「愛おしい ポケモンたち……わたくしが 守ってあげます 深い 深い 愛で……」
概要
ゲーム『ポケットモンスター サン・ムーン』およびマイナーチェンジ版『ウルトラサン・ウルトラムーン』に登場するキャラクター。
名前の由来は恐らくホウセンカのドイツ語名「Balsamine」。
人物
アローラ地方で活動する「エーテル財団」の代表を務めている人物。
若々しい容貌を保つ女性だが、本人曰く「これでも40は超えている」とのこと。
代表ながらも自ら保護区へ赴き、スカル団にやられたポケモンや傷ついたポケモンたちに母のように惜しみない愛情を注いでいるなど、「女神」や「慈母」という言葉がよく似合う大らかで穏やかな心優しい人物。
職員によると、彼女はエーテル財団を設立した父親の跡を受け継ぐ形で代表を務めるようになったらしい。 職員や他のトレーナー達からは厚い信頼を受けている。
主人公達と共にウルトラビーストの一種・ウツロイドを目の当たりにした後は、ウルトラビーストが異世界から迷い込んだと考えて同情し、彼らも保護するため準備を進めるように考え始める。
その素性
「たとえ 自分の 子供でも! どれだけ わたくしを 慕っていても!
珍しいと される ポケモン だとしても!
わたくしが 愛を 注げる 美しい もので なければ ジャマでしか ないのです!」
実はエーテル財団の代表を務める傍ら、エーテルパラダイスから出奔したリーリエと彼女が匿っていたコスモッグの確保をスカル団に依頼していた。
すなわち彼女こそが事実上の真の悪の組織のボス、つまりスカル団の実質的な黒幕であり、グズマは彼女の都合のいいように利用されているだけであった。
その本性はわがままかつ自分勝手で自分が欲しいものはどんな手段を使っても手に入れようとし、興味を失えば平気で捨てようとする(ただしこれが本当の意味での"本性"と呼べるかどうかは疑問が残る。詳細は後述)。
また、自分の気に入ったポケモンは氷漬けにしてコレクションにするなど常軌を逸した行動まで取っている。
ウルトラビーストに対して歪んだ愛情を抱いており、スカル団の協力でコスモッグを奪還した際は、その能力を利用してウルトラホールをこじ開けてビーストを招き、異世界に迷い込んだビーストたちを閉じ込めるのは可哀想だからとアローラ地方で暴れさせようとしていた。
ウルトラホールの解放を主人公に邪魔されそうになった時には、まるで駄々っ子のようにゴネる幼児性を見せる。さらにウツロイドを捕まえようと向かった先のウルトラスペースではそこを「わたくしとビーストだけの美しい世界」と呼び、危険を感じて元の世界に帰ろうと提案したグズマをあっさりと切り捨てたあげく、「わたくしは!わたくしの 好きなものだけが あふれる世界で 生きるの!」と娘のリーリエに向かって叫ぶ有様だった。
その後、ルザミーネはウツロイドと融合し、主人公に戦いを挑むが敗北。伝説のポケモンの力によってウツロイドと切り離され正気を取り戻すが、ウツロイドの毒に侵された影響で身体の完全な回復には至らず、リーリエはその治療法を探しにカントーへ旅立つことになる。
ウルトラスペースから帰還した際グズマがハプウに「ご婦人をお連れしろ」と言われ、搬送はグズマがハプウのバンバドロと共に行った。自分がいいように利用した挙句、興味を失い、見捨てたスカル団のボスに助けられるのは何とも皮肉である。
ストーリークリア後、ラボAにいる職員からいでんしのくさび、いましめのツボ、こころのしずくをもらうことができる。
これらの道具をエーテル財団が持っているのは、その職員曰くルザミーネはあわよくばこれらの道具と関係のある伝説のポケモンをも自分のコレクションにしようと考えていたからとのこと。
豹変の理由について
ルザミーネがなぜ豹変したのかは劇中では語られない。
ナッシー・アイランドのイベントにて、リーリエが「映画の真似をして雨の中で歌っていたら母も飛び出してきて一緒に踊り、後に熱を出して一緒に寝込んだ」と思い出の中の楽しげな姿を語っていることから、かつては優しい母親だったことが窺える。
しかし、次第にウルトラビーストに夢中になっていったとのことから、グラジオが言う「飾りとしていつも選ばれた服で言われたとおりに振る舞う」ことを子供たちに強いるようになったのもその頃からだろうと思われる。
リーリエとグラジオが思うところはあれども家族としての情を捨てきれない点を見ると、ルザミーネは家族に確かな愛情を注いでいたことが推察できる。
