフレーズは下っ端のグズマに対する台詞となっている。
初登場のサブタイトルは「破壊の帝王 グズマ」で、したっぱからは「キングオブアウトロー」とも称されている。
ククイ博士が発表したアローラ初のポケモンリーグ開催を知ると、ポケモンスクールに現れククイに対しリーグを潰すと宣言し、彼の同居人として反発するサトシとも因縁を作る事に。スクールを立ち去る直前、ククイに「お前はまたそうやって逃げるのか」と忠告されて動揺を覚え隠す。
その後、自らポケモンリーグに出場してハッサムで予選のバトルロイヤルを突破し、本線1回戦ではイリマのメガガルーラに対し、「ハッサムと親ガルーラとの間に子ガルーラを誘い込むようハッサムを立ち回らせる」というアニメならではの対処法を見せ、優勝候補と目されていたイリマに勝利した。
2回戦ではスイレンと対戦。「グソクムシャの焦らずのじごくづきでアシレーヌの歌声を封じ込む」という対処法で、アシレーヌを易々と圧倒し、Zワザの「わだつみのシンフォニア」も、怒りと嫉妬のアクアブレイクでねじ伏せ勝利する。
こうしたダーティーで対戦相手を軽くあしらうような戦い方から、殆どの者には勝っても悪い評価を下されがちだが、バトルでの不正は決して行わず、相手を陥れるような言動とは裏腹に相手を倒すために相手の勝ち筋を的確に潰しておくなど、よく言えば用意周到悪く言えば逃げてばっかりとも取れるもので、ククイとの決着とリーグ破壊の手段も「自分が大会で優勝する」という一石二鳥のものである等、ゲーム同様案外律儀な面があり、一部には彼を弁護する声もある。
続くサトシとの準決勝では、堅実に一進一退の攻防を進めるが、ニャヒートの奮闘に臆したグソクムシャが勝手に「ききかいひ」を発動した事で、代わりに出されたハッサムが炎技の直撃を喰らい瞬殺されるという失態が発生。
茫然自失のショックを受け、グソクムシャを叱り飛ばしニャヒートを倒させるが、続くピカチュウにはアイアンテールで防御のバランスを崩れされる形で追い詰められ動揺が再発。サトシの目からククイに嫉妬した過去を思い起こして「負けるくらいなら下っ端達をリーグで暴れさせてやろうか」と自棄になりかけた矢先、「スパーキングギガボルト」を放たれる。
最早これまでかと思われたが、何とグソクムシャは上記の自責から死に物狂いで耐えてみせた。そして、闘志に燃える目でグズマへ振り返る。
いつの頃からか負けるのが怖くなって、「勝てる試合しかしなくなった」自分とグソクムシャ。相棒の目に感化されたグズマは、ククイの忠告を思い出す腹の底から声を振り絞って叫んだ。
「なにやってるんだああ!!グズマァ!!」
必勝の強迫観念から解き放たれ、「行けるとこまで行ってやる」という純粋な思いで全力の戦いに挑み、最後は一騎討ちの末敗北。しかし先程まで負ける事に怯えていたものとは一変、どこか清々しい表情で、グソクムシャにも辛く当たった事を謝った。
サトシだけではなくグズマにも盛大な拍手が送られる中で黙って会場を立ち去り、待ち構えていた下っ端達に、もう無敗の帝王じゃなくなったから辞めると告げる。
しかし下っ端達は大感激した様子で、自分達にもバトルを教えてほしいと懇願する。彼らにとってグズマは、行き場のない自分達に「スカル団」という居場所を作ってくれた恩人でもあるのだ。
プルメリ「そろそろスカル団も、次の一歩に進んでいい時期なんじゃない?もちろん、あたいもついていくよ。いいだろうグズマ?」
プルメリと下っ端達の言葉を受け取ったグズマは、元気を出して彼らと共に、新しい一歩へと向かって駆け出すのだった。
最終話となる146話では、下っ端達にポケモンバトルの稽古をつけている様子が描かれている。
新無印112話のアローラチャンピオン凱旋のバトルロイヤルでは下っ端とプルメリと共に観戦していた。
- 髪色
現在は白髪だが、数年前(及び回想シーン)は黒髪だった。白に染めた理由は未だに不明で、「ストレスで白に染まった」又は「ヘアサロンで自ら染めた」とファンの間で推測されているが、公式からの返答はされていない。
- ククイ博士との関係
ゲーム版と同じく、関係性はとてもギクシャクしている。ハラはグズマがククイと口論して脱走した過去を説明した。ただ、決してククイはグズマを見限ったわけではなく、脱走の原因に関しては「自分に責任がある」と口述していた。グズマがリーグ会場を出る時にククイは「次のリーグも待っているぞ」と声かけしていた為、グズマとの関係を修復したい気持ちはあるようである。