ルザミーネがウツロイドやウルトラホールにこだわり暴走した理由について、グラジオは行方不明となった夫への想いゆえであればと希望を述べている。
グラジオとリーリエの父親はウルトラホールとウルトラビーストの存在を発見したが、ウルトラホール接続の実験中に消えてしまい、後にはウツロイドの資料と弱ったコスモッグが残されていたのだという。
これに関連して、空間研究所の研究員からは「かつてモーンという名前の博士がウルトラホールに関する研究を行っていた」という話が聞ける。
ウツロイドには「神経毒で自我を開放させ、宿主に自らを守らせる」という習性があること、ウルトラビーストへの対抗手段を開発していながら作中ではウルトラビーストと敵対する意思を一切見せず、むしろ保護しようとしていることなどから、ルザミーネはウツロイドに寄生され、ウツロイドの毒によって性格が歪められていたのではないかという説がある。
ウルトラホール研究のきっかけとなった夫の存在や失踪がルザミーネ自身の口から劇中では全く語られていないこと、反発し計画の邪魔をしたとはいえ娘と息子であるリーリエとグラジオの前で「そんなくだらないこと(家族関係であること)どうでもいいの!」や「あなたたち(リーリエとグラジオも含む)はどうでもいいのです!」と激昂しながら発言していること、ホールを開く最大の目的がビースト捕獲やビーストを呼び寄せることになっている点など、ウルトラビーストに異常に固執している様子からその可能性も考えられる。
ただし、ストーリー中で保護区にウツロイドが出現したときは「あなたが...別世界の...?」と、初めて出会ったような反応をしているため、もしこのイベントより前にルザミーネがウツロイドと出会い神経毒に侵されていたとすれば発言に矛盾が生じてしまう。
(いくら神経毒が強力と言っても、過去に一度受けただけで数年間ずっと暴走状態が続くものだろうか?という疑問もある。)
そもそも寄生とは「ある生物が他の生物の体表に付着または体内に侵入し共生すること」であるため、もし保護区で会う前にすでに寄生されていたのなら寄生したウツロイドはルザミーネの傍にいるのが自然であると考えられる。
そのため、「全ては夫が失踪してしまったショックで心のバランスを崩したためであり、常軌を逸した行動や発言も強い母性愛や庇護欲が歪んでしまったせい」という、ウツロイドの神経毒は全く関係ないという考察もある。
実際作中でも夫が居なくなってしまってから性格が変わったと言われており、またルザミーネはウツロイドが現れるより前に「アローラから遠く離れた世界にいるポケモンさえもわたくしが愛してあげるの」と発言しており、前々からウルトラビーストの存在そのものを愛する対象として見ていた節があるため、実際にウツロイドを目の当たりにしてその意識が加速したとも取れる。現れたのが夫の失踪時に残されていた資料に記されたウツロイドであることも、その暴走に拍車をかける一因だったかもしれない。
神経毒が関係ない場合にウルトラビーストへの対抗手段であるタイプ:ヌルを開発しながらもビースト保護の考えに至った理由としては、タイプ:ヌルの計画が失敗に終わったこと等から現実逃避的に愛情を注ぐ方向に一転した可能性が考えられるが、あくまで推察の域である。
また、夫の失踪により心が歪んだこと、娘と息子が自分のもとを離れ裏切られたと感じ愛を注ぐ対象が減ったことに加えて、ウツロイドを捕獲した際に神経毒を受けたことがとどめとなりウルトラスペースでの過激な言動に繋がったのではという複合的な見方もある。
どちらにしても、彼女の背景については作中の要素から推測するしかないため様々な考察が存在するのが現状である。
作中の発言について
ウルトラスペースにてリーリエから傲慢さを非難された際にルザミーネは、一切悪びれもせず「トレーナーも使えないポケモンは好き勝手にパーティから外すでしょう?」とプレイヤーにとっては痛いところを突いてくる。
ゲームの仕様上とはいえ、性格・個体値厳選のためにタマゴを大量に作り出しては逃がしたり見向きもしないプレイヤーがいることも事実ではある。
とはいえ、ポケモンに対して育成途中で愛着が湧くプレイヤーが多いのもまた事実であり「パーティから外す」という行為に関しても、ポケモンのことを理解してるが故バランス等を考えて適宜手持ちを入れ替えるなど、ルザミーネの言う「使えないから外す」とは全く異なる意図で行うこともある。好きなポケモンのために努力したり、はたまたポケリフレで一緒に遊ぶ等、ポケモンとの関わり方はプレイヤーにとっても多種多様にある。
そもそも「ポケモン」の世界においてポケモンは人間と共存している一種の生き物である。人間にとっても大切なパートナーであるという認識であり、そのポケモンに対してそのような扱い方をすれば顰蹙を買うのは当然といえば当然だろう。
今作ではそういったことも意識してか、パーティから外されたボックスのポケモン達が活躍するポケリゾートが存在する。上記のルザミーネのセリフを鑑みるとそれに対するある種のカウンターや受け皿とも取れ、管理人であるモーンの素性も考察するとさらにその印象が強まる。
余談だが、ルザミーネの「…は好き勝手にパーティから外すでしょう?」は「パーティ」という非公式用語が公式に逆輸入された形となっている。
ウルトラサン・ウルトラムーン
『ポケモンUSUM』ではストーリーの変更に伴い目的が変わっており、「光を奪われたら子供たち(ポケモン)を愛せなくなるから、アローラの光を奪おうとしているネクロズマを自分の手で捕まえる」と本人は語っている。
こちらではウルトラビーストへ傾倒する様子はなく、むしろ夫が実験中にいなくなったことからウルトラホールに憎しみを抱いている。
作中では「世界を守るためならコスモッグが犠牲になっても仕方ない」「子供は大人の言うとおりにしていればよい」と主張し、独善的かつ自分勝手な正義感を貫こうとする姿が目立つ。
当初は協力していたものの彼女に裏切られてしまったウルトラ調査隊の面々からはその姿勢を非難され、特にシオニラからは「エゴイスト」と指摘されている。
エーテルパラダイスでの勝負後、ウルトラメガロポリスへネクロズマを倒しに向かうが、すぐに退けられ元の世界へ戻されてしまう。
その後、主人公が事態を収める間にリーリエと対話をした模様。
ウツロイドと合体し昏睡状態になるという展開ではなくなったため、カントーへは行かずエンディング後も代表を続けている。性格は幾分落ち着き、一連の出来事を経てそれまでの独りよがりな行動を反省し、リーリエ・グラジオとの関係も修復されている。
エンディング後の「エピソードRR」ではレインボーロケット団に屋敷を占領され、エーテル財団の科学力に目をつけたサカキによって囚われの身となってしまう。事件解決後は月初めの1日のみチャンピオン防衛戦に登場する。
相変わらず気に入ったポケモンを氷漬けにしコレクションする常軌を逸した行為をしているが、行き過ぎた母性愛と、愛したものをもう失いたくないという彼女なりの歪な愛し方でもあることが『SM』よりは多少分かりやすく描かれている。
全てのストーリーをクリア後、氷漬けにしたポケモン達を解放し、自身も主人公から「黙って見守る強さ」を教わったとの発言が聞ける。
彼女の父親がポケモンのためにエーテル財団を設立したこともあり、元来より保護欲や庇護欲の強い性格であることが察せられる。
エゴイストと非難されるまでの独善的な行動も、エーテル財団代表としての立場や保護しているポケモン達の母という自負、何より愛する夫を失ったことにより強まったリーリエとグラジオの母としての責任感、それらに加え元来の性格が起因していると考えられる。その為か『SM』で度々見られた犬歯を剥き出しにして激昂する表情をしなくなっている。
また、追加されたサブイベントにてポケリゾートの管理人モーンが行方不明となった夫その人であることが判明。
ポケモンのために活動する者同士会話をするが、モーンはエーテルパラダイスに来るのは初めてだと言い、ルザミーネたち家族についての記憶もないようだった。様子を見ていたグラジオからは「いいのか?」と尋ねられるも、ルザミーネは「あの人の笑顔、とても素敵だったもの」と彼を見送った。
手持ちポケモン
サン・ムーン
回数 | 手持ち |
---|---|
1回目 | ピクシー(Lv.41♀)、ドレディア(Lv.41♀)、ムウマージ(Lv.41♀)、ミロカロス(Lv.41♀)、キテルグマ(Lv.41♀) |
2回目 | ピクシー(Lv.50♀)、ドレディア(Lv.50♀)、ムウマージ(Lv.50♀)、ミロカロス(Lv.50♀)、キテルグマ(Lv.50♀) |
ウルトラサン・ウルトラムーン
ムウマージがミミロップに変更、技構成がサン・ムーンから大幅に変更され、攻撃的になっている。
回数 | 手持ち |
---|---|