ちなみに、ククイは幼少期の姿がアニメで描かれていたのに対して、グズマは幼少期の姿が描かれていない為、結局ゲーム版でもアニメ版でもハラの弟子になる以前の両者の出会いは一切不明なままである。
アニメの手持ちポケモン
- グソクムシャ
グズマのパートナーポケモン。両腕の盾の防御力は非常に高く、相性が悪いピカチュウの電撃や水タイプ同士のアシレーヌのこごえるかぜを易々と耐え抜き、Zワザやアクアジェットも受け流すなどかなりの強さ。
一方、図鑑説明通り臆病な面もあり、サトシとの初戦では「ききかいひ」でボールに戻ってしまい、グズマは「お前らが弱すぎてグソクムシャが興味なくした」とごまかして勝負を打ち切った。
使用技は「であいがしら」「ミサイルばり」「アクアブレイク」「どくづき」「じごくづき」。ミサイルばりは背中からロボットアニメのように射出し、アクアブレイクは水の刀で攻撃している。
尚、演出上仕方無いとはいえアニポケにおける「ききかいひ」のシステムは博識なはずのリーリエやロトム図鑑ですら認識しておらず、おまけコーナー「ポケもんだい」にてククイ博士から軽く触れられた程度であった。
- ハッサム
バトルロイヤルではジャラランガを倒し、イリマ戦では「グロウパンチ」で攻撃力を上げながら戦うメガガルーラの攻撃を耐え抜いて、グズマの作戦と通りに倒すなどこちらもかなりの強さを誇る。
使用技は「バレットパンチ」「シザークロス」「こうそくいどう」「とんぼがえり」。
他媒体
ポケモンマスターズ
CV:菊地達弘
グソクムシャをバディとして登場。
実装時にはエピソードイベント「スカル団の特訓記録」が開催された。
後に開催されたルザミーネ達一家のイベント「団結!リーリエ一家!」のサブエピソードにて登場。
ルザミーネ一家とすれ違う際に一瞬(特にグラジオが)不穏な空気になったものの、ルザミーネが息子を制したことで争いは起こらなかった。
その際にルザミーネに「昔と変わった。今の彼女の方が子供達と幸せに過ごすには良い」と好意的な言葉を投げかけ、らしくないと自身を叱咤しつつ去っていき、ルザミーネからグズマ自身も良い方向に変わったようだと思われていた。
ゲーム上の性能としてはトレーナー技「破壊してやらぁ!」でわざゲージを消費して自身のこうげきとぼうぎょを最大4段階まで上げられる(2回使用すると最大まで上げられる)、急所率を2段階上げられる「クリティカット+」を揃えているなど、自己バフが優秀な物理アタッカーである。
またこうげきのステータスは437と全バディーズでも上位の高さを誇り、ぼうぎょも204とそこそこ高い。
本編におけるグソクムシャの代名詞ともいえる「であいがしら」も勿論搭載しており、自身が場に出た最初の行動でのみ威力240の強力な一発を叩き込むことができる。
また、バディストーンボード(以下BSB)では登場した際に自身を次回急所状態にする「登場時次回急所」のスキルを獲得すると「であいがしら」を確実に急所に当てることができるのも魅力。
だが、「であいがしら」を使用する際にはトレーナー技やどうぐの使用も含めてグズマ自身は一切の行動をしてはいけないので、こうげきを上げられるサポートと組んだ上で放つのがベスト。
また、ソロだと1回きりしか使えない「であいがしら」を使ったあとは通常技が連続技故に単発威力は19と低く、BSBで特化させても23にしかならない「ミサイルばり」頼みになってしまうという弱点がある。
「ミサイルばり」の命中回数はわざレベル1〜2だと安定しないが、わざレベル3にして「連続技回数最大化」を取れば安定して5回まで当てられ、実質上の威力も19×5=95(特化していれば23×5=115)にまで上げることができる。
また、通常技の不安定さを加味してかバディーズわざ威力を+25するパネルは4枚とほかの大多数のバディーズに比べて多く、急所に当たった時に威力が1.2倍になる「B技急所時威力上昇2」のパネルも備えているため、急所に当てればバディーズわざで高火力を出せる。
とはいえ物理と特殊である程度の棲み分けはできているが、むしアタッカーにはむしタイプにタイプチェンジした「はかいこうせん」を主武器とし、「相手特攻↓分B技威力上昇」で条件を満たせばバディーズわざの威力を2倍にまで上げられるアデク&ウルガモスがおり、その火力と比べるとステータスを鑑みてもバディーズわざ、通常技ともに若干の火力不足は否めない。
ツクシ&ストライクやクチナシ&ペルシアンなどといったバディーズで相手のぼうぎょを下げて、より大きなダメージを与えられるようなサポートが必要。