1回目 | ピクシー(Lv.47♀)、ドレディア(Lv.47♀)、ミミロップ(Lv.47♀)、ミロカロス(Lv.47♀)、キテルグマ(Lv.47♀) |
チャンピオン防衛戦 | ピクシー(Lv.68♀)、ドレディア(Lv.68♀)、ミミロップ(Lv.68♀)、ミロカロス(Lv.68♀)、キテルグマ(Lv.68♀) |
使用するポケモンのタイプはバラバラで、ファンシー系のポケモンを多く使う。
なお、2回目ではいずれもぬしポケモンと同じオーラを纏い能力が上がっている。
注意点としては積み技や状態異常にしてくる技など搦め手を用いて持久戦に持ち込んでくること。特に2回目は回復系の技を使用してより持久力が上がっているので、こちらの手持ちのバランスが悪いとなかなか倒せず苦戦を強いられる。
一見バラバラに見える手持ちだがよく見ると
・宇宙に関係していると言われているピクシー→異界への憧れと執着。
・デリケートで育てるのが難しいドレディア→過保護な程にポケモンへ慈愛の心を持って接する。
・催眠術を使って精神を操るムウマージ→自らの子どもを着せ替え人形の様に扱う。
・綺麗好きで警戒心の強いミミロップ→ポケモンを守ろうとする庇護欲。
・世界一美しいと称されるミロカロス→年齢を感じさせないほどの美貌。
・見た目に反して怪力を持つキテルグマ→見た目に似合わぬ、恐ろしい本性。
とまさにルザミーネの慈愛と狂気に満ちた性格を体現してるかのような構成となっている。それを裏付けるかのように『USUM』では狂気に満ちた部分がある程度緩和されたのかムウマージがミミロップに変更されている。
アニメのルザミーネ
アニポケ サトシの旅シリーズ
『サン&ムーン』
CV:木下紗華
『サン&ムーン』第8話にて、リーリエが自室に飾っていた写真の中で初登場。傍には幼い頃のリーリエやグラジオ、ドレディアも写っていた。
一時期リーリエと共に、自宅とは別の屋敷にいたことがあり、リーリエを帰した後も自身はそこに留まって仕事をしているとのこと。しかしその屋敷から帰ってきて以降、リーリエはポケモンに全く触れなくなったらしい。
本格的初登場となった第44話では、日輪の祭壇で確認されたウルトラホールの高エネルギー波を調査し、後にメレメレ島にも反応が出たことからククイ博士の研究所へ来訪する。コスモッグをエーテルパラダイスに預からせてほしいとサトシに頼むも、コスモッグを自分で世話したいサトシの強い決意を汲み取りコスモッグを任せた。
性格はかなり明るく、親バカな一面が見られる。リーリエを非常に大事にしており親子関係も良好のように見えるが、リーリエはその溺愛ぶりに少し引き気味であり、「いつでもわたくしの気持ちを考えず、自分の気持ちばっかり押し付ける」と批判もしている。事実、10代になっているリーリエを「赤ちゃん」呼ばわりしたり、リーリエが自分の意思でポケモンスクールに入学したことを「ポケモンスクールに入れてよかった」と表現するなど、ゲーム版よりもマイルドな描写ではあるもののリーリエ自身の意思を尊重していないような言動が顕著にみられる。また、第8話の写真と違い目に影がかかっているため、かなり不気味に見える。
方向性はややずれているものの仕事部屋には幼い頃のリーリエとグラジオの写真を飾るなど我が子を愛していることに変わりはないため、リーリエもルザミーネを本気で嫌っているわけではない。
普段はひっきりなしにかかってくる電話の対応に追われる多忙な毎日を送っている。リーリエとの会話中にも仕事の電話を優先してしまうことがあり、このことも娘から不満を買っている。46話でサトシたちをエーテルパラダイスに招いたのは、ポケモンスクールでのリーリエの様子を聞くためだった。
以前は今ほど多忙ではなく、リーリエやグラジオと海水浴や野菜の栽培などをして過ごしていたようである。
リーリエがポケモンに触れなくなりその記憶も失くしてしまったことには全く関わっておらず、原因がザオボーであることも知らなかった。ただグラジオからは「娘が突然記憶を失くしたことに疑問を感じなかったのか」と責められ、リーリエが無事に記憶を取り戻すと泣きながら謝った。
研究者としてウルトラビーストと会うことを幼い頃から望んでおり、かつてリーリエを襲ったウツロイドと遭遇したときは思わず喜びの表情を浮かべている。この時は母として娘を守ろうとする思いが勝りリーリエを庇ったが、ウツロイドに捕まり、ウルトラスペースに連れ去られてしまった。
その後、サトシたちはルザミーネ救出のためソルガレオの力を借り、ウルトラスペースにたどり着く。しかし、既にルザミーネはウツロイドと融合していた。寄生された影響とウルトラビーストに会えた喜びから精神が幼児退行しており、サトシたちのことは「自分から玩具(ウツロイド)を取り上げようとする嫌な奴ら」と認識していたのである。追跡を逃れるため、自身の手持ちポケモンたちをサトシたちに仕向け、自身はウツロイドの能力で毒の沼を生成するなどして足止めする。
それでもリーリエが投げかけてくる言葉に、ルザミーネの自我が少しずつ戻りかけるが、彼女から離れようとしないウツロイドに再び取り込まれてしまう(「母がウルトラビーストを知ろうとしたように、ウツロイドも人間を知ろうとしたのかもしれない」とグラジオは解釈している)。完全に取り込まれた後は周囲の岩石を操って自身の守りを固め、鋭利な岩石を飛ばしてサトシたちを追い払おうとしたが、サトシとピカチュウが新たに発動したZワザ・「1000まんボルト」が炸裂し、遂に敗北。ウツロイドが分離し、リーリエとグラジオに引っ張り出されて無事に救出された。
その後はすっかり回復し、ククイ博士とバーネット博士の結婚式に出席するような元気な姿を見せ、エーテルパラダイスでこれまで通りの代表として働いている。
リーリエとの関係も改善され、休日は2人でショッピングに出かけるなどしている。以降彼女を過度に幼く扱うことはしていない。
後にウルトラガーディアンズの司令官に相当する役割も担う。
迷子であるウルトラビーストの現地調査と保護・故郷への送り届けを行うウルトラガーディアンズにサトシ達ポケモンスクールの子ども達を任命、バーネットやビッケ達と共にエーテルパラダイスでウルトラビーストを研究、通信映像ごしや現地集合でサトシ達に指示を出してしている。
リーリエ曰く「子供っぽいところがある」ようで、第61話でウルトラガーディアンズを初召集した際には、いつの間にかポケモンスクール内部を秘密基地のように改造させ、サトシたちをウルトラガーディアンズの専用スーツへ自動で着替えさせたり、大掛かりなライドポケモン搭乗・出動ギミックを用意していたりと、特撮・ロボットアニメさながらの設備を多く盛り込んでいた。
応答の「ウルトラジャー!」は彼女の指示(というより願望)で決まったものである。
リーリエ誕生後すぐである約10年前の実験に夫のモーン博士が飲み込まれ、死亡したと扱っていた。
だがカプ・レヒレの能力を体験したグラジオとリーリエから、夫の生存の可能性があると聞き、116話で家族やバーネット達とで捜索活動を開始。リーリエとグラジオに父親の話を語り、2人に彼の部屋を調査対象として与えている。
最終回ではリーリエとグラジオと共に夫の捜索の為にアローラから旅立った。
『新無印』
新無印編第37話では、リーリエの書いた手紙によってモーンを探すためにグラジオ・リーリエと共に手掛かりとなるマギアナの光を追っている様子が描かれた。
そして、第111話ではガラル地方のカンムリ雪原にて記憶喪失状態でモーンと再会、モーンはウツロイドの「リーリエ」と親子として暮らしていた。グラジオとリーリエ(人間)、サトシ達の活躍によりモーンの記憶を呼び戻すのに成功しついに一家団欒の時が訪れた。リーリエ(人間)やモーンの提案に賛成しリーリエ(ウツロイド)を家族に迎え入れる。
アニメの手持ちポケモン
ルザミーネが大事にしていたポケモンたち。ゲーム版同様オーラを纏っており、ルザミーネを追いかけてくるサトシたちを妨害。オーラを纏っている影響なのか、ピクシー以外は倒されても何度も復活して襲い掛かったが、ルザミーネが元に戻ったと同時に残りの手持ちポケモン達もオーラが消えて元に戻った。
特性:マジックガード
リーリエと一番仲良しだったポケモン。元々はリーリエがピッピのまま育てようとしていたが、留守中に進化させてしまったらしい。リーリエはこの事をかなり根に持っているが、それでもピクシーには変わらぬ愛情を注いでいる。
ウルトラスペース到来時はリーリエのシロン、サトシのルガルガンと対決。2体の攻撃を受け付けないタフさを見せたが、リーリエの体を張った説得が届き、オーラが消えて元に戻った。
61話以降はウルトラガーディアンズの補佐役に就き、ポケモンスクール地下の指令室に常駐。有事の際以外でも掃除等をしている。112話で大勢のメルタン達を金属部品のエサで手なづけ、以後エサで誘導しつつ雑務を手伝わせている。
- エンニュート(CV:不明)
技:ヘドロウェーブ?