また、アデクもグズマもバフが完全に自己完結していてサポートの負担が少なくて済み、むしタイプのタイプスキルを共有することで火力も上がり、ゲージの重いアデクとゲージの軽いグズマでは噛み合わせとしても悪くないためどちらかをサブアタッカーに据えた2アタッカー編成で同時採用するのもまた一興と言えよう。
☆6EX強化を実行するとグソクムシャのような藍白のパーカーやジャージに紫のインナー、緑のネックレスやサングラスといった装いに変わる。
- スペシャルコス
2021年10月29日開催のスペシャルコスイベント「激突! ポケモン合戦!」ではマッシブーンをバディとして登場。翌月11日にシーズン限定バディーズサーチで実装となった。
衣装はマッシブーンの肉体を思わせる真っ赤な甲冑に身を包んだ和風の武者スタイルで、西洋鎧の騎士スタイルのカルネとは対照的なものとなっている。
性能としては新要素「次回物理技威力ブースト」を引っ提げ、4ゲージで威力237の「ばくれつパンチ」と3ゲージで威力148の「アームハンマー」というゲージ消費の重い強力な技2つで大ダメージを狙うかくとうタイプの物理アタッカー。
トレーナー技「手は緩めねぇ!」で自身の急所率とこうげきを一手で最大まで上げられる完全自己完結型アタッカーで、編成の自由度が高く動き出しも早い点も魅力的。
「ばくれつパンチ」は命中50、「アームハンマー」は命中90とどちらも命中率に不安を抱えているが、外してしまってもパッシブスキル「失敗時物理ブースト3」で次回物理技威力ブーストを3段階上げ、次の攻撃の火力を底上げする。
この次回物理技威力ブーストは1段階上がるごとに元の威力の40%分威力が上昇し、最大で10段階の400%上昇にまで跳ね上がるというもの。
10段階目の「ばくれつパンチ」はバディーズわざ後の次回抜群威力上昇も加算されて実に40000超えのダメージを叩き出す。
いくらなんでもオーバーキルである。
命中不安でゲージの重い技を外すことが前提という性質上安定性には欠け、1回外しただけでも上昇値は120%と充分な火力になるためただ相手を倒したいだけであればそこまで追い求める必要はないが、条件を満たせばただでさえ強力な「ばくれつパンチ」が元の5倍にまで跳ね上がるため、その破格の超火力を引き出すこともまた楽しみになる言わばロマン砲なのである。
さらにバディストーンボード(以下BSB)で獲得できる「攻撃↑分B技威力上昇」や「相手混乱時B技威力↑」のスキルで、バディーズわざにはブーストこそ乗らないもののポテンシャルを除けば最大3倍の補正がかかるため安定して火力を出す手段もある。
先述のトレーナー技「手は緩めねぇ!」で一手でバディーズわざの火力上昇条件を満たせる上に、BSBで「攻撃ダウン無効」も獲得できるため火力が落ちる心配もない。
また、パッシブスキル「初B技後次回抜群威力↑」でかくとう弱点の敵が相手ならバディーズわざ後の攻撃がより火力を増す。
バディーズわざに乗らない次回物理技威力ブーストは持ち越しになるため、たとえバディーズわざが急所に当たらずセンターの敵が耐えたとしてもブースト+次回抜群威力上昇の超火力があればなんの心配もなくぶっ飛ばすことができる。
レアリティが ☆6EXになると甲冑が色違いのマッシブーンを思わせる緑色に変化する。
ポケモンカードCM
ポケモンカードゲームのCMにてなんと実写化されて登場。
着ぐるみピカチュウを相手にスカル団一同でダンスバトルを繰り広げており、グズマはブレイクダンスを披露していた。
演じたのはダンサーのManny Tsakanika氏。
関連イラスト
関連タグ
他のむしタイプの使い手
ツクシ リョウ(トレーナー) アーティ ビオラ(トレーナー) カエデ(トレーナー)
似ているトレーナー
- ハーリー:ある1人の人物への恨みを目論む男性トレーナー繋がり。劇中では後半から登場して最後に更生する点と手持ちにむし複合(アリアドス)とあく複合(ノクタス)がいる点が同じ。
- カゲツ:ヤンキーから更生したトレーナー繋がり。専門のタイプ(あくタイプ専門)を使う点が同じ。
- ビート:グズマと同じくゲーム版における悪の組織の親玉に関わっていたトレーナー繋がり(立場は主人公のライバル)。「途中でその親玉に見捨てられるが、後々更生する」という所が同じ。さらに、どちらもタイプ専門のトレーナー(フェアリータイプ専門)で手持ちにはがね複合(クチート)がいる点も類似している。
歴代の悪の組織ボス