- アブソル(CV:不明)
技:かまいたちorサイコカッター?、れいとうビーム、くろいまなざし
グラジオのシルヴァディ、ブラッキー、ルガルガンが対決。かつてはグラジオのポケモン勝負での練習相手だった。グラジオのブラッキーとはとても仲が良い。
技:10まんボルト?
- ドレディア(CV:不明)
技:フラフラダンス、あまいかおり、はなふぶきorはなびらのまい?、ソーラービーム
- ミロカロス(CV:不明)
逃走するルザミーネが妨害する為に繰り出した3体。マオとアママイコ、スイレンとアシマリ、マーマネとトゲデマル、モクローとニャビーが対決。
この3体の内、ドレディアはルザミーネ一家の過去の写真にも写っていた。
ポケモンエボリューションズ
CV:園崎未恵
第2話「ジ・エクリプス」に登場。ストーリーは『ウルトラムーン』準拠。
エーテルパラダイスでの場面や、ネクロズマに退けられアローラに戻された直後の場面が描かれた。
他媒体
ポケモンマスターズ
CV:大原さやか
バディはフェローチェ。原作にはないポケマスオリジナルの手持ちとなっている。
グラジオ、リーリエと同時期に追加され、実装時には一家が主体のエピソードイベント「団結!リーリエ一家!」が開催された。
フェローチェがある日突然現れて以来行動を共にしているらしく、フェローチェを「女王様みたい」と感じるなどバディとして大切に思っている様子。
ゲーム上の性能としてはこうげき・とくこう共にLv.135時点では502と、全バディーズの中でもトップクラスの高いステータスを誇るむしタイプの強力な両刀特殊アタッカー。
むしタイプの物理技「とびかかる」と特殊技「むしのさざめき」に加え、こおりタイプの強力な全体特殊技「ふぶき」も備えており、むしとこおりの2タイプの高威力技を相手によって使い分けて戦える技構成となっている。
また、どの技もわざゲージの消費量は3本とやや重いが、パッシブスキル「わざ後わざゲージ↑4」の効果で攻撃後高確率でわざゲージを回復できるためゲージ消費を気にせずガンガン攻めることができる。
加えて相手を倒すとこうげき・とくこうが3段階上がる「とどめ時攻撃特攻↑3」を持つため、相手を2体倒せばこれだけでフルバフが可能。
この通り攻撃面においては優秀だが耐久面に関してはやはりフェローチェというべきか、紙を通り越して豆腐並みでありレベルMAXでもぼうぎょ・とくぼう共に68と☆3バディーズや進化前ポケモンを大きく下回るほどの脆さである。
一応パッシブスキル「無傷時こらえる」で即死級のダメージを受けてもHPを1残して耐えることはできるが、こらえる状態を貫通するバディーズわざや連続技を喰らってしまったら一瞬にしてお陀仏である。
また、自己バフも「とどめ時攻撃特攻↑3」だけでは即効性がないので、普通に使うならバフをかけつつ速攻で決着をつける限定的な使い方となる。
現状では1手でとくこうをフルバフでき、通常技やバディーズわざの火力も高い同タイプの特殊アタッカー・アデク&ウルガモスの存在もあって若干使いづらくなってしまっているが、アデクはゲージ消費が少々重いためゲージ消費の軽いルザミーネを隣に置いておくとタイプスキルの効果で火力を上げつつ二人でガンガン殴れて虫弱点の敵が即溶けする快感が味わえたりもするので同時編成という方向での共存も可能。
そして、2021年11月30日にはネクロズマをバディとしたマジコスバージョンが登場。
こちらは他のバディーズとは一線を画すマスターバディーズの破格待遇である。
マスターパッシプは「アローラの信念」であり、自身含むアローラ地方のバディーズの特殊技の威力と特殊技での被ダメージを大きく下げるものとなっている、アオギリ&カイオーガのアローラ版。
BC加速に加え自身のとくこうを6段階上げる「光あふれる愛を」と、強力なエスパータイプの4ゲージ技「プリズムレーザー」を中心に相手を殲滅するアタッカーのバディーズ。
威力は低いものの「ミラーショット」によるゲージ管理も可能。そしてクリティカット+持ちである為自己完結アタッカーである。
また登場時には次回抜群威力上昇効果やゲージ消費0が付くため開幕から高ダメージが狙える。
…だが、それで終わりではない。
バディーズわざの発動によって何とウルトラネクロズマへと変化し、HP以外の全ステータスが1.2倍される。またパッシブも原作での特性を意識した「抜群時威力上昇2」、ゲージ管理が行いやすくなる「技後技ゲージ増加4」に変化する。
これだけでも相当強いのだが、パッシブの一つである「B技後P技全体化」によりプリズムレーザー、ミラーショットが威力減衰無しに全体化する。
要するにN(21アニバーサリー)&レシラムのようになるため、これにより左右の敵が殆ど気にならなくなる。
そしてプリズムレーザーはエスパー技である為、サイコフィールドの恩恵も受けることも可能。
とくこうも決して低い数値ではない為に、その殲滅力は正に強力無比。
同じくアローラのマスターバディーズであるリーリエ(21アニバーサリー)&ルナアーラと組むことが出来ればより完全なものとなるだろう。
技が必中にならない、バディーズわざ発動が前提となるために構成が縛られる等の若干の欠点こそあれど、極めて強力なバディーズであることには違いないだろう。
余談
キャラクターデザインは戯言シリーズなどで有名な竹が担当した。
また、発表当初フェローチェと似ていることから関連性が疑われていた。結果的には一種のフェイクであったが、リーリエをウツロイド風に着飾っていた話から考えるとウルトラビーストに魅入られたルザミーネ自身も、フェローチェに姿を似せていたのではないかという考察がなされている。
『SM』では昏睡後、リーリエと共に治療の手がかりを求めてカントー地方へ旅立つというのは上述の通りだが、その手掛かりというのがかつてポケモンと合体事故を起こしていながら後遺症なく分離に成功した人である。
そちらは当初はただの出オチギャグであり、本人も「いやーまいったまいった」程度の軽いノリで分離合体マシンから出てくる話だったのだが、ここにきてまさかの伏線扱いをされることとなった。
氷漬けにされているポケモンがピカチュウ、ナマコブシ、ヤドン 、スターミーであるが、その内の3匹がアローラ絵本に登場している。
アニメ版で声を担当した木下紗華は、その後ポケモン初の実写映画『名探偵ピカチュウ』にて山寺宏一と共にミュウツーの声を担当している。
昨今のポケモンシリーズにおける「表向きは悪事とはまったく無縁そうな人物が実は黒幕だった」という流れを決定づけたとも言えるキャラである。
…それ自体は良いのだが、その結果、新作が発売されるたびに、プレイヤーの間では社会的に高い地位に就いている人物が紹介される度に「今作の黒幕はこいつなんじゃないか?」と真っ先に疑われたり、発売後に素性が明らかになった後も、「この人物が黒幕だったらどうなっていたのか?」とネタにする風潮ができてしまっており、そうした扱いや創作を快く思わないファンとの間で衝突が発生する事例も出てきてしまっている(ここ最近ではこの人が特に有名だろう)。
良くも悪くも作品やキャラクターに対するファンの向き合い方においても大きな影響を残してしまったキャラクターと言えるかもしれない。
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